Sun Identity Manager 8.1 アップグレード

ステップ 7: Identity Manager 製品のアップグレード

Identity Manager の製品自体をアップグレードするには、次の操作が必要な場合があります。

リポジトリのデータベーステーブル更新

Identity Manager のメジャーリリースの多く、および一部のマイナーリリースでは、データベーステーブルが変更されています。このため、環境に合わせて SQL のサンプルスクリプトの変更が必要な場合があります。

また、次の変更を行った場合は、データベーステーブルも更新する必要があります。

Identity Manager の各バージョンについて、SQL のサンプルスクリプトに対する変更内容を記録しておき、ソース管理を使用してそれらの変更内容を管理する必要があります。将来、Identity Manager の後続バージョンに対して、同様の変更が必要になります。

Identity Manager 製品のアップグレード

Identity Manager 製品をアップグレードするには、次のいずれかの方法を使用できます。

両方の方法の結果は同じです。


注 –

一部の環境では、手動アップグレード手順が望ましい場合があります。たとえば、次のとおりです。

Identity Manager 製品のアップグレードにより、Identity Manager リポジトリオブジェクト、および .jsp ファイル、Identity Manager 製品の JAR、他社製の JAR などファイルシステムの一部のアーティファクトが変更されることがあります。.

Identity Manager 製品をアップグレードするときには、次の点に注意してください。


ProcedureIdentity Manager インストーラの使用法

Identity Manager のインストールおよびアップグレードのプログラムを使用して、開発環境をアップグレードします。

  1. インストーラを起動するには、次のいずれかの方法を使用します。

    • GUI インストーラを使用するには、 install.bat ( Windows) または install (UNIX) を実行します。

      インストーラの開始画面が表示されます。

    • nodisplay モードでインストーラを起動するには、ソフトウェアのあるディレクトリに移動して、次のコマンドを入力します。

      install -nodisplay

      インストーラの開始テキストが表示され、次に GUI インストーラと同じ順序で、インストール情報を収集するための質問リストが表示されます。

      ディスプレイ装置がない場合は、インストーラはデフォルトで nodisplay オプションを使用します。

      インストーラは、ソフトウェアの旧バージョンを新バージョンの後にインストールしません。この場合、エラーメッセージが表示され、インストーラは終了します。

  2. 開始画面の「次へ」をクリックします。

  3. 「Install or Upgrade?」画面の「アップグレードする」を選択して、「次へ」をクリックします。

  4. 「インストールディレクトリを選択します」画面で、Identity Manager の旧バージョンがあるディレクトリを選択して、「次へ」をクリックします。

    インストーラにアップグレード前処理とアップグレード後処理の進捗バーが表示され、その後「インストール構成の確認」画面に進みます。

  5. インストールの詳細については、「詳細」をクリックしてログファイルを表示し、その後「閉じる」をクリックしてインストーラを終了します。

  6. アプリケーションサーバーの作業ディレクトリからコンパイル済みの Identity Manager ファイルをすべて削除します。

手動によるアップグレード

一部の環境では、Identity Manager のインストールおよびアップグレードのプログラムを使用せずに、手動でアップグレードを実行する場合があります。


注 –

この節の操作方法は、Identity Manager を Tomcat アプリケーションサーバーにインストールする場合のものです。使用しているアプリケーションサーバーにより、多少異なるコマンドの使用が必要な場合があります。

アプリケーションサーバーに固有の操作方法については、『Sun Identity Manager 8.1 Installation』のパート II「Installing Identity Manager」の該当する章を参照してください。


ProcedureWindows プラットフォームで手動アップグレードを実行するには

サポートする Windows プラットフォームで Identity Manager を手動でアップグレードするには、次の手順を実行します。

  1. アプリケーションサーバーと Gateway を停止します。.

