Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド

4.6 カレンダサービス (デーモン) の設定

ここでは、カレンダサービス (デーモン) の設定手順について説明します。

この項の内容は次のとおりです。


ヒント –

第 9 章「自動バックアップ (csstored) の設定」も参照してください。


Procedure起動サービスと停止サービスを設定するには

start-cal および stop-cal コマンドは、Calendar Server の起動と停止を簡単に行うためのラッパースクリプトです。このユーティリティーは、付録 D 「Calendar Server のコマンド行ユーティリティーのリファレンス」で定義されています。

  1. 設定を変更する権限を持つ管理者としてログインします。

  2. stop-cal コマンドを発行して Calendar Server サービスを停止します。

  3. /etc/opt/SUNWics5/cal/config ディレクトリに移動します。

  4. 古い ics.conf ファイルをコピーして名前を変更し、保存します。

  5. 次の表に示すパラメータを 1 つ以上編集します。

    パラメータ 

    説明とデフォルト値 

    local.serveruid

    ランタイムユーザー ID (uid)。デフォルトは "icsuser" です。これは、スーパーユーザー権限が必要でない場合に使用するユーザー ID です。

    local.servergid

    ランタイムグループ ID (gid)。デフォルトは "icsgroup" です。これは、スーパーユーザー権限が必要でない場合に使用するグループ ID です。

    local.autorestart

    このパラメータが "yes" に設定されている場合、watcher に接続しているサービスが正しく切断せずに終了すると、このサービスは自動的に再起動します。

    local.autorestart.timeout

    自動再起動タイムアウト間隔を定義します。自動起動時に無限に再起動を繰り返さないようにするため、指定した間隔内に 2 度終了すると、サービスは再起動しません。デフォルト設定は 10 分です。 

  6. ファイルを ics.conf として保存します。

  7. Calendar Server を再起動します。

    cal-svr-base /SUNWics5/cal/sbin/start-cal

ProcedureCalendar Server バージョン 6.3 の Watcher プロセスを設定するには

Watcher プロセス (watcher) は、ソケット接続の失敗を監視します。これは Calendar Server と Messaging Server の両方で使用されます。Calendar Server パラメータで Watcher の設定を行うには、次の手順を実行します。

  1. 設定を変更する権限を持つ管理者としてログインします。

  2. stop-cal コマンドを発行して Calendar Server サービスを停止します。

  3. /etc/opt/SUNWics5/cal/config ディレクトリに移動します。

  4. 古い ics.conf ファイルをコピーして名前を変更し、保存します。

  5. 次の表に示すパラメータを 1 つ以上編集します。

    パラメータ 

    説明とデフォルト値 

    local.watcher.enable

    このパラメータが "yes" に設定されている場合、起動プログラムは他のどのサービスよりも先に watcher を起動しようとします。また、デーモンはソケット接続を通じて接続します。デフォルトは "no" ですが、設定プログラムにより "yes" に変更されます。

    local.watcher.port

    これは watcher が待機するポートです。Messaging Server はポート 49994 を使用します。Calendar Server には、49995 などの別のポートを使用してください。

    local.watcher.config.file

    watcher の設定ファイル。相対パスの場合、config ディレクトリを基準としたパスになります。デフォルトは watcher.cnf です。

    service.autorestart

    "yes" に設定した場合、Watcher は、正しく切断せずに終了したすべての登録サービスを自動的に再起動します。サービスが 10 分間に 2 度終了すると、Watcher はサービスを再起動しません。

  6. ファイルを ics.conf として保存します。

  7. Calendar Server を再起動します。

    cal-svr-base /SUNWics5/cal/sbin/start-cal

参照

Watcher プロセスについては、『Sun Java System Messaging Server 6.3 管理ガイド』を参照してください。第 4 章と第 23 章で説明しています。


注 –

Watcher を有効にした場合、Watcher で監視する各サービスを Watcher プロセスに登録する必要があります。これは Calendar Server デーモン内部で自動的に行われます。またデーモンにより、各サービスのプロセス ID とその状態 ("init" または "ready") を含んだ pid ファイルが、cal-svr-base/data/proc ディレクトリに作成されます。


