nsrjb プログラムは、Backup サーバーのオートチェンジャを管理する場合に使用します。nsrmm コマンドではなく nsrjb コマンドを使用して、オートチェンジャ内に組み込まれているボリュームに対してラベル付け、ロード、アンロードの操作を行います。一度にオートチェンジャにアクセスできる nsrjb コマンドは 1 つだけです。
nsrjb プログラムは、オプション -j、-f、または volume_name に基づいて、使用するオートチェンジャを判別します。これらの 1 つまたは複数のオプションを使ってもオートチェンジャを一意に識別できないのに、1 つのオートチェンジャを選択しなければならない場合は、nsrjb プログラムは、オートチェンジャを選択するようにユーザーに要求します。別の方法として、環境変数 NSR_JUKEBOX に、nsrjb プログラムのデフォルトとして使用させるオートチェンジャ名を設定することもできます。
nsrjb プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nsrjb [-C] [-j autochanger-name] [-v] [-f media-device] [-S slots] [volume-name] nsrjb -L [-j autochanger-name] [-gnqvM] [-R | -B] [-Y | -N] [-b pool] [-f media device] [-e expire] [-c capacity] [-o mode] [-S slots | -T tags] [volume-name] nsrjb -l [-j autochanger-name] [-nvqrMR] [-f media-device] {-S slots | -T tags | volume-name} nsrjb -u [-j autochanger-name] [-qvM] [-f media-device] [-S slots -T tags] [volume-name] nsrjb -I [-j autochanger-name] [-Ev] [-f media-device] [-S slots | -T tags] nsrjb -p [-j autochanger-name] [-v] [-f media-device] [-S slots -T tags] nsrjb -o mode [-j autochanger-name] [-Y] {-S slots | media device} nsrjb -H [-j autochanger-name] [-E] [-v] nsrjb -h [-j autochanger-name] [-v] nsrjb -U uses [-j] [-S slots | -T tags] nsrjb -V [-j autochanger-name] [-v] nsrjb -d [-j autochanger-name] [-v] [-S slots] [-P port] [volume-name] nsrjb -w [-j autochanger-name] [-v] [-S slots] [-P port] [volume-name] nsrjb -a [-j autochanger-name] [-v] -T tags nsrjb -x [-j autochanger-name] [-v] -T tags nsrjb -F [-j autochanger-name] [-v] -f media-device |
-b オプションを使用すると、ボリュームを割り当てるプールを指定できます。このオプションを省略すると、ボリュームには「Default」プールが割り当てられます。
-B オプションを使用すると、ボリュームに判読可能な Backup ラベルが付けられていないことを確認できます。このオプションが指定されていて、Backup にラベルが付いている場合は、ラベル付け処理はキャンセルされ、エラーメッセージが表示されます。
-c オプションを使用すると、ボリュームのデフォルト機能を無効にできます。
-C オプションを使用すると、オートチェンジャの現在選択されているボリュームと、それに関連付けられているデバイスを表示できます。-C オプションを指定しても、インベントリは作成されません。
-d オプションを使用すると、カートリッジアクセスポートからカートリッジを格納 (ジュークボックスにロード) できます。
-e オプションを使用すると、ボリュームのデフォルトの有効期限を無効にできます。
-E オプションを使用すると、この機能を使用するオートチェンジャの要素状態を初期化できます。このオプションは、-I オプションまたは -H オプションとともに使用できます。
