Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド

付録 D Calendar Server のコマンド行ユーティリティーのリファレンス

「D.3 csattribute」

「D.10 csexport

「D.17 csschedule

「D.4 csbackup

「D.11 csimport

「D.18 csstats

「D.5 cscal

「D.12 csplugin」

「D.19 csuser

「D.6 csclean

「D.13 cspurge

「D.20 start-cal

「D.7 cscomponents

「D.14 csrename

「D.21 stop-cal

「D.8 csdb

「D.15 csresource

 

「D.9 csdomain

「D.16 csrestore

 

各ユーティリティーの簡単な説明については、「D.2 コマンド行ユーティリティーの簡単な説明」を参照してください。

Calendar Server には、Access Manager にバンドルされている Delegated Administrator に含まれていないコマンド行ユーティリティーが用意されています。

これらの Calendar Server ユーティリティーはバッチ、シェル、および Perl などのスクリプトプログラムから実行できます。ユーティリティーの一部 (csusercsresource csdomain) は Delegated Administrator ユーティリティーに取って代わられましたが、その他は Schema バージョン 2 環境でも使用されています。Schema バージョン 1 の場合は、Delegated Administrator を使用せず、csusercsresource 、および csdomain の使用を継続する必要があります。

これらのユーティリティーは、必要に応じて ics.conf 設定ファイルに記録されているデフォルト値を使用します。

コマンド行ユーティリティーは次のディレクトリに格納されています。 cal-svr-base/SUNWics5/cal/sbin

すべてのユーティリティーは、必ず sbin ディレクトリから起動してください。ただし、例外として start-cal および stop-cal は、フルパスを指定すればどのディレクトリからでも実行できます。


注 –

これらの管理ツールによるエラーメッセージは、csdb ディレクトリの admin.log ファイルに書き込まれます。


この章では、次の内容について説明します。

D.1 コマンド行ユーティリティーの実行

Calendar Server の実行ユーザーおよびグループ、または root としてログインしている状態でコマンド行ユーティリティーを実行します。これはインストール時に指定し、デフォルトは icsusericsgroup です。

たとえば、Calendar Server のベースディレクトリが cal-svr-base の場合、cscal ユーティリティーの list コマンドを実行するには、ログイン後に次のようにします。

cd cal-svr-base/SUNWics5/cal/sbin
./cscal list

D.1.1 コマンド行ユーティリティーの構文

Calendar Server のコマンド行ユーティリティーの構文は次のとおりです。

utility [ -option [value]] command [target]

ここで使用されているオプション、変数は次のとおりです。

utility は、cscalcsuser など、実行可能なユーティリティーの名前を表します。

option には、コマンドが実行する処理を指定します。オプションは、-d のように、ハイフン (-) に続けて小文字で指定します。角カッコ ([]) で囲まれているオプションは省略可能です。そのように明記されている場合は、複数のオプションを同時に指定できます。

value は、option によって指定される動作をさらに修飾します。たとえば、-d オプションで使用する説明などがこれに該当します。角カッコ ([]) で囲まれている値は省略可能です。空白文字を含む値は、引用符 (" ") で囲む必要があります。複数の値を指定するときは全体を引用符 (" ") で囲み、各値を空白文字で区切ります。ただし、セミコロンで区切ったリストを使用する場合など、特に明記されている場合を除きます。

command は、たとえば listcreate のように、ユーティリティーが実行する処理を指定します。縦棒 (|) で区切られているコマンドは、一度に実行できるコマンドがいずれか (両方ではない) であることを示します。

target は、コマンドの実行対象となるカレンダ ID やユーザー ID などのオブジェクトです。

D.1.2 コマンド行ユーティリティーの使用規則

コマンド行ユーティリティーの使用には、一般に次の規則が適用されます。

D.1.3 スクリプト内のリターンコード

スクリプトからコマンド行ユーティリティーを実行する場合、ユーティリティーの実行に成功した場合はリターンコード “0” が返され、失敗した場合は “-1” が返されます。

