Sun GlassFish Enterprise Server v3 管理ガイド

第 16 章 インターネット接続の管理

この章では、asadmin コマンド行ユーティリティーを使用して、Sun GlassFishTM Enterprise Server v3 の環境でインターネット接続のタスクを実行する手順について説明します。

ここでは、次のテーマを取り上げます。

本章で説明するタスクを 管理コンソール から実行する手順については、管理コンソール オンラインヘルプを参照してください。

インターネット接続について

HTTP サービスは、Web アプリケーションを配備する機能と、配備した Web アプリケーションをインターネットクライアントからアクセス可能にする機能を提供します。HTTP サービスは、リスナーと仮想サーバーという 2 種類の関連オブジェクトにより提供されます。

ここでは、次のテーマを取り上げます。

HTTP ネットワークリスナーについて

「HTTP リスナー」はインターネットプロトコル (IP) アドレス、ポート番号、サーバー名、およびデフォルトの仮想サーバーを持つリスナーソケットで、「ネットワークリスナー」とも呼ばれます。各仮想サーバーは、1 つまたは複数のリスナーを通じてサーバーとクライアントの間の接続を提供します。各リスナーは、ポート番号と IP アドレスの一意の組み合わせを持つ必要があります。たとえば、IP アドレス 0.0.0.0 を指定すると、HTTP リスナーは設定されたすべての IP アドレスのホストを特定のポートで待機できます。また、同一ポートを使用して、各リスナーに一意の IP アドレスを指定することもできます。

HTTP リスナーは IP アドレスとポート番号の組み合わせなので、同じ IP アドレスと異なるポート番号の組み合わせ、または異なる IP アドレスと同じポート番号の組み合わせ (これらのアドレスに対応するようにホストが構成されている場合) で、複数の HTTP リスナーを持つことができます。ただし、HTTP リスナーに単一のポート上ですべての IP アドレスを待機する 0.0.0.0 を使用する場合は、この同じポート上に、特定の IP アドレスを待機する HTTP リスナーを作成できません。たとえば、HTTP リスナーが 0.0.0.0: 8080 (ポート 8080 のすべての IP アドレス) を使用する場合、別の HTTP リスナーが 1.2.3.4: 8080 を使用することはできません。Enterprise Server が稼働中のホストは通常、1 つの IP アドレスにのみアクセスします。HTTP リスナーは通常、IP アドレス 0.0.0.0 と複数のポート番号を使用し、各ポート番号が異なる役割に使用されます。ただし、システムが複数の IP アドレスにアクセスできる場合は、各アドレスを異なる役割に使用できます。

Enterprise Server に配備された Web アプリケーションにアクセスするには、Web アプリケーション用に指定したコンテキストルートとともに、http://localhost:8080/ (セキュリティー保護されたアプリケーションでは https://localhost:8081/) という URL を使用します。

管理コンソール にアクセスするには、https://localhost:4848/http://localhost:4848/asadmin/ (コンソールのデフォルトコンテキストルート) の URL を使用します。

仮想サーバーについて

「仮想サーバー」は、複数のインターネットドメイン名を同一の物理サーバーでホストするためのオブジェクトで、仮想ホストとも呼ばれます。同一物理サーバーでホストされるすべての仮想サーバーが、その物理サーバーの IP アドレスを共有します。仮想サーバーは、サーバーのドメイン名 (www.aaa.com など) と、Enterprise Server が稼動するサーバーを関連付けます。各仮想サーバーは、ネットワークの DNS サーバーに登録する必要があります。


注 –

インターネットドメインと Enterprise Server の管理ドメインを混同しないでください。


たとえば、物理サーバーの www.aaa.comwww.bbb.com、および www.ccc.com のドメインをホストする場合を考えます。これらのドメインがそれぞれ、Web モジュール web1web2、および web3 に関連付けられていると仮定します。つまり、その物理サーバーでは、次の URL が処理されます。

http://www.aaa.com:8080/web1
http://www.bbb.com:8080/web2
http://www.ccc.com:8080/web3