  2. Identity Manager のデータベースを更新します。

  3. 次のコマンドを入力して、環境を設定します。


    set ISPATH=Path-to-install-software 
    set WSHOME=Path-to-Identity-Manager-Installation  OR Staging-Directory set TEMP=Path-to-Temporary-Directory
    

    注 –

    Identity Manager のインストールディレクトリへのパスにスペースがある場合は、次の例に示すように、WSHOME 環境変数を二重引用符 (") で囲まずに指定する必要があります。

    パスにスペースがない場合でも、パスを指定するときには、末尾にバックスラッシュ (\) を使用しないでください。


    set WSHOME=c:\Program Files\Apache Group\Tomcat 6.0\idm

    または


    set WSHOME=c:\Progra~1\Apache~1\Tomcat~1\idm

    次のパスの指定は正しくありません。


    set WSHOME="c:\Program Files\Apache Group\Tomcat 6.0\idm"

  4. 前処理を実行します。


    mkdir %TEMP%
    cd /d %TEMP%
    jar -xvf %ISPATH%\IDM.WAR\
    WEB-INF\lib\idm.jar WEB-INF\lib\idmcommon.jar
    set TMPLIBPTH=%TEMP%\WEB-INF\lib
    set CLASSPATH=%TMPLIBPTH%\idm.jar;\
    %TMPLIBPTH%\idmcommon.jar;
    java -classpath %CLASSPATH% -Dwaveset.home=%WSHOME%\
       com.waveset.install.UpgradePreProcess
  5. ソフトウェアをインストールします。


    cd %WSHOME%
    jar -xvf %ISPATH%\IDM.WAR
  6. 後処理を実行します。


    java -classpath %CLASSPATH% -Dwaveset.home=%WSHOME%
       com.waveset.install.UpgradePostProcess

    注 –
    • アップグレードの後処理ステップは、個別の Java 仮想マシンで実行されます。このステップのデフォルトのヒープサイズは 1024 Mバイトです。 このステップでメモリ不足の例外が発生する場合は、ヒープサイズの最大値を高く設定してください。カスタム値を設定するには、—Xmx <heap size> の書式を使用して、JAVA_OPTS 環境変数を設定します。「heap size」は、2048m のような値です。たとえば、-Xmx2048m のように指定します。

    • インストーラは、デフォルトの Configurator アカウントの名前が変更されていたり、アカウントが削除されていたり、無効になっていたりするインストール環境に対してもアップグレードインストールをサポートしています。

      アップグレードの後処理で、 update.xml をインポートするために、インストーラはユーザー名とパスワードの入力を要求します。ユーザー名またはパスワードが正しく入力されない場合、正しいユーザー名またはパスワードを入力するように要求されます (最大 3 回)。このエラーは、インストーラのテキストボックスに表示されます。

      手動インストールの場合、 -U username -P password のフラグを指定して、認証情報を UpgradePostProcess 手続きに渡す必要があります。


  7. ステージングディレクトリにインストールした場合は、アプリケーションサーバーへの配備用 .war ファイルを作成します。

  8. アプリケーションサーバーの作業ディレクトリから Identity Manager のファイルを削除します。

ProcedureUNIX プラットフォームで手動アップグレードを実行するには

サポートする UNIX プラットフォームで Identity Manager を手動でアップグレードするには、次のステップを実行します。

  1. アプリケーションサーバーと Gateway を停止します。.

  2. Identity Manager のデータベースを更新します。

  3. 環境を設定します。


    export ISPATH=Path-to-Install-Software export WSHOME=Path-to-Identity-Manager-Installation-or-Staging Directory 
    export TEMP=Path-to-Temporary-Directory
    
  4. 前処理を実行します。


    mkdir $TEMP
    cd $TEMP
    jar -xvf $ISPATH/idm.war \
    WEB-INF/lib/idm.jar WEB-INF/lib/idmcommon.jar
    CLASSPATH=$TEMP/WEB-INF/lib/idm.jar:\
    $TEMP/WEB-INF/lib/idmcommon.jar:
    java -classpath $CLASSPATH -Dwaveset.home=$WSHOME \
    com.waveset.install.UpgradePreProcess
  5. ソフトウェアをインストールします。


    cd $WSHOME
    jar -xvf $ISPATH/idm.war
  6. 後処理を実行します。


    java -classpath $CLASSPATH -Dwaveset.home=$WSHOME
      com.waveset.install.UpgradePostProcess

