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Sun ONE Calendar Server 6.0 インストールガイド (Solaris 版)

第 1 章
インストールと設定の計画

Solaris システムでの Sun ONE Calendar Server 6.0 のインストールと設定については、Calender Server のこれまでのリリースと異なる、重要な変更が加えられています。Solaris システムへの Calendar Server 6.0 のインストールには、Sun Java Enterprise System インストーラを使用します。このインストーラは、他の Sun ONE サーバー製品のインストールでも、共通的に使用されます。

Sun ONE Calendar Server 6.0 をインストールして設定するには、次の手順に従います。

Calendar Server 6.0 の最新情報については、次のサイトにあります。

http://docs.sun.com/coll/S1_CalendarServer_60


SunTM ONE または iPlanetTM Calendar Server 5.x をサイトにインストールしてある場合、6.0 リリースへのアップグレードについては、付録 C 「Calendar Server 5.x から 6.0 へのアップグレード / 移行プロセス」を参照してください。


 

Calendar Server 6.0 をアンインストールする必要がある場合は、「Calendar Server 6.0 のアンインストール」を参照してください。


Directory Server の設定情報の収集

Directory Server 設定 Perl スクリプト (comm_dssetup.pl) を使用すると、Sun ONE Directory Server 5.x を、Calendar Server 6.0 および Messaging Server 6.0 と連動するよう設定できます。comm_dssetup.plを実行するときは、次の情報を指定する必要があります。指定する情報を整理するときは、「Directory Server 設定スクリプトのワークシート」を使用してください。

使用するスキーマの決定

Calendar Server 6.0 では、Sun ONE LDAP Schema バージョン 1 および Sun ONE LDAP Schema バージョン 2 ネイティブモードをサポートしています。

インストールに使用するスキーマを選択するには、次のガイドラインを参考にしてください。

表 1-1 使用するスキーマの決定 

状況

使用するスキーマ

Calendar Server 6.0 を初めてインストールしている

Sun ONE LDAP Schema バージョン 2 ネイティブモード

Calendar Server 6.0 と、Sun ONE Portal Server などのその他の Java Enterprise System 製品を統合する

Sun ONE LDAP Schema バージョン 2 ネイティブモード

次の Sun ONE Identity Server 6.1 機能のどれかを使用する

  • ドメインやユーザーのプロビジョニング用 CLI ユーティリティ
  • シングルサインオン (SSO)

Sun ONE LDAP Schema バージョン 2 ネイティブモードまたは互換モード

Calendar Server を 5.x から 6.0 にアップグレードしている

Sun ONE LDAP Schema バージョン 2 ネイティブモード

または

Sun ONE LDAP Schema バージョン 2 互換モード。Identity Server 6.1 の機能を使用する場合、あるいは Calendar Server とその他の Java Enterprise System 製品を統合する場合

または

Sun ONE LDAP Schema バージョン 1。Identity Server 6.1 の機能を使用しない場合、あるいは Calendar Server とその他の Java Enterprise System 製品を統合しない場合

Calendar Server 6.0 の csdomain ユーティリティを使用してドメインをプロビジョニングする

Sun ONE LDAP Schema バージョン 2 ネイティブモードまたは互換モード

または

Sun ONE LDAP Schema バージョン 1。Identity Server 6.1 の機能を使用しない場合、あるいは Calendar Server とその他の Java Enterprise System 製品を統合しない場合

使用したい別のツールがあるため、Identity Server 6.1 もプロビジョニング用の Calendar Server 6.0 CLI ユーティリティも使用しない

Calendar Server 6.0 インストールには Sun ONE LDAP Schema バージョン 2

または

既存の Calendar Server には Sun ONE LDAP Schema バージョン 1 またはバージョン 2 互換モード


Calendar Server 6.0 の設定情報の収集

Calendar Server 6.0 の使用法を設定する前に、次の設定情報を収集しておくことが必要です。

Calendar Server の設定プログラムを実行するときは、以上の情報が必要になります。詳細については、第 2 章「Calendar Server 6.0 の設定」で説明します。いずれにしても、これらの情報は、他のコンポーネント製品との競合 (ポート番号など) を避けるために、Java Enterprise System インストーラの実行前に決定しなければなりません。

設定情報の収集と整理には、付録 A 「設定ワークシート」をお役立てください。

 

管理、ユーザー基本設定、および認証のオプション

ユーザー基本設定ディレクトリ

Sun ONE Calendar Server では、ユーザーの認証やユーザー設定の格納および検索を行うためにディレクトリサーバーが必要です。

表 1-2 ユーザー基本設定ディレクトリのオプション

オプション

説明

LDAP Server Host Name

ユーザー認証およびユーザー基本設定に使用している LDAP ディレクトリサーバーのホスト名。デフォルトは現在のホスト

LDAP サーバーのポート

LDAP ディレクトリサーバーが使用するポート番号。デフォルトは 389

ベース DN

検索の開始点として使用する LDAP ディレクトリのエントリ。デフォルトは、o=host.com

ディレクトリ管理者の DN

ディレクトリサーバーのスキーマで変更を加えられるユーザーの名前。デフォルトは cn=Directory Manager

ディレクトリ管理者のパスワード

ディレクトリ管理者の DN に対するパスワード。デフォルトはない

Calendar Server 管理者

Calendar Server 管理者とは、Calendar Server の管理を実行できるユーザーアカウントのことです。たとえば、このアカウントでは、Calendar Server の起動と停止、カレンダデータベースのバックアップ、ユーザーの有効化と無効化など、Calendar Server の管理ユーティリティの各種の機能を実行できます。Calendar Server 管理者のユーザーアカウントは、ユーザー認証用の Directory Server に登録されていることが必要です。

