この章では、solaris8 ブランドゾーンのインストールについて説明します。
zoneadm コマンド (zoneadm(1M) のマニュアルページを参照) は、非大域ゾーンをインストールおよび管理するための主要なツールです。zoneadm コマンドを使用する操作は、大域ゾーンから実行する必要があります。zoneadm コマンドを使用すると、次の作業を実行できます。
ゾーンを検証します
ゾーンをインストールします
ゾーンを起動します。
稼働中のゾーンに関する情報を表示します
ゾーンを停止します
ゾーンを再起動します
ゾーンをアンインストールします
同じシステム上で、ゾーンを別の場所へ再配置します
同一システムの既存ゾーンの構成に基づいて、新しいゾーンをプロビジョニングします
ゾーンを移行します。zonecfg コマンドとともに使用します
インストールプロセスは、Solaris 8 アーカイブからファイルを展開するほかに、ゾーンがホスト上で最適に実行されることを保証するために、検査や必要な後処理などの機能を実行します。新しいホストにゾーンを移行する場合は、「ゾーンの移行と初期起動」を参照してください。
ゾーンで実行されるすべてのソフトウェアを備えた、完全に構成済みの Solaris 8 システムのイメージを使用できます。「Solaris 8 システムをゾーンに直接移行するためのイメージの作成」を参照してください。
Sun から提供されているイメージを使用して、solaris8 ブランドゾーンの作成とインストールを行うことができます。
Sun から提供されているサンプルの Solaris 8 イメージは、sys-unconfig(1M) で説明されている sys-unconfig コマンドを使用して処理されています。つまり、ホスト名やネームサービスは設定されておらず、「製造時の状態」とも呼ばれます。「ゾーンコンソールにログインしてシステムの識別を完了する方法」を参照してください。
既存のシステムから Solaris 8 システムアーカイブを作成した場合は、-p (sysidcfg を維持する) オプションを使用してゾーンをインストールすると、イメージの作成に使用されたシステムと同じ ID がゾーンに設定されます。
-u (sys-unconfig) オプションを使用してターゲットゾーンをインストールすると、ホスト名やネームサービスの設定されていないゾーンが作成されます。
p オプションまたは -u オプションのどちらかを使用する必要があります。-これら 2 つのオプションの 1 つを指定しないとエラーになります。
この手順を実行するには、大域ゾーン内で大域管理者になる必要があります。
この手順例では、空のアーカイブイメージ solaris8-image.flar を使用します。このアーカイブは sys-unconfig 状態になっています。このファイルを入手する方法については、「ソフトウェアのダウンロード」を参照してください。
Solaris 8 システムのイメージを作成する方法については、「Solaris 8 システムをゾーンに直接移行するためのイメージの作成」を参照してください。
スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。
zoneadm コマンドに install a オプションとアーカイブのパスを指定して、構成済みゾーン -s8-zone をインストールします。
global# zoneadm -z s8-zone install -u -a /net/server/s8_image.flar |
インストールの完了につれてさまざまなメッセージが表示されます。これにはしばらく時間がかかることがあります。
作成したシステムイメージを変更することなく、そのイメージの sysidcfg ID を維持するには、-install サブコマンドのあとに p オプションを使用します。作成したシステムイメージを変更することなく、そのイメージのシステム ID を削除するには、-u オプションを使用します。ターゲットゾーンに対して sys-unconfig が実行されます。
(省略可能) エラーメッセージが表示され、ゾーンのインストールに失敗した場合は、次のように入力してゾーンの状態を取得します。
global# zoneadm list -cv |
ID NAME STATUS PATH BRAND IP 0 global running / native shared - s8-zone configured /export/home/s8-zone solaris8 shared |
状態が構成済みであると表示された場合は、メッセージに示された修正を行い、zoneadm install コマンドを再度実行します。
状態が不完全であると表示された場合は、最初に次のコマンドを実行します。
global# zoneadm -z my-zone uninstall |
次にメッセージに示された修正を行い、zoneadm install コマンドを再度実行します。
インストールが完了したら、list サブコマンドに -i オプションおよび -v オプションを指定してインストール済みのゾーンを一覧表示し、状態を確認します。
global# zoneadm list -iv |
次のような情報が表示されます。
ID NAME STATUS PATH BRAND IP 0 global running / native shared - s8-zone installed /export/home/s8-zone solaris8 shared |
# zoneadm -z s8-zone install -a /net/machinename/s8_image.flar Log File: /var/tmp/s8-zone.install.21207.log Source: /net/machinename/s8_image.flar Installing: This may take several minutes... Postprocessing: This may take a minute... Result: Installation completed successfully. Log File: /export/home/s8-zone/root/var/log/s8-zone.install.21207.log |
オプション |
説明 |
---|---|
-a |
システムイメージのコピー元となるアーカイブの場所。完全なフラッシュアーカイブと cpio、gzip で圧縮された cpio、bzip で圧縮された cpio、およびレベル 0 ufsdump がサポートされています。SUNWsfman パッケージに用意されている gzip のマニュアルページを参照してください。 |
-d |
システムイメージのコピー元となるディレクトリの場所。 |
-p |
システム ID を維持します。 |
-s |
メッセージを表示せずにインストールします。 |
-u |
ゾーンに対して sys-unconfig を実行します。 |
-v |
詳細情報を出力します。 |
インストールが失敗した場合は、ログファイルを確認してください。成功した場合、ログファイルは大域ゾーンの /var/tmp およびゾーン内の /var/log の 2 箇所にあります。失敗した場合、ログファイルは /var/tmp にあります。
ゾーンのインストールが中断または失敗した場合は、ゾーンの状態は不完全なままになります。uninstall -F を使用して、ゾーンを構成済みの状態にリセットします。詳細は、『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』の「ゾーンをアンインストールする方法」を参照してください。