Solstice Backup 5.1 管理者ガイド

HSM でのバックアップと復旧の注意事項

ファイルのマイグレートが行われたあと、Backup でクライアントファイルシステムのバックアップを行うと、クライアントマシン上に残っているスタブファイルだけがバックアップされます。スタブファイルがバックアップされても、マイグレートファイルは呼び戻されません。マイグレートデータのスタブファイルを含んでいるファイルシステムを復旧すると、スタブファイルだけがローカルディスクに復旧され、マイグレートデータは呼び戻されません。

ファイルをクライアントのローカルディスクに呼び戻すには、クライアントマシン上でそのファイルを開きます。Backup によってファイルがマイグレート記憶領域から自動的に呼び戻されます。マイグレートファイルが入っているメディアが現在マウントされていなければ、Backup から管理者に通知されます。

誤って削除されたスタブの復旧

マイグレートクライアント上でスタブファイルを誤って削除した場合は、削除してから 60 日以内であれば、バックアップメディアからスタブファイルを復旧できます。スタブファイルを復旧しても、呼び戻しは行われません。スタブファイルが 60 日を超えても復旧されなければ、Backup によってマイグレートファイルのエントリがクライアントインデックスから削除され、データはこれ以上追跡できません。

マイグレートメディアのクローン作成

すべてのデータを確実に復旧できるようにするためには、定期的にマイグレートメディアのクローンを作成します。Backup ではクライアントコンピュータ上のスタブファイルだけをバックアップし、マイグレートデータそのものはバックアップしないため、クローンファイルだけが、そのファイルの唯一のコピーとなることがあります。マイグレートプロセスの完了後に自動的にクローンを作成するためには、マイグレートクライアントのために作成したグループリソースで「Migration Clone」プールを選択します。マイグレートデータのクローンは、「Migration Clone」タイプのプールのボリュームに書き込まれなくてはなりません。詳細は、「「Migration」プールと「Migration Clone」プールの使用」を参照してください。

スーパーフルバックアップの実行

マイグレートファイルに対してバックアップによる保護をさらに強化するには、マイグレートクライアントに対してスーパーフルバックアップを定期的に実行します。スーパーフルバックアップでは、セーブセットの最新のフルバックアップのクローンと、すべてのマイグレートセーブセットのクローンが作成されるので、クライアント上にはスタブファイルが、マイグレート記憶領域にはデータファイルが保存されることになります。スーパーフルバックアップを実行するには、Backup サーバーでスーパーユーザーになり、シェルプロンプトで次のコマンドを入力します。


# nsrclone -c client-name -N save-set-name