調整サーバーとは、調整を行う Identity Manager のコンポーネントです。ここでは、以下を初めとする調整サーバーのパフォーマンスを向上させるための推奨方法を説明します。
通常は、次のとおり実行すると調整サーバーのパフォーマンスを最適化できます。
調整タスクは、設定プログラムのユーザーが使用しないようにしてください。設定プログラムは、無限のタスクにアクセスでき、使用可能なリソースを独占できるため、並列プロセスに悪影響を及ぼしかねません。
代わりに、調整と Active Sync タスクには、能率化された最小限のユーザーを設定してください。タスクを実行する対象はタスクの一部として連続しているため、最小限のユーザーにすれば、タスクごとおよびリポジトリ内で更新するたびにスペースやオーバーヘッドの消費が少なくて済みます。
調整サーバーの状態ページ (debug/Show_Reconciler.jsp ) の説明を基に、キューサイズ別、利用可能なシステムリソース別、およびパフォーマンスのベンチマーク別に調整すべき設定を決定してください。これらの設定は、環境に応じて変わります。
利用可能な総メモリー量と空きメモリー量については、システムメモリー概要ページ (debug/Show_Memory.jsp ) をご使用ください。調整はメモリーを多く使う機能のため、この説明を使用すれば JVM に十分なメモリーが割り当てられてないかどうかが判断できます。また、ガベージコレクションの起動や、ヒープ使用量を調査するための JVM 内の未使用メモリーの消去にも、このページが役に立ちます。
調整を行うプロキシ管理者にユーザーフォームを割り当てるときは、ユーザーフォームをできる限り単純に保ち、必須フィールドのみを使用します。スキーママップよって変わりますが、waveset.organization 属性を計算するフィールドなどは十分間に合います。
ユーザーとロールに Identity Manager スキーマを表示したり編集する必要がある管理者は、IDM スキーマ設定管理者グループに設定し、IDM Schema Configuration 権限を付与する必要があります。
アカウント単位のワークフローを慎重に使用します。調整プロセスは、パフォーマンス目的でプロビジョニングタスクを開始することはデフォルトでありません。
アカウント単位のワークフロータスクを使用しなければならない場合は、調整ポリシーを編集して、調整サーバーの自動応答を対象イベントのみに制限してください。(「調整ポリシーの編集」ページの「状況」領域を参照してください。)
デフォルト設定で適切な場合が多いですが、「サーバー設定の編集」ページにある次の設定を調節すると、調整サーバーのパフォーマンスを向上できることがあります。
「並列リソース制限」。調整サーバーが並列処理できるリソーススレッドの最大数を指定します。
リソーススレッドは作業項目をワークスレッドに割り当てます。 このため、リソーススレッドを追加する場合、ワークスレッドの最大数を増やすことが必要になることがあります。
「最小ワークスレッド」。調整サーバーが常にオープンを保つ処理スレッド数を指定します。
「最大ワークスレッド」。調整サーバーが使用できる処理スレッドの最大数を指定します。調整サーバーは、ワークフローが要求するスレッドの数だけ起動します。この数には制限があります。ワークスレッドは、短時間アイドル状態が続くと自動的に閉じます。
アイドル中は、スレッドに行うべき処理がなく、指定した最小限のスレッド数にまで低下した場合に限り、スレッドが停止します。ロードが増えるに従って、最大スレッド数に達するまで、調整サーバーはさらにスレッドを追加します。調整サーバーは、最小限のスレッド数を下回ったり最大限のスレッド数を上回ることはありません。
通常、スレッドが増えると並列処理も増えます。ただし、多すぎるスレッドによっていつしかマシンに大きすぎる負荷が掛かったり、単に効果が得られなくなることがあります。
配備はそれぞれ異なるため、汎用的で最適な設定を推奨することはできません。調整サーバーの設定は、配備環境ごとに個別に調整する必要があります。
調整サーバーの設定を変更するには、次の項目を実行します。
管理者インタフェースにログインします。
「設定」->「サーバー」->「調整サーバー」タブの順にクリックします。
「サーバー設定の編集」ページが表示されたら、必要に応じて設定を調整します。
詳細は、「サーバーのデフォルト設定の編集」を参照してください。
Identity Manager で複数リソースに調整を設定する場合は、いくつかオプションがあります。
このサーバーに搭載されているすべてのリソースを一括して
このオプションは、Identity Manager から見ると一番効果的ですが、リソースが多いと (20 台を超えるなど)、Java リソースの問題が生じやすくなります。
このサーバーに搭載されているすべてのリソースを個別に
このオプションは、Java リソースのローディング時に楽になりが、スケジュール設定に大きな負荷がかかります。
各サーバーに搭載されているリソース別に一括して
このオプションは、経過時間を最小限に抑えますが、サーバー数をが大きくなります。
配備はそれぞれ異なるため、この設定には最適な解決策がありません。配備に合った解決策を見つけるには、これらのオプションを組み合わせて調整する必要があります。
この機能の業務目的を基に使用量アンケートを作成すると、進め方が決定しやすくなるかもしれません。
次の問題に取り組みます。
これらのリソースを調整している理由は。
どのリソースにも同じ目標があるか。
どのリソースも等しく重要または重大か。
すべてのリソースを同じスケジュールで調整しなくてはならないか。調整をかち合わないようにすることはできるか。
各リソースを調整すべき頻度は。
また、調整サーバーは、Web トラフィックを処理するプールに含める必要はありません。このサーバーはとトランザクション処理専用にあるため、決して直接対話しないようなサーバーを追加してください。トランザクション処理専用のサーバーを用意すると、大規模システムには一番上のオプションが最適かもしれません。