Solaris 10 IBM BladeCenter サーバーインストールガイド

Procedureネットワーク経由でクライアントをブートする方法

ネットワーク経由でシステムをインストールするには、ネットワーク経由でブートするようにクライアントシステムに指示する必要があります。システム BIOS またはネットワークアダプタ BIOS のどちらか一方、またはその両方の BIOS 設定プログラムを使うことによって、クライアントシステム上でネットワークブートを使用できるようにします。いくつかのシステムでは、ほかのデバイスからのブートよりも先にネットワークブートが実行されるように、ブートデバイスの優先順位を調整する必要があります。各設定プログラムに関しては、製造業者のマニュアルを参照するか、またはブート中に表示される設定プログラムの指示を参照してください。


注 –

Solaris 10 1/06 OS 以降では、x86 ベースのシステムで GRUB ベースのブートが実装されています。この手順には、GRUB を使用してネットワーク経由でクライアントをブートする際の情報が含まれています。もっとも注目すべき変更点は、システムのブート時の Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) が GRUB メニューに置き換えられた点です。GRUB の詳細は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 11 章「GRUB ベースのブート (手順)」を参照してください。


始める前に

この手順では、次の作業が完了していることを前提としています。

  1. システムの電源を入れます。

  2. 適切な組み合わせでキーを押して、システム BIOS に入ります。

    PXE 対応ネットワークアダプタの中には、ブート時にしばらく表示されるプロンプトに対して特定のキーを押すと、PXE ブートを実行する機能を持つものがあります。

  3. ネットワークからブートするようにシステム BIOS で指定します。

    ブートの優先順位を BIOS で設定する方法については、ハードウェアのマニュアルを参照してください。

  4. BIOS を終了します。

    システムがネットワークからブートします。GRUB メニューが表示されます。


    注 –

    使用しているネットワークインストールサーバーの構成によっては、システムに表示される GRUB メニューが次の例と異なる場合があります。



    GNU GRUB version 0.95 (631K lower / 2095488K upper memory)
    +-------------------------------------------------------------------------+
    | Solaris 11 /sol_11_x86                                                  |
    |                                                                         |
    |                                                                         |
    +-------------------------------------------------------------------------+
    Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted.
    Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the
    commands before booting, or 'c' for a command-line.
  5. 適切なインストールオプションを選択します。

    • ネットワーク経由で Solaris OS をインストールするには、メニューから適切な Solaris エントリを選択して Enter キーを押します。

      「x86 CD メディアを使ってインストールサーバーを作成する方法」または 「x86 DVD メディアを使ってインストールサーバーを作成する方法」で設定したネットワークインストールサーバーからインストールする場合は、このエントリを選択します。

    • 特定のブート引数を指定してネットワーク経由で Solaris OS をインストールする場合は、次の手順に従います。

      インストール中にデバイス構成を変更する場合は、add_install_client を実行してネットワークからインストールするシステムを追加する方法」 に説明されているように add_install_client コマンドを使用してあらかじめブート引数を設定していないと、特定のブート引数の設定が必要になる場合があります。

      1. GRUB メニューで、編集するインストールオプションを選択してから、e キーを押します。

      2. ブートコマンドを編集して、使用するブート引数またはオプションを追加します。

        GRUB 編集メニューでは、次のコマンド構文を使用します。


        grub edit>kernel /image-directory/multiboot[kernel-name] install
        [url|ask] [-B prop=value[,prop=value]...] install_media=media-type
        

        たとえば、次のように指定します。


        kernel /I86pc.Solaris_11/multiboot kernel/unix -B install_media=192.168.2.1:/export/sol_10.1_x86/boot
        module /platform/i86pc/boot_archive
        kernel-name

        ブートするカーネルを指定します。

        -a

        構成情報の入力を求めるプロンプトを表示します。

        -s

        システムをシングルユーザーモードでブートします。

        -r

        再構成用ブートを指定します。接続されているすべてのハードウェアデバイスを検索してから、実際に見つかったデバイスだけに、ファイルシステムのノードを割り当てます。

        -v

        詳細メッセージを有効にした状態でシステムをブートします。

        -x

        クラスタモードではブートしません。

        -k

        カーネルデバッガを有効にした状態でシステムをブートします。

        -m smf-options

        サービス管理機能 (Service Management Facility、SMF) のブート動作を制御します。復元オプションとメッセージオプションという、2 種類のオプションがあります。

        -i altinit

        代替実行可能ファイルを原始プロセスとして指定します。 altinit は実行可能ファイルへの有効なパスです。

        -B prop=value[,prop=value]...

