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Sun ONE Messaging Server 6.0 インストールガイド (Solaris 版)

第 2 章
Messaging Server のインストール

この章では、Sun ONE Messaging Server のインストール方法について説明します。ここでは、各インストール画面について説明します。記載されている項目は次のとおりです。

Sun ONE Messaging Server 5.2 から Sun ONE Messaging Server 6.0 にアップグレードする場合には、第 4 章「Sun ONE Messaging Server へのアップグレード」を参照してください。


インストールプロセスの概要

この章では、インストールプロセスの以下の各手順について説明します。

この章では、以下のオプションの手順についても説明します。


以前のバージョンの Messaging Server 5.x からアップグレードする場合は、第 4 章「Sun ONE Messaging Server へのアップグレード」を参照してからアップグレードまたはインストールを行ってください。



UNIX システムのユーザーとグループの作成

システムユーザーは,特別なサーバープロセスを実行します。これらのユーザーには、プロセスを実行するために必要なアクセス権の所有を保証する、特別な権限が付与されていることが必要です。

まず、すべての Sun ONE サーバーで有効な、1 つのシステムアカウントとグループをセットアップするよう、お勧めします。その後、システムユーザーが持つディレクトリとファイルに対し、適切なアクセス権を設定することが必要です。設定のための手順を、次に示します。

  1. スーパーユーザーとしてログインします。
  2. システムユーザーが所属するグループを作成します。以下の例では、mailsrv グループが作成されます。

    # groupadd mailsrv

  3. システムユーザーを作成して、作成したグループと関連付けます。さらに、そのユーザーのパスワードを設定します。次の例では、ユーザー mail が作成され、mailsrv グループと関連付けられます。

    # useradd -g mailsrv mail

  4. useradd コマンドと usermod コマンドの詳細については、UNIX のマニュアルページを参照してください。

  5. 作成したシステムグループにユーザーが追加されていることを確認するために、/etc/groups ファイルをチェックすることが必要になる場合もあります。


Messaging Server のインストール前に UNIX のシステムユーザーやグループを設定しない場合、Messaging Server の初期実行時設定の作成の実行時に設定することができます。



Java Enterprise System インストーラの実行

Java Enterprise System インストールプログラムは、互いに共存し相互に運用される製品群、共有コンポーネント、およびライブラリをインストールします。Sun ONE Messaging Server のインストールと設定に成功するには、Java Enterprise System インストーラを使って以下の製品をインストールする必要があります。

  1. Sun ONE Web Server (省略可)
  2. Messenger Express からメールのフィルタリングを有効にしている場合は、Web Server をインストールするだけです。「Messenger Express メールフィルタの設定」を参照してください。

    Sun ONE LDAP Schema, v.2 を有効にする場合に限り Identity Server のインストールが必要になります。「メッセージングスキーマの選択肢」を参照してください。

    Identity Server をインストールする場合、Directory Server、Administration Server、または Web Server を個別にインストールする必要はありません。Identity Server のインストール時に、Directory Server、Administration Server、および Web Server をインストールするかどうか確認されます。

Java Enterprise System インストールプログラムは、これらの製品をあとでニーズに合うように設定するために必要な、Solaris パッケージをインストールします。言い換えれば、Java Enterprise System インストーラは、単にマシン上に指定するコンポーネント製品をインストールするだけで、設定は行いません。

Sun ONE Web Server

HTTP Messenger Express クライアントからメールのフィルタリングを有効にする場合は、Java Enterprise System インストーラを使って Web Server 6.1 をインストールして設定する必要があります。手順については、『Sun ONE Web Server 6.1 インストールガイド』を参照してください。Messenger Express のメールのフィルタリングの詳細は、「Messenger Express メールフィルタの設定」および Messenger Express オンラインヘルプを参照してください。

既存の Messaging Server カスタマであり、Delegated Administrator for Messaging を使用したい場合は、Sun ONE Web Server 6.0 SP2 (Service Pack 2) を使用する必要があります。これは、Messaging Server 5.2 製品でのみ利用できます。Delegated Administrator によるメールフィルタを有効にする場合は、Messaging Server 6.0 Messenger Express クライアントによるメールフィルタを有効にできません (逆も同様)。

