Logical Domains 1.2 リリースノート

LDoms 1.2 ソフトウェアに影響するバグ

この節では、このバージョンのソフトウェアを使用するときに発生する可能性があるバグの概要について説明します。バグの説明は、バグ ID の番号の順に記載されてい ます。利用できる回避方法および回復手順がある場合は、これも記載されています。

Logical Domains Manager がディスクパスとネットワークデバイスの妥当性検査を行わない

バグ ID 6447740: Logical Domains Manager がディスクパスとネットワークデバイスの妥当性検査を行いません。

ディスクパス

ゲストドメインの構成に含まれているディスクデバイスが存在していないか、その他 の理由により使用できない場合、このディスクは仮想ディスクサーバー (vds) で使用 できません。しかし、Logical Domains Manager は、ドメインのバインド時や起動時に警告またはエラーを生成しません。

ゲストが起動を試みると、次のようなメッセージがゲストのコンソールに出力されます。


WARNING: /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0: Timeout
connecting to virtual disk server... retrying

また、net-dev= プロパティーで指定したネットワークインタフェースが存在しないか、その他の理由により使用できない場合、仮想スイッチは物理マシンの外部と通信できなくなります。しかし、Logical Domains Manager は、ドメインのバインド時や起動時に警告またはエラーを生成しません。

Procedure仮想スイッチの net-dev プロパティーが誤って指定されている場合にその状態から回復する

  1. net-dev プロパティーの値を修正して、ldm set-vsw コマンドを実行します。

  2. 問題となっている仮想スイッチをホストしているドメインを再起動します。

Procedure仮想ディスクサービスデバイスまたはボリュームでエラーが発生した状態から回復する

  1. エラーが発生したデバイスまたはボリュームにバインドされた仮想ディスクを所有しているドメインを停止します。

  2. ldm rm-vdsdev コマンドを実行して、エラーが発生した仮想ディスクサービスデバイスを削除します。

  3. ldm add-vdsdev コマンドを実行して、ボリュームの物理パスを修正します。

  4. 仮想ディスクを所有しているドメインを再起動します。

ネットワークデバイス

ゲストドメインの構成に含まれているディスクデバイスが Logical Domains Manager 以外のソフトウェアで使用されている場合 (たとえば、ディスクデバイスがサービスドメインにマウントされている場合)、そのディスクは仮想ディスクサーバー (vds) で使用できません。しかし、Logical Domains Manager は、ドメインのバインド時または起動時に、ディスクが使用中であるという警告を生成しません。

ゲストドメインが起動を試みると、次のようなメッセージがゲストのコンソールに出力されます。


WARNING: /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0: Timeout
connecting to virtual disk server... retrying

Procedureディスクデバイスがほかのソフトウェアで使用されている場合にその状態から回復する

  1. ゲストドメインのバインドを解除します。

  2. ディスクデバイスのマウントを解除し、使用可能にします。

  3. ゲストドメインをバインドします。

  4. ドメインを起動します。

同時処理でゲストの OS がハングアップする場合がある

バグ ID 6497796: まれに、boot-device などの Logical Domains 変数を eeprom(1M) コマンドを使用してゲストドメイン内から更新するのと同時に、Logical Domains Manager を使用して同じドメインに対して仮想 CPU の追加または削除を行うと、ゲストの OS がハングアップする場合があります。

回避方法: これらの 2 つの操作を同時に実行しないようにします。

回復方法: ldm stop-domain および ldm start-domain コマンドを使用して、ゲスト OS を停止してから起動します。

ldm stop-domain コマンドの動作がわかりにくいことがある

バグ ID 6506494: ldm stop-domain コマンドの動作がわかりにくい場合があります。


# ldm stop-domain -f ldom

ドメインにカーネルモジュールデバッガの kmdb(1) プロンプトが表示されている場合、ldm stop-domain コマンドは失敗し、次のようなエラーが表示されます。


LDom <domain name> stop notification failed

Logical Domains の実行中にセキュリティーキーを設定できない

バグ ID 6510214: Logical Domains 環境では、ickey(1M) コマンドを使用して、Solaris OS 内から広域ネットワーク (WAN) 起動キーの設定または削除を行うことはできません。ickey 操作はすべて失敗し、次のようなエラーが表示されます。


ickey: setkey: ioctl: I/O error

また、制御ドメイン以外の論理ドメインで OpenBoot ファームウェアを使用して設定された WAN 起動キーは、ドメインを再起動すると記憶されていません。これらのドメインでは、OpenBoot ファームウェアで設定したキーは 1 回の使用でのみ有効です。

Logical Domains Manager が電源の再投入後に変数の変更を保持しない

バグ ID 6590259: この問題の概要は、「論理ドメイン変数の持続性」 で説明しています。

LDoms が有効か無効かに関係なく、NIS が有効になっているシステムでの server-secure.driver の使用

バグ ID 6533696: ネットワーク情報サービス (NIS) または NIS+ ネームサービスを使用するように構成されているシステムでは、Solaris Security Toolkit ソフトウェアに server-secure.driver が指定されていると、NIS または NIS+ が外部サーバーに接続できなくなります。NIS または NIS+ サーバーまたはマップマスターの名前を返す ypwhich(1) コマンドが、次のようなメッセージを表示して失敗した場合、この問題が発生していることが考えられます。


Domain atlas some.atlas.name.com not bound on nis-server-1.c

Logical Domains Manager とともに使用する場合の Solaris Security Toolkit の推奨ドライバは ldm_control-secure.driver です。NIS および NIS+ はこの推奨ドライバで動作します。

