「NSR device」リソースには、Backup サーバーが使用する各ストレージデバイスが記述されます。Backup サーバーの「NSR device」リソースの編集には、「nsradmin 」または 「nwadmin」を使用します。
「NSR device」リソースには以下の属性があります。
「name」属性 - デバイスのパス名を指定します。オプションとしてクローズ時に「Berkeley スタイル」のテープ配置機能をサポートしているシステムでは、BSD スタイルのテープデバイス名を使用します。光ディスクの場合には、パス名は一般に「c」パーティションになります。
外部のメディア管理サービスとの通信を容易にするために、論理デバイスタイプが定義されています。この種のサービスと通信する場合には、ボリュームのロード先のデバイスがメディア管理サービスによって決まることがあります。論理デバイスは Backup デバイスリソースの定義に使用されます。
定義の時点では、デバイス名は特定のデバイスには関連付けられていません。メディアのタイプとファミリは、どちらもデフォルト値は「logical」に設定されています。Backup からの要求への応答としてメディア管理サービスがボリュームをデバイスにロードするまでは、名前、タイプ、およびファミリは決まっていません。その後、実際のデバイスの名前、タイプ、およびファミリが、それぞれ「logical name」、「logical type」、および「logical family」の各属性に格納されます。論理デバイスと実際のデバイスとの間の関連付けは、ボリュームがデバイスにロードされていて、Backup による使用のために割り当てられている間のみ有効です。
「media type」属性 - デバイスが使用するメディアタイプを指定します。この属性に使用できる値の例を以下に示します。
「4mm」 - 4mm デジタルオーディオテープ (1G バイト)
「8mm」 - 8mm ビデオテープ (2G バイト)
「dlt」 - デジタルリニアテープカートリッジ (10G バイト)
「vhs」 - VHSデータグレードビデオテープ (14G バイト)
「3480」 - 高速カートリッジテープ (200M バイト)
「logical」 - 外部のメディア管理サービスとの通信に使用
「enabled」属性 - デバイスが使用可能かどうかを示します。
「read only」属性 - デバイスが復旧や取り出しなどの読み取り操作専用かどうかを示します。
「target sessions」属性 - 1 つのデバイスに対して行われる保存操作のターゲット数を指定します。この属性は、負荷の調整のために使用されます。すべてのデバイスがそれぞれのターゲット数に達すると、それ以降のセッションはすべてのデバイスに均等に割り当てられます。
「media family」属性 - メディアタイプによって決定される、ストレージメディアのクラスを指定します。
「tape」 - テープストレージデバイス
「disk」 - ディスクストレージデバイス
「logical」 - 外部メディアデバイス
「message」属性 - 操作の進行状況や速度など、デバイスに関連する Backup サーバーからの最後のメッセージを指定します。
「volume name」属性 - デバイスのボリュームのマウントとマウント解除を監視します。
「write enabled」属性 - 現在選択されているボリュームへの書き込みが可能かどうかを示します。
「volume operation」属性 - 現在デバイスに入っているメディアボリュームを、いくつかの方法で操作します。
「Unmount」操作で、デバイスを解放します。
「Mount」操作で、ロードされているボリュームをデバイスにマウントします。
「Verify label」操作で、ボリュームのラベルとボリュームの属性を読み取り、ボリュームの有効期限を設定します。
「Verify write time」操作で、「volume write time」属性を設定します。
「Label」操作または「Label without mount」操作で、ボリュームのための新しいラベルを作成します。
「Eject」操作で、ボリュームをデバイスから排出します。
「Monitor device」操作で、デバイスを定期的にチェックして、ボリュームがデバイスにロードされているかどうかを確認します。読み取り可能な Backup ラベルが付いているボリュームがロードされると、そのボリュームは Backup サーバーのメディアデータベースに追加されます。ボリュームが書き込み可能であれば、そのボリュームは書き込みアクセス権があるものとしてマウントされます。そうでなければ、ボリュームは読み取り専用としてマウントされます。
「volume label」属性 - 「Verify label」操作によって設定されます。「Label」操作への入力として使用できます。
「volume default capacity」属性 - 「volume current capacity」属性が空白である場合に、「Label」操作によって使用されます。この属性により、デフォルトとは異なる容量を持つデバイス (またはテープ、あるいはその両方) を使用するときに、デフォルトのサイズを変更できます。
「volume current capacity」属性 - 「Label」操作の際のボリュームの容量を決定します。
「volume expiration」属性 - 「Verify label」操作によって設定される、ボリュームの有効期限を指定します。
「volume pool」属性 - ボリュームが属している、または割り当てられているプールを指定します。
「NSR operation」属性 - デバイスによって現在実行されている操作を指定します。
「minor mode」属性 - デバイスの現在のステータスを報告します。
「statistics」属性 - デバイスの操作に関する統計情報を報告します。統計情報には以下のものがあります。
「elapsed」 - 操作の所要時間
「error」 - エラーの数
「last rate」 - 最後の書き込み速度
「max clients」 - 同時に使用できるクライアントの最大数
「file marks」 - 書き込まれたファイルマークの数
「rewinds」 - 巻き戻しの回数
「files skipped」 - スキップされたファイルの数
「records skipped」 - スキップされたレコードの数
「current file」 - 現在使用しているファイルの番号
「current record」 - 現在使用しているレコードの番号
「seek files」 - 間に存在するファイルに対する相対番号
「seek records」 - 間に存在するレコードに対する相対番号
「estimated kb」 - ボリュームに対して行われた読み書きの量の推定値
「amount kb」 - ボリュームに対して読み書きを行なった k バイト数
「file amount kb」 - このファイルに対して読み書きを行なった k バイト数
「sessions」 - このデバイスに割り当てられている現時点でのセッション数
