Solaris 9 リリースから、次の USB リムーバブル大容量ストレージデバイスがサポートされるようになりました。
CD-RW
ハードディスク
DVD
デジタルカメラ
フロッピーディスクデバイス
SmartMedia および CompactFlash デバイス
Oracle Solaris ZFS ファイルシステムで USB 大容量ストレージデバイスを使用する方法については、「USB デバイスの新機能」を参照してください。
Oracle Solaris OS でサポートされるすべての USB デバイスを確認するには、次の Web サイトを参照してください。
http://www.sun.com/io_technologies/USB.html
以前の Solaris リリースでは、すべての USB ストレージデバイスはリムーバブルメディアとして識別されていました。これにより、自動マウントをはじめ、次に示す利点の大部分が実現されていました。Solaris 10 6/06 リリースでは、USB 大容量ストレージデバイスがホットプラグ対応デバイスとして認識されますが、次に示すような USB リムーバブルメディアの利点も得られます。ホットプラグの動作の詳細は、「USB と 1394 (FireWire) サポートの機能拡張」を参照してください。
Solaris 10 1/06 リリース以降、ホットプラグ対応デバイスは自動的にマウントされます。詳細は、「vold によるホットプラグ対応 USB デバイスの認識」 を参照してください。
標準の MS-DOS または Windows (FAT) ファイルシステムを使用する USB ストレージデバイスがサポートされます。
使いやすい rmformat コマンドを使用して、スライスを作成できます。fdisk コマンドを使用して USB デバイスのパーティションを作成できますが、format ユーティリティーまたは rmformat -F コマンドを使用して USB デバイスを物理的にフォーマットしないでください。
rmformat コマンドを使用して、メディアが挿入されているすべての USB デバイスを表示します。例については、「USB デバイス情報を表示する方法」を参照してください。
mount コマンドが必要なくなったため、ルート以外のユーザーでも USB ストレージデバイスにアクセスできます。デバイスは自動的にマウントされ、/rmdisk ディレクトリの下で利用できます。システムの停止中に新しいデバイスを接続した場合は、boot -r コマンドを使用して再構成ブートを実行し、そのデバイスを認識させます。
これらのデバイスは、リムーバブルメディアサービスを実行している場合でも実行していない場合でも管理できます。
FAT ファイルシステムを持つディスクをマウントし、アクセスできるようになりました。次に例を示します。
mount -F pcfs /dev/dsk/c2t0d0s0:c /mnt |
LOG SENSE ページをサポートするデバイスを除き、すべての USB ストレージデバイスの電源管理が行われます。LOG SENSE ページを使用するデバイスは通常、USB-SCSI ブリッジデバイスを介して接続する SCSI デバイスです。
USB 大容量ストレージデバイスでは、アプリケーションの動作が異なる場合があります。USB ストレージデバイスでアプリケーションを使用するときには、次の点に考慮してください。
以前のリリースではフロッピーディスクなどの小容量のデバイスだけがリムーバブルメディアとして認識されていたため、アプリケーションがメディアのサイズを正しく認識しないことがあります。
メディアを取り出すことができないデバイス (ハードディスクドライブなど) に対して、メディアを取り出す要求を行うと、要求は成功しますが、何も実行されません。
以前の Solaris リリースの動作が必要な場合、つまり、すべての USB 大容量ストレージがリムーバブルメディアデバイスとして認識されるようにするには、/kernel/drv/scsa2usb.conf ファイルを更新すれば、以前の動作を強制的に適用できます。
USB 大容量ストレージデバイスの詳しい使用方法については、scsa2usb(7D) のマニュアルページを参照してください。
USB フロッピーディスクはリムーバブルメディアデバイスとして表示されます。USB フロッピーディスクデバイスは、fd (フロッピー) ドライバでは管理されません。アプリケーションから fd (ネイティブフロッピー) ドライバに対する ioctl(2) 呼び出しを実行すると、そのアプリケーションは失敗します。read(2) および write(2) 呼び出しのみを実行するアプリケーションは成功します。SunPCI や rmformat などのほかのアプリケーションも成功します。
USB フロッピーディスクデバイスは SCSI リムーバブルメディアデバイスとして認識されます。デバイスは /rmdisk ディレクトリの下で利用できます。
USB フロッピーディスクデバイスの使用方法の詳細は、第 1 章リムーバブルメディアの管理 (概要)を参照してください。
デバイスの識別が間違っていたり、USB 大容量ストレージクラスと互換性がないとされているドライバでも、USB 大容量ストレージドライバをサポートする場合があります。scsa2usb.conf ファイルには、大容量デバイスに対応するかどうかを示す、ベンダー ID、製品 ID、およびバージョンを一覧表示した属性オーバーライドリストが含まれています。またデフォルトのデバイス属性をオーバーライドするフィールドも含まれています。このリストのエントリは、デフォルトでコメントアウトされています。これらのエントリをコピーしてコメントを解除すれば、特定のデバイスのサポートを有効にできます。
この Solaris リリースで動作するシステムに USB 大容量ストレージデバイスを接続したが、システムでそのデバイスを使用できない場合、/kernel/drv/scsa2usb.conf ファイルでこのデバイスに一致するコメントエントリがあるかどうか確認できます。scsa2usb.conf ファイルの指示に従って、オーバーライド情報を使用して、特定のデバイスをサポートできるかどうか確認してください。