Sun ONE Directory Server

Messaging Server をインストールする前に、Sun ONE Directory Server がすでにインストールおよび設定されている必要があります。Directory Server のインストール手順については、『Sun ONE Directory Server インストールガイド』を参照してください。


Solaris 9 オペレーティングシステムを使用している場合は、オペレーティングシステムにバンドルされているディレクトリサーバーを使用することができます。


Sun ONE Messaging Server は、以下のバージョンの Sun ONE Directory Server とともに設定することができます。

Directory Server 5.2 は Java Enterprise System インストーラを使ってインストールできます。ただし、Directory Server 5.1 SPx がすでにインストールおよび設定されている場合は、引き続き Messaging Server とともに使用することもできます。

付録 A 「インストールワークシート」を使用して、Directory のインストールおよび設定パラメータを記録します。Administraion Server と Messaging Server をインストールするときは、これらのパラメータが必要になります。

Sun ONE Identity Server

Sun ONE LDAP Schema, v.2 を使用してユーザーとグループをプロビジョニングする場合は、Messaging Server をインストールする前に Sun ONE Identity Server をインストールする必要があります。

そのためには、必ず Java Enterprise System インストーラを使って Identity Server 6.1 をインストールしてください。Identity Server の以前のバージョンは、Messaging Server と互換性がありません。

Identity Server は、Sun ONE LDAP Schema, v.2 を含むユーザーとグループのプロビジョニング用の User Management Utility (コマンドラインインタフェース) も、自動的にインストールします。User Management Utility の詳細は、『Sun ONE Communications Server 6.0 プロビジョニングツール 設定およびリファレンスマニュアル』を参照してください。

既存のカスタマで、Sun ONE LDAP Schema, v.1 (Messaging Server 5.2 に付属のスキーマのバージョン) のままにしたい場合は、Identity Server をインストールする必要はありません。

利用可能な Messaging Server プロビジョニングツールおよびスキーマモデルのその他の情報は、第 1 章「インストールの計画」の「Messaging Server プロビジョニングオプションについて」を参照してください。

Sun ONE Administration Server

Administration Server は、Sun ONE Console から単一マシンにインストールされているすべてのサーバーへの操作要求を管理します。たとえば、Console を使用してサービスを起動および停止できます。Console は要求を適切な Administration Server に送信します。Administration Server は Messaging サービスを実際に起動または停止するプログラムを呼び出します。

Messaging Server をインストールするすべてのマシンに、Administration Server もインストールする必要があります。各マシンに 1 つの Administration Server があります。この管理サーバーを使用して、マシンにインストールされているすべてのサーバーを管理します。

Administration Server をインストールするには、Java Enterprise System インストーラを使用します。Administration Server の以前のバージョンは、Messaging Server と互換性がありません。

Administration Server をインストールしたあと、Java Enterprise System インストーラを使用して、Administration Server の初期実行時設定プログラムを実行します。Messaging Server の設定プログラムとは異なり、Administration Server の実行時設定は Java Enterprise System インストーラに組み込まれています。

付録 A 「インストールワークシート」を使用して、Administration Server の設定パラメータを記録します。Messaging Server をインストールするときにこれらのパラメータが必要になります。

Sun ONE Messaging Server

Java Enterprise System インストーラを使用して Messaging Server をインストールするためには適切なセットアップ設定、インストール後の作業のため『Java Enterprise System インストールガイド』とともにこのマニュアルが必要です。

表 2-1 は、Java Enterprise System インストーラを使ってインストールする Messaging Server パッケージのリストです。これらのパッケージの一部は、他のパッケージと共有されています。