D.2 コマンド行ユーティリティーの簡単な説明

次の表は、Calendar Server のコマンド行ユーティリティーの簡単な説明を示します。

表 D–1 Calendar Server のコマンド行ユーティリティーの概要

ユーティリティー 

説明 

「D.3 csattribute」

Schema バージョン 1 のカレンダユーザーまたはリソースのLDAP 属性を管理します。 

「D.4 csbackup

個々のカレンダ、ユーザー、カレンダデータベースをバックアップします。 

「D.5 cscal

カレンダとそのプロパティーを管理します。 

「D.6 csclean

状態属性 (inetUserStatus) が Delegated Administrator によって「削除」としてマークされている Calendar Server ユーザーのユーザーカレンダとリソースカレンダを削除します。 

「D.7 cscomponents

カレンダコンポーネントである予定と作業 (仕事) を管理します。 

「D.8 csdb

カレンダデータベースを管理します。 

「D.9 csdomain

Schema バージョン 1 のドメイン LDAP エントリ内の Calendar Server 属性を管理します。 

「D.10 csexport

カレンダを iCalendar 形式 (.ics) または XML 形式 (.xml) のファイルにエクスポートします。

「D.11 csimport

iCalendar 形式 (.ics) または XML 形式 (.xml) のファイルにカレンダをインポートします。

「D.13 cspurge

削除ログデータベース (ics50deletelog.db) 内のエントリを手動で削除します。

「D.14 csrename

ユーザー ID の名前変更を許可します。これによって、データベース全体が書き換えられます。 

「D.15 csresource

会議室や機器などのカレンダリソースを管理します。 

「D.16 csrestore

個々のカレンダ、ユーザー、カレンダデータベースを復元します。 

「D.17 csschedule

GSE (グループスケジューリングエンジン) キュー内のスケジューリングエントリを管理します。 

「D.18 csstats

Calendar Server にカウンタを表示します。 

「D.19 csuser

Schema バージョン 1 のカレンダユーザーを管理します。 

「D.20 start-cal

すべての Calendar Server プロセスを開始します。 

「D.21 stop-cal

すべての Calendar Server プロセスを停止します。 

D.3 csattribute

csattribute ユーティリティーは、Schema バージョン 1 モードでみ機能します。これは、Calendar Server ユーザーまたはリソースの LDAP エントリ属性を管理します。次のコマンドがあります。


注 –

LDAP CLD プラグインを利用しているサイトでは、icsDWPHost 属性の値を新しいバックエンドホストサーバーに変更するときに csattribute を使用しないでください。icsDWPHost を変更しても、新しいカレンダは新しいバックエンドホストに作成されません。詳細は、第 5 章「Calendar Server バージョン 6.3 での複数のマシンへのカレンダデータベースの分散の設定」を参照してください。


D.3.1 要件

D.3.2 構文


csattribute [-q|-v] 
             -a attribute=value 
            [-t resource | user]
            [-d domain] 
            add target

csattribute [-q|-v] 
             -a attribute[=value] 
            [-t resource | user]
            [-d domain] 
            delete target

csattribute [-q | -v] 
            [-t resource | user] 
            [-d domain] 
            list target

次の表は、csattribute ユーティリティーで使用できるコマンドを示しています。

表 D–2 csattribute ユーティリティーのコマンド

コマンド 

説明 

add target

指定したターゲット (ユーザーまたはリソースオブジェクト) に LDAP 属性と値を追加します。 

list target

ターゲットオブジェクトの属性をリスト表示します。 

delete target

ターゲットから属性を削除します。 

version

ユーティリティーのバージョンを表示します。 

次の表は、csattribute ユーティリティーのコマンドオプションを示しています。

表 D–3 csattributeユーティリティーのコマンドオプション

オプション 

説明 

-v

冗長モードで実行します。実行コマンドに関するすべての情報が表示されます。デフォルトはオフです。 

-q

非出力モードで実行します。 

  • エラーが検出された場合にだけ情報を表示し、正常に処理が完了した場合は情報を表示しません。

  • 危険なコマンドの実行確認は行われません。

    デフォルトはオフです。

-a attribute = value

または、 

-a attribute [= value ]

LDAP 属性と値。 

  • -a オプションを使用する場合は attribute の指定は必須です。

  • add コマンドで -a オプションを使用する場合は value の指定は必須です。ただし、delete コマンドと list コマンドで -a オプションを使用する場合は省略可能です。

-t user | resource

ターゲットの種類 (ユーザーまたはリソースオブジェクト)。デフォルトはユーザーです。 

[-d domain]