推奨される USB 大容量ストレージデバイスについては、次の Web サイトを参照してください。
http://www.sun.com/io_technologies/USB.html
詳細は、scsa2usb(7D) のマニュアルページを参照してください。
スーパーユーザーになります。
/kernel/drv/scsa2usb.conf ファイルにエントリを追加します。
次のエントリは、USB メモリースティック用です。
attribute-override-list = "vid=* reduced-cmd-support=true"; |
システムをリブートするか、次の操作を実行します。
デバイスのホットプラグとは、オペレーティングシステムをシャットダウンすることなくあるいはシステムの電源を切ることなく、デバイスを追加したり取り外したりすることを指します。USB デバイスはすべてホットプラグ対応です。
リムーバブルメディアマネージャーがホットプラグ対応のデバイスを認識するようになりました。デバイスをプラグインするだけで、数秒でマウントされます。何も起こらない場合はデバイスがマウントされているどうかを確認してください。
リムーバブルメディアサービスが動作していることを確認します。
# svcs volfs STATE STIME FMRI online 10:39:12 svc:/system/filesystem/volfs:default |
# svcs hal dbus rmvolmgr STATE STIME FMRI online May_03 svc:/system/dbus:default online May_03 svc:/system/hal:default online May_03 svc:/system/filesystem/rmvolmgr:default |
デバイスが有効で認識されている場合は、デバイスからファイルシステムをマウントできます。
マウントに失敗した場合は、vold を停止します。
# svcadm disable volfs |
デバイス上のファイルシステムが自動的にマウントされない場合は、手動によるマウントを試みます。
デバイスをホットリムーブする前に、eject -l コマンドの別名からそのデバイスの名前を探します。次に、デバイスのメディアを取り出します。この処理を行わない場合でも、デバイスが解放されてポートが使用できる状態に戻りますが、デバイス上のファイルシステムが破損する場合があります。
USB デバイスは、ホットプラグを実行するとすぐにシステムのデバイス階層に表示されます (prtconf コマンドで確認可能)。USB デバイスを使用していないときにそのデバイスを取り外すと、システムのデバイス階層からそのデバイスが削除されます。
デバイスを取り外したときにそのデバイスを使用していた場合、デバイスノードは残りますが、このデバイスを制御しているドライバはデバイス上のすべての動作を停止します。このデバイスに発行されるすべての新しい入出力動作はエラーを返します。
このような状況で、 システムは元のデバイスを差し込むように要求します。デバイスが使用できない場合は、アプリケーションを停止してください。数秒後に、ポートが再び使用できるようになります。
動作中の、つまり開いているデバイスを削除すると、データの整合性が損なわれる可能性があります。デバイスを取り外す前には、必ずデバイスを閉じるようにしてください。ただし、接続されているキーボードとマウスは例外で、動作中でも移動することができます。
リムーバブルメディア管理を無効にする方法については、「リムーバブルメディアサービスを無効または有効にする方法」を参照してください。
vold が動作していないことを確認します。
# svcs volfs STATE STIME FMRI disabled 10:39:12 svc:/system/filesystem/volfs:default |
USB 大容量ストレージデバイスを接続します。
USB デバイスが追加されたことを確認します。
非 USB ストレージデバイスのデバイスリンクの間にあるかもしれない USB ディスクのデバイスリンクを、次のようにして確認します。
$ rmformat Looking for devices... 1. Logical Node: /dev/rdsk/c3t0d0p0 Physical Node: /pci@0,0/pci108e,4131@2,1/storage@4/disk@0,0 Connected Device: USB2.0 Flash Disk 2.00 Device Type: Removable |
カメラのメディアが PCFS ファイルシステムを使用している場合は、自動的にマウントされます。デバイスが scsa2usb ドライバにバインドされない場合は、libusb アプリケーションを使用して写真を転送します。詳細は、/usr/sfw/share/doc/libusb/libusb.txt を参照してください。
スーパーユーザーになります。
システムによって、カメラ用の論理デバイスが作成されます。カメラが差し込まれると、/var/adm/messages ファイルにメッセージが出力され、デバイスの接続が確認されます。システムでは、カメラはストレージデバイスとして扱われます。
/var/adm/messages ファイルの出力を確認します。
# more /var/adm/messages |
出力表示を確認すると、どの論理デバイスが作成されたかを確認でき、そのデバイスを使用してイメージにアクセスできます。出力表示は次のようになります。
Jul 15 09:53:35 buffy usba: [ID 349649 kern.info] OLYMPUS, C-3040ZOOM, 000153719068 Jul 15 09:53:35 buffy genunix: [ID 936769 kern.info] scsa2usb1 is /pci@0,0/pci925,1234@7,2/storage@2 Jul 15 09:53:36 buffy scsi: [ID 193665 kern.info] sd3 at scsa2usb1: target 0 lun 0 |