表 2-1 Java Enterprise System Messaging Server パッケージ 

Messaging Server パッケージ

説明

SUNWmsgwm

Sun ONE Messaging Server Messenger Express

SUNWmsgmp

Sun ONE Messaging Server MMP

SUNWmsgst

Sun ONE Messaging Server メッセージストア

SUNWmsgmt

Sun ONE Messaging Server MTA

SUNWmsglb

Sun ONE Messaging Server 共有コンポーネント

SUNWmsgen

Sun ONE Messaging Server 英語ローカライズ

SUNWmsgco

Sun ONE Messaging Server コアライブラリ

SUNWmsgin

Sun ONE Messaging Server インストールユーティリティ

SUNWmsgmf

Sun ONE Messaging Server Sieve フィルタユーザーインタフェース

Messaging Server のアンインストール

Messaging Server をアンインストールしたり、Java Enterprise System インストーラを使ってインストールした他の製品をアンインストールするには、Java Enterprise System uninstaller プログラムを使用します。詳細は、『Java Enterprise System インストールガイド』を参照してください。


Messaging Server 設定のための Directory Server の準備

この節では、Directory Server 設定スクリプト (comm_dssetup.pl) の実行方法について説明します。このスクリプトは、Messaging Server、Calendar Server、または User Management (「Sun ONE Communication Server のコマンドラインユーティリティ」を参照) Utility の設定を処理するように LDAP Directory Server を設定します。comm_dssetup.pl スクリプトは、Directory Server に新しいスキーマ、インデックス、および設定データを設定することによって、Directory Server を準備します。

comm_dssetup.pl スクリプトを実行すると、Identity Server がインストールされ設定されているかどうかを自動的に検出し、システムにSun ONE LDAP Schema, v.1 または v.2 を設定します。サポートされているスキーマとプロビジョニングツールの詳細は、「Messaging Server プロビジョニングオプションについて」を参照してください。

以下の項目について説明します。

comm_dssetup.pl 要件

comm_dssetup.pl スクリプトを実行する前に、以下の要件を確認してください。

comm_dssetup.pl スクリプトの実行

comm_dssetup.pl スクリプトは、msg60/.install/Tools/dssetup ディレクトリにあります。

comm_dssetup.pl は、次のどちらかのモードで実行することができます。

付録 A 「インストールワークシート」を使用して、回答を記録してください。

サイレントモード

サイレントモードを有効にするには、一度にすべての引数を指定します。

構文

# perl comm_dssetup.pl -i yes|no -c Directory_Server_Root -d Directory_instance -r DC_tree -u User_Group_suffix -s yes|no -D "DirectoryManagerDN" -w password -b yes|no -t 1|1.5|2 -m yes|no [-S path-to-schema-files]

オプション

このコマンドのオプションは、以下のとおりです。

オプション

説明

-i yes|no

次の質問に答えます :「Do you want to configure new indexes?」。新しいインデックスを設定するには、yes を指定します。新しいインデックスを設定しない場合は、no を指定します。

-c Directory_Server_Root

Directory Server ルートのパス名。
例: /var/mps/serverroot

-d Directory_instance

Directory Server インスタンスのサブディレクトリ。
例: slapd-budgie

-r DC_tree

DC ツリーのサフィックス。例: o=internet

-u User_Group_suffix

User/Group suffix e.g. o=usergroup

-s yes|no

次の質問に答えます :「Do you want to update the schema?」 スキーマファイルを更新する場合は、 yes を指定します (スキーマファイルに設定ディレクトリが存在することが必要)。スキーマファイルを更新しない場合は、no を指定します。

-D DirectoryManagerDN

Directory Manager DNたとえば、"cn=Directory Manager"

-w パスワード

Directory Manager のパスワード

-b yes|no

次の質問に答えます :「Will this directory server be used for users and groups?」ディレクトリサーバーを設定してユーザー / グループ用に使用する場合は、yes を指定します。このディレクトリを設定データのみに使用する場合は、no を指定します。

-t 1|1.5|2

次のようにして、Messaging Server 用に使用するスキーマバージョンを決定します。

  • Sun ONE LDAP Schema, v.1 の場合は、1 を選択します。
  • Sun ONE LDAP Schema, v.2 (互換モード) の場合は、1.5 を選択します。詳細は、『Sun ONE Messaging Server 6.0 プロビジョニングガイド』を参照してください。
  • Sun ONE LDAP Schema, v.2 (ネイティブモード) の場合は、2 を選択します。

-m yes|no

次の質問に答えます :「Do you want to modify the directory server?」ディレクトリを変更するには、yes を指定します。ディレクトリを変更しない場合は、no を指定します。

