Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)

NFS サービスの設定

この節では、次のことを行うために必要な作業を説明します。


注 –

Solaris 10 以降のリリースでは、NFS のデフォルトは version 4 です。


表 5–3 NFS サービスの作業マップ

作業 

説明 

参照先 

NFS サーバーを起動します 

NFS サービスが自動的に起動されていない場合に、NFS サービスを起動する手順。 

「NFS サービスを起動する方法」

NFS サーバーを停止します 

NFS サービスを停止する手順。通常は、サービスを停止する必要はありません。 

「NFS サービスを停止する方法」

オートマウンタを起動します 

オートマウンタを起動する手順。オートマウンタマップが変更された場合、この手順が必要です。 

「オートマウンタを起動する方法」

オートマウンタを停止します 

オートマウンタを停止する手順。オートマウンタマップが変更された場合、この手順が必要です。 

「オートマウンタを停止する方法」

サーバー上で異なるバージョンの NFS を選択します 

サーバー上で異なるバージョンの NFS を選択する手順。NFS version 4 を使用しない場合、この手順を使用します。 

「サーバー上で異なるバージョンの NFS を選択する方法」

クライアント上で異なるバージョンの NFS を選択します 

/etc/default/nfs ファイルを変更して、クライアント上で異なるバージョンの NFS を選択する手順。NFS version 4 を使用しない場合、この手順を使用します。

/etc/default/nfs ファイルを変更することで、クライアント上で異なるバージョンの NFS を選択する方法」

 

コマンド行を使用して、クライアント上で異なるバージョンの NFS を選択する代替手順。NFS version 4 を使用しない場合、この代替手順を使用します。 

「コマンド行を使用して、クライアント上で異なるバージョンの NFS を選択する方法」

ProcedureNFS サービスを起動する方法

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. サーバー上で NFS サービスを有効にします。

    次のコマンドを入力します。


    # svcadm enable network/nfs/server
    

    このコマンドを実行すると、NFS サービスが有効になります。


    注 –

    Solaris 9 を起動すると、システムのブート時に NFS サーバーは自動的に起動します。さらに、システムのブート以降は、NFS ファイルシステムを共有すると NFS サービスデーモンが自動的に有効になります。「ファイルシステム自動共有を設定する方法」を参照してください。


ProcedureNFS サービスを停止する方法

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. サーバー上で NFS サービスを無効にします。

    次のコマンドを入力します。


    # svcadm disable network/nfs/server
    

Procedureオートマウンタを起動する方法

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. autofs デーモンを有効にします。

    次のコマンドを入力します。


    # svcadm enable system/filesystem/autofs
    

Procedureオートマウンタを停止する方法

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. autofs デーモンを無効にします。

    次のコマンドを入力します。


    # svcadm disable system/filesystem/autofs
    

Procedureサーバー上で異なるバージョンの NFS を選択する方法

NFS version 4 を使用しない場合、この手順を使用します。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. /etc/default/nfs ファイルを編集します。

    たとえば、サーバーが version 3 だけを使用するようにするには、NFS_SERVER_VERSMAX と NFS_SERVER_VERSMIN の値を 3 に設定します。キーワードとその値の一覧については、/etc/default/nfs ファイルのキーワード」を参照してください。


    NFS_SERVER_VERSMAX=value
    NFS_SERVER_VERSMIN=value
    
    value

    バージョン番号を指定します。


    注 –

    これらの行は、デフォルトでコメントになっています。ポンド記号 (#) を削除することも忘れないでください。


  3. SMF パラメータを変更して、NFS のバージョン番号を設定します。

    たとえば、サーバーが version 3 だけを使用するようにするには、次のようにして server_vermaxserver_versmin の両方を 3 に設定します。


    # sharectl set -p server_vermax=3 nfs
    # sharectl set -p server_vermin=3 nfs
    
  4. (省略可能) サーバー委託を無効にする場合、/etc/default/nfs ファイルに次の行を追加します。


    NFS_SERVER_DELEGATION=off
    

    注 –

    NFS version 4 では、サーバー委託は、デフォルトで有効になっています。詳細は、「NFS version 4 における委託」を参照してください。


  5. (省略可能) クライアントとサーバーの共通ドメインを設定する場合は、/etc/default/nfs ファイルに次の行を追加します。


    NFSMAPID_DOMAIN=my.comany.com
    
    my.comany.com

    共通ドメインを指定します

    詳細は、nfsmapid デーモン」を参照してください。

  6. NFS サービスがサーバー上で動作していることを確認します。

    次のコマンドを入力します。


    # svcs network/nfs/server
    

    このコマンドは、NFS サーバーサービスがオンラインか、または無効かをレポートします。

  7. (省略可能) 必要に応じて、NFS サービスを無効にします。

    NFS サービスがオンラインであることを前の手順で検出した場合、次のコマンドを入力して、サービスを無効にします。


    # svcadm disable network/nfs/server
    

    注 –

    NFS サービスを構成する必要がある場合は、「ファイルシステム自動共有を設定する方法」を参照してください。


  8. NFS サービスを有効にします。

    次のコマンドを入力して、サービスを有効にします。


    # svcadm enable network/nfs/server
    
参照

「NFS におけるバージョンのネゴシエーション」

Procedure/etc/default/nfs ファイルを変更することで、クライアント上で異なるバージョンの NFS を選択する方法

次の手順は、/etc/default/nfs ファイルを変更して、クライアント上で使用される NFS のバージョンを制御する方法を示しています。コマンド行を使用する場合は、「コマンド行を使用して、クライアント上で異なるバージョンの NFS を選択する方法」を参照してください。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. /etc/default/nfs ファイルを編集します。

    たとえば、クライアント上で version 3 だけを使用するようにするには、NFS_CLIENT_VERSMAX と NFS_CLIENT_VERSMIN の値を 3 に設定します。キーワードとその値の一覧については、/etc/default/nfs ファイルのキーワード」を参照してください。


    NFS_CLIENT_VERSMAX=value
    NFS_CLIENT_VERSMIN=value
    
    value

    バージョン番号を指定します。


    注 –

    これらの行は、デフォルトでコメントになっています。ポンド記号 (#) を削除することも忘れないでください。


  3. クライアント上で NFS をマウントします。

    次のコマンドを入力します。


    # mount server-name:/share-point /local-dir
    
    server-name

    サーバーの名前を指定します。

    /share-point

    共有するリモートディレクトリのパスを指定します。

    /local-dir

    ローカルマウントポイントのパスを指定します。

参照

「NFS におけるバージョンのネゴシエーション」

Procedureコマンド行を使用して、クライアント上で異なるバージョンの NFS を選択する方法

次の手順は、コマンド行を使用して、クライアントで特定のマウントに使用される NFS のバージョンを制御する方法を示しています。/etc/default/nfs ファイルを変更する場合は、/etc/default/nfs ファイルを変更することで、クライアント上で異なるバージョンの NFS を選択する方法」を参照してください。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. クライアント上で、目的のバージョンの NFS をマウントします。

    次のコマンドを入力します。


    # mount -o vers=value server-name:/share-point /local-dir
    
    value

    バージョン番号を指定します。

    server-name

    サーバーの名前を指定します。

    /share-point

    共有するリモートディレクトリのパスを指定します。

    /local-dir

    ローカルマウントポイントのパスを指定します。


    注 –

    このコマンドは、NFS プロトコルを使用して、リモートディレクトリをマウントし、/etc/default/nfs ファイルのクライアント設定を上書きします。


参照

「NFS におけるバージョンのネゴシエーション」