ネームサーバーとして NIS を使用している場合、Solaris Security Toolkit プロファイル server-secure.driver は使用できません。これは、Solaris OS バグ ID 6557663 によって、ipnat.conf を使用すると IP フィルタでパニックが発生する可能性があるためです。ただし、規定の Solaris Security Toolkit ドライバである ldm_control-secure.driver は、NIS と互換性があります。

Procedureシステムをリセットして回復する

  1. システムコントローラからシステムコンソールにログインし、必要に応じて次のように入力して ALOM モードに切り替えます。


    # #.
    
  2. 次のコマンドを ALOM モードで入力して、システムの電源を切ります。


    sc> poweroff
    
  3. システムの電源を入れます。


    sc> poweron
    
  4. ok プロンプトで次のように入力して、コンソールモードに切り替えます。


    sc> console
    
  5. システムの電源を入れます。


    ok boot -s
    
  6. ファイル /etc/shadow を編集します。

    shadow ファイルの root エントリを次のように変更します。


    root::6445::::::
  7. システムにログインして、次のいずれかの処理を実行します。

    • ファイル /etc/ipf/ipnat.conf を追加します。

    • 次のように、Solaris Security Toolkit を元に戻して、ほかのドライバを指定します。


    # /opt/SUNWjass/bin/jass-execute -ui
    # /opt/SUNWjass/bin/jass-execute -a ldm_control-secure.driver
    

論理ドメインのゲストのネットワークパフォーマンスが論理ドメイン以外の構成と比べて低い

バグ ID 6486234: 仮想ネットワークインフラストラクチャーでは、論理ドメインからの通信に対して余分なオーバーヘッドが追加されます。仮想ネットワークデバイスを介して送信されたすべてのパケットは、順に仮想スイッチに渡されます。次に、仮想スイッチはそのパケットを物理デバイス経由で送信します。パフォーマンスの低下は、スタック固有のオーバーヘッドにより発生します。

回避方法: 使用しているサーバーに応じて、次のいずれかの手順を実行します。

ホストの電源を再投入すると、論理ドメインの時刻の変更が保持されない

バグ ID 6590259: ntpdate コマンドなどを使用して、論理ドメインの時刻または日付を変更すると、この変更はドメインを再起動しても保持されますが、ホストの電源を再投入した場合は保持されません。

回避方法: 時刻の変更を保持するには、時刻が変更された構成を SC に保存して、この構成から起動します。

Logical Domains Manager の動作中に、eeprom(1M) コマンドで OpenBoot PROM 変数を変更できない

バグ ID 6540368: この問題の概要は、「論理ドメイン変数の持続性」 で説明しています。この問題は制御ドメインにのみ影響します。

Sun Fire T1000 サーバーの分割 PCI 構成では、Emulex ベースのファイバチャネルホストアダプタがサポートされない

Bug ID 6544004: Emulex ベースのファイバチャネルホストアダプタ (Sun パーツ番号 375-3397) を含むゲストドメインを起動しようとすると、ok プロンプトに次のようなメッセージが表示されます。


ok> FATAL:system is not bootable, boot command is disabled

回避方法: このアダプタは、Sun Fire T1000 サーバーの分割 PCI 構成では使用しないでください。

SunVTS の起動および停止を複数回実行するとホストコンソールが使用できなくなる

バグ ID 6549382: SunVTS を複数回起動および停止した場合に、SC の console コマンドを使用して SC コンソールからホストコンソールに切り替えを行うと、コンソールに次のいずれかのメッセージが繰り返し出力される可能性があります。


Enter #. to return to ALOM.
Warning: Console connection forced into read-only mode

回復方法: resetsc コマンドを使用して、SC をリセットします。

ゲストドメインまたは制御ドメインが停止した場合に仮想ディスクのタイムアウトが機能しない

バグ ID 6589660: 仮想ディスクを使用しているゲストドメインまたは制御ドメインのいずれかが停止した場合、たとえば、ドメインでカーネルデバッガ (kmdb) が実行されている場合や、send break を実行して OpenBoot PROM が表示されている場合は、仮想ディスクのタイムアウトが機能しません。

回避方法: ありません。

パニックおよび再起動のあと、Logical Domains Manager がゲストドメインのリソースをリタイアしない

バグ ID 6591844: CPU またはメモリーに障害が発生すると、影響を受けるドメインでパニックが発生し、再起動が行われる場合があります。ドメインの再起動中に、障害管理アーキテクチャー (FMA) が障害が発生したコンポーネントのリタイアを試みると、Logical Domains Manager はドメインと通信できなくなり、リタイアは失敗します。このような場合、fmadm faulty コマンドでは、このリソースは degraded (縮退) として表示されます。

回復方法: ドメインの再起動が完了するのを待機してから、次のコマンドを使用して制御ドメイン上で障害管理デーモン (fmd) を再起動し、FMA による障害イベントの再現を強制的に行います。


primary# svcadm restart fmd

DHCP を使用している同一ネットワーク上で、ゲストドメインに構成された仮想ネットワークが多すぎると、ゲストドメインが応答しなくなることがある

バグ ID 6603974: 動的ホスト構成プロトコル (DHCP) を使用している同一ネットワーク上で、ゲストドメインに 5 つ以上の仮想ネットワーク (vnet) を構成すると、ネットワークトラフィックの実行中に、ゲストドメインが最終的に応答しなくなることがあります。

回避方法: ip_ire_min_bucket_cnt および ip_ire_max_bucket_cnt に大きい値を設定します。たとえば、8 つのインタフェースを使用している場合は 32 に設定します。

回復方法: 問題のゲストドメイン (ldom) に対して、ldm stop-domain ldom コマンドを実行したあとで、ldm start-domain ldom コマンドを実行します。

