クライアントセーブセットに関連付けられるブラウズポリシーと保持ポリシーによって、クライアントファイルインデックスとメディアデータベースのサイズの拡大と、データが復旧可能な状態にある期間の両方を制御します。図 5-4 は、クライアントファイルインデックスとメディアデータベースでのデータのライフサイクルを示しています。この例では、9 月 1 日から 9 月 7 日までのバックアップサイクルのエントリは、ブラウズポリシー (1 か月) にフルバックアップのサイクル (1 週間) を加えた期間だけクライアントファイルインデックスに残っています。このため、このエントリに依存するすべてのエントリのブラウズポリシーの期限後も復旧可能な状態が保たれます。この例では、9 月 1 日から 9 月 7 日までのバックアップサイクルのファイルインデックスエントリは 10 月 13 日に削除されます。エントリがクライアントファイルインデックスに残っているので、recover プログラムの GUI (nwrecover) を使ってデータをブラウズし、復旧することができます。セーブセットのファイルエントリがクライアントファイルインデックスに残っている間は、ソースセーブセットの状態はブラウズ可能になっています。セーブセットの状態がブラウズ可能から復旧可能になったら、直接ファイルを復旧することはできません。
9 月 1 日から 9 月 7 日までのバックアップサイクルの間にバックアップされた個々のセーブセットの状態は、その保持ポリシーの期限が切れて、さらに、それに依存するすべてのセーブセットの保持ポリシーの期限が切れるまでは、復旧可能になっています。この例では、9 月 1 日から 9 月 7 日までのバックアップサイクルのエントリは、12 月 8 日に復旧可能から再利用可能に変わります。ボリューム上のすべてのセーブセットエントリの状態が再利用可能に変わると、ボリュームそのもののモードがフルまたは追加可能から再利用可能に変わります。
セーブセットの状態が復旧可能または再利用可能になっている間は、セーブセット復旧機能か scanner プログラムを使って、任意のセーブセットをストレージボリュームから復旧できます。また、scanner プログラムを使ってクライアントファイルインデックスの中にセーブセットのエントリを再作成し、GUI から直接にファイルを復旧することもできます。セーブセット復旧機能と scanner プログラムの詳細は、「セーブセットの復旧と読み取り」を参照してください。
10 月 13 日には、9 月 1 日から 9 月 7 日までのすべてのデータエントリがクライアントファイルインデックスから削除されます。12 月 8 日には、メディアデータベースの中の 9 月 1 日から 9 月 7 日までのセーブセットエントリが復旧可能から再利用可能の状態に変わります。ボリューム上のすべてのセーブセットの状態が復旧可能から再利用可能に変わると、ボリュームモードが再利用可能に変わります。自動メディア管理機能が有効になっている場合には、ボリュームに自動的にラベルが付けられ、このボリュームがマウントされます。ボリュームのラベルが付け直されると、そのボリューム上のすべての既存のデータは復旧不可能になります。
同じプールの中でボリュームが再使用できるようにラベルが付け直されても、ボリューム識別名 (ボリュームラベルとして指定されたボリューム名) は変わりません。ただし、ラベルが付け直されると、Backup がボリューム上の既存の全データを見つけ出してアクセスするために必要なデータは破壊されるので、セーブセット復旧機能も scanner プログラムも使用できません。この時点で、ボリュームは新しいデータを受け入れる準備ができています。既存のデータはすべてアクセス不可能になり、上書きされます。