最初の URL は仮想サーバー www.aaa.com、2 番目の URL は仮想サーバー www.bbb.com、3 番目の URL は仮想サーバー www.ccc.com にそれぞれマッピングされます。このマッピングが機能するためには、www.aaa.comwww.bbb.com、および www.ccc.com がすべて、物理サーバーの IP アドレスに解決され、仮想サーバーがネットワークの DNS サーバーに登録される必要があります。さらに、UNIX システムでは、これらのドメインを /etc/hosts ファイルに追加します (/etc/nsswitch.conf ファイルの hosts の設定に files が含まれる場合)。

HTTP ネットワークリスナーの管理

デフォルトでは、Enterprise Server の起動時に次の HTTP リスナーが自動的に開始されます。

次の表に、ポートを使用するリスナーについて、Enterprise Server のデフォルトポートを示します。

表 16–1 リスナーのデフォルトポート

リスナー 

デフォルトポート  

説明 

管理サーバー 

4848 

ドメイン管理サーバーには、管理コンソール と asadmin ユーティリティーを使ってアクセスします。管理コンソール には、ブラウザの URL にポート番号を指定します。リモートから asadmin サブコマンドを実行する場合は、オプション --port を使用してポート番号を指定します。

HTTP 

8080 

Web サーバーはポート上で HTTP 要求を待機します。配備した Web アプリケーションとサービスにアクセスするために、クライアントはこのポートに接続します。 

HTTPS 

8181 

セキュリティー保護された通信用に設定された Web アプリケーションは、個別のポートで待機します。 

ここでは、次のテーマを取り上げます。

Procedureインターネット接続を作成する

リスナーのオプションをすべて指定してインターネット接続を作成するには、この手順でサブコマンドを使用します。ネットワークリスナーは、バックグラウンドで作成されます。このプロセスの簡略バージョンについては、「HTTP ネットワークリスナーを作成する」を参照してください。

  1. サーバーが実行されていることを確認します。

    リモートサブコマンドには、実行中のサーバーが必要です。

  2. create-protocol(1) サブコマンドにオプション --securityenabled を指定して、HTTP または HTTPS プロトコルを作成します。

    組み込みの http-listener-1 HTTP プロトコルまたは http-listener-2 HTTPS プロトコルを使用する場合は、この手順を省略します。

  3. create-http(1) サブコマンドを使用して、HTTP 構成を作成します。

    組み込みプロトコルを使用する場合は、この手順を省略します。

  4. create-transport(1) サブコマンドを使用して、トランスポートを作成します。

    組み込みの tcp トランスポートを使用する場合は、この手順を省略します。

  5. (省略可能) create-threadpool(1) サブコマンドを使用して、スレッドプールを作成します。

    スレッドプールを使用しない場合、または組み込みの http-thread-pool スレッドプールを使用する場合は、この手順を省略します。

    スレッドプールの詳細については、第 5 章スレッドプールの管理を参照してください。

  6. create-network-listener(1) サブコマンドを使用して、HTTP リスナーを作成します。

    プロトコルとトランスポートを指定します。スレッドプールは省略可能です。

  7. 変更内容を適用するために、Enterprise Server を再起動します。

    「ドメインの再起動」を参照してください。

参照

コマンド行に asadmin help create-http-listener と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。

HTTP プロトコルの管理

各 HTTP リスナーは HTTP プロトコルを持ち、この HTTP プロトコルは create-protocol サブコマンドを使用するか、「HTTP ネットワークリスナーを作成する」の手順に従った場合に適用される組み込みプロトコルを使用して作成されます。

ここでは、次のテーマを取り上げます。

Procedureプロトコルを作成する

プロトコルを作成するには、リモートモードで create-protocol サブコマンドを使用します。

  1. サーバーが実行されていることを確認します。

    リモートサブコマンドには、実行中のサーバーが必要です。

  2. create-protocol(1) を使用して、プロトコルを作成します。

    サブコマンドのオプションとプロパティーについては、このマニュアルページに記載されています。


例 16–1 HTTP プロトコルの作成

この例は、セキュリティーを有効にして、プロトコル http-1 を作成します。


asadmin> create-protocol --securityenabled=true http-1
Command create-protocol executed successfully.

