仮想サーバーは、特定の URL を対象にコンテンツを提供する仮想 Web サーバーです。複数の仮想サーバーが、同一または異なるホスト名、ポート番号、または IP アドレスを使用して、コンテンツを提供できます。HTTP サービスは、受信した Web 要求を URL に基づいて異なる仮想サーバーに送信します。
Enterprise Server を初めてインストールするときに、デフォルト仮想サーバーが作成されます。新規作成する個々の HTTP サーバーに、デフォルト仮想サーバーを割り当てることができます。
Web コンポーネント (Web モジュール) を含む Web アプリケーションと Java EE アプリケーションを、配備時に仮想サーバーに割り当てることができます。Web モジュールは複数のサーバーに割り当てることができ、仮想サーバーには複数の Web モジュールを割り当てることができます。Web アプリケーションを配備するときに仮想サーバーを指定していない場合、その Web アプリケーションが現在定義されている仮想サーバーのすべてに割り当てられます。その後、追加の仮想サーバーを作成して既存の Web アプリケーションを割り当てる場合は、Web アプリケーションを再配備する必要があります。配備の詳細については、『Sun GlassFish Enterprise Server v3 Application Deployment Guide 』を参照してください。
仮想サーバーのプロパティーを定義するには、asadmin set コマンドを使用します。次に例を示します。
asadmin set server-config.http-service.virtual-server.MyVS.property.sso-enabled="true" |
指定の Web アプリケーションについて、一部の仮想サーバーのプロパティーを設定できます。詳細については、『Sun GlassFish Enterprise Server v3 Application Deployment Guide』の「sun-web-app」を参照してください。
ここでは、次のテーマを取り上げます。
デフォルトでは、Enterprise Server の起動時に次の仮想サーバーが自動的に開始されます。
server: ユーザー定義のすべての Web モジュールをホスティングする仮想サーバー。
本稼動環境以外での Web サービスの開発、テスト、配備で必要となる仮想サーバーは、通常、server だけです。
__asadmin: すべての管理関連 Web モジュール (具体的には &AdminCon ole;) をホスティングする仮想サーバー。このサーバーの使用は制限されています。つまり、この仮想サーバーに Web モジュールを配備することはできません。
ただし本稼動環境では、同一物理サーバー上でユーザーと顧客のそれぞれが専用の Web サーバーを持つように見せる機能をホスティングするため、通常は追加の仮想サーバーも使用されます。
名前付きの仮想サーバーを作成するには、リモートモードで create-virtual-server サブコマンドを使用します。
仮想サーバーは、既存の HTTP リスナーを指定する必要があります。仮想サーバーは、すでに別の仮想サーバーが使用している HTTP リスナーを指定できないので、仮想サーバーを新規作成する前に、HTTP リスナーを 1 つ以上作成します。
サーバーが実行されていることを確認します。
リモートサブコマンドには、実行中のサーバーが必要です。
create-virtual-server(1) サブコマンドを使用して、仮想サーバーを作成します。
このサブコマンドのプロパティーについては、このマニュアルページに記載されています。
変更内容を適用するために、Enterprise Server を再起動します。
「ドメインの再起動」を参照してください。
この例は、 localhost に sampleServer という仮想サーバーを作成します。
asadmin> create-virtual-server sampleServer Command create-virtual-server executed successfully. |
コマンド行に asadmin help create-virutal-server と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。
既存の仮想サーバーを一覧表示するには、リモートモードで list-virtual-servers サブコマンドを使用します。
サーバーが実行されていることを確認します。
リモートサブコマンドには、実行中のサーバーが必要です。
list-virtual-servers(1) サブコマンドを使用して、仮想サーバーを一覧表示します。
この例は、localhost の仮想サーバーを一覧表示します。
asadmin> list-virtual-servers sampleListener admin-listener http-listener-2 http-listener-1 Command list-http-listeners executed successfully. |
コマンド行に asadmin help list-virutal-servers と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。
list-virtual-servers(1) サブコマンドを使用して、仮想サーバーを一覧表示します。
set(1) サブコマンドを使用して、指定した仮想サーバーの値を変更します。
仮想サーバーは、ドット表記名で指定します。
既存の仮想サーバーを削除するには、リモートモードで delete-virtual-server サブコマンドを使用します。
サーバーが実行されていることを確認します。
リモートサブコマンドには、実行中のサーバーが必要です。
list-virtual-servers(1) サブコマンドを使用して、仮想サーバーを一覧表示します。
必要に応じて、仮想サーバーが削除されることをユーザーに通知します。
delete-virtual-server(1) サブコマンドを使用して、仮想サーバーを削除します。
変更内容を適用するために、Enterprise Server を再起動します。
「ドメインの再起動」を参照してください。
この例は、localhost から sampleServer という仮想サーバーを削除します。
asadmin> delete-virtual-server sampleServer Command delete-virtual-server executed successfully. |
コマンド行に asadmin help delete-virutal-server と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。
デフォルト Web モジュールは、デフォルト仮想サーバーや個々の新しい仮想サーバーに割り当てることができます。仮想サーバーのデフォルト Web モジュールにアクセスするには、ブラウザで仮想サーバーの URL をポイントします。ただし、コンテキストルートは指定しないでください。次に例を示します。
http://myvserver:3184/
デフォルト Web モジュールが割り当てられていない仮想サーバーは、ドキュメントルート (通常は domain-dir /docroot) から HTML または JavaServer PagesTM ( JSPTM) のコンテンツを提供します。この HTML または JSP のコンテンツにアクセスするには、ブラウザで仮想サーバーの URL をポイントします。コンテキストルートは指定せず、ターゲットのファイルを指定します。
次に例を示します。
http://myvserver:3184/hellothere.jsp
配備済みのアプリケーションや Web モジュールに仮想サーバーを割り当てることができます。
アプリケーションやモジュールは、すでに配備済みである必要があります。詳細については、『Sun GlassFish Enterprise Server v3 Application Deployment Guide』を参照してください。
管理コンソール で、関連する構成の下にある HTTP サービスコンポーネントを開きます。
HTTP サービスコンポーネントの下にある仮想サーバーコンポーネントを開きます。
デフォルト Web モジュールを割り当てる仮想サーバーを選択します。
「デフォルト Web モジュール」ドロップダウンリストから、アプリケーションまたは Web モジュールを選択します。
詳細については、「デフォルトの Web モジュールを仮想サーバーに割り当てる」を参照してください。