次のコマンドを実行して、デバイスをマウント可能な /dev/dsk リンクエントリに関連付けます。
# ls -l /dev/dsk/c*0 | grep /pci@0,0/pci925,1234@7,2/storage@2 lrwxrwxrwx 1 root root 58 Jun 14 2010 c3t0d0p0 -> ../../devices/pci@0,0/pci925,1234@7,2/storage@2/disk@0,0:a |
USB カメラファイルシステムをマウントします。
ほとんどの場合、カメラのファイルシステムは PCFS ファイルシステムです。ファイルシステムが PCFS の場合は、自動的にマウントされます。
x86 システム上でファイルシステムを手動でマウントするには、次のような構文を使用します。
# mount -F pcfs /dev/dsk/c3t0d0p0:c /mnt |
SPARC システム上でファイルシステムを手動でマウントするには、次のような構文を使用します。
# mount -F pcfs /dev/dsk/c3t0d0s0:c /mnt |
ファイルシステムのマウント方法については、第 18 章ファイルシステムのマウントとマウント解除 (手順)を参照してください。
さまざまな PCFS ファイルシステムのマウント方法については、mount_pcfs(1M) のマニュアルページを参照してください。
イメージファイルが使用可能であることを確認します。
次に例を示します。
# ls /mnt/DCIM/100OLYMP/ P7220001.JPG* P7220003.JPG* P7220005.JPG* P7220002.JPG* P7220004.JPG* P7220006.JPG* |
USB カメラが作成したイメージファイルを表示します。
次に例を示します。
# /usr/dt/bin/sdtimage P7220001.JPG & |
カメラを切り離す前に、ファイルシステムをマウント解除します。
次に例を示します。
# umount /mnt |
(省略可能) カメラの電源をオフにし、切り離します。
この手順は、リムーバブルメディアサービスが無効になっている状態で実行します。
スーパーユーザーになります。
リムーバブルメディアサービスを無効にする方法については、「リムーバブルメディアサービスを無効または有効にする方法」を参照してください。
リムーバブルメディアサービスが動作していないことを確認します。
# svcs volfs STATE STIME FMRI disabled Sep_29 svc:/system/filesystem/volfs:default |
そのデバイスを使用しているアプリケーションを実行中の場合は、そのアプリケーションを停止します。
デバイスをマウント解除します。
デバイスを取り外します。
リムーバブルメディア上の情報にアクセスするには、リムーバブルメディアサービスを使用する方法と使用しない方法があります。GNOME のファイルマネージャーを使用してリムーバブルメディア上の情報にアクセスする方法については、GNOME デスクトップのマニュアルを参照してください。
USB デバイスのフォーマットが終了すると、通常は /rmdisk/label ディレクトリの下にマウントされます。
デバイスノードは /vol/dev ディレクトリの下に作成されます。リムーバブルストレージデバイスの構成の詳細は、rmmount.conf(4) または vold.conf(4) のマニュアルページを参照してください。
次の手順は、vold を使用しないで USB 大容量ストレージデバイスを管理する方法を示しています。デバイスノードは、文字型デバイスについては /dev/rdsk ディレクトリ、ブロック型デバイスについては /dev/dsk ディレクトリの下に作成されます。デバイスリンクは、デバイスのホットプラグを実行したときに作成されます。詳細は、scsa2usb(7D) のマニュアルページを参照してください。
リムーバブルメディアサービスでデバイスを認識できない場合は、デバイスを手動でマウントしてみます。まず rmformat コマンドを使用してデバイスのパスを特定し、次にスーパーユーザーとして mount コマンドを使用してデバイスを手動でマウントします。
デバイスを手動でマウントした場合は、umount コマンドをスーパーユーザーとして使ってマウントを解除します。
USB デバイスのマウントおよびマウント解除の方法については、「vold を使用しないで USB 大容量ストレージデバイスをマウントまたはマウント解除する方法」を参照してください。
たとえば、prtconf コマンドを使用して USB デバイス情報を表示します。この例の prtconf の出力は、USB デバイス情報のみを表示するように省略されています。
$ prtconf usb, instance #0 hub, instance #2 device, instance #8 interface (driver not attached) printer (driver not attached) mouse, instance #14 device, instance #9 keyboard, instance #15 mouse, instance #16 storage, instance #7 disk (driver not attached) communications, instance #10 modem (driver not attached) data (driver not attached) storage, instance #0 disk (driver not attached) storage, instance #1 disk (driver not attached) |
