「NSR client」リソースには、保存すべきファイル、バックアップスケジュール、ファイルを保存の対象から除外するための指示、ファイルのインデックスエントリをオンラインファイルインデックスとメディアインデックスに保持する期間、および、クライアントのファイルに対してバックアップ、ブラウズ、復旧の権限が与えられるユーザーが記述されます。Backup サーバーの「NSR client」リソースの編集には、「nsradmin 」または 「nwadmin」を使用します。
「NSR client」リソースには以下の属性があります。
「name」属性 - Backup クライアントのホスト名を指定します。
「server」属性 - クライアントの Backup サーバーのホスト名を指定します。
「archive services」属性 - システムがアーカイブサービスを使用できるかどうかを指定します。この属性を使用するためには、サーバー上でアーカイブサポートが有効になっている必要があります。
「schedule」属性 - 「save set」属性に指定されているセーブセットのバックアップレベルを制御するスケジュールの名前を指定します。
「browse policy」属性 - エントリがクライアントのオンラインファイルインデックスに保持される期間を制御するポリシーの名前を指定します。
「retention policy」属性 - メディアインデックス内のエントリが再利用可能としてマークされるまでの期間を制御するポリシーの名前を指定します。
「directive」属性 - クライアントのバックアップに使用する指示を指定します。
「group」属性 - クライアントが属しているグループを指定します。このグループによって、クライアント上でいつスケジュールされたバックアップを行うかを制御します。
「save set」属性 - クライアントについて保存するパス名を指定します。クライアントが異なるスケジュールで複数のファイルシステムを保存しなければならない場合には、個々のファイルシステムとスケジュールごとにクライアントリソースが必要となります。
「priority」属性 - クライアントに与えられるバックアップの優先順位を指定します。1 が最も高く、1000 が最も低い優先順位です。自動化されたセーブグループでは、高い優先順位のクライアントから先にバックアップしようと試みます。
「remote access」属性 - クライアントのファイルのバックアップ、ブラウズ、および復旧を行う権限を持つユーザーを指定します。この属性に名前を追加することで、新たにユーザー、ホスト、およびネットグループにクライアントのファイルへのアクセス権を与えることができます。ネットグループ名はアンパサンド (&) で始めます。user@host または host/user の形式で入力すると、指定されたユーザーに対してクライアントのファイルへのアクセス権が許可されます。
「remote user」属性 :
Backup サーバーがクライアントに対して自分自身を認証させるために使用するユーザーログイン名を指定します。このクライアントは、rsh または nsrexecd を使ってネットワークにアクセスできます。
Backup サーバーが、保存するファイルを判断するために使用します (savegrp -p コマンドで実行された場合)。
一部のクライアント (NetWare ファイルサーバーなど) が、バックアップされるファイルにアクセスできるようにします。この手順は、「remote user」属性と「password」属性を組み合わせて使用した場合にのみ有効です。
「password」属性 - savegrp プログラムが、クライアントマシン上で savefs コマンドおよび save コマンドを開始するために使用します。savefs コマンドおよび save コマンドは、このパスワードを使って、バックアップされるファイルへのアクセス権を取得します。パスワードを指定した場合には、クライアントリソースの「remote user」属性も定義する必要があります。
「backup command」属性 - クライアントのデータとセーブセットのリモートバックアップを実行します。このコマンドは、バックアップの前処理と後処理も実行できます。指定する値は「nsr」または「save」で始めます。
「executable path」属性 - Backup サーバーがクライアント上でコマンドを実行するために使用するパスを指定します。
「server network interface」属性 - サーバーが保存と復旧に使用するネットワークインタフェースを指定します。
「aliases」属性 - 照合が一致しうるクライアントマシンの別名を指定します。
「owner notification」属性 - システムの所有者/主ユーザーに、ステータスメッセージの内容を送信します。
「statistics」属性 - クライアントのオンラインファイルインデックスのサイズ、使用されている K バイト数、およびインデックス内のエントリ数から構成されます。
「index save set」属性 - インデックス操作が最も古いサイクルをパージするように設定されている場合に、クライアントファイルインデックスにあるパージ対象のセーブセットを指定します。
「index message」属性 - 前回のインデックス操作の結果として発生したステータスメッセージです。
「index operation start」属性 - 現在選択されているインデックス操作の開始時刻を指定します。この属性は、操作が「Idle」の場合にはヌル文字列 ("") です。
「index progress」属性 - インデックス操作で現在実行されているタスクがどの程度終了したかを示します。この属性は、操作が「Idle」の場合には空白で、パーセンテージで表現されます。
「index operation」属性 - 現在選択されているインデックス操作を指定します。
「parallelism」属性 - 1 台のクライアント上で同時に実行される保存操作の最大数を示します。
「archive users」属性 - クライアント上でアーカイブサービスへのアクセス権が与えられるユーザーを指定します。この属性は、サーバ−上でアーカイブサポートが有効になっている場合にのみ設定できます。
「application information」属性 - クライアントのアプリケーション情報を指定します。
「storage nodes」属性 - クライアントがデータの保存に使用できるストレージノードを指定します。クライアントの保存データは、使用可能なデバイスに接続されていて、メディアサービスが機能している最初のストレージノードに送られます。
「clone storage nodes」属性 - ストレージノードがデータのクローンの宛先として使用できるストレージノードを指定します。ストレージノードのクローンデータは、使用可能なデバイスに接続されていて、メディアサービスが機能している最初のストレージノードに送られます。
次の例は、saturn という名前のクライアントを定義するための「NSR client」リソースです。このクライアントは、すべてのファイルを Backup サーバー mars にバックアップします。
type: NSR client; name: saturn; server: mars; archive services: Disabled; schedule: Default; browse policy: Month; retention policy: Quarter; directive: ; group: engineering; save set: h:¥, c: ¥usr, c:¥usrsrc; remote access: venus, sam@*, jupiter/john; remote user: operator; password: ; backup command: ; aliases: saturn.sun.com; archive users: ; storage nodes: nsrserverhost; clone storage nodes: ; |