ここでは、Solaris リリースにおけるデバイス管理の新機能について説明します。
Solaris の新機能の一覧および Solaris リリースについての説明は、『Oracle Solaris 10 9/10 の新機能』を参照してください。
Oracle Solaris 10 9/10: この Solaris リリースでは、hotplug コマンドを使って、PCI Express (PCIe) および PCI SHPC (Standard Hot Plug Controller) デバイス上でホットプラグを実行可能な接続を管理できるようになりました。この機能は、USB や SCSI などの、ほかの種類のバスではサポートされません。
ホットプラグを実行可能な USB および SCSI デバイスの管理には、以前の Solaris リリースと同様に、引き続き cfgadm を使用します。このリリースでホットプラグ機能を使用する利点は、有効化と無効化の操作に加え、hotplug コマンドを使って対応する PCI デバイスをオフラインおよびオンラインにできることです。
詳細については、「hotplug コマンドによる PCIe ホットプラグ」を参照してください。
Solaris 10 5/08: デバイス検出ツールを使用すると、使用している x86 ハードウェアがこの Solaris リリースでサポートされているかどうかを確認できます。詳細は、次のサイトを参照してください。
http://www.sun.com/bigadmin/hcl/hcts/device_detect.jsp
Solaris 10 11/06: この Solaris リリースでは、PCI Express (PCIe) インターコネクトをサポートします。PCI Express (PCIe) インターコネクトは、SPARC システムと x86 システムの両方で、周辺デバイスをデスクトップ、エンタープライズ、モバイル、通信、組み込みの各アプリケーションに接続するために設計されています。
以前の Solaris 10 6/06 リリースでは、PCIe デバイスは x86 システムでのみ使用可能でした。
PCIe インターコネクトは、業界標準の高性能シリアル入出力バスです。PCIe 技術の詳細は次のサイトを参照してください。
PCIe ソフトウェアは、この Solaris リリースで次の機能を提供します。
拡張された PCIe 構成スペースのサポート
PCIe ベースラインエラー処理と MSI 割り込みのサポート
PCIe デバイスに合わせた IEEE-1275 プロパティーの変更
cfgadm コマンドの cfgadm_pci コンポーネントの拡張による PCIe ホットプラグ (ネイティブおよび ACPI ベース) のサポート
Attention ボタンの使用に基づく PCIe 周辺デバイスの自動構成
ホットプラグ対応 PCIe 周辺デバイスは、PCI 周辺デバイスと同じように cfgadm コマンドを使用して管理します。
使用しているハードウェアマニュアルを参照して、使用しているシステム上で PCIe および PCIe のホットプラグがサポートされているかどうかを確認します。また、アダプタを物理的にシステムに挿入する手順とシステムから取り外す手順、および該当する場合のデバイスの自動構成のセマンティクスについてよく確認してください。
PCIe 周辺デバイスでの cfgadm コマンドの使用方法については、「cfgadm コマンドによる PCI または PCIe ホットプラグ (作業マップ)」を参照してください。
Solaris 10 6/06: この Solaris リリースでは、非リムーバブル USB ストレージデバイスと 1394 大容量デバイスの両方がドライバレベルでホットプラグ対応デバイスとして識別されます。この新しい動作は、システムをリブートせずにこれらのデバイスを接続または取り外しできること、およびユーザーの介入なしで自動的に構成または構成解除できることを意味します。これらの変更は、カーネルレベルで行われているため、デバイスの使用には影響しません。たとえば、これらのデバイスのマウントおよびマウント解除は、リムーバブルメディア管理サービスによって制御されます。
また、 format ユーティリティーを使用して、非リムーバブル USB デバイスおよび 1394 大容量ストレージデバイスにアクセスしてラベルを付けることができます。ただし、/kernel/drv/scsa2usb.conf ファイル内の remvalue を true に設定することで、これらのデバイスの新しいホットプラグ機能を無効にすることができます。このパラメータを true に設定すると、この動作を優先する場合は、デバイスがドライバレベルでリムーバブルメディアとして扱われます。
これらのデバイスの使用方法については、scsa1394(7D) のマニュアルページと「USB 大容量ストレージデバイスの使用 (作業マップ)」を参照してください。
Solaris 10 6/06: この機能は、以前はマニュアルに書かれていませんでした。
次のユーティリティーが拡張されて、指定されたデバイスが使用中かどうかを検出するようになりました。
dumpadm
format
mkfs と newfs
swap
これらの拡張により、上記のユーティリティーが、次のような使用状況のシナリオをいくつか検出する可能性があります。
デバイスが ZFS ストレージプールに含まれている
デバイスがダンプデバイスまたはスワップデバイスである
マウントされたファイルシステムまたはデバイスのエントリが /etc/vfstab ファイルに存在する
デバイスが Live Upgrade 構成の一部である
デバイスが Solaris ボリュームマネージャーの構成または Veritas ボリュームマネージャーの構成に含まれている
たとえば、format ユーティリティーを使用してアクティブデバイスにアクセスしようとすると、次のようなメッセージが表示されます。
# format . . . Specify disk (enter its number): 1 selecting c0t1d0 [disk formatted] Warning: Current Disk has mounted partitions. /dev/dsk/c0t1d0s0 is currently mounted on /. Please see umount(1M). /dev/dsk/c0t1d0s1 is currently used by swap. Please see swap(1M). |
ただし、これらのユーティリティーは、すべてのケースを同様に検出するわけではありません。たとえば、newfs コマンドを使用して、Live Upgrade の構成に含まれているデバイス上に新しいファイルシステムを作成できます。ただし、Live Upgrade の構成に含まれているデバイス上に、マウントされたファイルシステムも存在する場合は、newfs コマンドを使用して新しいファイルシステムを作成することはできません。