たとえば、rmformat コマンドを使用して USB デバイス情報を表示します。
$ rmformat Looking for devices... 1. Volmgt Node: /vol/dev/aliases/cdrom0 Logical Node: /dev/rdsk/c0t2d0s2 Physical Node: /pci@1f,0/pci@1,1/ide@3/sd@2,0 Connected Device: LG CD-ROM CRD-8322B 1.03 Device Type: CD Reader |
USB フロッピーディスクは、ファイルシステムを追加する前にフォーマットする必要があります。その他のすべての USB 大容量ストレージデバイスを使用するには、PCFS または UFS ファイルシステムが必要です。USB デバイスをフォーマットするときには、次の点に注意してください。
USB フロッピーディスク以外で rmformat -F を使用しないでください。
デフォルトのスライスを使用しない場合は、rmformat -s コマンドを使用してスライスを作成します。必要に応じて、fdisk ユーティリティーを使用して USB デバイスにパーティションを作成します。手順については、次を参照してください。
「vold を使用しないで USB 大容量ファイルシステム上でパーティションを変更し、PCFS ファイルシステムを作成する方法」
「USB 大容量ストレージデバイス上で vold を使用しないで Solaris パーティションの作成およびスライスの変更を行う方法」
USB デバイスが自動的にマウントされている場合は、USB デバイス上にファイルシステムを作成する前に、マウント解除する必要があります。
手順 4 と 5 は、USB フロッピーディスクをフォーマットする必要がある場合にのみ実行してください。
スーパーユーザーになります。
USB デバイスをシステムに追加します。 USB デバイスのホットプラグを実行する方法については、次の節を参照してください。
(省略可能) USB デバイスを特定します。
次に例を示します。
# cd /dev/rdsk # ls -l c*0 | grep usb lrwxrwxrwx 1 root root 55 Mar 5 10:35 c2t0d0s0 -> ../../devices/pci@1f,0/usb@c,3/storage@3/disk@0,0:a,raw |
この例では、フロッピーディスクデバイスは c2t0d0s0 です。
必要に応じて、フロッピーディスクをフロッピーディスクドライブに挿入します。
必要に応じて、フロッピーディスクをフォーマットします。
% rmformat -F long raw-device |
SPARC システムの場合、たとえば次のようになります。
% rmformat -F long /dev/rdsk/c2t0d0s2 |
x86 システムの場合、たとえば次のようになります。
% rmformat -F long /dev/rdsk/c3t0d0p0 |
ファイルシステムのタイプを判別し、デバイスがマウント解除されていることを確認します。次のいずれかの手順に従います。
USB デバイスのマウント解除の方法については、「vold を使用しないで USB 大容量ストレージデバイスをマウントまたはマウント解除する方法」を参照してください。
PCFS ファイルシステムを作成します。
# mkfs -F pcfs -o nofdisk,size=size raw-device |
-size オプションを 512 バイトブロック単位で指定します。
次の例は、SPARC システムにおいて 1.4M バイトのフロッピーディスクに PCFS ファイルシステムを作成する方法を示しています。
# mkfs -F pcfs /dev/rdsk/c2t0d0p0 Construct a new FAT file system on /dev/rdsk/c2t0d0p0: (y/n)? y |
次の例は、x86 システムにおいて 1.4M バイトのフロッピーディスクに PCFS ファイルシステムを作成する方法を示しています。
# mkfs -F pcfs /dev/rdsk/c2t0d0s2 Construct a new FAT file system on /dev/rdsk/c2t0d0s2: (y/n)? y |
次の例は、SPARC システムにおいて 100M バイトの USB メモリースティックに PCFS ファイルシステムを作成する方法を示しています。
# mkfs -F pcfs /dev/rdsk/c5t0d0s2:c |
次の例は、x86 システムにおいて 100M バイトの USB メモリースティックに PCFS ファイルシステムを作成する方法を示しています。
# mkfs -F pcfs /dev/rdsk/c5t0d0p0:c |
このコマンドの実行には、数分かかることがあります。
UFS ファイルシステムを作成します。
# newfs raw-device |
次に例を示します。
# newfs /dev/rdsk/c4t0d0s7 |
大容量の USB ハードディスクの場合は、newfs -f 4096 オプションまたは newfs -T オプションの使用を検討してください。
フロッピーディスクの記憶容量は少ないので、UFS ファイルシステムのためにフロッピーディスクのかなりの容量が消費されます。
USB 大容量ストレージデバイス上での PCFS ファイルシステムの作成とスライスの変更の詳しい例については、次の 2 つの手順を参照してください。
リムーバブルメディアサービスが無効になっている状態で USB 大容量ストレージデバイスにファイルシステムを追加するには、次の手順を実行します。
USB フロッピーディスクは、ファイルシステムを追加する前にフォーマットする必要があります。その他のすべての USB 大容量ストレージデバイスを使用するには、PCFS または UFS ファイルシステムが必要です。USB フロッピーディスクをフォーマットするときには、次の点に注意してください。