-S path-to-schema-files

スキーマファイルへのディレクトリパスを指定します。
例:./schema

# comm_dssetup.pl -i yes -c /var/mps/serverroot -d slapd-budgie

-r o=internet -u o=usergroup -s yes -D "cn=Directory Manager" -w password -b yes -t 1 -m yes

comm_dssetup.pl スクリプトのオプションすべての設定が終わると、実際にスクリプトが実行される前に、次のような概要画面が表示されます。

Here is a summary of the settings that you chose:

  Server Root                        :/var/mps/serverroot/

  Server Instance                    :slapd-budgie

  Users/Groups Directory             :Yes

  Update Schema                      :yes

  Schema Type                        : 1

  DC Root                            :o=internet

  User/Group Root                    :o=usergroup

  Add New Indexes                    :yes

  Schema Directory                   :./schema

  Directory Manager DN               :"cn=Directory Manager"

各オプションの詳細は、「インタラクティブモード」の節に記載されています。

インタラクティブモード

以下の質問では、引数を付けずに comm_dssetup.pl を指定するかどうかが尋ねられます。

  1. 概要

    # perl comm_dssetup.pl

    Welcome to the Directory Server preparation tool for Sun ONE Messaging Server.
    (Version 6.0 Revision 0.004)

    This tool prepares your directory server for Sun ONE Messaging Server install.

    The logfile is /var/tmp/dssetup_YYYYMMDDHHSS

    Do you want to continue [y]:

  2. 続行するには enter を押し、終了するには No と入力します。

  3. Directory Server のインストールルート

    Please enter the full path to the directory where the Sun ONE Directory Server was installed.

    Directory server root [/var/mps/serverroot]

  4. Directory Server マシン上の Directory Server のインストールルートの場所を指定します。

  5. Directory Server インスタンス

    Please select a directory server instance from the following list:

    [1]   slapd-varrius

    Which instance do you want [1]:

  6. マシン上に Directory Server reside の複数のインスタンスがある場合は、Messaging Server とともに設定するインスタンスを選びます。

  7. Directory Manager 識別名 (DN)

    Please enter the directory manager DN [cn=Directory Manager]:

    Password:

  8. Directory Manager DN (cn=Directory Manager) は、組織ツリー内のユーザーデータおよびグループデータの責任を持つ管理者です。このスクリプトで指定する Directory Manager DN は、Directory Server インストールおよび Messaging Server インストールで設定する DN と同じものであることを確認します。

  9. ユーザーおよびグループの Directory Server

    Will this directory server be used for users/groups [Yes]:

  10. Yes と入力した場合は、組織ツリーに対する DC ツリーのベースサフィックスとユーザーおよびグループのベースサフィックスの選択についての質問に答えます。

    No と入力した場合、このディレクトリインスタンスは設定データの保存のみに使用されると見なされ、スキーマファイルの更新についての質問に進みます。設定ディレクトリインスタンスに対するこのスクリプトの実行が終了したあと、インストールプロセスに移る前に、ユーザーデータおよびグループデータを保存するディレクトリインスタンスに対してこのスクリプトを実行する必要があります。

  11. ユーザーおよびグループベースのサフィックス

    Please enter the Users/Groups base suffix [o=usergroup]:

  12. ユーザーおよびグループのベースサフィックスは、ユーザーエントリおよびグループエントリのネームスペースを保持する、組織ツリー内のトップエントリです。選択するユーザーおよびグループのベースサフィックスは、Directory Server インストールおよび Messaging Server インストールで指定したものと同じベースサフィックスであることを確認します。


    Identity Server がインストールされている場合は、Identity Server のインストール時に指定したサフィックスが、この質問に答えて指定するものと同じであることを確認します。同じサフィックスを使用しない場合、Messaging Server は Identity Server のインストールを認識できません。


    組織ツリーの詳細については、『Sun ONE Messaging Server プロビジョニングガイド』を参照してください。

  13. スキーマタイプ

    There are 3 possible schema types:

      1   - schema 1 for systems with iMS 5.x data

      1.5 - schema 2 compatibility for systems with iMS 5.x data

            that has been converted with imsdirmig

      2   - schema 2 native for systems using Identity Server

    Please enter the Schema Type (1, 1.5, 2) [1]:

