クライアントファイルインデックスにエントリがあるファイルは、Backup の復旧プログラムを使って復旧できます。このプログラムでは、ファイルのブラウズとマーク付けを行なったり、データの復旧を開始したりできます。クライアントファイルインデックスのエントリは、必ずしも、ブラウズポリシーの期限が切れた時点ですぐに削除されるわけではありません。Backup は、ファイルに依存しているすべてのセーブセットのブラウズポリシーの期限が切れるまで、そのファイルのエントリを削除しません。また、一般に、ブラウズポリシーよりも古くなったフルバックアップのエントリは、さらにバックアップサイクル 1 回分の期間が経過するまでは削除されません。この猶予期間により、ブラウズポリシーの期間中の任意の時点の状態にファイルを再構築できます。
次に示す図は、ブラウズポリシーがクライアントファイルインデックス内のデータの使用にどのように影響を与えるかを示しています。スケジュールの詳細は 「スケジュールの構成」を、バックアップレベルの詳細は 「バックアップレベル」を参照してください。
図 5-1 では、バックアップサイクルとブラウズポリシーの両方が 1 週間に設定されています。バックアップサイクルはフルバックアップが実行される間隔です。10 月 2 日の最初のフルバックアップのエントリは、そのフルバックアップに依存するすべての差分バックアップとレベル 5 バックアップの 1 週間のブラウズポリシーの期限が切れるまでは、クライアントファイルインデックスに残っています。10 月 2 日のフルバックアップは、このフルバックアップに依存する差分バックアップとレベル 5 バックアップの期限が切れる 10 月 15 日までは削除されません。
ブラウズポリシーがこのように機能する理由を理解するための例として、10 月 12 日に、10 月 6 日にバックアップした情報を復旧する場合を考えます。6 日に行われたバックアップは、10 月 5 日のレベル 5 バックアップに依存する差分バックアップです。一方、10 月 5 日のレベル 5 バックアップは、10 月 2 日に行われたフルバックアップに依存しています。10 月 2 日に行われたフルバックアップのエントリは、ブラウズポリシーの期間 (1 週間) にバックアップサイクル 1 回分 (1 週間) を加えた期間、つまり、10 月 5 日のレベル 5 バックアップと、フルバックアップに依存するすべての差分バックアップのブラウズポリシーの期限が切れるまでは、クライアントファイルインデックスに残っている必要があります。図 5-1 に示した例では、1 週目のバックアップサイクルのエントリは、10 月 15 日にクライアントファイルインデックスから削除されます。
図 5-2 では、ブラウズポリシーは 2 週間で、バックアップサイクル (1 週間) の 2 倍です。この例では、10 月 19 日に、ユーザーはクライアントファイルインデックスで 10 月 5 日に作成されたバックアップのエントリをブラウズできます。10 月 6 日に行われたバックアップは、10 月 5 日に行われたレベル 5 バックアップに依存する差分バックアップです。一方、10 月 5 日のレベル 5 バックアップは、10 月 2 日に行われたフルバックアップに依存しています。10 月 2 日に行われたフルバックアップと、それに依存する差分バックアップとレベルバックアップは、ブラウズポリシーの期間 (2 週間) にバックアップサイクル 1 回分 (1 週間) を加えた期間だけ、クライアントファイルインデックスに残っている必要があります。この例では、1 週目のバックアップサイクルのエントリは、10 月 23 日まではクライアントファイルインデックスからは削除されません。