USB フロッピーディスク以外で rmformat -F を使用しないでください。
デフォルトのスライスを使用しない場合は、rmformat -s コマンドを使用してスライスを作成します。必要に応じて、fdisk ユーティリティーを使用して USB デバイスにパーティションを作成します。手順については、次を参照してください。
手順 7 と 8 は、USB フロッピーディスクをフォーマットする必要がある場合にのみ実行してください。
スーパーユーザーになります。
リムーバブルメディアサービスを無効にする方法については、「リムーバブルメディアサービスを無効または有効にする方法」を参照してください。
リムーバブルメディアサービスが動作していないことを確認します。
# svcs volfs STATE STIME FMRI disable 10:39:12 svc:/system/filesystem/volfs:default |
USB デバイスをシステムに追加します。
USB デバイスのホットプラグを実行する方法については、次を参照してください。
(省略可能) USB デバイスを特定します。
次の例では、USB フロッピーディスクデバイスを特定します。
# cd /dev/rdsk # ls -l c*0 | grep usb lrwxrwxrwx 1 root root 55 Mar 5 10:35 c2t0d0s0 -> ../../devices/pci@1f,0/usb@c,3/storage@3/disk@0,0:a,raw |
この例では、フロッピーディスクデバイスは c2t0d0s0 です。
必要に応じて、フロッピーディスクをフロッピーディスクドライブに挿入します。
必要に応じて、フロッピーディスクをフォーマットします。
% rmformat -F long raw-device |
SPARC システムの場合、たとえば次のようになります。
% rmformat -F long /dev/rdsk/c2t0d0s2 |
x86 システムの場合、たとえば次のようになります。
% rmformat -F long /dev/rdsk/c3t0d0p0 |
ファイルシステムの種類を決定し、次のいずれかの作業を選択します。
PCFS ファイルシステムを作成します。
# mkfs -F pcfs -o nofdisk,size=size raw-device |
-size オプションを 512 バイトブロック単位で指定します。
次の例は、SPARC システムにおいて 1.4M バイトのフロッピーディスクに PCFS ファイルシステムを作成する方法を示しています。
# mkfs -F pcfs -o nofdisk,size=2880 /dev/rdsk/c4t0d0s2 |
次の例は、x86 システムにおいて 1.4M バイトのフロッピーディスクに PCFS ファイルシステムを作成する方法を示しています。
# mkfs -F pcfs -o nofdisk,size=2880 /dev/rdsk/c4t0d0p0 |
次の例は、SPARC システムにおいて 100M バイトの USB メモリースティックに PCFS ファイルシステムを作成する方法を示しています。
# mkfs -F pcfs /dev/rdsk/c5t0d0s2:c |
次の例は、x86 システムにおいて 100M バイトの USB メモリースティックに PCFS ファイルシステムを作成する方法を示しています。
# mkfs -F pcfs /dev/rdsk/c5t0d0p0:c |
このコマンドの実行には、数分かかることがあります。
UFS ファイルシステムを作成します。
# newfs raw-device |
次に例を示します。
# newfs /dev/rdsk/c4t0d0s7 |
大容量の USB ハードディスクの場合は、newfs -f 4096 オプションまたは newfs -T オプションの使用を検討してください。
フロッピーディスクの記憶容量は少ないので、UFS ファイルシステムのためにフロッピーディスクのかなりの容量が消費されます。
USB 大容量ストレージデバイス上での PCFS ファイルシステムの作成とスライスの変更の詳しい例については、次の 2 つの手順を参照してください。
次の手順では、リムーバブルメディアサービスが無効になっている状態で、USB デバイス上で既存のパーティションを削除し、新しいパーティションを作成してから PCFS ファイルシステムを作成する方法を説明します。この作業を実行する前にデータをバックアップしてください。
スーパーユーザーになります。
リムーバブルメディアサービスを無効にする方法については、「リムーバブルメディアサービスを無効または有効にする方法」を参照してください。
fdisk ユーティリティーを起動します。
次に例を示します。
# fdisk /dev/rdsk/c3t0d0p0 |
オプション 3 を選択してパーティションを削除します。
次に例を示します。
Total disk size is 29 cylinders Cylinder size is 2048 (512 byte) blocks Cylinders Partition Status Type Start End Length % ========= ====== ============ ===== === ====== === 1 Active Solaris2 1 28 28 97 SELECT ONE OF THE FOLLOWING: 1. Create a partition 2. Specify the active partition 3. Delete a partition 4. Change between Solaris and Solaris2 Partition IDs 5. Exit (update disk configuration and exit) 6. Cancel (exit without updating disk configuration) Enter Selection: 3 |