    注 –
    • アップグレードの後処理ステップは、個別の Java 仮想マシンで実行されます。このステップのデフォルトのヒープサイズは 1024 Mバイトです。 このステップでメモリ不足の例外が発生する場合は、ヒープサイズの最大値を高く設定してください。カスタム値を設定するには、—Xmx <heap size> の書式を使用して、JAVA_OPTS 環境変数を設定します。「heap size」は、2048m のような値です。たとえば、-Xmx2048m のように指定します。

    • インストーラは、デフォルトの Configurator アカウントの名前が変更されていたり、アカウントが削除されていたり、無効になっていたりするインストール環境に対してもアップグレードインストールをサポートしています。

      アップグレードの後処理で、 update.xml をインポートするために、インストーラはユーザー名とパスワードの入力を要求します。ユーザー名またはパスワードが正しく入力されない場合、正しいユーザー名またはパスワードを入力するように要求されます (最大 3 回)。このエラーは、インストーラのテキストボックスに表示されます。

      手動インストールの場合、 -U username -P password のフラグを指定して、認証情報を UpgradePostProcess 手続きに渡す必要があります。


  7. ディレクトリを $WSHOME/bin/solaris または $WSHOME/bin/linux に変更し、そのディレクトリ内のファイルを実行できるように、それらのファイルのアクセス権を設定します。

  8. ステージングディレクトリにインストールした場合は、アプリケーションサーバーへの配備用 .war ファイルを作成します。

  9. アプリケーションサーバーの作業ディレクトリから Identity Manager のファイルを削除します。

アップグレードのトラブルシューティング

アップグレード時に問題が発生した場合は、$WSHOME/patches/ logs ディレクトリにあるアップグレードのログファイルをチェックします。ログファイルの名前は、アップグレードのタイムスタンプとステージに基づきます。

すべての Gateway インスタンスのアップグレード

環境にインストール済みの Sun Identity Manager Gateway をすべてアップグレードします。Identity Manager サーバーの新バージョンは、Gateway の旧バージョンとは動作しません。

ProcedureIdentity Manager Gateway をアップグレードするには

  1. Windows システムにログインして、Gateway がインストールされているディレクトリに移動します。

  2. Gatewayサービスを停止します。


    gateway -k
    
  3. 少なくとも Windows 2000 を使用している場合は、サービスの MMC プラグインのインスタンスをすべて終了します。

  4. Gateway サービスを削除します。


    gateway -r
    
  5. 既存の Gateway ファイルをバックアップして、削除します。

  6. 新規の Gateway ファイルを抽出します。

    Identity Manager サーバー以外のシステムに Gateway の新規アップグレードをインストールする場合は、Identity Manager のインストールパッケージから gateway.zip ファイルをコピーします。

  7. Gateway がインストールされていたディレクトリに、 gateway.zip ファイルを展開します。

  8. Gateway サービスをインストールします。


    gateway -i
    
  9. Gateway サービスを開始します。


    gateway -s
    

すべての PasswordSync インスタンスのアップグレード

リリースノートに特記されていない限り、新規にインストールした Identity Manager サーバーのバージョンは、旧バージョンの PasswordSync を一時的に制限付きでサポートします。このサポートは、PasswordSync インスタンスをアップグレードしている間に、Identity Manager の実行を継続できるようにするためのものです。PasswordSync のすべてのインスタンスを、できるだけ早く Identity Manager サーバーと同じバージョンに更新してください。

PasswordSync をアップグレードするには、環境にインストール済みの PasswordSync をすべてアンインストールして、再起動する必要があります。削除を正常に実行するには、Windows の「コントロール パネル」の「プログラムの追加と削除」機能を使用します。

個々の旧バージョンの代わりに新バージョンの PasswordSync をインストールして、再起動します。インストール先のオペレーティングシステムに対応するバイナリファイルを使用します。32 ビット Windows のバイナリは IdmPwSync_x86.msi、64 ビット Windows のバイナリは IdmPwSync_x64.msi という名前です。


注 –

PasswordSync のアンインストール後に 1 回、新バージョンのインストール後に 1回、合計で Windows を 2 回再起動する必要があります。再起動が 2 回必要な理由は、Windows Security Service が PasswordSync の DLL をロードする方法にあります。


インストール方法については、『Sun Identity Manager 8.1 ビジネス管理者ガイド』「Windows での PasswordSync のインストールと設定」を参照してください。