-f オプションを使用すると、ジュークボックスのコントロールポートの代わりにメディアデバイスを指定できます。ジュークボックスリソース内に表示されるメディアデバイスのパス名を使用します。
-h オプションを使用すると、過去に使用された 100 個のオートチェンジャコマンドの動作とその結果を表示できます。
-H オプションを使用すると、オートチェンジャハードウェア (およびオートチェンジャを表わす Backup データベース) を一定の状態にリセットできます。オートチェンジャの転送がクリアされ、ボリュームがマウント解除され、ドライブからスロットにアンロードされます。インベントリは作成されません (-I オプションを参照)。インベントリが古くなると、オートチェンジャからメッセージが出力されます。
-I オプションを使用すると、オートチェンジャの搭載メディアでインベントリが作成されます。指定されたスロット内のボリュームがデバイスにロードされ、そのラベルが読み込まれます。このオプションは、スロット番号とボリューム名が適切に対応しているかを確認する場合にも使用されます。このオプションを実行すると長時間かかることがあります。
要素状態確認機能を備えたジュークボックスでは (たとえば、EXB-120、EXB-60、または HP の光ディスクモデル)、-I オプションと -E オプションを使用して、オートチェンジャのインベントリ状態を初期化し直すことができます。-E オプションを使用すると、ハードウェアは、すべてのスロットとドライブを含む全コンポーネントを検査するため、オートチェンジャのインベントリ作成にかかる時間が長くなります。このオプションを使用するのは、メディアを手動でオートチェンジャ内にスワップインまたはスワップアウトした場合だけです。
クリーニングカートリッジ用に予約されているスロットにあるボリュームは、インベントリ作成時にはロードされません。使用しているオートチェンジャが要素状態確認機能またはバーコードリーダー機能をサポートしていない場合は、-U オプションを使用してクリーニングカートリッジをオートチェンジャのインベントリに入力する必要があります。使用しているオートチェンジャが上記機能のどちらもサポートしていない場合は、クリーニングカートリッジはインベントリ内で「cleaning tape」というボリューム名で表示されます。
-j オプションを使用すると、nsrjb プログラムが使用する特定のオートチェンジャを指定できます。ここで指定する名前は、オートチェンジャに NSR ジュークボックスリソースを作成した時に割り当てた名前です。-j オプションを使用すると、NSR_JUKEBOX 環境変数は無効になります。
-l オプションを使用すると、ボリュームのロードとマウントを実行できます。ここでは、ボリューム名またはスロット番号も同時に指定する必要があります。
-L オプションを使用すると、指定したスロット内のボリュームにラベルを付けることができます。スロットを指定しないと、オートチェンジャ用の「NSR」ジュークボックスリソース内に記載されているスロットの範囲が使用されます。オートチェンジャにバーコードラベルリーダー属性の「bar code reader」と「NSR」ジュークボックスリソース属性の「match bar code labels」が設定されている場合は、ボリュームラベルは、メディア上のバーコードラベルから生成され、メディアのバーコードラベルが Backup メディアデータベース内に格納されます。「NSR」ジュークボックスリソース属性の「match bar code labels」が設定されている場合は、ボリュームラベルはラベルテンプレートから生成されますが、メディアのバーコードラベルは Backup メディアデータベース内に格納されるため、インベントリ処理中でも使用できます。クリーニングカートリッジ用に予約されているスロット内のボリュームには、ラベルを付けることはできません。
-n オプションを -l オプションとともに使用すると、ボリュームをマウントせずに、ロードできます。このオプションを使用すると、nsrjb プログラムは、Backup 以外のボリュームが入っているオートチェンジャを制御できます。
-N オプションを、-LR オプションとともに使用すると、確認プロンプトを表示しないように nsrjb に指示できます。Backup がボリュームを再利用すると、通常は、再利用不可能とみなされたボリュームを上書きしてもよいかどうかを確認するためのプロンプトが表示されます。
-o オプションを使用すると、ボリュームのモードまたはスロットの範囲を設定できます。[not]recyclable、[not]readonly、[not]full、[not]manual のモード値から選択します。[not]manual モードは、-l オプションとともに使用する場合にのみ有効です。-Y オプションを指定しないと、ボリュームごとに処理を確認するためのプロンプトが表示されます。ボリュームごとのフラグの説明は、「nsrim 」を参照してください。