Procedure管理サービス (csadmind) を設定するには

  1. 設定を変更する権限を持つ管理者としてログインします。

  2. /etc/opt/SUNWics5/cal/config ディレクトリに移動します。

  3. 古い ics.conf ファイルをコピーして名前を変更し、保存します。

  4. 次の表に示すパラメータを 1 つ以上編集します。

    パラメータ 

    説明とデフォルト値 

    local.store.checkpoint.enable

    "yes" に設定すると、csadmind データベースチェックポイントスレッドが開始されます。"no" に設定すると、チェックポイントログファイルは作成されません。デフォルトは "yes" です。

    service.admin.dbcachesize

    管理セッション用の Berkeley データベースの最大キャッシュサイズ (バイト単位)。デフォルトは "8388608" です。

    local.store.deadlock.enable

    "yes" に設定すると、csadmind データベースデッドロック検出スレッドが開始されます。デフォルトは "yes" です。

    service.admin.diskusage

    "yes" に設定すると、csadmind ディスク容量低下監視スレッドが開始されます。デフォルトは "no" です。デフォルトでは、ディスク使用率は監視されません。

    service.admin.enable

    "yes" に設定すると、すべてのサービスを開始するときに csadmind サービスを開始し、すべてのサービスを終了するときに csadmind サービスを終了します。デフォルトは “yes” です。

    service.admin.maxthreads

    1 管理セッションで実行されるスレッドの最大数。デフォルトは “10” です。

    service.admin.resourcetimeout

    管理接続をタイムアウトにするまでの秒数。デフォルトは “900” です。

    service.admin.serverresponse

    "yes" に設定すると、csadmind サービス応答スレッドが開始されます。デフォルトは “no” です。

    service.admin.sessiondir.path

    管理セッション要求用の一時ディレクトリ。デフォルトはありません。 

    service.admin.sessiontimeout

    csadmind で HTTP セッションをタイムアウトにするまで待機する秒数。デフォルトは “1800” です。

    service.admin.sleeptime

    カレンダサービスの状態 (稼動、終了、待機) を調べる間隔 (秒単位)。デフォルトは “2” です。

    service.admin.starttime

    カレンダサービスが開始するまで待機する秒数。デフォルトは “300” です。

    service.admin.stoptime

    カレンダサービスが終了するまで待機する秒数。デフォルトは “300” です。

    service.admin.stoptime.next

    カレンダサービスに終了コマンドを送信するまで待機する秒数。デフォルトは “60” です。

  5. ファイルを ics.conf として保存します。

  6. Calendar Server を再起動します。

    cal-svr-base /SUNWics5/cal/sbin/start-cal

ProcedureCalendar Server バージョン 6.3 の HTTP サービス (cshttpd) を設定するには

  1. 設定を変更する権限を持つ管理者としてログインします。

  2. /etc/opt/SUNWics5/cal/config ディレクトリに移動します。

  3. 古い ics.conf ファイルをコピーして名前を変更し、保存します。

  4. 次の表に示すパラメータを 1 つ以上編集します。

    パラメータ 

    説明とデフォルト値 

    service.http.admins

    この Calendar Server の管理権限を持つユーザー ID を空白文字で区切って指定します。デフォルトは "calmaster" です。

    service.http.allowadminproxy

    "yes" の場合、プロキシ経由のログインが許可されます。これがデフォルトです。

    service.http.allowanonymouslogin

    "yes" に設定すると、匿名アクセス (認証なし) が許可されます。これは特殊なタイプのログインであり、指定した制限付きのアクセス (通常は公開カレンダへの読み取り専用アクセス) のみが許可されます。デフォルトは "yes" です。

    service.http.calendarhostname

    HTML ドキュメントを取得するための HTTP ホスト。ユーザーが完全修飾ホスト名を指定してカレンダデータにアクセスできるようにするには、mycal@sesta.com のように、Calendar Server が稼動するマシンの完全修飾ホスト名 (マシン名、DNS ドメインとサフィックスを含む) をこの値に指定する必要があります。