ドメインの名前を指定します。デフォルトはics.conf ファイルの service.defaultdomain パラメータの設定から取得されます。

D.3.3 例

D.4 csbackup

csbackup ユーティリティーは、カレンダデータベース、指定したカレンダ、またはユーザーのデフォルトカレンダをバックアップします。次のコマンドがあります。

バックアップしたカレンダデータベースのバージョン番号は、指定したバックアップディレクトリ内のバージョンファイル caldb.conf に記録されます。

csrestore については、「D.16 csrestoreを参照してください。

D.4.1 要件

D.4.2 構文


csbackup [-q|-v] 
          -f database target

csbackup [-q|-v] 
          -c calid 
         calendar target

csbackup [-q|-v] 
          -a userid 
         [-b basedn] 
         defcal target

次の表は、csbackup ユーティリティーで使用できるコマンドを示しています。

表 D–4 csbackup ユーティリティーのコマンド

コマンド 

説明 

database target

カレンダデータベースを指定のターゲットデータベースディレクトリにバックアップします。デフォルトのターゲットデータベースディレクトリは次のとおりです。 

cal-svr-base/SUNWics5/cal/sbin/target-directory

ターゲットデータベースディレクトリだけを指定するときは、ディレクトリ名の前にスラッシュ (/) を含めません。次に例を示します。

csbackup database backupdir

注: ターゲットバックアップディレクトリがすでに存在し、-f オプションを指定しない場合は、csbackup ユーティリティーの実行は失敗します。たとえば、backupdir ディレクトリがすでに存在する場合は、そのディレクトリが空であっても次のコマンドの実行は失敗します。

csbackup database backupdir

このため、既存のターゲットバックアップディレクトリを指定するとき は、-f オプションを指定して csbackup を実行する必要があります。

存在しないターゲットバックアップディレクトリを指定し、csbackup にディレクトリを新規作成させることもできます。

calendar calid target

指定した ID のカレンダを、指定したターゲット出力ファイルにバックアップします。データの形式はファイル拡張子によって示されます。.ics は text/calendar、.xml は text/xml です。

defcal userid target

指定したユーザー ID のデフォルトカレンダを、指定したターゲットファイルにバックアップします。データの形式はファイル拡張子によって示されます。.ics は text/calendar、.xml は text/xml です。

version

ユーティリティーのバージョンを表示します。 

次の表は、csbackup ユーティリティーのコマンドオプションを示しています。

表 D–5 csbackup ユーティリティーのコマンドオプション

オプション 

説明 

-v

冗長モードで実行します。実行コマンドに関するすべての情報が表示されます。デフォルトはオフです。 

-q

非出力モードで実行します。 

  • エラーが検出された場合にだけ情報を表示し、正常に処理が完了した場合は情報を表示しません。

  • 危険なコマンドの実行確認は行われません。

    デフォルトはオフです。

-a userid

バックアップするカレンダのユーザー ID。デフォルトオプションでは、このオプションの指定は必須です。デフォルト値はありません。 

-b basedn

このユーザーに使用されるベース DN。デフォルトは、ics.conf ファイルの service.schema2root の設定から取得されます。

ベース DN (識別名) は、検索の開始点として使用される LDAP ディレクトリのエントリです。 

たとえば、ベース DN として ou=people, o=sesta.com を指定すると、Calendar Server が行う LDAP 検索では常に o=sesta.com ディレクトリツリー内の ou=people サブツリーだけが対象となります。

-c calid

バックアップするカレンダの ID。calendar コマンドを使用する場合は、このオプションの指定は必須です。デフォルト値はありません。

詳細は、「15.2 カレンダ固有の識別子 (calid) の作成」を参照してください。

-f

既存のバックアップファイルの削除を強制します。 

現在のリリースでは、バックアップターゲットディレクトリがすでに存在する場合は、それが空の場合でも -f オプションを指定する必要があります。

-l

SolsticeTM BackupTM または Legato NetworkerTM バックアッププログラムで使用するバックアップファイルを準備します。詳細は、第 17 章「Calendar Server データのバックアップと復元」を参照してください。