単一ストランドの制御ドメインを強化すると障害管理デーモンがコアダンプを出力する

バグ ID 6604253: Solaris 10 11/06 OS が動作しており、ストランドが 1 つしか設定されていない primary ドメインのドライバを強化する場合、primary ドメインを再起動するか、障害管理デーモン (fmd) を再起動すると、fmd がコアダンプを出力する場合があります。fmd のコアダンプはリソースのクリーンアップ中に行われ、FMA 診断には影響しません。

回避方法: primary ドメインにいくつかのストランドを追加します。次に例を示します。


# ldm add-vcpu 3 primary

SC または SP のリセット後、scadm コマンドがハングアップすることがある

バグ ID 6629230: SC リセットのあとに、Solaris 10 11/06 OS 以降が動作している制御ドメイン上で scadm コマンドがハングアップすることがあります。SC のリセット後、システムは適切に接続を再確立できません。

回避方法: ホストを再起動して、SC との接続を再確立します。

回復方法: ホストを再起動して、SC との接続を再確立します。

共通コンソールグループ内で複数ドメインを同時にネットインストールすると失敗する

バグ ID 6656033: 共通のコンソールグループを持つ Sun SPARC Enterprise T5140 および Sun SPARC Enterprise T5240 システムで、複数のゲストドメインを同時にネットインストールすると失敗します。

回避方法: それぞれ固有のコンソールグループを持つゲストドメインでのみネットインストールを実行してください。この障害は、ネットインストールを行う複数のドメイン間で共有される、共通のコンソールグループを使用するドメインでのみ発生します。

prtdiag(1M) コマンドで一部の CPU が表示されない場合がある

バグ ID 6694939: 場合によっては、prtdiag(1M) コマンドで一部の CPU が表示されないことがあります。

回避方法: CPU の正確な数を確認するには、psrinfo(1M) コマンドを使用してください。

ゲストドメインで、スライス 2 に構築した SVM ボリュームを起動デバイスとして使用すると、JumpStart が失敗する

バグ ID 6687634: Sun Volume Manager (SVM) ボリュームがディスクのブロック 0 を含むディスクスライスの先頭に構築されている場合、SVM はボリュームのブロック 0 への書き込みを禁止して、ディスクのラベルが上書きされないようにします。

ディスクのブロック 0 を含むディスクスライスの先頭に構築された SVM ボリュームがフル仮想ディスクとしてエクスポートされると、ゲストドメインはその仮想ディスクにディスクラベルを書き込めなくなります。このため、このようなディスク上には Solaris OS をインストールできなくなります。

回避方法: 仮想ディスクとしてエクスポートされた SVM ボリュームは、ディスクのブロック 0 を含むディスクスライスの先頭に構築しないでください。

さらに一般的なガイドラインとして、物理ディスクの最初のブロック (ブロック 0) で始まるスライスは、直接的にも間接的にも仮想ディスクとしてエクスポートしないでください。『Logical Domains 1.2 管理ガイド』「ディスクスライスの直接的または間接的なエクスポート」 を参照してください。

Solaris 10 5/08 OS がサービスドメインにインストールされている場合に、そのドメインがサービスを提供している任意のゲストドメインで Solaris 10 8/07 OS のネットワーク起動を試みると、インストールがハングアップすることがある

バグ ID 6705823: Solaris 10 5/08 OS が動作しているサービスドメインによってサービスが提供されている任意のゲストドメインで、Solaris 10 8/07 OS のネットワーク起動を試みると、インストール中にゲストドメインでハングアップが発生することがあります。

回避方法: Solaris 10 8/07 OS ネットインストールイメージのミニルートにパッチ ID 127111-05 を適用します。

暗号化装置を含む DR による変更は LDoms 以前のファームウェアと互換性がない

バグ ID 6713547: 暗号化装置を含む動的再構成 (DR) による変更は、LDoms ソフトウェアリリース以前のファームウェアと互換性がありません。この問題により、古いファームウェアが動作している UltraSPARC T1 ベースのシステムでは暗号化ハードウェアを使用できません。

Logical Domains Manager で論理ドメインの停止に 15 分以上かかることがある

バグ ID 6742805: CPU が 1 つのみでメモリーが大容量の構成では、ドメインの停止またはメモリーのスクラブに 15 分以上かかることがあります。停止の際、ドメインの CPU はそのドメインが所有するすべてのメモリーをスクラブするために使用されます。CPU が 1 つのみでメモリーが 512G バイトのドメインのように不均衡な構成では、スクラブの完了までに非常に長い時間がかかる場合があります。スクラブ時間が長くなると、ドメインの停止にかかる時間も長くなります。

回避方法: 100G バイトを超える大容量メモリー構成が、少なくとも 1 つのコアを持つようにします。これにより、停止時間が短縮されます。

Elara Copper カードを使用するとサービスドメインが再起動時にハングアップする

バグ ID 6753219: primary ドメインに仮想スイッチを追加して再起動したあと、Elara Copper カードが取り付けられている場合には primary ドメインがハングアップします。

回避方法: サービスドメインの /etc/system ファイルに次の行を追加して再起動します。


set vsw:vsw_setup_switching_boot_delay=300000000

LDoms システムから uadmin 1 0 コマンドを実行すると、システムが OK プロンプトに戻らないことがある

バグ ID 6753683: LDoms システムのコマンド行から uadmin 1 0 コマンドを実行すると、それ以降のリセットでシステムが OK プロンプトに戻らない場合があります。この誤った動作は、LDoms 変数 auto-reboot?true に設定されている場合にのみ発生します。auto-reboot?false に設定されている場合は、期待どおりに動作します。