表 1-3 Calendar Server 管理者のオプション

オプション

説明

管理者ユーザー ID

Calendar Server 管理者のユーザー ID。LDAP ディレクトリサーバー上のユーザーでなければならない。デフォルトは、calmaster

管理者パスワード

Calendar Server 管理者のパスワード。デフォルトはない

メールとメールアラームのオプション

サーバーに問題が生じたときに、メールアラームメッセージを Calendar Server 管理者に送信するように Calendar Server を設定できます。

表 1-4 メールとメールアラームのオプション

オプション

説明

メールアラーム

メールアラームを有効または無効にする。デフォルトは有効

管理者のメールアドレス

メールアラームメッセージを受信する Calendar Server 管理者のメールアドレス

SMTP ホスト名

Calendar Server がメールアラームメッセージを送信する SMTP サーバーのホスト名。デフォルトは現在のホスト

実行時設定オプション

次の Calendar Server 実行時オプションやシステムリソースオプションを設定できます。

表 1-5 実行時設定オプション

オプション

説明

サービスポート

ユーザーに Web (HTTP) アクセスを提供するために Calendar Server が使用する Web ポート番号。デフォルトは 80

最大セッション数

同時に可能な Calendar Server セッションの最大数。デフォルトは 5000

最大スレッド数

同時に可能な Calendar Server スレッドの最大数。デフォルトは 20

サーバープロセス数

同時に実行される Calendar Server プロセスの最大数。デフォルトは、Calendar Server をインストールするサーバーの CPU 数

実行時ユーザー ID

Calendar Server を実行する UNIX ユーザー名。このユーザー名は root 以外にする。アカウントが存在しない場合は、設定プログラムによって作成される。デフォルトは、icsuser

実行時グループ ID

Calendar Server を実行する UNIX グループ。グループが存在しない場合は、設定プログラムによって作成される。デフォルトは、icsgroup

Calendar Server の起動

Calendar Server を自動起動する次のオプションを設定できます。

表 1-6 Calendar Server の起動オプション

オプション

説明

正常インストール後に起動 

Calendar Server を正常インストール後、自動起動するかどうか。デフォルトはチェック済み

システム起動時に起動

システム起動後に Calendar Server を自動起動するかどうか。デフォルトはチェック済み

データベース、ログ、および一時ファイルディレクトリ

Calendar Server では情報を生成し、特定のディレクトリにあるカレンダデータベースファイル、ログファイル、一時ファイルに格納します。

表 1-7 データベース、ログ、および一時ファイルディレクトリのオプション

オプション

説明

データベースのディレクトリ

Calendar Server がカレンダデータベース (*.db) ファイルを作成し、格納するディレクトリ。デフォルトは次のとおり

var/opt/SUNWics5/csdb

ログのディレクトリ

Calendar Server がログファイルを書き込むディレクトリ。デフォルトは次のとおり

var/opt/SUNWics5/logs

一時ファイルのディレクトリ

Calendar Server が一時ファイルを書き込むディレクトリ。デフォルトは次のとおり

var/opt/SUNWics5/tmp

 


Java Enterprise System インストーラを使用した Calendar Server のインストール

Solaris システムでは、Java Enterprise System インストーラは、Calendar Server 6.0 を含む Sun コンポーネント製品パッケージ、および各種製品が使用する共有コンポーネントをインストールします。

Java Enterprise System インストーラでは、Calendar Server 6.0 を次のディレクトリにインストールします。

cal_svr_base/opt/SUNWics5/cal

 


警告

お使いのサイトに Calendar Server の 6.0 より以前のバージョンがインストールされている場合、Java Enterprise System インストーラは、カスタマイズしたファイルを含め、既存の Calendar Server ファイルを上書きします。

XSL、XML、GIF、HTML、設定ファイル (.conf)、タイムゾーンファイルなどのファイルをカスタマイズした場合は、インストーラを実行する前にそれらのファイルをバックアップしてください。


 

Java Enterprise System インストーラについては、『Sun Java Enterprise System インストールガイド』を参照してください。


Calendar Server 6.0 の設定

Java Enterprise System インストーラを使用して Calendar Server 6.0 をインストールした場合は、「Calendar Server 6.0 の設定情報の収集」の情報を使用して、Calendar Server 設定プログラムを実行する必要があります。付録 A 「設定ワークシート」のワークシートに記入している場合は、記入した情報を使用して設定プログラムに値を入力してください。

設定プログラムについては、第 2 章「Calendar Server 6.0 の設定」を参照してください。


Calendar Server 6.0 のアンインストール

(その他のコンポーネント製品と同様に) Calendar Server 6.0 をアンインストールするには、Java Enterprise System アンインストーラを使用する必要があります。アンインストーラは次のディレクトリにあります。

/var/sadm/prod/entsys/uninstall

アンインストーラの実行については、『Sun Java Enterprise System インストールガイド』を参照してください。

Calendar Server 6.0 をアンインストールすると、すべての Calendar Server プロセスが停止し (実行中の場合)、SUNWics5 および SUNWica5 パッケージが削除されます。

Calendar Server 6.0 だけをアンインストールする場合、インストールされているその他のパッケージまたはコンポーネントは、その他の製品と共有されている可能性があるため、削除されません。

また、アンインストーラは次のディレクトリにログファイルを生成します。

/var/sadm/install/logs/

ログファイルはたとえば次のようになります。

Java_Enterprise_System_uninstall.Btimestamp

ここで timestamp はアンインストーラを実行したときのタイムスタンプです。



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