D.4.3 例

D.5 cscal

cscal ユーティリティーは、カレンダとそのプロパティーを管理します。次のコマンドがあります。

D.5.1 要件

D.5.2 構文


cscal [-q|-v] 
      [-a aces] 
      [-c charset] 
      [-d description] 
      [-g categories]
      [-k yes|no] 
      [-l langcode]
      [-m email]
      [-n name] 
      [-o owner’s uid]
      [-y otherowners]
      create|modify calid

cscal [-q|-v] 
      [-o owner’s uid]
      [-O] 
      delete|reset calid

cscal [-q|-v] 
      [-o owner’s uid]
      [-O] 
      disable|list [calid]

cscal [-q|-v] 
      [-k yes|no]
      [-o owner’s uid]
      [-O] 
      enable [calid]

注 –

cscal は、-o (所有者の uid ) を入力するときに大文字と小文字をチェックしませんが、検索では大文字と小文字が区別されます。


次の表は、cscal ユーティリティーで使用できるコマンドを示しています。

表 D–6 cscal ユーティリティーのコマンド

コマンド 

説明 

create calid

指定した calid のカレンダを作成します。 

: サイトで LDAP CLD プラグインを使用している場合、特定ユーザー用のすべてのカレンダが、ユーザーの icsDWPHost LDAP 属性によって指定されている同じバックエンドサーバーに格納されている必要があります。別のバックエンドサーバーにユーザーのカレンダを作成しようとすると、Calendar Server はエラーを返します。

delete calid

指定した calid のカレンダを削除します。

-o owner オプションを指定した場合は、指定した uid が一次所有者であるすべてのカレンダが削除されます。

enable [ calid ]

指定した calid のカレンダを有効にします。calid を指定しない場合は、すべてのカレンダが有効になります。

-o owner オプションを指定した場合は、指定した uid が一次所有者であるすべてのカレンダが有効になります。

disable [ calid ]

指定した calid のカレンダを無効にします。calid を指定しない場合は、すべてのカレンダが無効になります。

-o owner オプションを指定した場合は、指定した uid が一次所有者であるすべてのカレンダが無効になります。

list [ calid ]

指定した calid のカレンダのプロパティーをリスト表示します。calid を指定しない場合は、すべてのカレンダのプロパティーがリスト表示されます。

-o owner's uid オプションを指定した場合は、指定した所有者の uid が一次所有者であるすべてのカレンダがリスト表示されます。

modify calid

指定した calid のカレンダのプロパティーを変更します。

reset calid

指定した calid のカレンダのプロパティーをデフォルト設定にリセットします。

version

ユーティリティーのバージョンを表示します。 

次の表は、cscal ユーティリティーのコマンドオプションを示しています。

表 D–7 cscal ユーティリティーのコマンドオプション

オプション 

説明 

-v

冗長モードで実行します。実行コマンドに関するすべての情報が表示されます。デフォルトはオフです。 

-q

非出力モードで実行します。 

  • エラーが検出された場合にだけ情報を表示し、正常に処理が完了した場合は情報を表示しません。

  • 危険なコマンドの実行確認は行われません。

    デフォルトはオフです。

-a [ aces]

指定したカレンダの ACE (アクセス制御エントリ) です。ACE は、グループスケジュールのためにカレンダにアクセスできるユーザー、およびこれらのユーザーが持つアクセス権の種類 (作成、削除、読み取り、書き込みなど) を決定します。ACE 文字列または ACL (アクセス制御リスト) は、引用符 ("") で囲む必要があります。

デフォルトは、ics.conf ファイルの calstore.calendar.default.acl パラメータの設定です。

ACE の形式については、「1.8 Calendar Server バージョン 6.3 のアクセス制御」を参照してください。

-c charset

文字セット。デフォルトは文字セットなしです。 

-d description

説明 (カレンダの目的として表示されるコメント)。デフォルトは説明なしです。 

-g category

カテゴリ。複数のカテゴリを指定する場合は引用符 ("") で囲み、空白文字で区切ります。デフォルトはカテゴリなしです。

-k yes|no

ユーザーカレンダで複数のユーザーからの予約を許可するかどうかを指定します。たとえば、yes を指定した場合は、カレンダの同じ時間帯に複数の予定をスケジューリングできます。

-k オプションを省略した場合のデフォルトは、ics.conf ファイルの user.allow.doublebook パラメータの設定から取得されます。ただし、user.allow.doublebook パラメータはカレンダの作成時にだけ使用されます。

カレンダの作成後は、Calendar Server はカレンダのプロパティーデータベース (ics50calprops.db) を参照して複数のユーザーからの予約の可否を決定します。カレンダのカレンダプロパティーを変更して複数のユーザーからの予約の可否を変更する場合は、-k オプションを指定した cscal コマンドを再実行します。

