Oracle Solaris Trusted Extensions 管理の手順

Trusted Extensions のコマンド行ツール

Trusted Extensions に固有なコマンドは、『Solaris Trusted Extensions リファレンスマニュアル』で説明しています。Trusted Extensions で Solaris のコマンドが修正されている場合、修正されたコマンドは 『Solaris リファレンスマニュアル』で説明されています。man コマンドでは、すべてのコマンドのマニュアルページを表示できます。

次の表に、Trusted Extensions に固有なコマンドを示します。コマンドはマニュアルページの形式で示しています。

表 2–4 Trusted Extensions のユーザーコマンドおよび管理コマンド

マニュアルページ 

Trusted Extensions による修正 

詳細 

add_allocatable(1M)

デバイスをデバイス割り当てデータベースに追加することで、デバイスを割り当て可能にします。デフォルトでは、リムーバブルデバイスを割り当て可能です。 

「Trusted Extensions でデバイスを構成する」

atohexlabel(1M)

ラベルを 16 進形式に変換します。 

「ラベルの 16 進値を求める」

chk_encodings(1M)

label_encodings ファイルの整合性を確認します。

『Solaris Trusted Extensions ラベルの管理』「label_encodings ファイルをデバッグする」

dtappsession(1)

アプリケーションマネージャーを使用して、遠隔 Trusted CDE セッションを開きます。 

第 8 章Trusted Extensions での遠隔管理 (手順)

getlabel(1)

選択したファイルまたはディレクトリのラベルを表示します。 

「マウントされたファイルのラベルを表示する」

getzonepath(1)

指定したゾーンのフルパス名を表示します。 

『Solaris Trusted Extensions 開発ガイド』「機密ラベルの取得」

hextoalabel(1M)

16 進形式のラベルを人が読める形式に変換します。 

「可読のラベルを 16 進形式から取得する」

plabel(1)

現在のプロセスのラベルを表示します。 

マニュアルページを参照してください。 

remove_allocatable(1M)

デバイス割り当てデータベースからエントリを削除して、デバイスの割り当てを防ぎます。 

「Trusted Extensions でデバイスを構成する」

setlabel(1)

選択した項目にラベルを付け直します。solaris.label.file.downgrade 承認または solaris.label.file.upgrade 承認が必要です。これらの承認は、Object Label Management 権利プロファイルにあります。

同等の GUI の手順については、『Oracle Solaris Trusted Extensions ユーザーズガイド』「Trusted CDE でラベル間でファイルを移動する」を参照してください。

smtnrhdb(1M)

tnrhdb データベースのエントリを、ローカルまたはネームサービスデータベースで管理します。

Solaris 管理コンソールを使用する同等の手順については、「トラステッドネットワークデータベースの構成 (作業マップ)」を参照してください。

smtnrhtp(1M)

tnrhtp データベースのエントリを、ローカルまたはネームサービスデータベースで管理します。

マニュアルページを参照してください。 

smtnzonecfg(1M)

ローカル tnzonecfg データベースのエントリを管理します。

Solaris 管理コンソールを使用する同等の手順については、「ゾーンにマルチレベルポートを作成する」を参照してください。

tnchkdb(1M)

tnrhdb データベースと tnrhtp データベースの整合性を確認します。

「トラステッドネットワークデータベースの構文をチェックする」

tnctl(1M)

カーネルのネットワーク情報をキャッシュします。 

「カーネルキャッシュとトラステッドネットワークデータベースを同期する」

tnd(1M)

トラステッドネットワークデーモンを実行します。 

「カーネルキャッシュとトラステッドネットワークデータベースを同期する」

tninfo(1M)

カーネルレベルのネットワーク情報と統計を表示します。 

「トラステッドネットワークデータベース情報とカーネルキャッシュを比較する」

updatehome(1M)

現在のラベルの .copy_files.link_files を更新します。

「Trusted Extensions のユーザーの起動ファイルを構成する」

次の表に、Trusted Extensions で修正または拡張された Solaris コマンドを示します。コマンドはマニュアルページの形式で示しています。

表 2–5 Trusted Extensions で修正されたユーザーコマンドと管理コマンド

マニュアルページ 

コマンドの用途 

詳細 

allocate(1)

割り当てたデバイスをクリーンアップするオプション、およびデバイスを特定のゾーンに割り当てるオプションを追加します。Trusted Extensions では、一般ユーザーはこのコマンドを使用しません。 

『Oracle Solaris Trusted Extensions ユーザーズガイド』「Trusted Extensions でデバイスを割り当てる」

deallocate(1)

デバイスをクリーンアップするオプション、および特定のゾーンからデバイスの割り当てを解除するオプションを追加します。Trusted Extensions では、一般ユーザーはこのコマンドを使用しません。 

『Oracle Solaris Trusted Extensions ユーザーズガイド』「Trusted Extensions でデバイスを割り当てる」

list_devices(1)

承認やラベルなどの、デバイス属性を表示する -a オプションを追加します。割り当てられたデバイスタイプのデフォルト属性を表示する -d オプションを追加します。ラベル付きゾーンに割り当て可能なデバイスを表示する -z オプションを追加します。

マニュアルページを参照してください。 

tar(1)

ラベル付きのファイルとディレクトリをアーカイブおよび抽出するための -T オプションを追加します。

「Trusted Extensions でファイルをバックアップする」 and 「Trusted Extensions でファイルを復元する」

auditconfig(1M)

windata_down および windata_up 監査ポリシーオプションを追加します。

『System Administration Guide: Security Services』「How to Configure Audit Policy」

auditreduce(1M)

ラベルごとに監査レコードを選択するための -l オプションを追加します。

『System Administration Guide: Security Services』「How to Select Audit Events From the Audit Trail」

automount(1M)

ゾーン名と上位ラベルからのゾーンの表示に対応するよう、auto_home マップの名前と内容を変更します。

「Trusted Extensions のオートマウンタに対する変更」

ifconfig(1M)

インタフェースをシステムのすべてのゾーンで利用できるようにする all-zones オプションを追加します。

「ホストのインタフェースが稼働していることを確認する」

netstat(1M)

ソケットと経路指定テーブルエントリの拡張されたセキュリティー属性を表示する -R オプションを追加します。

「Trusted Extensions ネットワークをデバッグする」

route(1M)

-secattr オプションを追加します。このオプションは、送信経路のセキュリティー属性 cipsodoimax_sl、および min_sl を表示します。

「セキュリティー属性を使用して経路を構成する」