Backup は、クライアントのバックアップスケジュールを使用して、指定されたセーブセットに対して、特定の日に、どのレベルのバックアップ操作を行うべきかを決定します。バックアップ操作が開始される日付は、そのクライアントセーブセットが関連付けられている「Group」リソースに割り当てられている「Start Time」属性によって決まります。
Backup は 4 つのタイプのバックアップレベルをサポートしています。
Full (フル) - 最後のバックアップ操作以降に変更があるかどうかにかかわらず、すべてのファイルをバックアップする
Level (レベル) 1-9 - それよりも小さい番号の最後のバックアップレベル以降に変更があったファイルだけをバックアップする
Incremental (差分) - レベルとは無関係に、最後のバックアップ以降に変更があったファイルだけをバックアップする
Skip (スキップ) - スケジュールされたバックアップをスキップする
(バックアップレベルの詳細は、「バックアップレベル」を参照してください)。
「Schedules」リソースを使うと、必要に応じてバックアップスケジュールをカスタマイズできます。たとえば、一部のクライアントに対しては、3 日おきに「フル」のレベルでバックアップを行い、それ以外の日は差分バックアップを行います。その他の、重要性が低いデータを含んでいるクライアントに対しては、1 か月に 1 回だけフルバックアップを行い、それ以外の日には差分バックアップか、レベル 1〜9 のバックアップを行います。
フルバックアップから次のフルバックアップまでの期間は「バックアップサイクル」と呼ばれます。図 3-2 は、1 週間のバックアップサイクルを示しています。この例では、毎日曜日にクライアントのフルバックアップを行い、その他の曜日には差分バックアップを行なっています。
バックアップスケジュールを使って、Backup サーバーの負荷を調整し、分散させることができます。ネットワークの大きさによっては、すべてのクライアントに同じスケジュールを適用できます。たとえば、すべての社員が休んでいる休日にフルバックアップを行う場合は、すべてのクライアントにデフォルトのスケジュールを適用できます。デフォルトのスケジュールでは、日曜日にフルバックアップを行い、それ以外の曜日には差分バックアップを行います。図 3-3 は、クライアント A、クライアント B、およびクライアント C の 3 つのクライアントでの、デフォルトのスケジュールの例を示しています。
フルバックアップに長時間かかる場合には、バックアップを分散させることができます。たとえば、クライアント A のフルバックアップを日曜日に行うスケジュール、クライアント B のフルバックアップを火曜日に行うスケジュール、そしてクライアント C のフルバックアップを木曜日に行うスケジュールを設定します。図 3-4は、複数のクライアントでバックアップスケジュールを分散させる方法を示しています。
Backup サーバーの負荷を調整し、分散させると、サーバーの効率が向上します。また、クライアントのグループごとに異なる開始時刻を指定することも、サーバーの効率向上に役立ちます。