-l langcode

言語コードです。デフォルトは言語コードなしです。 

-m email

電子メールアドレス。デフォルトは電子メールアドレスなしです。 

-n name

表示名。デフォルトは名前なしです。 

-o owner

(小文字の o) 

一次所有者。デフォルトの設定は、一次所有者の一意の ID (uid) です。

-O

(大文字の O) 

一次所有者のすべてのカレンダを指定します。デフォルトは名前を指定したカレンダのみです。 

-y otherowners

その他のカレンダ所有者。複数の所有者を指定する場合は引用符 ("") で囲み、空白文字で区切ります。デフォルトはその他の所有者なしです。

D.5.3 バックエンドマシンでカレンダを作成する場合に考えられる問題

指定したバックエンドマシンでカレンダを作成しようとすると、次のエラーメッセージが表示されます。Invalid DWP Host Server。これは次のどちらかを意味します。サーバーが適切に設定されていないか、カレンダの所有者がすでに別のバックエンドサーバーに割り当てられています。

D.5.3.1 バックエンドマシンが適切に設定されていない

問題となっているバックエンドサーバーの ics.conf で次の設定があることを確認します。

service.dwp.enable = "yes"
caldb.cld.type = "directory"
local.hostname = "back-end hostname"

D.5.3.2 カレンダ所有者が別のバックエンドマシンに割り当てられている

ユーザーの LDAP エントリを見つけ、icsDWPHost 属性が存在するかを確認します。icsDWPHost の値は、カレンダを作成しようとしているバックエンドサーバー名と一致する必要があります。このユーザーのカレンダを別のバックエンドサーバー上に作成することはできません。

D.5.4 例

D.6 csclean

csclean ユーティリティーは、Schema バージョン 2 モードでのみ動作します。状態属性 (icsStatus) が Delegated Administrator によって「削除」としてマークされているユーザーのユーザーカレンダとリソースカレンダを削除します。

Schema バージョン 1 の場合、削除されたユーザーのカレンダをすべて削除するには、csusercscal を使用します。

D.6.1 要件

D.6.2 構文


csclean [-q | -v] 
        [-g graceperiod]
        clean domain

次の表は、csclean ユーティリティーのコマンドオプションを示しています。

表 D–8 csclean ユーティリティーのコマンドオプション

オプション 

説明 

-q

非出力モードで実行します。 

  • エラーが検出された場合にだけ情報を表示し、正常に処理が完了した場合は情報を表示しません。

  • 危険なコマンドの実行確認は行われません。

    デフォルトはオフです。

-v

冗長モードで実行します。実行コマンドに関するすべての情報が表示されます。デフォルトはオフです。 

-g graceperiod

そのユーザーのカレンダサービスが削除されてから経過した日数を指定します。 

デフォルトは 10 日です。 

domain

すべてのユーザーとリソースのカレンダを削除するドメインを指定します。 

アスタリスク (*) を指定すると、すべてのドメインから、すべてのユーザーとリソースのカレンダが削除されます。

D.6.3 例

D.7 cscomponents

cscomponents ユーティリティーは、カレンダコンポーネントである予定と作業 (仕事) を管理します。次のコマンドがあります。

D.7.1 要件

D.7.2 構文


cscomponents [-v|-q] 
             [-e endtime] 
             [-s starttime] 
             [-t event|task]
             delete|list calid