削除するパーティションの番号を選択します。
次に例を示します。
Total disk size is 29 cylinders Cylinder size is 2048 (512 byte) blocks Cylinders Partition Status Type Start End Length % ========= ====== ============ ===== === ====== === 1 Active Solaris2 1 28 28 97 SELECT ONE OF THE FOLLOWING: 1. Create a partition 2. Specify the active partition 3. Delete a partition 4. Change between Solaris and Solaris2 Partition IDs 5. Exit (update disk configuration and exit) 6. Cancel (exit without updating disk configuration) Specify the partition number to delete (or enter 0 to exit): 1 Partition deleted. |
パーティションを作成します。
次に例を示します。
Total disk size is 29 cylinders Cylinder size is 2048 (512 byte) blocks Cylinders Partition Status Type Start End Length % ========= ====== ============ ===== === ====== === WARNING: no partitions are defined! SELECT ONE OF THE FOLLOWING: 1. Create a partition 2. Specify the active partition 3. Delete a partition 4. Change between Solaris and Solaris2 Partition IDs 5. Exit (update disk configuration and exit) 6. Cancel (exit without updating disk configuration) Enter Selection: 1 |
パーティションタイプとして FAT32 を選択します。
Total disk size is 29 cylinders Cylinder size is 2048 (512 byte) blocks Cylinders Partition Status Type Start End Length % ========= ====== ============ ===== === ====== === WARNING: no partitions are defined! SELECT ONE OF THE FOLLOWING: 1. Create a partition 2. Specify the active partition 3. Delete a partition 4. Change between Solaris and Solaris2 Partition IDs 5. Exit (update disk configuration and exit) 6. Cancel (exit without updating disk configuration) Select the partition type to create: 1=SOLARIS2 2=UNIX 3=PCIXOS 4=Other 5=DOS12 6=DOS16 7=DOSEXT 8=DOSBIG 9=DOS16LBA A=x86 Boot B=Diagnostic C=FAT32 D=FAT32LBA E=DOSEXTLBA F=EFI 0=Exit? c |
このパーティションに使用するディスクの割合を指定します。
Total disk size is 29 cylinders Cylinder size is 2048 (512 byte) blocks Cylinders Partition Status Type Start End Length % ========= ====== ============ ===== === ====== === WARNING: no partitions are defined! SELECT ONE OF THE FOLLOWING: 1. Create a partition 2. Specify the active partition 3. Delete a partition 4. Change between Solaris and Solaris2 Partition IDs 5. Exit (update disk configuration and exit) 6. Cancel (exit without updating disk configuration) Select the partition type to create: Specify the percentage of disk to use for this partition (or type "c" to specify the size in cylinders). 100 |
新しいパーティションをアクティブなパーティションにするか非アクティブなパーティションにするかを選択します。