    指定しない場合、ローカル HTTP ホストが適用されます。 

    service.http.commandlog

    このパラメータはデバッグ専用です。"yes" に設定した場合、システムにより、すべての着信コマンドが http.commands ログファイルに記録されます。

    本稼働中には使用しないでください。ログファイルがすぐに満杯になり、パフォーマンスが低下する可能性があります。 

    service.http.commandlog.all

    このパラメータはデバッグ専用です。"yes" に設定した場合、システムにより、すべての HTTP 要求が http.access ログファイルに記録されます。

    本稼働中には使用しないでください。ログファイルがすぐに満杯になり、パフォーマンスが低下する可能性があります。 

    service.http.cookies

    cookie をサポートするかどうかをサーバーに指示します ("yes" または "no")。シングルサインオンを有効にするには、"yes" に設定する必要があります。デフォルトは "yes" です。

    service.http.dbcachesize

    HTTP セッション用の Berkeley データベースの最大キャッシュサイズ。デフォルトは "8388308" です。

    service.http.domainallowed

    空白 (" ") 以外の値を指定した場合は、TCP ドメインに基づくフィルタリングによってアクセスが許可されます。たとえば、「ALL: LOCAL.sesta.com」と指定した場合は、sesta.com ドメインのすべてのユーザーによるローカル HTTP アクセスが許可されます。複数のフィルタを指定する場合は、CR-LF (改行) で区切ります。デフォルトは空白 (" ") です。

    service.http.domainnotallowed

    空白 (" ") 以外の値を指定した場合は、TCP ドメインに基づくフィルタリングによってアクセスが拒否されます。たとえば、「ALL: LOCAL.sesta.com」と指定した場合は、sesta.com ドメインのすべてのユーザーによる HTTP アクセスが拒否されます。複数のフィルタを指定する場合は、CR-LF (改行) で区切ります。デフォルトは空白 (" ") です。

    service.http.attachdir.path

    インポートされたファイルが一時的に格納されるディレクトリの、local.queuedir を起点とする相対パス (絶対パスが指定されている場合はそれを使用)。デフォルトは現在のディレクトリ (".") です。

    service.http.ipsecurity

    "yes" に指定すると、既存のセッションを参照するすべての要求は、同じ IP アドレスから発せられているものとして検証されます。デフォルトは “yes” です。

    service.http.enable

    "yes" に設定すると、すべてのサービスを開始するときに cshttpd サービスを開始し、すべてのサービスを終了するときに cshttpd サービスを終了します。デフォルトは “yes” です。


    注意 – 注意 –

    このパラメータで HTTP サービスを無効にすると HTTPS も無効になります。


    service.http.idletimeout

    HTTP 接続をタイムアウトにするまでの秒数。デフォルトは “120” です。

    service.http.listenaddr

    HTTP サービスがクライアント要求を待機する TCP アドレスを指定します。デフォルトは、任意のアドレスを示す "INADDR_ANY" です。

    service.http.logaccess

    "yes" に指定すると、サーバーへの HTTP 接続が完全にログに記録されます。デフォルトは “no” です。

    service.http.maxsessions

    cshttpd サービスでの HTTP セッションの最大数。デフォルトは “5000” です。

    service.http.maxthreads

    cshttpd サービスでの HTTP 要求を処理するスレッドの最大数。デフォルトは “20” です。

    service.http.numprocesses

    サーバーでの実行が必要な HTTP サービス (cshttpd) プロセスの最大並行実行数。デフォルトは “1” です。

    複数の CPU を持つサーバーについては、「21.8 複数 CPU 間でのロードバランスの使用」を参照してください。

    service.http.port

    Calendar Server ユーザーからの HTTP 要求用のポート。デフォルトは “80” です。

    service.http.proxydomainallowed

    "" 以外を指定した場合は、TCP ドメインに基づくフィルタリングによってプロキシログインが許可されます。構文は service.http.domainallowed と同じです。デフォルトは "" です。