  14. Sun ONE LDAP Schema, v.1 を使用する予定の場合は、オプション 1 を選択します。

    Sun ONE LDAP Schema, v.2 (互換モード) を使用する予定の場合は、オプション 1.5 を選択します。詳細は、『Sun ONE Messaging Server 6.0 プロビジョニングガイド』を参照してください。

    Sun ONE LDAP Schema, v.2 (ネイティブモード) を使用する予定の場合は、オプション 2 を選択します。

    Sun ONE LDAP Schema, v.2 オプションを選択するときに、Identity Server がまだインストールおよび設定されていない場合、comm_dssetup.pl は終了します。Identity Server がインストールされると、プログラムを再実行するか確認されます。

    スキーマオプションの詳細は、「メッセージングスキーマの選択肢」を参照してください。

  15. ドメインコンポーネント (DC) ツリーのベースサフィックス

    Please enter the DC Tree base suffix [o=internet]:


    手順 7 でオプション 1 または 1.5 を選択した場合は、DC ツリーのベースサフィックスを入力するよう求められます。オプション 2 の「Sun ONE LDAP Schema, v.2 - ネイティブモード」を選択した場合、この入力は求められません。


  16. DC ツリーは、ローカル DNS 構造をミラー化したものであり、ユーザーとグループのデータエントリを含む組織ツリーへのインデックスとしてシステムにより使用されます。DC ツリーのベースサフィックスは、DC ツリーの最上位エントリの名前です。デフォルトの o=internet か別の名前のどちらかを選択できます。

    DC ツリーまたは組織ツリーの詳細については、『Sun ONE Messaging Server プロビジョニングガイド』を参照してください。

  17. スキーマファイルの更新

    Do you want to update the schema files [yes]:

  18. Yes と答えると、新しい要素がスキーマに追加されます。新しいバージョンの Messaging Server をインストールするたびに、新しいスキーマファイルで Directory を更新することをお勧めします。

  19. 新しいインデックスの設定

    Do you want to configure new indexes [yes]:

  20. 手順 5 (ユーザーとグループの Directory Server) に対して Yes と答えた場合、新しいインデックスを設定するかどうか尋ねられます。新しいインデックスは、キャッシュを作成してディレクトリ検索の効率を向上させるために使用されます。この質問には Yes と答えることをお勧めします。

  21. 設定の要約

    Here is a summary of the settings that you chose:

      Server Root                        :/var/mps/serverroot/

      Server Instance                    :slapd-varrius

      Users/Groups Directory             :Yes

      Update Schema                      :yes

      Schema Type                        : 1

      DC Root                            :o=internet

      User/Group Root                    :o=usergroup

      Add New Indexes                    :yes

      Directory Manager DN               :cn=Directory Manager

    Now ready to generate a shell script and ldif file to modify the Directory.

    No changes to the Directory Server will be made this time.

    Do you want to continue [y]:

  22. ディレクトリ設定が更新される前に、設定の要約が表示されます。


    手順 7 でオプション 2 の「Sun ONE LDAP Schema, v.2 - ネイティブモード」を選択した場合、設定の要約の DC root は、ユーザー root またはグループ root に入力した値と同じになります。


    設定を変更したい場合は、No と入力し、スクリプトを再度実行します。

    Yes と入力して続行すると、comm_dssetup.pl スクリプトは、LDIF ファイルと、ディレクトリサーバー内のインデックスとスキーマの更新に使われるシェルスクリプトを作成します。

    /var/tmp/dssetup_YYYYMMDDHHMMSS.sh
    /var/tmp/dssetup_
    YYYYMMDDHHMMSS.ldif

    ここで、YYYYMMDDHHMMSS は、ファイルの作成された時刻と日付のスタンプを示します。


    スクリプトをこの時点で実行するか、あとで実行するかを選択できます。スクリプトをここで実行する場合は、続行するかどうかを尋ねられたときに Yes と入力します。スクリプトをあとで実行する場合は、/var/tmp/dssetup_YYYYMMDDHHMMSS.sh を使用して、スクリプトを呼び出すことができます。