回避方法: 代わりに次のコマンドを使用します。


uadmin 2 0

または、常に auto-reboot?false に設定して実行するようにします。

移行されたドメインが、すでに起動されているにもかかわらず Logical Domains Manager に移行状態で表示される

バグ ID 6760933: アクティブな論理ドメインが、起動してから長時間が経過していたり、ドメイン移行の完了後であるにもかかわらず、「通常」の状態ではなく「移行」状態として表示されることがあります。この不具合が問題を引き起こすことはなく、ドメインは正常に動作しています。設定されているフラグを確認するには、ldm list -l -p コマンド出力の flags フィールドか、ldm list コマンドの FLAGS フィールドを確認します。このフィールドには、通常の状態の場合は -n----移行状態の場合は -t---- と表示されます。

回復方法: 次回の再起動時に、論理ドメインは正しい状態が表示されるはずです。

マシンがネットワーク接続されていない場合に NIS クライアントが実行されていると、Logical Domains Manager が起動しない

バグ ID 6764613: マシンにネットワークが構成されていない場合にネットワーク情報サービス (NIS) クライアントが実行されていると、Logical Domains Manager がシステムで起動しません。

回避方法: ネットワークに接続されていないマシンでは NIS クライアントを無効にします。


# svcadm disable nis/client

新しく構成した仮想ネットワークで仮想スイッチを使用した接続を確立できない

バグ ID 6765355: 新しい仮想ネットワーク (vnet) を論理ドメインに追加したときに、まれに、仮想スイッチを使用した接続を確立できないことがあります。この場合、論理ドメインとの間のネットワーク接続が失われます。このエラーが発生した場合は、仮想ネットワークインスタンスの /dev/vnetN シンボリックリンクが不足していることが確認できます。リンクが存在し、エラーが起きていない場合、リンクは次のように対応する /devices エントリを指します。


/dev/vnetN -> ../devices/virtual-devices@100/channel-devices@200/network@N:vnetN

回避方法: 次のいずれかの手順を実行します。

kmdb プロンプトが表示されているゲストドメインは移行しない

バグ ID 6766202: CPU が 1 つしか構成されていないゲストドメインでカーネルモジュールデバッガの kmdb(1) プロンプトが表示されている場合に、そのドメインを別のシステムに移行すると、ターゲットシステムで再開したときにゲストドメインでパニックが発生します。

回避方法: ゲストドメインを移行する前に、kmdb シェルを終了し、::cont と入力して OS の実行を再開します。そのあとで、ゲストドメインを移行します。移行が完了したら、コマンド mdb -K を使用して kmdb を再度実行します。

Solaris 10 5/08 以前の OS が動作しているサービスドメインから Solaris 10 10/08 OS が動作しているゲストドメインに、単一スライスの仮想ディスクとして ZFS ボリュームをエクスポートできない

バグ ID 6769808: Solaris 10 5/08 以前の OS が動作しているサービスドメインから Solaris 10 10/08 OS が動作しているゲストドメインに、単一スライスのディスクとして ZFS ボリュームをエクスポートしても、このゲストドメインではその仮想ディスクを使用できません。仮想ディスクへのアクセスはすべて失敗し、I/O エラーになります。

回避方法: サービスドメインを Solaris 10 5/09 にアップグレードします。

ターゲットに使用可能なメモリーが十分にある場合でも、移行でメモリーのバインドに失敗することがある

バグ ID 6772089: 特定の状況では、移行が失敗し、ソースドメインに必要なメモリーをバインドできなかったことが ldmd で報告される場合があります。これは、ターゲットマシンで使用可能なメモリーの合計容量がソースドメインで使用されているメモリー容量より多い場合でも発生することがあります。

この障害は、ソースドメインで使用されている特定のメモリー範囲を移行するには、ターゲットでもそれに対応するメモリー範囲が使用可能である必要があるために発生します。ソースのメモリー範囲に対応するメモリー範囲が見つからない場合、移行は続行できません。

回復方法: この状況が発生した場合は、ターゲットマシンのメモリー使用量を変更すると、ドメインを移行できるようになることがあります。この操作を行うには、ターゲットでバインドされている、またはアクティブな論理ドメインのバインドを解除します。

使用可能なメモリーとその使用状況を確認するには、ldm list-devices -a mem コマンドを使用してください。また、別のドメインへのメモリーの割り当て量を減らす必要があることもあります。

ターゲットの vdsdev のバックエンドが異なっていても移行が失敗しない

バグ ID 6772120: ターゲットマシンの仮想ディスクが、ソースマシンで使用されている同じディスクのバックエンドを指していない場合、移行されたドメインではそのディスクのバックエンドを使用して仮想ディスクにアクセスできません。そのドメインの仮想ディスクにアクセスすると、ハングアップする可能性があります。

現在、Logical Domains Manager では、仮想ディスクのボリューム名がソースマシンとターゲットマシンで一致していることのみを確認します。この場合、ディスクのバックエンドが一致していなくてもエラーメッセージは表示されません。

回避方法: 移行されたドメインを受信するようにターゲットドメインを構成する際、ディスクボリューム (vdsdev) がソースドメインで使用されているディスクのバックエンドと一致していることを確認します。

回復方法: ターゲットマシンで仮想ディスクデバイスが誤ったディスクのバックエンドを指していることがわかった場合は、次のいずれかの処理を実行します。

制約データベースと保存された構成との同期がとれていない

バグ ID 6773569: ldm set-config コマンドを使用してから電源を再投入する方法で、ある構成から別の構成に切り替えを行うと、以前の構成で定義されたドメインが現在の構成にもアクティブでない状態で存在していることがあります。

これは、Logical Domains Manager の制約データベースが、構成の変更と同期がとれていないことが原因です。このようなアクティブでないドメインは、動作している構成に影響しないため、安全に削除できます。