次の表は、cscomponents ユーティリティーで使用できるコマンドを示しています。

表 D–9 cscomponents ユーティリティーのコマンド

コマンド 

説明 

delete calid

指定したカレンダ ID のカレンダから予定と作業を削除します。 

list calid

カレンダ ID で指定したカレンダの予定と作業を表示します。 

version

ユーティリティーのバージョンを画面に表示します。 

次の表は、cscomponents ユーティリティーのコマンドオプションを示しています。

表 D–10 cscomponents ユーティリティーのコマンドオプション

オプション 

説明 

-v

冗長モードで実行します。実行コマンドに関するすべての情報が表示されます。デフォルトはオフです。 

-q

非出力モードで実行します。 

  • エラーが検出された場合にだけ情報を表示し、正常に処理が完了した場合は情報を表示しません。

  • 危険なコマンドの実行確認は行われません。

    デフォルトはオフです。

-e endtime

コンポーネントを時間で範囲指定する場合の終了時刻。終了時刻に 0 を指定すると、開始時刻以後のすべてが対象となります。デフォルトは 0

-s starttime

コンポーネントを時間で範囲指定する場合の開始時刻。開始時刻に 0 を指定すると、終了時刻以前のすべてが対象となります。デフォルトは 0

-t event|task

処理の対象となるコンポーネントの種類 (予定または作業)。デフォルトは両方です。 

D.7.3 例

D.8 csdb

csdb ユーティリティーは、カレンダデータベース (カレンダ、セッション、統計情報) を管理します。次のコマンドがあります。

D.8.1 要件

D.8.2 構文


csdb [-q|-v] 
     [-t caldb|sessdb|statdb] 
     create|delete [dbdir]

csdb [-q|-v] 
     [-t caldb|sessdb|statdb] 
     list [dbdir]

csdb [-q|-v] 
     [-f] 
     [-t caldb|sessdb|statdb] 
     recover [dbdir]

csdb check [dbdir]

csdb rebuild [-a, -V] 
     [-g] [dbdir [dstdir]]

次の表は、csdb ユーティリティーで使用できるコマンドを示しています。

表 D–11 csdb ユーティリティーのコマンド

コマンド 

説明 

create [dbdir]

指定したデータベースディレクトリにデータベースを作成します。データベースディレクトリが指定されていない場合は、現在のディレクトリが適用されます。サーバーの起動時にデータベースが存在しない場合は、Calendar Server により自動的に作成されます。 

delete [dbdir]

指定したデータベースディレクトリに格納されているデータベースを削除します。データベースディレクトリが指定されていない場合は、現在のディレクトリが適用されます。開いているデータベース (Calendar Server の稼動中) は削除できません。 

list [dbdir]

指定したデータベースディレクトリに格納されているデータベースの情報を表示します。データベースディレクトリが指定されていない場合は、現在のディレクトリが適用されます。 

recover [dbdir]

指定したデータベースディレクトリに格納されている障害のあるカレンダデータベースの復元を試みます。データベースディレクトリが指定されていない場合は、現在のディレクトリが適用されます。セッションデータベースまたは統計情報データベースには実装されません。 

check [dbdir]

指定したデータベースディレクトリに格納されているカレンダデータベースを走査して破損の発生を調べ、結果をレポートとして出力します。データベースディレクトリが指定されていない場合は、現在のディレクトリが適用されます。 

rebuild [dbdir [dstdir]]

指定したデータベースディレクトリに格納されているすべてのカレンダデータベースを走査して破損の発生を調べ、再構築したカレンダデータベース (.db ファイル) を生成します。データベースディレクトリが指定されていない場合は、現在のディレクトリが適用されます。データベースが再構築されたら、db_verify が実行されます。

dstdir は、出力先を指定します (省略可能)。

version

ユーティリティーのバージョンを表示します。 

次の表は、csdb ユーティリティーのコマンドオプションを示しています。

表 D–12 csdb ユーティリティーのコマンドオプション

オプション 

説明 

-a

rebuild コマンド専用で、アラームデータベースのみ再構築します。

-V

アラームデータベースを再構築する場合に、-a オプションと一緒に渡す必要があります。アラームデータベースを含むすべてのデータベースに対して、検証が実行されます。

-v

冗長モードで実行します。実行コマンドに関するすべての情報が表示されます。デフォルトはオフです。 

-q

非出力モードで実行します。 

  • エラーが検出された場合にだけ情報を表示し、正常に処理が完了した場合は情報を表示しません。

  • 危険なコマンドの実行確認は行われません。

    デフォルトはオフです。

-f

カレンダデータベースの復元を強制します。 

-g

rebuild コマンドで、その他のカレンダデータベースのほかに GSE (グループスケジューリングエンジン) データベースも再構築します。

-t caldb|sessdb|statdb

次のターゲットデータベースを指定します。 

  • caldb (カレンダ)

  • sessdb (セッション)

  • statdb (統計情報)

    注: -t オプションを指定しない場合、csdb はすべてのデータベースグループを対象に実行されます。ただし、checkrecover、および rebuild コマンドの実行対象は、caldb (カレンダ) だけです。

