Sun Identity Manager 8.1 システム管理者ガイド

設定を変更可能な XML オブジェクト設定のチューニング

設定可能な XML オブジェクトを使用すると、広範囲のユーザーインタフェース仕様が利用でき、タスクごとにユーザーへのデータ表示方法を定義したり、複雑な業務プロセスを自動化したりできるようになります。ただしこの柔軟性は、効率、パフォーマンス、および信頼性に影響を与えることがあります。

ここでは、フォーム、ルール、およびワークフローから構成される、Identity Manager の設定可能な XML オブジェクトをチューニングする際のガイドラインをいくつか説明します。これらの情報は、次のように構成されています。

フォームのチューニング

実行中タスクのビューや変数コンテキストと相互に作用するインタフェースを定義するには、Identity Manager のフォームを使用します。フォームには、データ要素のセットにビジネスロジックと変換ロジックに使用する実行コンテキストがあります。各種タスクを実行する非常に強力で動的なフォームを作成できるとはいえ、フォームの複雑さを抑えれば効率が上がります。

次に、カスタマイズしたフォームのパフォーマンスを向上させる方法をいくつか説明します。

新しいフォームの最適化

Identity Manager の新しいフォームを設計する際、システムインテグレーターは次の手順に従えばフォームのパフォーマンスを最適化できます。

管理者フォームの最適化

管理者フォームのパフォーマンスを向上させるには、次の項目を実行します。

エンドユーザーフォームの最適化

エンドユーザーフォームのパフォーマンスを向上させるには、次の項目を実行します。

フォームフィールド内の式の最適化

フォームで実行される動作の中には、Identity Manager 外部のリソースを呼び出すものがあります。特にグループリストや電子メール配信リストのコンパイルなど、結果の値が長いリストになるような外部リソースへのアクセスは、Identity Manager のパフォーマンスに影響を与えることがあります。

このような呼び出し中のパフォーマンスを向上させるには、『Sun Identity Manager Deployment Reference』の「Java クラスを使用したフィールドデータの取得」のガイドラインに従ってください。

また、<Disable> 式のようなパフォーマンスに影響を受けやすい式で JavaScriptTM を使用するのは避けてください。組み込まれたトレース機能を使用する場合は、短い XPRESS 式の方がデバッグしやすいです。ワークフローアクションの複雑なロジックには JavaScript を使用します。

フォームの表示速度が低下した場合、debug/Show_Timings.jsp ページで問題を見つけ出すことができます。Formconvert.convertField() への呼び出しを探してください。これで、フィールドごとにその値の計算にどれくらい時間が掛かっているかがわかります。

ルールのチューニング

Identity Manager ルールを使用して、本製品の中でフォームやワークフローなど設定可能なコンポーネントで再利用できる定数と XPRESS ロジックをカプセル化します。

ルールを記述する際は、最適なパフォーマンスを得られるよう、必要に応じて次のガイドラインを使用してください。

ワークフローのチューニング

さまざまな人的および電子的タッチポイントを使用した複雑な業務処理を、使いやすく自動化できるように Identity Manager のワークフローをカスタマイズします。

カスタムのワークフローのパフォーマンスを向上させるには、次の方法に従ってください。

WorkItems (ManualActions ) のチューニング

WorkItems (ワークフロー内では ManualActions と表示されています) の数とサイズによって、メモリーとシステムパフォーマンスが著しく影響を受けることがあります。デフォルトでは、WorkItem に Identity Manager が全体ワークフローのコンテキストをコピーしてから、送信後にこのワークフローコンテキストを書き戻します。

WorkItemsManualActions のパフォーマンスを向上させるには、次の手順に従ってください。