明示的なコンソールグループおよびポートのバインドが移行されない

バグ ID 6781589: 移行中、明示的に割り当てられたコンソールグループおよびポートはすべて無視され、デフォルトのプロパティーを持つコンソールがターゲットドメインに作成されます。このコンソールは、コンソールグループとしてターゲットドメイン名を使用し、制御ドメインの最初の仮想コンソール端末集配信装置 (vcc) デバイスの使用可能ポートを使用して作成されます。デフォルトのグループ名と競合する場合、移行は失敗します。

回復方法: 移行後に明示的なコンソールプロパティーを復元するには、ターゲットドメインのバインドを解除し、ldm set-vcons コマンドを使用して目的のプロパティーを手動で設定します。

Sun SPARC Enterprise T5440 システムで PCI バスの仮名が正しくない

バグ ID 6784945: Sun SPARC Enterprise T5440 システムでは、PCI バスの仮名 (ショートカット名) が正しくありません。

回避方法: Sun SPARC Enterprise T5440 システムで PCI バスを構成するには、次のリストコマンドの DEVICE 列に表示されるとおり、バス名に pci@xxxx という書式を使用する必要があります。

複数の仮想スイッチを使用した仮想ネットワークを持つドメインの移行を取り消すと、ドメインが再起動されることがある

バグ ID 6787057: 複数の仮想スイッチ (vsw) を使用した 2 つ以上の仮想ネットワークデバイス (vnet) を持つゲストドメインで、進行中の移行を取り消すと、移行中のドメインは、OS が動作しているソースマシンで処理を再開するのではなく、再起動される場合があります。この問題は、すべての vnet が 1 つの vsw に接続されている場合には発生しません。

回避方法: 複数の仮想スイッチを使用した 2 つ以上の仮想ネットワークを持つドメインを移行する場合は、処理の開始後に、Ctrl-C または ldm cancel-operation コマンドを使用してドメインの移行を取り消さないでください。誤ってドメインの移行を行なった場合は、その移行が完了したあとで、ソースマシンに再度移行して戻すことができます。

VIO DR 操作で強制 (-f) オプションが無視される

バグ ID 6703127: 仮想入出力 (VIO) 動的再構成 (DR) 操作で、CLI コマンドの -f (強制) オプションが無視されます。

primary ドメイン上で open()libpiclsnmp:snmp_init() がいつまでもブロックされる

バグ ID 6736962: Power Management で、制御ドメインの起動後、LDoms の起動時にサービスプロセッサからポリシーを取得できないことがあります。CPU Power Management でサービスプロセッサから Power Management ポリシーを取得できなかった場合、LDoms は期待どおりに起動しますが、「Unable to get the initial PM Policy - timeout」というエラーが LDoms ログに記録され、パフォーマンスモードが保持されます。

/etc/system に「forceload: drv/ds_snmp」を追加してから、制御ドメインを再起動してください。

CPU DR 操作でまれにデッドロックが発生する

バグ ID 6703958: plumbunplumb などのネットワークインタフェース関連の操作と並行して CPU の動的再構成 (DR) 操作を実行すると、まれにデッドロックが発生することがあります。

回避方法: ネットワークインタフェース関連の操作を避けることで、リスクを最小限に抑えてください。ドメインの起動中にこのデッドロックが発生する場合、ドメインを 2 つの CPU に設定してから再起動してください。

FMA 状態の失敗

バグ ID 6759853: ok プロンプトが表示されているドメインで、LDoms ログに次のエラーメッセージが断続的に書き込まれることがあります。


fma_cpu_svc_get_p_status: Can't find fma_cpu_get_p_status routine error

回避方法: 対象のドメインを起動します。

ldmconfig 実行時に、制御ドメインのルートファイルシステムがいっぱいになってシステムが停止する場合がある

バグ ID 6848114: ldmconfig は、作成されたドメイン用の仮想ディスクの格納に必要な容量が十分にあるファイルシステムを持たないシステムに対して実行できます。この場合、エラーメッセージが発生します。□しかし、ldmconfig によって、構成を配備するために /ldoms/disks 内のディスクを使用し続けることができます。その結果、制御ドメインのルートファイルシステムがいっぱいになってシステムが停止する場合があります。

回避方法: 次の手順を実行します。

  1. q または Ctrl-C を入力して·Configuration Assistant を終了します。

  2. 適切な容量のファイルシステムを追加します。

  3. ldmconfig コマンドを再実行します。

ゲストドメインが制御ドメインに対して不適切なドメインサービス接続を行う場合がある

バグ ID 6839787: Solaris 10 10/08 OS 以降を実行するゲストドメインが、Solaris 10 5/09 OS を実行する制御ドメインに対して適切なドメインサービス接続を行わない場合があります。

ドメインサービス接続により、動的再構成 (DR)、FMA、Power Management (PM) などの機能が有効になります。この問題はゲストドメインの起動時に発生するため、通常はゲストドメインを再起動することで解決します。