参照

コマンド行に asadmin help create-protocol と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。

Procedureプロトコルを一覧表示する

既存の HTTP プロトコルを一覧表示するには、リモートモードで list-protocols サブコマンドを使用します。

  1. サーバーが実行されていることを確認します。

    リモートサブコマンドには、実行中のサーバーが必要です。

  2. list-protocols(1) サブコマンドを使用して、既存のプロトコルを一覧表示します。


例 16–2 プロトコルの一覧表示

この例は、既存のプロトコルを一覧表示します。


asadmin> list-protocols
admin-listener
http-1
http-listener-1
http-listener-2
Command list-protocols executed successfully.

参照

コマンド行に asadmin help list-protocols と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。

Procedureプロトコルを削除する

プロトコルを削除するには、リモートモードで delete-protocol サブコマンドを使用します。

  1. サーバーが実行されていることを確認します。

    リモートサブコマンドには、実行中のサーバーが必要です。

  2. delete-protocol(1) サブコマンドを使用して、プロトコルを削除します。


例 16–3 プロトコルの削除

この例は、プロトコル http-1 を削除します。


asadmin> delete-protocol http-1
Command delete-protocol executed successfully.

参照

コマンド行に asadmin help delete-protocol と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。

HTTP 構成の管理

各 HTTP リスナーは HTTP 構成を持ち、この HTTP 構成は、create-http サブコマンドを使用するか、「HTTP ネットワークリスナーを作成する」の手順に従う場合に適用される組み込み構成を使用して作成されます。

ここでは、次のテーマを取り上げます。

ProcedureHTTP 構成を作成する

プロトコルの HTTP パラメータセットを作成するには、リモートモードで create-http サブコマンドを使用します。このパラメータセットは、ネットワークリスナーを 1 つ以上構成します。

  1. サーバーが実行されていることを確認します。

    リモートサブコマンドには、実行中のサーバーが必要です。

  2. create-http(1) サブコマンドを使用して、HTTP 構成を作成します。

    サブコマンドのオプションとプロパティーについては、このマニュアルページに記載されています。


例 16–4 HTTP 構成の作成

この例は、http-1 というプロトコルの HTTP パラメータセットを作成します。


asadmin> create-http --timeout-seconds 60 --default-virtual-server server http-1
Command create-http executed successfully.

参照

コマンド行に asadmin help create-http と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。

ProcedureHTTP 構成を削除する

プロトコルから HTTP のパラメータセットを削除するには、リモートモードで delete-http サブコマンドを使用します。

  1. サーバーが実行されていることを確認します。

    リモートサブコマンドには、実行中のサーバーが必要です。

  2. delete-http(1) サブコマンドを使用して、プロトコルから HTTP のパラメータを削除します。


例 16–5 HTTP 構成の削除

この例は、http-1 というプロトコルから HTTP のパラメータセットを削除します。


asadmin> delete-http http-1
Command delete-http executed successfully.