Messaging Server の初期実行時設定の作成

初期実行時設定プログラムは、Messaging Server を起動して実行する設定を提供します。このプログラムは 1 回だけ実行するように意図されています。このプログラムを実行すると、2 回目以降は設定が上書きされる可能性があります。初期実行時設定を変更するには、『Sun ONE Messaging Server 6.0 管理者ガイド』と『Sun ONE Messaging Server 6.0 リファレンスマニュアル』の両方に記載されている設定ユーティリティを使用してください。

次の手順では、Messaging Server 初期実行時設定の方法を紹介していきます。

次のコマンドを使って、Messaging Server 初期実行時設定を起動します。

/msg_svr_base/sbin/configure [flag]

  1. Welcome
  2. 設定プログラムの最初のパネルは、著作権ページです。続行するには「次へ」を選択し、終了するには「キャンセル」を選択します。

  3. Software License Agreement
  4. ソフトウェア使用許諾契約をお読みください。

    ライセンスを受諾するには「Yes」を選択し、プログラムを終了するには「No」を選択します。

  5. 設定およびデータファイルを保存するディレクトリの選択
  6. Messaging Server の設定およびデータファイルを保存するディレクトリを選択してください。たとえば、/var/opt/SUNWmsgsr です。このディレクトリは、msg_svr_base に指定されている設定ディレクトリへのシンボリックリンクを作成します。これらのシンボリックリンクの詳細については、第 5 章「インストール後の手順の実行」の「インストール後のファイルディレクトリのレイアウト」を参照してください。

    これらのファイルを保存するのに十分なディスク容量があることを確認します。

  7. コンポーネントが読み込まれていることを示す、小さいウィンドウが表示されます。
  8. コンポーネントの読み込みには数分かかることがあります。

  9. 設定するコンポーネントの選択
  10. 設定を行う Messaging コンポーネントを選択します。

    • Message Transfer Agent : ルーティング、ユーザーメールの配信、および SMTP 認証を処理します。MTA は、ホストドメイン、ドメイン別名、サーバー側フィルタの機能をサポートします。
    • メッセージストア : メッセージストアを介して、一貫性のあるメッセージングサービスを提供します。メッセージストアには、HTTP、POP、および IMAP プロトコルを介してアクセスできます。メッセージストアを設定するだけの場合、MTA も選択する必要があります。
    • Messenger Express : メッセージストアからメッセージを取得する HTTP プロトコルを処理します。Messenger Express を設定するだけであれば、メッセージストアと MTA も選択する必要があります。
    • Messaging Multiplexor : 組織内の複数のメッセージングサーバーマシンに対するプロキシとして機能します。ユーザーは Multiplexor サーバーに接続し、Multiplexor サーバーが各接続を適切なメールサーバーにリダイレクトします。このコンポーネントは、デフォルトでは無効になっています。MMP とメッセージストアのチェックを行うと、それらが同じシステム上で有効になります。設定後、ポート番号の変更するための警告メッセージが表示されます (この手順については、「ポート番号」を参照してください)。
    • MMP を設定するには、『Sun ONE Messaging Server 6.0 管理者ガイド』と『Sun ONE Messaging Server 6.0 リファレンスマニュアル』を参照してください。

      設定するコンポーネントにチェックマークを付け、設定しないコンポーネントのチェックマークを外します。

  11. インストールされたファイルを所有するシステムユーザー名とグループを入力します。
  12. システムユーザーおよびグループの設定の詳細は、「UNIX システムのユーザーとグループの作成」を参照してください。

  13. Configuration Directory Server パネル
  14. Configuration Directory LDAP URL、管理者、およびパスワードを入力します。

    Directory Server のインストールから Configuration Server LDAP URL を収集します。付録 A 「インストールワークシート」の「Directory Server のインストール」を参照してください。

    Directory Manager には、Directory Server、および Directory Server を使用するすべての Sun ONE サーバー (Messaging Server など) に対する包括的な管理権限が付与されており、Directory Server 内のすべてのエントリの管理に必要なすべてのアクセス権が与えられています。デフォルトかつ推奨される識別名 (DN) は、cn=Directory Manager です。