回避方法: ゲストドメインを再起動します。

ドメインサービスの無効な処理についての見せかけの警告メッセージがコンソールに出力される

バグ ID 6815015: このメッセージは無視できます。

ldm: 自動保存機能で破損した構成を識別してダウンロードできない

バグ ID 6840800: 他の方法では使用可能な、壊れたか破損した自動保存構成をダウンロードできません。

回避方法: 破損していない別の自動保存構成または別の SP 構成を使用します。

保留中の遅延再構成処理を取り消しても構成に対して行った変更が破棄されない

バグ ID 6839685: 構成に対して行った変更を破棄するために保留中の遅延再構成処理を取り消しても、現在の自動保存構成で変更が保持されます。

回避方法: 構成に対して遅延再構成処理を開始する前に、現在の構成 config-name の既存の自動保存データを保存します。


# cd /
# tar -cvf autosave.config-name.tar var/opt/SUNWldm/autosave-config-name

遅延再構成処理を取り消したあと、保存した構成の自動保存データを復元します。


# cd /
# rm -rf var/opt/SUNWldm/autosave-config-name
# tar -xvf autosave.config-name.tar

構成の自動回復: ldm add-config -r oldcfg newcfgoldcfg が以前の状態で保持されない

バグ ID 6846468: 現在、oldcfg 自動保存構成は削除され、newcfgnext poweron 構成に設定されます。oldcfgcurrent または next poweron としてマークしていた場合、それ以降の構成の変更により、oldcfg の自動保存構成が作成または更新されます。期待される動作は、oldcfg の自動保存構成は変更されずに保持され、newcfg の自動保存構成が作成されるという状態です。また、oldcfgcurrent または next poweron 構成の場合、このコマンドを使用したあとでもそのままの状態であることが期待されます。

Unable to bind memory; limit of 31 segments reached

バグ ID 6841421: 特定のメモリー構成では、ゲストドメインの作成が失敗し、次のエラーメッセージが表示されます。


Unable to bind memory; limit of 31 segments reached

複数のメモリーセグメントは、さまざまな CMP プロセッサでメモリーの量が異なる場合に常に発生する一般的な状態です。しかし、現在の Logical Domains Manager の各バージョンは、それぞれのゲストドメインで最大 31 のメモリーセグメントしかサポートできません。

回避方法: この状態は、次の状況で発生することがあります。

rm-io 操作のあとに複数回の set-vcpu 操作を行うと ldmd がコアダンプを出力する

バグ ID 6697096: 特定の状況で ldm rm-io 操作のあとに複数回の ldm set-vcpu 操作を行うと、ldmd が異常終了して SMF によって再起動されることがあります。

回避方法: ドメインで ldm rm-io 操作を実行したあとで ldm set-vcpu 操作を試みる場合は注意してください。1 回目の ldm set-vcpu 操作は成功しますが、特定の状況下で 2 回目の ldm set-vcpu 操作を実行すると、ldmd デーモンがコアダンプを出力する場合があります。代わりに、2 回目の set-vcpu 操作を試みる前にドメインを再起動します。

移行中に別のドメインを再起動すると、ドメインで CPU が失われることがある

バグ ID 6775847: ドメイン移行中にターゲットシステムで別のドメインを再起動すると、一定期間、システムでハングアップが発生したり、VCPU が 1 つだけになる場合があります。

このとき、ldm start および ldmm stop 操作の実行は防止されます。しかし、ゲストドメインで実行されている Solaris OS インスタンスでの reboot または init コマンドの実行は防止できません。

回避方法: マシンへの移行が進行している間、ターゲットシステムのドメインを再起動しないでください。

回復方法: この問題の症状が検出された場合は、ターゲットシステムで移行されたドメインを停止して再起動します。

仮想ネットワークの MAC アドレスが既存のドメインと競合すると、移行でターゲットのクリーンアップが実行されない

バグ ID 6779482: 移行中のドメインに、ターゲットの MAC アドレスと一致する MAC アドレスを持つ仮想ネットワークデバイスが構成されている場合、適切な処理として移行は失敗します。しかし、同じ名前と構成を持つアクティブでない未処理のドメインがターゲットに残されます。

回避方法: ターゲットで ldm destroy を使用し、アクティブでないドメインを手動で削除します。次に、MAC アドレスが一意になるように修正してから、ふたたび移行を試みます。

移行の予行演習チェックでは、メモリーが不十分であることが検出されない

バグ ID 6783450: ドメイン移行の予行演習チェック (-n) では、指定したドメインをバインドするのに十分な空きメモリーがターゲットシステムにあるかどうかは確認されません。その他のすべての条件が満たされていると、このコマンドでエラーは返されません。ただし、実際に移行を試みた際には正確にエラーが返されます。

回避方法: ターゲットマシンで ldm list-devices mem を実行し、移行するドメインに対して十分なメモリーが使用可能であることを確認します。

制御ドメインで仮想ネットワークデバイスが適切に作成されない

バグ ID 6836587: 仮想ネットワークまたは仮想ディスクデバイスをドメインに追加したあと、ifconfig でデバイスが存在しないと表示されることがあります。この状態は、/devices エントリが作成されていないために発生することがあります。

この状態は通常操作時には発生しませんが、仮想ネットワークデバイスのインスタンス番号が /etc/path_to_inst ファイルに示されているインスタンス番号と一致しない場合にこのエラーが検出されました。

次に例を示します。


# ifconfig vnet0 plumb
ifconfig: plumb: vnet0: no such interface

仮想デバイスのインスタンス番号は、ldm list の出力内の「DEVICE」列の下に表示されます。


# ldm list -o network primary
NAME             
primary          

MAC
    00:14:4f:86:6a:64

VSW
    NAME         MAC               NET-DEV DEVICE   DEFAULT-VLAN-ID PVID VID MTU  MODE  
    primary-vsw0 00:14:4f:f9:86:f3 nxge0   switch@0 1               1        1500        

NETWORK
    NAME   SERVICE              DEVICE    MAC               MODE PVID VID MTU  
    vnet1  primary-vsw0@primary network@0 00:14:4f:f8:76:6d      1        1500

このインスタンス番号 (ここに示す vnet および vsw の場合は両方とも 0) と path_to_inst ファイルのインスタンス番号を比較して、両方の番号が確実に一致するようにすることができます。