参照

コマンド行に asadmin help delete-http と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。

HTTP トランスポートの管理

各 HTTP リスナーは HTTP トランスポートを持ち、この HTTP トランスポートは、create-transport サブコマンドを使用するか、「HTTP ネットワークリスナーを作成する」の手順に従う場合に適用される組み込みトランスポートを使用して作成されます。

ここでは、次のテーマを取り上げます。

Procedureトランスポートを作成する

ネットワークリスナーのトランスポートを作成するには、リモートモードで create-transport サブコマンドを使用します。

  1. サーバーが実行されていることを確認します。

    リモートサブコマンドには、実行中のサーバーが必要です。

  2. create-transport(1) サブコマンドを使用して、トランスポートを作成します。

    サブコマンドのオプションとプロパティーについては、このマニュアルページに記載されています。


例 16–6 トランスポートの作成

この例は、アクセプタスレッド数としてデフォルト以外の値を使用する、http1-trans というトランスポートを作成します。


asadmin> create-transport --acceptorthreads 100 http1-trans
Command create-transport executed successfully.

参照

コマンド行に asadmin help create-transport と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。

Procedureトランスポートを一覧表示する

既存の HTTP トランスポートを一覧表示するには、リモートモードで list-transports サブコマンドを使用します。

  1. サーバーが実行されていることを確認します。

    リモートサブコマンドには、実行中のサーバーが必要です。

  2. list-transports(1) サブコマンドを使用して、既存のトランスポートを一覧表示します。


例 16–7 HTTP トランスポートの一覧表示

この例は、既存のトランスポートを一覧表示します。


asadmin> list-transports
http1-trans
tcp
Command list-transports executed successfully.

参照

コマンド行に asadmin help list-transports と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。

Procedureトランスポートを削除する

トランスポートを削除するには、リモートモードで delete-transport サブコマンドを使用します。

  1. サーバーが実行されていることを確認します。

    リモートサブコマンドには、実行中のサーバーが必要です。

  2. delete-transport(1) サブコマンドを使用して、トランスポートを削除します。


例 16–8 トランスポートの削除

この例は、http1-trans というトランスポートを削除します。


asadmin> delete-transport http1-trans
Command delete-transport executed successfully. 

参照

コマンド行に asadmin help delete-transport と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。

HTTP ネットワークリスナーの管理

ここでは、次のテーマを取り上げます。

ProcedureHTTP ネットワークリスナーを作成する

リスナーを作成するには、リモートモードで create-http-listener サブコマンドまたは create-network-listener サブコマンドを使用します。これらのサブコマンドは後方互換性を提供し、さらに HTTP プロトコルを使用するネットワークリスナーを作成するためのショートカットも提供します。ネットワークリスナー、関連プロトコル、トランスポート、および HTTP 構成がバックグラウンドで作成されます。このメソッドは便利なショートカットですが、一部のオプションのみにアクセスできます。リスナーのオプションをすべて指定する場合は、「インターネット接続を作成する」の手順に従ってください。

  1. サーバーが実行されていることを確認します。

    リモートサブコマンドには、実行中のサーバーが必要です。

  2. create-network-listener(1) サブコマンドまたは create-http-listener(1) サブコマンドを使用して、HTTP ネットワークリスナーを作成します。

  3. 必要な場合は、サーバーを再起動します。

    admin-listener という名前の特別な HTTP ネットワークリスナーを編集する場合は、変更を有効にするためにサーバーを再起動する必要があります。「ドメインの再起動」を参照してください。


例 16–9 HTTP リスナーの作成

この例は、アクセプタスレッド数としてデフォルト以外の値を使用する、sampleListener という HTTP リスナーを作成します。実行時にセキュリティーは有効になりません。


asadmin> create-http-listener --listeneraddress 0.0.0.0 
--listenerport 7272 --defaultvs server --servername host1.sun.com 
--acceptorthreads 100 --securityenabled=false 
--enabled=false sampleListener
Command create-http-listener executed successfully.


例 16–10 ネットワークリスナーの作成

この例は、実行時に有効にならない sampleListener というネットワークリスナーを作成します。


asadmin> create-network-listener --listenerport 7272 protocol http-1
--enabled=false sampleListenerCommand create-network-listener executed successfully.