D.8.3 例

D.9 csdomain

csdomain ユーティリティーは、ドメイン LDAP エントリ内の Calendar Server 属性を管理します。これらの属性は、icsCalendarDomain オブジェクトクラスに属しています。次のコマンドがあります。

D.9.1 要件

D.9.2 構文


csdomain [-q | -v] 
          -n node 
         create domain

csdomain [-q | -v] 
         {-a attr[=value] | 
          -f filename} 
         add domain

csdomain [-q | -v] 
         [-a attr | 
          -f filename] 
         delete domain

csdomain [-q | -v] 
         list domain

次の表は、csdomain ユーティリティーで使用できるコマンドを示しています。

表 D–13 csdomain ユーティリティーのコマンド

コマンド 

説明 

create

ドメインを LDAP ディレクトリに新規作成します。 

add

ドメインの LDAP エントリに、Calendar Server の属性とそれに関連する値を追加します。csdomain を使用してドメインの属性を追加または変更した場合は、新しい値が適用されるように Calendar Server を再起動します。

delete

指定したドメインの LDAP ディレクトリから Calendar Server 属性を削除します。またはドメイン全体のすべての LDAP エントリを削除します。 

list

指定したドメインの LDAP ディレクトリに格納されている Calendar Server 属性を表示します。 

version

ユーティリティーのバージョンを表示します。 

次の表は、csdomain ユーティリティーのコマンドオプションを示しています。

表 D–14 csdomain ユーティリティーのコマンドオプション

オプション 

説明 

-v

冗長モードで実行します。実行コマンドに関するすべての情報が表示されます。デフォルトはオフです。 

-q

非出力モードで実行します。 

  • エラーが検出された場合にだけ情報を表示し、正常に処理が完了した場合は情報を表示しません。

  • 危険なコマンドの実行確認は行われません。

    デフォルトはオフです。

-a attr[=value]

LDAP 属性のプロパティーとそのオプション値を指定します。 

属性とプロパティー名のリストについては、「D.9.3 LDAP 属性とプロパティー名」を参照してください。

-f filename

Calendar Server の LDAP ディレクトリプロパティーの名前と値を含むテキストファイルを指定します。 

次に例を示します。 

createLowerCase="yes"

filterPrivateEvents="no"

fbIncludeDefCal="no"

subIncludeDefCal="no"

uiProxyUrl="https://proxyserver "

-n node

create コマンドに次のように適用されます。 

  • LDAP Schema バージョン 1 の場合: すべてのユーザーとリソースがその下に作成されるノードを指定します。次に例を示します。o=node2,o=node1,o=sesta

  • LDAP Schema バージョン 2 の場合: このドメイン用に作成されるノードの名前を指定します。次に例を示します。o=west.sesta.com

    ノードを指定しない場合、ドメイン名が適用されます。

domain

add、delete、list コマンドでは、LDAP ディレクトリ内の既存のドメインを指定します。 

create コマンドでは、LDAP ディレクトリに作成される新規ドメインの一意の名前を指定します。 

次に例を示します。west.sesta.com

D.9.3 LDAP 属性とプロパティー名

次の表は、csdomain ユーティリティーに適用される LDAP 属性とプロパティー名を示しています。これらの属性は、icsCalendarDomain オブジェクトクラスに属しています。値を追加または削除するときは、属性名ではなく、プロパティー名を指定する必要があります。

csdomain を使用してドメインの LDAP 属性を追加または変更した場合は、新しい値が適用されるように Calendar Server を再起動します。

D.9.3.1 icsAllowRights 属性: csdomain ユーティリティー

「D.9.3 LDAP 属性とプロパティー名」では、csdomain ユーティリティーで設定できる icsAllowRights 属性とプロパティーについて説明しています。この属性は 32 ビットの数値文字列で、文字列の各ビットは特定のユーザー権限に対応しています。最新リリースでは、一部のビットが使用されず、デフォルトでゼロ (0) に設定されています。特定の権限に対応しているビットが設定されている場合 (value=1)、その権限は許可されません。ビットが設定されていない場合 (value=0)、その権限は許可されます。

icsAllowRights 属性の各プロパティーには、ics.conf ファイル内に対応するパラメータがあります。プロパティーが設定されていない場合 (value = 0) または指定されていない場合 (service.virtualdomain.support = “no”)、Calendar Server はデフォルト値として ics.conf ファイル内の対応するパラメータの設定を適用します。

icsAllowRights の値は数値文字列であり、整数ではありません。icsAllowRights をプログラム的にビットとして使用するには、事前に文字列の値を整数に変換する必要があります。