    service.http.resourcetimeout

    HTTP セッションをタイムアウトにするまでの秒数。デフォルトは “900” です。

    service.http.sessiondir.path

    HTTP セッションデータベース用のディレクトリ。デフォルトは “http” です。

    service.http.sessiontimeout

    cshttpd サービスで HTTP セッションをタイムアウトにするまでの秒数。デフォルトは “1800” です。

    service.http.sourceurl

    実行可能ファイルへのすべての URL 参照が格納されるディレクトリの、実行可能ファイルに対する相対パス。デフォルトは "" (NULL) です。

    service.http.tmpdir

    HTTP セッション用の一時ディレクトリ。デフォルトは “/var/opt/SUNWics5/tmp” です。

  5. ファイルを ics.conf として保存します。

  6. Calendar Server を再起動します。

    cal-svr-base /SUNWics5/cal/sbin/start-cal

ProcedureCalendar Server バージョン 6.3 のアラーム通知を設定するには

  1. 設定を変更する権限を持つ管理者としてログインします。

  2. /etc/opt/SUNWics5/cal/config ディレクトリに移動します。

  3. 古い ics.conf ファイルをコピーして名前を変更し、保存します。

  4. 次の表に示す 1 つ以上の ics.conf パラメータを編集します。

    パラメータ 

    説明とデフォルト値 

    alarm.diskstat.msgalarmdescription

    ディスク容量の不足時に送信されるメッセージ。 

    デフォルトのメッセージは “percentage calendar partition diskspace available” です。

    alarm.diskstat.msgalarmstatinterval

    ディスク容量を監視する間隔 (秒単位)。デフォルトは “3600” です。

    alarm.diskstat.msgalarmthreshold

    警告メッセージの送信対象となる使用可能なディスク容量の割合 (パーセント)。デフォルトは “10” です。

    alarm.diskstat.msgalarmthresholddirection

    alarm.diskstat.msgalarmthreshold に設定される割合を上回っているか、または下回っているか。-1 は下回っており、1 は上回っています。デフォルトは “-1” です。

    alarm.diskstat.msgalarmwarninginterval

    不十分なディスク容量に関する警告メッセージを送信する間隔 (時間単位)。デフォルトは “24” です。

    alarm.msgalarmnoticehost

    サーバーアラームの送信に使用される SMTP サーバーのホスト名。デフォルトは “localhost” です。

    alarm.msgalarmnoticeport

    サーバーアラームの送信に使用される SMTP ポート。デフォルトは “25” です。

    alarm.msgalarmnoticercpt

    サーバーアラームの送信先電子メールアドレス。“Postmaster@localhost”

    alarm.msgalarmnoticesender

    サーバーが送信するアラームの送信元として指定される電子メールアドレス。デフォルトは “Postmaster@localhost” です。

    alarm.msgalarmnoticetemplate

    送信する電子メールアラームのデフォルト形式。 

    "From: %s\nTo: %s\nSubject: ALARM: %s of \"%s\" is n\n%s\n"

    alarm.responsestat.msgalarmdescription

    サービスからの応答がない場合に送信されるメッセージ。デフォルトは “calendar service not responding” です。

    alarm.responsestat.msgalarmstatinterval

    サービスを監視する間隔 (秒単位)。デフォルトは “3600” です。

    alarm.responsestat.msgalarmthreshold

    デフォルトは “100” (サービスの応答がない場合にのみ警告メッセージを送信する)

    alarm.responsestat.

    msgalarmthresholddirection

    alarm.responsestat.msgalarmthreshold の割合を上回っているか、または下回っているかを指定します。-1 は下回っており、1 は上回っています。デフォルトは “-1” です。

    alarm.responsestat.

    msgalarmwarninginterval

    サービスからの応答がないことに関する警告メッセージを送信する間隔 (時間単位)。デフォルトは “24” です。

    local.rfc822header.allow8bit

    このサーバーが送信する電子メールメッセージでの 8 ビットヘッダーの使用を許可 ("y")、または拒否 ("n") します。

    service.admin.alarm

    管理ツールのアラーム通知を有効 ("yes")、または無効 ("no") にします。デフォルトは “yes” です。

  5. ファイルを ics.conf として保存します。

  6. Calendar Server を再起動します。

    cal-svr-base /SUNWics5/cal/sbin/start-cal