「cleaning required」属性 - デバイスのクリーニングが必要かどうかを示します。この属性の値を「yes」から「no」に変更した場合、「date last cleaned」属性の値を更新しなければ、「date last cleaned」属性は現在の時刻に設定されます。デバイスのクリーニングがスケジュールされている場合には、この属性は「yes」に設定されます。その後、デバイスのクリーニングが必要であることを示す「device cleaning required」通知が送信されます。
「cleaning interval」属性 - 「date last cleaned」属性の値から、そのデバイスの次のスケジュールされたクリーニングまでの期間を指定します。
「date last cleaned」属性 - デバイスが最後にクリーニングされた時刻と日付を記録します。
「volume block size」属性 - 現在マウントされているボリュームのブロックサイズを指定します。
「volumeid」属性 - 現在マウントされているボリュームのボリューム ID を指定します。
「access count」属性 - Backup デバイスとして構成されてから、このデバイスに対して操作が行われた回数を示します。
「access weight」属性 - デバイスに対して行われる 1 回の操作の重みを示します。デバイスの重みは、そのデバイスが使用されるたびに増えていき、新規の操作の対象として選択される頻度が低くなります。
「consecutive errors」属性 - デバイスで検出された、連続したエラーの現時点での数を指定します。
「max consecutive errors」属性 - 連続エラー数の上限を示します。この数に達すると、デバイスは使用不可能になります。
「operation arg」属性 - デバイス操作に関する追加のパラメータを指定します。パラメータは文字列にパックされ、解析されます。
「volume message」属性 - ボリュームの最後の操作の結果を示します。
「volume write time」属性 - セーブセットがこのボリュームに初めて書き込まれた時刻を示します。
「volume flags」属性 - 「Label」操作または「Label without mount」操作の対象となったボリュームの新しいフラグを示します。
「jukebox device」属性 - メディアデバイスがジュークボックス内にあるかどうかを示します。
「unlabeled volume loaded」属性 - デバイスにロードされているボリュームに、読み取り可能な Backup ボリュームラベルがあるかどうかを示します。
「auto media management」属性 - デバイスの自動メディア管理機能が有効になっているかどうかを示します。この値が「yes」に設定されていると、デバイスにロードされている再利用可能なボリュームは、再利用のために Backup によって自動的にラベルが付け直されることがあります。また、デバイスにロードされているラベルなしのボリュームは、自動的にラベルが付けられることがあります。このデバイスで読み取り可能なラベルが付いていないボリュームは、ラベルを持たないと見なされます。以下の場合にも、ボリュームにはラベルが付いていないと見なされます。
ボリュームに、このデバイスでは読み取り不可能な密度で書き込まれたラベルが付いている場合
ボリュームに、Backup 以外のアプリケーションによって書き込まれたデータが格納されていて、Backup が認識可能なラベルが付いていない場合
「logical name」属性 - 論理デバイスの名前を指定します。
「logical type」属性 - 論理デバイスのタイプを指定します。
「logical family」属性 - 論理デバイスに関連付けられているファミリを指定します。
「connection process id」属性 - 外部のメディア管理サービスとマウントされているボリュームとの間の接続を保持しているプロセス識別子を指定します。
「connection message」属性 - 外部のメディア管理サービスに接続されているプロセスが報告するエラーメッセージを指定します。
「connection status」属性 - 外部のメディア管理サービスに接続されているプロセスが報告する終了ステータスを指定します。
「save mount timeout」属性 - デバイスが置かれているストレージノードに対する最初の保存マウント要求のタイムアウト値を示します。要求が満たされなければ、ストレージノードは「save lockout」属性に指定されている時間 (分単位) だけ、保存の割り当ての対象から除外されます。
「save lockout」属性 - ストレージノードが保存の割り当ての対象から除外される時間を示します。
次に「NSR device」リソースの例を示します。
type: NSR device; name: /dev/nrst8; message: writing, done volume name: mars.017; media family: tape; media type: 8mm 5GB; enabled: Yes; write enabled: Yes; read only: No; target sessions: 4; volume label: mars.017; volume default capacity: ; volume current capacity: 5000 MB; volume expiration: "Thu Sep 21 17:23:37 1996"; volume pool: Default; volume flags: ; volume operation: ; volume write time: ; volume block size: 32 KB; volume id: 32449; accesses: 199; access weight: 1; consecutive errors: 0; max consecutive errors: 20; operation arg: ; volume message: ; NSR operation: ; minor mode: idle; jukebox device: Yes; statistics: elapsed = 257572, errors = 0, last rate = 397, max clients = 3, file marks = 22, rewinds = 4, files skipped = 1976, records skipped = 0, current file = 2389, current record = 162, seek files = 0, seek records = 0, estimated kb = 0, amount kb = 6273, file amount kb = 6273, sessions = 1; cleaning required: No; cleaning interval: 2 weeks; date last cleaned: "Tue Apr 11 15:10:32 1995"; auto media management: No; unlabeled volume loaded: No; logical name: ; logical type: ; logical family: ; connection process id: ; connection message: ; connection status: ; save mount timeout: 30; save lockout: 0; |