参照

コマンド行に asadmin help create-http-listener または asadmin help create-network-listener と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。

ProcedureHTTP ネットワークリスナーを一覧表示する

既存の HTTP リスナーを一覧表示するには、リモートモードで list-http-listeners サブコマンドまたは list-network-listeners サブコマンドを使用します。

  1. サーバーが実行されていることを確認します。

    リモートサブコマンドには、実行中のサーバーが必要です。

  2. list-http-listeners(1) サブコマンドまたは list-network-listeners(1) サブコマンドを使用して、HTTP リスナーを一覧表示します。


例 16–11 HTTP リスナーの一覧表示

この例は、HTTP リスナーを一覧表示します。list-network-listeners サブコマンドを使用しても、同じ結果が得られます。


asadmin> list-http-listeners
admin-listener
http-listener-2
http-listener-1
Command list-http-listeners executed successfully.

参照

コマンド行に asadmin help list-http-listeners または asadmin help list-network-listeners と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。

ProcedureHTTP ネットワークリスナーを更新する

  1. list-http-listeners(1) サブコマンドまたは list-network-listeners(1) サブコマンドを使用して、HTTP リスナーを一覧表示します。

  2. set(1) サブコマンドを使用して、指定リスナーの値を変更します。

    リスナーは、そのドット表記名で指定します。


例 16–12 HTTP ネットワークリスナーの更新

この例は、security-enabled を false に変更します。


asadmin> set "server.network-config.protocols.protocol.
http-listener-2.security-enabled=false"server.network-config.
protocols.protocol.http-listener-2.security-enabled=falseCommand set executed successfully.

ProcedureHTTP ネットワークリスナーを削除する

既存の HTTP リスナーを削除するには、リモートモードで delete-http-listener サブコマンドまたは delete-network-listener サブコマンドを使用します。これにより、リスナーの通信のセキュリティーが無効になります。

  1. サーバーが実行されていることを確認します。

    リモートサブコマンドには、実行中のサーバーが必要です。

  2. list-http-listeners(1) サブコマンドを使用して、HTTP リスナーを一覧表示します。

  3. delete-http-listener(1) サブコマンドまたは delete-network-listener(1) サブコマンドを使用して、HTTP リスナーを削除します。

  4. 変更内容を適用するために、Enterprise Server を再起動します。

    「ドメインの再起動」を参照してください。


例 16–13 HTTP リスナーの削除

この例は、sampleListener という HTTP リスナーを削除します。


asadmin> delete-http-listener sampleListener
Command delete-http-listener executed successfully.

参照

コマンド行に asadmin help delete-http-listener または asadmin help delete-network-listener と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。

ProcedureSSL の HTTP リスナーを構成する

指定リスナー内に SSL 要素を作成して構成するには、create-ssl サブコマンドを使用します。これにより、リスナーの通信のセキュリティーが有効になります。

  1. サーバーが実行されていることを確認します。

    リモートサブコマンドには、実行中のサーバーが必要です。

  2. create-ssl(1) サブコマンドを使用して、HTTP リスナーを構成します。

  3. 変更内容を適用するために、Enterprise Server を再起動します。

    「ドメインの再起動」を参照してください。


例 16–14 SSL の HTTP リスナーの構成

この例は、http-listener-1 という SSL の HTTP リスナーを有効にします。


asadmin> create-ssl --type http-listener --certname sampleCert http-listener-1
Command create-ssl executed successfully.

参照

コマンド行に asadmin help create-ssl と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。

ProcedureHTTP リスナーから SSL を削除する

指定リスナーの SSL 要素を削除するには、リモートモードで delete-ssl サブコマンドを使用します。これにより、リスナーの通信のセキュリティーが無効になります。

  1. サーバーが実行されていることを確認します。

    リモートサブコマンドには、実行中のサーバーが必要です。

  2. delete-ssl(1) サブコマンドを使用して、HTTP リスナーから SSL を削除します。

  3. 変更内容を適用するために、Enterprise Server を再起動します。

    「ドメインの再起動」を参照してください。


例 16–15 HTTP リスナーからの SSL の削除

この例は、http-listener-1 という HTTP リスナーの SSL を無効にします。


asadmin> delete-ssl --type http-listener http-listener-1
Command delete-http-listener executed successfully.

