Solaris のシステム管理: Solaris 8 Containers

第 5 章 solaris8 ゾーンのインストール

この章では、solaris8 ブランドゾーンのインストールについて説明します。

zoneadm コマンド

zoneadm コマンド (zoneadm(1M) のマニュアルページを参照) は、非大域ゾーンをインストールおよび管理するための主要なツールです。zoneadm コマンドを使用する操作は、大域ゾーンから実行する必要があります。zoneadm コマンドを使用すると、次の作業を実行できます。

移行処理

インストールプロセスは、Solaris 8 アーカイブからファイルを展開するほかに、ゾーンがホスト上で最適に実行されることを保証するために、検査や必要な後処理などの機能を実行します。新しいホストにゾーンを移行する場合は、「ゾーンの移行と初期起動」を参照してください。

solaris8 ゾーンのインストールイメージ

イメージの種類

イメージ sysidcfg の状態

Sun から提供されているサンプルの Solaris 8 イメージは、sys-unconfig(1M) で説明されている sys-unconfig コマンドを使用して処理されています。つまり、ホスト名やネームサービスは設定されておらず、「製造時の状態」とも呼ばれます。「ゾーンコンソールにログインしてシステムの識別を完了する方法」を参照してください。

既存のシステムから Solaris 8 システムアーカイブを作成した場合は、-p (sysidcfg を維持する) オプションを使用してゾーンをインストールすると、イメージの作成に使用されたシステムと同じ ID がゾーンに設定されます。

-u (sys-unconfig) オプションを使用してターゲットゾーンをインストールすると、ホスト名やネームサービスの設定されていないゾーンが作成されます。


注意 – 注意 –

p オプションまたは -u オプションのどちらかを使用する必要があります。-これら 2 つのオプションの 1 つを指定しないとエラーになります。


Procedureゾーンのインストール方法

この手順を実行するには、大域ゾーン内で大域管理者になる必要があります。


注 –

この手順例では、空のアーカイブイメージ solaris8-image.flar を使用します。このアーカイブは sys-unconfig 状態になっています。このファイルを入手する方法については、「ソフトウェアのダウンロード」を参照してください。

Solaris 8 システムのイメージを作成する方法については、「Solaris 8 システムをゾーンに直接移行するためのイメージの作成」を参照してください。


  1. スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。

  2. zoneadm コマンドに install a オプションとアーカイブのパスを指定して、構成済みゾーン -s8-zone をインストールします。


    global# zoneadm -z s8-zone install -u -a /net/server/s8_image.flar
    

    インストールの完了につれてさまざまなメッセージが表示されます。これにはしばらく時間がかかることがあります。


    注 –

    作成したシステムイメージを変更することなく、そのイメージの sysidcfg ID を維持するには、-install サブコマンドのあとに p オプションを使用します。作成したシステムイメージを変更することなく、そのイメージのシステム ID を削除するには、-u オプションを使用します。ターゲットゾーンに対して sys-unconfig が実行されます。


  3. (省略可能) エラーメッセージが表示され、ゾーンのインストールに失敗した場合は、次のように入力してゾーンの状態を取得します。


    global# zoneadm list -cv
    

    ID  NAME     STATUS       PATH                           BRAND      IP
     0  global   running      /                              native     shared
     -  s8-zone  configured   /export/home/s8-zone         solaris8     shared
    • 状態が構成済みであると表示された場合は、メッセージに示された修正を行い、zoneadm install コマンドを再度実行します。

    • 状態が不完全であると表示された場合は、最初に次のコマンドを実行します。


      global# zoneadm -z my-zone uninstall
      

      次にメッセージに示された修正を行い、zoneadm install コマンドを再度実行します。

  4. インストールが完了したら、list サブコマンドに -i オプションおよび -v オプションを指定してインストール済みのゾーンを一覧表示し、状態を確認します。


    global# zoneadm list -iv
    

    次のような情報が表示されます。


    ID  NAME     STATUS       PATH                           BRAND      IP
     0  global   running      /                              native     shared
     -  s8-zone  installed    /export/home/s8-zone         solaris8     shared

例 5–1 solaris8 ゾーンのインストール


# zoneadm -z s8-zone install -a /net/machinename/s8_image.flar
      Log File: /var/tmp/s8-zone.install.21207.log
        Source: /net/machinename/s8_image.flar
    Installing: This may take several minutes...
Postprocessing: This may take a minute...

        Result: Installation completed successfully.
      Log File: /export/home/s8-zone/root/var/log/s8-zone.install.21207.log

インストーラオプション

オプション 

説明 

-a

システムイメージのコピー元となるアーカイブの場所。完全なフラッシュアーカイブと cpiogzip で圧縮された cpiobzip で圧縮された cpio、およびレベル 0 ufsdump がサポートされています。SUNWsfman パッケージに用意されている gzip のマニュアルページを参照してください。

-d

システムイメージのコピー元となるディレクトリの場所。 

-p

システム ID を維持します。 

-s

メッセージを表示せずにインストールします。 

-u

ゾーンに対して sys-unconfig を実行します。

-v

詳細情報を出力します。 

注意事項

インストールが失敗した場合は、ログファイルを確認してください。成功した場合、ログファイルは大域ゾーンの /var/tmp およびゾーン内の /var/log の 2 箇所にあります。失敗した場合、ログファイルは /var/tmp にあります。

ゾーンのインストールが中断または失敗した場合は、ゾーンの状態は不完全なままになります。uninstall -F を使用して、ゾーンを構成済みの状態にリセットします。詳細は、『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』「ゾーンをアンインストールする方法」を参照してください。