-p オプションを使用すると、ボリュームのラベルを確認し、出力できます。
-P オプションを使用すると、ボリュームをロードまたはアンロードする CAP を指定できます。
-q オプションを使用すると、nsrjb プログラムをクワイエットモードで実行できます。このオプションは、-L、-l、および -u オプションとともに使用します。
-R オプションを使用すると、ボリュームを再利用できます。ボリュームが再利用可能な場合は、再利用処理を確認するプロンプトは表示されません。
-r オプションを使用すると、ボリュームを読み取り専用としてロードできます。このオプションは、-l オプションとともに使用します。
-S オプションを使用すると、操作対象のスロットまたはスロットの範囲を指定できます。-S と -u オプションでは 1 つのスロットしか指定できませんが、これ以外のオプションではスロットの範囲で指定できます。スロットの範囲は、小さい整数から大きな整数の順に指定します。オートチェンジャが指定されているジュークボックスリソースに対してこの範囲で妥当性が検査されます。一度に指定できるスロット範囲は 1 つだけです。
-u オプションを使用すると、デバイスまたはスロットからボリュームをアンロードできます。
uses 引数を指定して -U オプションを使用すると、クリーニングカートリッジを使用できる回数を設定できます。また、-T オプションを同時に使用すると、サイロにクリーニングカートリッジを追加できます。また、このオプションにより、それぞれのクリーニングカートリッジを追加するサイロ内のスロットを予約できます。
-v オプションを使用すると、コマンドの実行に関して冗長モードで情報を表示するように nsrjb に指示できます。
-V オプションを使用すると、ベンダー固有の状態確認情報を表示できます。-V オプションと -v オプションを組み合わせると、オートチェンジャの構成情報も表示されます。
-w オプションを使用すると、カートリッジを CAP から取り外す (ジュークボックスからアンロードする) ことができます。
-Y オプションを使用すると、確認プロンプトを無効にできます。
以下のオプションは、サイロテープライブラリ (Silo Tape Library, STL) に対してのみ有効です。
-a オプションを -T オプションとともに使用すると、Backup サーバーまたはストレージノードが使用する STL 内にボリュームを割り当てることができます。Backup で使用するためのラベルを付ける前に、ボリュームを割り当てる必要があります。サイロの入出力ポートを使ってテープの格納 (取り込みまたは挿入ともいわれる) をサポートするサイロに対しては、-d オプションを付加できます。-d オプションは、コマンド行で -a オプションの後に入力します。この機能は、通常、サイロ管理ソフトウェアが処理しますが、使いやすいように、ここで提供されています。格納オプションは、Backup がサポートするすべてのサイロ上でサポートされているわけではありません。Backup サーバーが使用可能な STL のボリュームリストからボリュームを削除する方法については、-x オプションを参照してください。
-F オプションを使用すると、1 つの STL 内に組み込まれている共有デバイスを解放できます。このオプションは、共用デバイスをサポートするテープライブラリに対してのみ使用できます。
-T オプションを使用すると、STL に組み込まれているボリュームのタグまたはバーコードを指定できます。1 つのボリュームタグ、または、通常の Backup ラベルテンプレートに類似したボリュームタグテンプレートを指定できます。ボリュームタグテンプレートはテンプレートフィールドをスラッシュ (/) で区切って指定するのに対し、Backup ラベルテンプレートは英数字、アルファベット、または数字で指定します。
-x オプションを -T オプションとともに使用すると、Backup サーバーまたはストレージノードが使用可能な STL のボリュームリストからボリュームを削除できます。サイロの入出力ポートを使ってテープの取り外しまたは取り出し機能をサポートするサイロに対しては -w オプションを追加することも可能です。-w オプションは、コマンド行で -x オプションの後に入力します。この機能は、通常、サイロ管理ソフトウェアが処理しますが、使いやすいように、ここで提供されています。取り出しオプションは、Backup がサポートするすべてのサイロでサポートされているわけではありません。Backup サーバーが使用可能な STL のボリュームリストにボリュームを割り当てる方法については、-a オプションを参照してください。