参照

コマンド行に asadmin help delete-ssl と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。

ProcedureHTTP リスナーにデフォルト仮想サーバーを割り当てる

未定

  1. 管理コンソール で、関連する構成の下にある HTTP サービスコンポーネントを開きます。

  2. HTTP サービスコンポーネントの下にある HTTP リスナーコンポーネントを開きます。

  3. HTTP リスナーを選択するか、新規に作成します。

  4. 「デフォルト仮想サーバー」ドロップダウンリストから選択します。

    詳細については、「デフォルトの Web モジュールを仮想サーバーに割り当てる」を参照してください。

参照

詳細については、管理コンソール の「HTTP リスナー」ページの「ヘルプ」ボタンをクリックしてください。

仮想サーバーの管理

仮想サーバーは、特定の URL を対象にコンテンツを提供する仮想 Web サーバーです。複数の仮想サーバーが、同一または異なるホスト名、ポート番号、または IP アドレスを使用して、コンテンツを提供できます。HTTP サービスは、受信した Web 要求を URL に基づいて異なる仮想サーバーに送信します。

Enterprise Server を初めてインストールするときに、デフォルト仮想サーバーが作成されます。新規作成する個々の HTTP サーバーに、デフォルト仮想サーバーを割り当てることができます。

Web コンポーネント (Web モジュール) を含む Web アプリケーションと Java EE アプリケーションを、配備時に仮想サーバーに割り当てることができます。Web モジュールは複数のサーバーに割り当てることができ、仮想サーバーには複数の Web モジュールを割り当てることができます。Web アプリケーションを配備するときに仮想サーバーを指定していない場合、その Web アプリケーションが現在定義されている仮想サーバーのすべてに割り当てられます。その後、追加の仮想サーバーを作成して既存の Web アプリケーションを割り当てる場合は、Web アプリケーションを再配備する必要があります。配備の詳細については、『Sun GlassFish Enterprise Server v3 Application Deployment Guide 』を参照してください。

仮想サーバーのプロパティーを定義するには、asadmin set コマンドを使用します。次に例を示します。


asadmin set server-config.http-service.virtual-server.MyVS.property.sso-enabled="true"

指定の Web アプリケーションについて、一部の仮想サーバーのプロパティーを設定できます。詳細については、『Sun GlassFish Enterprise Server v3 Application Deployment Guide』「sun-web-app」を参照してください。

ここでは、次のテーマを取り上げます。

Procedure仮想サーバーを作成する

デフォルトでは、Enterprise Server の起動時に次の仮想サーバーが自動的に開始されます。

ただし本稼動環境では、同一物理サーバー上でユーザーと顧客のそれぞれが専用の Web サーバーを持つように見せる機能をホスティングするため、通常は追加の仮想サーバーも使用されます。

名前付きの仮想サーバーを作成するには、リモートモードで create-virtual-server サブコマンドを使用します。

始める前に

仮想サーバーは、既存の HTTP リスナーを指定する必要があります。仮想サーバーは、すでに別の仮想サーバーが使用している HTTP リスナーを指定できないので、仮想サーバーを新規作成する前に、HTTP リスナーを 1 つ以上作成します。

  1. サーバーが実行されていることを確認します。

    リモートサブコマンドには、実行中のサーバーが必要です。

  2. create-virtual-server(1) サブコマンドを使用して、仮想サーバーを作成します。

    このサブコマンドのプロパティーについては、このマニュアルページに記載されています。

  3. 変更内容を適用するために、Enterprise Server を再起動します。

    「ドメインの再起動」を参照してください。


例 16–16 仮想サーバーの作成

この例は、 localhostsampleServer という仮想サーバーを作成します。


asadmin> create-virtual-server sampleServer
Command create-virtual-server executed successfully.