Total disk size is 29 cylinders Cylinder size is 2048 (512 byte) blocks Cylinders Partition Status Type Start End Length % ========= ====== ============ ===== === ====== === WARNING: no partitions are defined! SELECT ONE OF THE FOLLOWING: 1. Create a partition 2. Specify the active partition 3. Delete a partition 4. Change between Solaris and Solaris2 Partition IDs 5. Exit (update disk configuration and exit) 6. Cancel (exit without updating disk configuration) Select the partition type to create: Should this become the active partition? If yes, it will be activated each time the computer is reset or turned on. Please type "y" or "n". n |
ディスク構成を更新して終了します。
Total disk size is 29 cylinders Cylinder size is 2048 (512 byte) blocks Cylinders Partition Status Type Start End Length % ========= ====== ============ ===== === ====== === 1 Win95 FAT32 1 28 28 97 SELECT ONE OF THE FOLLOWING: 1. Create a partition 2. Specify the active partition 3. Delete a partition 4. Change between Solaris and Solaris2 Partition IDs 5. Exit (update disk configuration and exit) 6. Cancel (exit without updating disk configuration) Enter Selection: 5 |
このパーティション上に PCFS ファイルシステムを作成します。
次に例を示します。
# mkfs -F pcfs -o fat=32 /dev/rdsk/c3t0d0p0:c Construct a new FAT file system on /dev/rdsk/c3t0d0p0:c: (y/n)? y |
次の手順では、リムーバブルメディアサービスが無効になっている状態で、Solaris パーティションを作成してスライスを変更する方法を説明します。
この作業を実行する前にデータをバックアップしてください。
スーパーユーザーになります。
リムーバブルメディアサービスを無効にする方法については、「リムーバブルメディアサービスを無効または有効にする方法」を参照してください。
fdisk ユーティリティーを起動します。
次に例を示します。
# fdisk /dev/rdsk/c5t0d0s2 No fdisk table exists. The default partition for the disk is: a 100% "SOLARIS System" partition Type "y" to accept the default partition, otherwise type "n" to edit the partition table. y |
現在のスライスを表示します。
次に例を示します。
# prtvtoc /dev/rdsk/c5t0d0s2 * /dev/rdsk/c5t0d0s2 partition map * * Dimensions: * 512 bytes/sector * 63 sectors/track * 255 tracks/cylinder * 16065 sectors/cylinder * 5836 cylinders * 5836 accessible cylinders * * Flags: * 1: unmountable * 10: read-only * * First Sector Last * Partition Tag Flags Sector Count Sector Mount Directory 0 0 00 0 93755340 93755339 2 0 00 0 93755340 93755339 |
スライスの情報を含むテキストファイルを作成します。
次に例を示します。
slices: 0 = 0, 5GB, "wm", "home" : 1 = 8225280000, 6GB : 2 = 0, 44GB, "wm", "backup" : 6 = 16450560000, 15GB |
各スライスがシリンダ境界から始まっていることを確認します。たとえば、スライス 1 は 822280000 バイトから始まっています。この数は、シリンダサイズ (バイト数) の 1000 倍になります。
詳細は、rmformat(1) の -s オプションの説明を参照してください。
上記の手順で作成したスライスファイルを含むスライスを作成します。
次に例を示します。
# rmformat -s slice_file /dev/rdsk/c5t0d0s2 |
新しいスライスの情報を表示します。
次に例を示します。