    複製された Directory Server インスタンスに対してインストールする場合は、マスターディレクトリではなく、複製の資格情報を指定する必要があります。

  15. User/Group Directory Server パネル
  16. ユーザーおよびグループの Directory LDAP URL、管理者、およびパスワードを入力します。

    ホストからユーザーおよびグループのサーバー LDAP URL 情報を収集し、Directory Server インスタンスからポート番号情報を収集します。付録 A 「インストールワークシート」の「Directory Server のインストール」を参照してください。

    Directory Manager には、Directory Server、および Directory Server を使用するすべての Sun ONE サーバー (Messaging Server など) に対する包括的な管理権限が付与されており、Directory Server 内のすべてのエントリの管理に必要なすべてのアクセス権が与えられています。デフォルトかつ推奨される識別名 (DN) は、cn=Directory Manager です。

    複製された Directory Server インスタンスに対してインストールする場合は、マスターディレクトリではなく、複製の資格情報を指定する必要があります。

  17. ポストマスターの電子メールアドレス
  18. ポストマスターの電子メールアドレスを入力します。

    管理者が頻繁に監視するアドレスを選択します。たとえば、siroe ドメインのポストマスターの場合は pma@siroe.com です。このアドレスは「Postmaster」から始めることはできません。

    電子メールアドレスのユーザーは自動的には作成されません。このため、プロビジョニングツールを使って作成する必要があります。

  19. 管理者アカウントのパスワード
  20. サービス管理者、ユーザーおよびグループの管理者、サーバー、エンドユーザー管理権限、および PAB 管理者と SSL パスワードに使用する共通パスワードを入力します。

    初期実行時設定のあとで、このパスワードを個々の管理者アカウント用に変更することもできます。詳細は、第 5 章「インストール後の手順の実行」の「設定の変更」を参照してください。

  21. デフォルトの電子メールドメイン
  22. デフォルトの電子メールアドレスを入力します。

    この電子メールドメインは、ほかにドメインが指定されていない場合に使用されるデフォルトです。たとえば、siroe.com がデフォルトの電子メールドメインの場合、ほかにドメインが指定されていなければ、内部ユーザーによって生成されるメッセージは siroe.com ドメインに指定されている受取人への送信が試みられます。

    User Management Utility (Sun ONE LDAP Schema、v2 を含むユーザーとグループのプロビジョニングのためのコマンドラインインタフェース) を使用する場合は、設定中に同じデフォルトのドメインを指定します。詳細は、『Sun ONE Communications Server 6.0 プロビジョニングツール 設定およびリファレンスマニュアル』を参照してください。

  23. 組織 DN :
  24. 組織 DN を入力します。

    組織ツリーでは、組織を常駐させる組織 DN が必要です。

    たとえば、組織 DN が o=Engineering の場合、この組織内のすべてのユーザーは LDAP DN o=Engineering, o=usergroup の下に置かれます (o=usergroup は、Messaging Server 設定のための Directory Server の準備に指定されたユーザーおよびグループのディレクトリサフィックス)。

    組織 DN と同じユーザー / グループのディレクトリサフィックスを選択すると、ホストドメインを作成するよう決定した場合に移行の問題が起きることがあります。初期実行時設定でホストドメインを設定する場合はユーザーおよびグループサフィックスの 1 つ下のレベルの DN を指定してください。

  25. 設定準備完了
  26. 設定プログラムは、マシンに十分なディスク容量があるかを確認してから、設定の準備が完了したコンポーネントの概略を示します。

    Messaging のコンポーネントを設定するには、「Configure Now」を選択します。設定変数を変更するには、「Back」を選択します。また、設定プログラムを終了するには、「キャンセル」を選択します。

  27. Starting Task Sequence、Sequence Completed、および Installation Summary パネル
  28. 「Installation Summary」パネルで「Details」を選択することで、インストールの状態を確認することができます。プログラムを終了するには、「閉じる」を選択します。

    ログファイルは、/msg_svr_base/install/configure_YYYYMMDDHHMMSS.log に作成されます。ここで、YYYYMMDDHHMMSS は、設定の 4 桁の年、月、日、時、分、および秒を示します。