# egrep '(vnet|vsw)' /etc/path_to_inst
"/virtual-devices@100/channel-devices@200/virtual-network-switch@0" 0 "vsw"
"/virtual-devices@100/channel-devices@200/network@0" 0 "vnet"

回避方法: インスタンス番号が一致していない場合、その仮想ネットワークまたは仮想スイッチデバイスを削除します。次に、id プロパティーを設定することで必要なインスタンス番号を明示的に指定し、削除した仮想デバイスをふたたび追加します。

/etc/path_to_inst ファイルを手動で編集することもできます。path_to_inst(4) マニュアルページを参照してください。


注意 – 注意 –

マニュアルページに記載されている「changes should not be made to /etc/path_to_inst without careful consideration」という警告に注意してください。


構成の自動回復: 破損した自動保存構成の警告メッセージの改善

バグ ID 6845614: 破損した自動保存構成のほとんどのインスタンスで、Logical Domains Manager ログファイルに次の誤解を招くような警告メッセージが記録されます。


warning: Autosave config 'config-name' missing HV MD

このメッセージが発生する実際の理由は、ゲストドメインまたは制御ドメインに破損した MD があるか、有効な MD が存在しないためです。

Logical Domains ドメインサービスモジュールは、64 を超えるポートをサポートする必要がある

バグ ID 6833994: この問題により、60 を超えるゲストドメインを作成できません。この制限は、次の Solaris 10 OS のリリース時に解除される予定です。

vntsd を再起動しないかぎり、移行したドメインのコンソールに接続できない

バグ ID 6757486: ドメインの移行後、そのドメインのコンソールに接続できない場合があります。

回避方法: vntsd SMF サービスを再起動し、コンソールに接続できるようにします。


# svcadm restart vntsd

注 –

このコマンドは、アクティブなすべてのコンソール接続を切断します。


e1000g からの起動時に I/O ドメインまたはゲストドメインでパニックが発生する

バグ ID 6808832: Sun Fire T5240 などのシステムでは、専用 PCI-E ルートコンプレックスで最大 2 つのドメインを構成できます。このようなシステムには、2 つの UltraSPARC T2+ CPU と 2 つの I/O ルートコンプレックスが装備されています。

システムの 2 つのルートコンプレックスは、pci@500pci@400 です。primary ドメインには、少なくとも 1 つのルートコンプレックスが必ず含まれます。2 つめのドメインは、割り当てまたはバインドされていないルートコンプレックスを使用して構成できます。

pci@400 ファブリック (またはリーフ) には、オンボード e1000g ネットワークカードが備わっています。次の状況では、ドメインでパニックが発生する場合があります。

次のネットワークデバイスが primary 以外のドメインに構成されている場合、これらのデバイスを避けてください。


/pci@400/pci@0/pci@c/network@0,1
/pci@400/pci@0/pci@c/network@0

これらの条件に該当する場合、PCI-E の致命的エラーが発生し、そのドメインでパニックが発生します。

このような構成を避けるか、またはこのような構成を使用している場合は、示されているデバイスから起動しないでください。

ldm stop で大きいドメインに対するタイムアウトの報告が早すぎる

バグ ID 6839284: 少なくとも 120G バイトのメモリーを備えた論理ドメインで、ldom stop または ldom stop -f コマンドを実行すると、操作がタイムアウトしたと通知されることがあります。stop 操作がタイムアウトしても、バックグラウンドで論理ドメインの停止処理は続行されます。

回避方法: 論理ドメインの停止処理は続行されるため、タイムアウト通知を無視できます。

set-vdisk および set-vnet 操作によってゲストドメインが遅延再構成モードに設定される

バグ ID 6852685: Logical Domains 1.2 リリースから、遅延再構成処理は制御ドメインだけでサポートされます。しかし、Logical Domains Manager は、set-vdisk および set-vnet 操作でこの制限を適切に実施しません。これらの操作のいずれかをゲストドメインで実行すると、そのドメインは遅延再構成モードになります。

回避方法: set-vdisk または set-vnet 操作の結果、ゲストドメインが遅延再構成モードになった場合は、次の手順を実行します。

  1. ldm cancel-operation reconf コマンドを使用して、保留中の遅延再構成を取り消します。

  2. ゲストドメインを停止します。

  3. ldm set-vdisk または ldm set-vnet コマンドを再実行します。

  4. ゲストドメイン を起動します。


注 –

ドメインがすでに停止したか、遅延再構成モードで再起動された場合、保留中の構成がコミットされます。遅延再構成処理の使用に関する問題または制限の詳細は、『Logical Domains (LDoms) 1.1 Release Notes』 を参照してください。


システムが Power Management のエラスティックモードのときにゲストドメインが正常に再起動できない場合がある

バグ ID 6853273: システムが Power Management のエラスティックモードのときにゲストドメインを再起動しようとすると、次の警告メッセージが発生して正常に起動できない場合があります。


WARNING: /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0:
Sending packet to LDC, status: -1
WARNING: /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0:
Can't send vdisk read request!
WARNING: /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0:
Timeout receiving packet from LDC ... retrying

回避方法: このような警告が表示される場合、次の順序でいずれかの回避方法を実行します。

エラスティックモードでの再起動時に「CPU failed to start」パニックが発生する

バグ ID 6852379: まれに、Power Management モードがエラスティックモードに設定されている場合に、起動中のドメインで、起動手順の非常に早い段階でパニックが発生し、次のいずれかのようなメッセージが表示されることがあります。


Boot device: /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0  File and args:
SunOS Release 5.10 Version Generic_139555-08 64-bit
Copyright 1983-2009 Sun Microsystems, Inc.  All rights reserved.
Use is subject to license terms.

panic[cpu0]/thread=180e000: cpu1 failed to start (2)