# prtvtoc /dev/rdsk/c5t0d0s2 * /dev/rdsk/c5t0d0s2 partition map * * Dimensions: * 512 bytes/sector * 63 sectors/track * 255 tracks/cylinder * 16065 sectors/cylinder * 5836 cylinders * 5836 accessible cylinders * * Flags: * 1: unmountable * 10: read-only * * Unallocated space: * First Sector Last * Sector Count Sector * 10485760 5579240 16064999 * 28647912 3482088 32129999 * 63587280 30168060 93755339 * * First Sector Last * Partition Tag Flags Sector Count Sector Mount Directory 0 8 00 0 10485760 10485759 1 3 01 16065000 12582912 28647911 2 5 00 0 92274688 92274687 6 4 00 32130000 31457280 63587279 |
次の手順では、リムーバブルメディアサービスが無効になっている状態で、USB 大容量ストレージデバイスをマウントまたはマウント解除する方法を説明します。
スーパーユーザーになります。
リムーバブルメディアサービスを無効にする方法については、「リムーバブルメディアサービスを無効または有効にする方法」を参照してください。
リムーバブルメディアサービスが動作していないことを確認します。
# svcs volfs STATE STIME FMRI disabled 10:39:12 svc:/system/filesystem/volfs:default |
(省略可能) デバイスを特定します。
次に例を示します。
# cd /dev/rdsk # ls -l c*0 | grep usb lrwxrwxrwx 1 root root 55 Mar 5 10:35 c2t0d0s0 -> ../../devices/pci@1f,0/usb@c,3/storage@3/disk@0,0:a,raw |
この例では、フロッピーディスクデバイスは c2t0d0s0 です。
次のいずれかの方法を選択して、USB 大容量ストレージデバイスをマウントまたはマウント解除します。
USB 大容量ストレージデバイスをマウントします。
# mount [ -F fstype ] block-device mount-point |
次の例は、UFS ファイルシステムを使用しているデバイスのマウント方法を示しています。
# mount /dev/dsk/c1t0d0s2 /mnt |
次の例は、SPARC システムにおいて、PCFS ファイルシステムを使用しているデバイスをマウントする方法を示しています。
# mount -F pcfs /dev/dsk/c3t0d0s2:c /mnt |
次の例は、x86 システムにおいて、PCFS ファイルシステムを使用しているデバイスをマウントする方法を示しています。
# mount -F pcfs /dev/dsk/c3t0d0p0:c /mnt |
次の例は、読み取り専用の HSFS ファイルシステムを使用している CD のマウント方法を示しています。
# mount -F hsfs -o ro /dev/dsk/c1t0d0s2 /mnt |
USB 大容量ストレージデバイスをマウント解除します。
デバイス上のファイルシステムを使用しているユーザーがいないことを最初に確認してください。
次に例を示します。
# fuser -c -u /mnt # umount /mnt |
CD またはフロッピーディスクデバイスの場合には、デバイスを取り出します。
# eject /dev/[r]dsk/cntndnsn |
次に例を示します。
# eject /dev/rdsk/c1t0d0s2 |
USB 大容量ストレージデバイスの追加または取り外しで問題が発生した場合には、次のヒントを参考にしてください。
/var/adm/messages ファイルでデバイスの列挙の失敗を確認します。列挙の失敗の場合は、USB ハブを挿入するか、ハブを取り外してルート USB ハブに直接接続します。
システムの停止中に USB デバイスを追加または削除した場合は、再構成ブートを実行する必要があります。
ok boot -r |
システムの稼働中に接続したデバイスにアクセスするときに、問題が発生した場合は、次のコマンドを実行してください。
# devfsadm |
保存停止モードでシステムの電力消費を抑えている場合は、デバイスを移動しないでください。詳細は、「SPARC: USB 電源管理」を参照してください。
アプリケーションがデバイスを使用しているときに、そのデバイスが取り外されて使用できなくなっている場合は、アプリケーションを停止してください。そのデバイスノードが削除されているかどうかを確認するには、 prtconf コマンドを使用します。
特定の種類の USB デバイスを無効にするには、対応するクライアントドライバを無効にします。たとえば、USB プリンタを無効にするには、そのプリンタを使用している usbprn ドライバを無効にします。usbprn を無効にしても、USB ストレージデバイスなどのほかのデバイスには影響しません。
次の表に、USB デバイスの種類の一部とそれらに対応するドライバを示します。
デバイスの種類 |
無効にするドライバ |
---|---|
Audio Device |
usb_ac および usb_as |
HID (通常はキーボードとマウス) |
hid |
ストレージ |
scsa2usb |
プリンタ |
usbprn |
シリアル |
usbser_edge |
システムに接続されている USB デバイスのドライバを無効にすると、次のようなコンソールメッセージが表示されます。
usba10: WARNING: usba: no driver found for device name |
スーパーユーザーになります。
ドライバの別名エントリを /etc/system ファイルから除外します。
たとえば、次の exclude 文を追加して usbprn ドライバを除外します。
exclude: usbprn |
システムを再起動します。
# init 6 |
システムの電源がオフのときに USB デバイスを取り外した場合には、次の手順を実行します。システムの電源が切断されているときに USB デバイスを取り外すと、存在しないデバイスへのリンクが残る場合があります。