        マルチブートプログラムによって構文解析されます。構文解析後、引数はプロパティーに変換されます。

      3. Esc を押して GRUB メニューに戻ります。

        GRUB メニューが表示されます。

      4. インストールを開始するには、GRUB メニューに b と入力します。

    Solaris インストールプログラムによって、デフォルトのブートディスクがシステムのインストール要件を満たしているか検査されます。プログラムがシステム構成を検出できない場合は、不足している情報の入力を求めるプロンプトが表示されます。

    検査が完了すると、インストールの選択画面が表示されます。

  6. インストールの種類を選択します。

    インストールの選択画面には、次のオプションが表示されます。


          Select the type of installation you want to perform:
    
             1 Solaris Interactive
             2 Custom JumpStart
             3 Solaris Interactive Text (Desktop session)
             4 Solaris Interactive Text (Console session)
             5 Apply driver updates
             6 Single user shell
    
             Enter the number of your choice followed by the <ENTER> key.
             Alternatively, enter custom boot arguments directly.
    
             If you wait 30 seconds without typing anything,
             an interactive installation will be started.
    • Solaris OS をインストールするには、次のいずれかの操作を行います。

      • Solaris 対話式インストール GUI を使ってインストールするには、1 を入力し、Enter キーを押します。

      • デスクトップセッションの対話式テキストインストーラを使ってインストールするには、3 を入力し、Enter キーを押します。

        このインストールの種類を選択すると、デフォルトの GUI インストーラを無効にしてテキストインストーラを実行します。

      • コンソールセッションの対話式テキストインストーラを使ってインストールするには、4 を入力し、Enter キーを押します。

        このインストールの種類を選択すると、デフォルトの GUI インストーラを無効にしてテキストインストーラを実行します。

      無人のカスタム JumpStart インストール (オプションの 2) を実行する場合は、『Solaris 10 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』の詳しい手順を参照してください。

      システムでデバイスとインタフェースが構成され、構成ファイルが検索されます。kdmconfig ユーティリティーでは、システムのキーボード、ディスプレイ、およびマウスの構成に必要なドライバが検出されます。インストールプログラムが開始します。手順 7 に進んでインストールを続行してください。

    • インストールする前にシステム管理作業を実行する必要がある場合は、次のいずれかのオプションから選択します。

      • ドライバを更新するか、インストール時更新 (ITU) をインストールする場合は、更新するためのメディアを挿入して 5 を入力し、Enter キーを押します。

        使用するシステム上で Solaris OS を実行するために、ドライバの更新または ITU のインストールが必要になる場合があります。ドライバの更新または ITU のインストールを行う手順に従ってください。

      • システム管理作業を実行する場合は、6 を入力してから、Enter キーを押します。

        ソフトウェアをインストールする前にシステム管理作業を実行する必要がある場合には、シングルユーザーシェルを起動します。インストールする前に実行できるシステム管理作業については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。

      これらのシステム管理作業が完了すると、前の手順で表示されたインストールオプションのリストが表示されます。インストールを続行する場合は、適切なオプションを選択してください。

  7. システム構成の質問に答えます。

    インストール GUI を使用している場合は、システム構成情報の確認が終わると、「ようこそ (Welcome)」画面が表示されます。

  8. システムがネットワーク経由でブートし、インストールされたら、次回以降はディスクドライブからブートするようにシステムに指示します。

次の手順

使用するマシンに複数のオペレーティングシステムをインストールしようとする場合、ブートするためには、それらのオペレーティングシステムを GRUB ブートローダーに認識させる必要があります。詳細は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』「GRUB ベースのブート (概要)」を参照してください。