または


Boot device: /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0  File and args:
SunOS Release 5.10 Version Generic_139555-08 64-bit
Copyright 1983-2009 Sun Microsystems, Inc.  All rights reserved.
Use is subject to license terms.

panic[cpu0]/thread=180e000: XC SPL ENTER already entered (0x0)

影響: パニックは起動手順の非常に早い段階で発生します。これはアプリケーションまたはファイルシステムの起動前であるため、アプリケーションまたはファイルシステムには影響しません。ドメインは自動的に再起動するはずです。ドメインは、CR 6853590 のために再起動しない場合があります。「サービスを初期化できないとき、OpenBoot プロンプトで再起動が停止する」 を参照してください。

回避方法: ドメインが起動しない場合、次のいずれかを実行します。

CPU DR 操作のあとでドメインが動作しているときに、ldmd でドメインの状態が transition と表示される

バグ ID 6816969: 起動済みのドメインが移行モードとマークされることがあります。移行モードは、Solaris ドメインが起動中または停止中のモードです。いずれかのドメインが移行モードの場合、システムで CPU Power Management は実行されません。ドメインが移行モードのままの場合、いずれかのドメインに負荷が加わったときに CPU Power Management は実行されません。

回避方法: エラスティックモードからパフォーマンスモードに切り替えます。エラスティックモードに戻る場合は、移行モードのままのドメインを再起動します。

add-vdisk コマンドが失敗したあとに問題が発生する場合がある

バグ ID 6854189: 動作中のゲストドメインへの仮想ディスクの追加が失敗した場合、操作の完了後に、そのゲストドメインで次のようなメッセージが表示されることがあります。


vdc: NOTICE: [5] Error initialising ports

回避方法: ゲストドメインがこの状態になった場合、その動作中のゲストドメインに別の仮想ディスクを追加しても、システムにすぐに表示されないことがあります。この場合、devfsadm コマンドを実行し、システムで使用可能なデバイスが強制的に構成され、新しく追加した仮想ディスクが表示されるようにします。

サービスを初期化できないとき、OpenBoot プロンプトで再起動が停止する

バグ ID 6853590: 次に示す 1 つまたは複数のメッセージがコンソールに表示されたあと、論理ドメインの再起動処理が OpenBoot プロンプトで停止することがあります。


NOTICE: Unable to complete Domain Service protocol version handshake
WARNING: Unable to connect to Domain Service providers
WARNING: Unable to get LDOM Variable Updates
WARNING: Unable to update LDOM Variable

回避方法: OpenBoot プロンプトで、ドメインを手動で起動します。

いくつのドメインが起動中の場合、ldm コマンドの応答が遅くなる

バグ ID 6855079: いくつかのドメインが起動中の場合、ldm コマンドの応答が遅くなることがあります。この段階で ldm コマンドを実行すると、コマンドがハングアップしているように見える場合があります。ldm コマンドは、期待どおりのタスクを実行したあとで戻されます。コマンドが戻されたら、システムは通常どおり ldm コマンドに応答するはずです。

回避方法: 多くのドメインを同時に起動することを避けてください。ただし、いくつかのドメインを同時に起動する必要がある場合、システムが通常の状態に戻るまで新しい ldm コマンドを実行しないようにします。たとえば、Sun SPARC Enterprise T5140 および T5240 サーバーでは約 2 分間、Sun SPARC Enterprise T5440 サーバーまたは Netra T5440 サーバーでは約 4 分間待機します。

制御ドメインまたはゲストドメインの再起動時に見せかけの「dl_ldc_cb: LDC READ event」メッセージが発生する

バグ ID 6846889: 制御ドメインまたはゲストドメインの再起動時に、再起動中の制御ドメインおよびゲストドメインのログに、次の警告メッセージが記録される場合があります。


WARNING: ds@0: ds_ldc_cb: LDC READ event while port not up

回避方法: このメッセージは無視できます。

Logical Domains 1.1 から Logical Domains 1.2 にアップグレードしたあとで ldm list -l を実行すると ldmd がコアダンプを出力する

バグ ID 6855534: 制御ドメインの OS イメージを以前のリリースの Logical Domains からアップグレードする場合、制御ドメインで制約データベースファイルを必ず保持してください。『Logical Domains 1.2 管理ガイド』「Logical Domains の制約データベースファイルの保存および復元」 を参照してください。

制約データベースを保持できなかった場合、実行中の構成と一致しない制約データベースを制御ドメインに移入しないでください。このような不一致がある場合、次に示すように、ldm list -l コマンドを実行すると、Logical Domains Manager が異常終了することがあります。


primary# ldm list -l ldg0
Invalid response
primary#

回避方法: 回復するには、アップグレードされた制御ドメインで既存のすべての制約データベースファイルを削除します。次に、svcadm restart ldmd コマンドを使用し、Logical Domains Manager を再起動して通常操作を再開します。

UltraSPARC T2 および UltraSPARC T2 Plus ベースのシステム: 新しい CPU を追加するときにドメインでパニックが発生する場合がある

バグ ID 6837313: まれに、UltraSPARC T2 および UltraSPARC T2 Plus ベースのシステムで新しい CPU をドメインに追加すると、そのドメインでパニックが発生する場合があります。このパニックは、PCI バスを追加または削除したあとで CPU を追加する場合によく発生します。

影響: ドメインのパニックが発生すると、スタックトレースが出力されます。このスタックトレースには n2rng ドライバへの参照が含まれる場合があります。

回避方法: この問題は、n2rng ドライバが統計情報を格納する構造を初期化すると発生します。次に示すように、n2rng ドライバで統計情報の生成を無効にすることで、この問題を防ぐことができます。