    これで、Messaging Server の初期実行時設定が設定されます。設定パラメータに変更を加える際は、第 5 章「インストール後の手順の実行」の「設定の変更」と『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』の両方で手順を参照してください。

Messaging Server を起動するには、次のコマンドを使用します。

/opt/SUNWmsgsr/sbin/start-msg


サイレントインストールの実行

Messaging Server 初期実行時設定プログラムは、自動的にサイレントインストール状態ファイル (saveState というファイル) を作成します。このファイルは、Messaging Server Solaris パッケージがインストールされている場所での導入で、追加の Messaging Server インスタンスをすばやく設定するために使用できます。設定プロンプトで指定したすべての値が、そのファイルに記録されます。

サイレントインストールを実行すると、configure プログラムは、サイレントインストール状態ファイルを読み取ります。configure プログラムは、Messaging Server のその後の初期実行時設定では同じ質問を繰り返さずに、このファイルの値を使用します。したがって、新しいインストールで状態ファイルを使用すると、ユーザーは一切質問を受けることがありません。その代わりに、新しいインストールパラメータとして状態ファイルの値が自動的に適用されます。

サイレントインストール saveState 状態ファイルは、/msg_svr_base/install/configure_YYYYMMDDHHMMSS ディレクトリに保存されます。ここで、YYYYMMDDHHMMSS は、saveState ファイルの 4 桁の年、月、日、時、分、および秒を示します。

サイレントインストール状態ファイルを使用して、導入先の別のマシン上の別の Messaging Server インスタンスを設定するには、次の手順に従います。

  1. サイレントインストール状態ファイルを、新しいインストールを行うマシン上のインストールディレクトリにコピーします。
  2. 必要に応じて、サイレントインストール状態ファイルを見直して編集します。
  3. 多くの場合、状態ファイルのパラメータおよび指定の変更が必要になります。たとえば、新しいインストールのデフォルトの電子メールドメインが、状態ファイルに記録されているデフォルトの電子メールドメインと異なる場合などです。状態ファイルに記録されたパラメータが、このインストールに自動的に適用されることを忘れないでください。

  4. 次のコマンドを実行して、サイレントインストールファイルを使って他のマシンを設定します。
  5. msg_svr_base/sbin/configure -nodisplay -noconsole -state ¥
        fullpath/saveState

    ここで、fullpath は、saveState ファイルがある場所の完全なディレクトリパスです。(このセクションの手順 1 を参照)。


    サイレントインストールプログラムを実行すると、サイレントインストールによって、新しい状態ファイルが、msg_svr_base/install/configure_YYYYMMDDHHMMSS/saveState ディレクトリに作成されます。ここで、YYYYMMDDHHMMSS は、saveState ファイルの 4 桁の年、月、日、時、分、および秒を示します。



Directory Server の複製に対する Messaging Server のインストール

Directory Server の複製に対して Messaging Server をインストールする場合、次のことによって制限を受ける可能性があります。

Directory Server の複製に対して Messaging Server をインストールするには、次の手順に従います。

  1. comm_dssetup.pl 要件」に記載されているように、Directory Server の複製を含むすべての Directory Server に対して comm_dssetup.pl プログラムを実行します。
  2. Messaging Server の初期実行時設定の作成」の手順 7手順 8 で説明されているように、複製された Directory Server の資格情報を使用して、Messaging configure プログラム (msg_svr_base/sbin/configure に存在する) を実行します。
  3. Directory Server 管理者を設定しようとすると、不正な権限のため、configure プログラムは失敗します。ただし、Directory Server の複製に適切な権限を許可するために必要な *.ldif ファイルが生成されます。

  4. *.ldif ファイルを Directory Server マスターに移動します。
  5. *.ldif ファイルで ldapmodify コマンドを実行します。
  6. ldapmodify または /msg_svr_base/install/configure_YYYYMMDDHHMMSS.log の詳細は、Sun ONE Directory Server のマニュアルを参照してください。

  7. configure プログラムを再度実行します。
  8. これで、Directory Server の複製 (およびマスター) が、Messaging Server で適切に機能するように設定されます。



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