参照

コマンド行に asadmin help create-virutal-server と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。

Procedure仮想サーバーを一覧表示する

既存の仮想サーバーを一覧表示するには、リモートモードで list-virtual-servers サブコマンドを使用します。

  1. サーバーが実行されていることを確認します。

    リモートサブコマンドには、実行中のサーバーが必要です。

  2. list-virtual-servers(1) サブコマンドを使用して、仮想サーバーを一覧表示します。


例 16–17 仮想サーバーの一覧表示

この例は、localhost の仮想サーバーを一覧表示します。


asadmin> list-virtual-servers
sampleListener
admin-listener
http-listener-2
http-listener-1

Command list-http-listeners executed successfully.

参照

コマンド行に asadmin help list-virutal-servers と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。

Procedure仮想サーバーを更新する

  1. list-virtual-servers(1) サブコマンドを使用して、仮想サーバーを一覧表示します。

  2. set(1) サブコマンドを使用して、指定した仮想サーバーの値を変更します。

    仮想サーバーは、ドット表記名で指定します。

Procedure仮想サーバーを削除する

既存の仮想サーバーを削除するには、リモートモードで delete-virtual-server サブコマンドを使用します。

  1. サーバーが実行されていることを確認します。

    リモートサブコマンドには、実行中のサーバーが必要です。

  2. list-virtual-servers(1) サブコマンドを使用して、仮想サーバーを一覧表示します。

  3. 必要に応じて、仮想サーバーが削除されることをユーザーに通知します。

  4. delete-virtual-server(1) サブコマンドを使用して、仮想サーバーを削除します。

  5. 変更内容を適用するために、Enterprise Server を再起動します。

    「ドメインの再起動」を参照してください。


例 16–18 仮想サーバーの削除

この例は、localhost から sampleServer という仮想サーバーを削除します。


asadmin> delete-virtual-server sampleServer
Command delete-virtual-server executed successfully.

参照

コマンド行に asadmin help delete-virutal-server と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。

デフォルトの Web モジュールを仮想サーバーに割り当てる

デフォルト Web モジュールは、デフォルト仮想サーバーや個々の新しい仮想サーバーに割り当てることができます。仮想サーバーのデフォルト Web モジュールにアクセスするには、ブラウザで仮想サーバーの URL をポイントします。ただし、コンテキストルートは指定しないでください。次に例を示します。

http://myvserver:3184/

デフォルト Web モジュールが割り当てられていない仮想サーバーは、ドキュメントルート (通常は domain-dir /docroot) から HTML または JavaServer PagesTM ( JSPTM) のコンテンツを提供します。この HTML または JSP のコンテンツにアクセスするには、ブラウザで仮想サーバーの URL をポイントします。コンテキストルートは指定せず、ターゲットのファイルを指定します。

次に例を示します。

http://myvserver:3184/hellothere.jsp

Procedure仮想サーバーをアプリケーションまたはモジュールに割り当てる

配備済みのアプリケーションや Web モジュールに仮想サーバーを割り当てることができます。

始める前に

アプリケーションやモジュールは、すでに配備済みである必要があります。詳細については、『Sun GlassFish Enterprise Server v3 Application Deployment Guide』を参照してください。

  1. 管理コンソール で、関連する構成の下にある HTTP サービスコンポーネントを開きます。

  2. HTTP サービスコンポーネントの下にある仮想サーバーコンポーネントを開きます。

  3. デフォルト Web モジュールを割り当てる仮想サーバーを選択します。

  4. 「デフォルト Web モジュール」ドロップダウンリストから、アプリケーションまたは Web モジュールを選択します。

    詳細については、「デフォルトの Web モジュールを仮想サーバーに割り当てる」を参照してください。