表 D–15 LDAP ディレクトリ属性 icsAllowRights とそのプロパティー

ビット 

プロパティー名 

説明 

allowCalendarCreation

設定した場合 (ビット 0 = 1)、カレンダの作成は許可されません。 

ics.conf の対応するパラメータ:

service.wcap.allowcreatecalendars

allowCalendarDeletion

設定した場合 (ビット 1 = 1)、カレンダの削除は許可されません。 

ics.conf の対応するパラメータ:

service.wcap.allowdeletecalendars

allowPublicWritableCalendars

設定した場合 (ビット 2 = 1)、書き込み可能なカレンダの公開は許可されません。 

ics.conf の対応するパラメータ:

service.wcap.allowpublicwriteablecalendars

 

現在のリリースでは使用されていません。 

allowModifyUserPreferences

設定した場合 (ビット 4 = 1)、ドメイン管理者は WCAP コマンドを使用してユーザー設定を取得または設定できません。 

ics.conf の対応するパラメータ:

service.admin.calmaster.wcap.allowgetmodifyuserprefs

allowModifyPassword

設定した場合 (ビット 5 = 1)、ユーザーはこのサーバーを通じてパスワードを変更することができません。 

ics.conf の対応するパラメータ:

service.wcap.allowchangepassword

 

現在のリリースでは使用されていません。 

 

現在のリリースでは使用されていません。 

allowUserDoubleBook

設定した場合 (ビット 8 = 1)、ユーザーのカレンダで複数のユーザーからの予約は許可されません。 

ics.conf の対応するパラメータ:

user.allow.doublebook

allowResourceDoubleBook

設定した場合 (ビット 9 = 1)、リソースカレンダで複数のユーザーからの予約は許可されません。 

ics.conf の対応するパラメータ:

resource.allow.doublebook

10 

allowSetCn

設定した場合 (ビット 10 = 1)、ユーザーは WCAP set_userprefs コマンドを使用して commonName (cn) 属性を設定できません。

ics.conf の対応するパラメータ:

service.wcap.allowsetprefs.cn

11 

allowSetGivenName

設定した場合 (ビット 11 = 1)、ユーザーは WCAP set_userprefs コマンドを使用して givenName 属性を設定できません。

ics.conf の対応するパラメータ:

service.wcap.allowsetprefs.givenname

12 

allowSetGivenMail

設定した場合 (ビット 12 = 1)、ユーザーは WCAP set_userprefs コマンドを使用して mail 属性を設定できません。

ics.conf の対応するパラメータ:

service.wcap.allowsetprefs.mail

13 

allowSetPrefLang

設定した場合 (ビット 13 = 1)、ユーザーは WCAP set_userprefs コマンドを使用して preferredLanguage 属性を設定できません。

ics.conf の対応するパラメータ:

service.wcap.allowsetprefs.preferredlanguage

14 

allowSetSn

設定した場合 (ビット 14 = 1)、ユーザーは WCAP set_userprefs コマンドを使用して surname (sn) 属性を設定できません。

ics.conf の対応するパラメータ:

service.wcap.allowsetprefs.sn

15–31 

 

現在のリリースでは使用されていません。 

D.9.3.2 icsExtendedDomainPrefs 属性: csdomain ユーティリティー

次の表は、csdomain ユーティリティーで設定できる icsExtendedDomainPrefs 属性とプロパティーを示しています。各プロパティーには、ics.conf ファイル内に対応するパラメータがあります。プロパティーが設定されていない場合 (たとえば、value = 0service.virtualdomain.support= “no”) または指定されていない場合、Calendar Server はデフォルト値として ics.conf ファイル内の対応するパラメータの設定を適用します。

表 D–16 LDAP ディレクトリ属性 icsExtendedDomainPrefs

プロパティー名 

説明 

allowProxyLogin

プロキシログインの可否を yes または no で指定します。

ics.conf の対応するパラメータ:

service.http.allowadminproxy (default = "yes")

calmasterAccessOverride

Calendar Server 管理者がアクセス制御の適用に反してアクセスできるかどうかを yes または no で指定します。

ics.conf の対応するパラメータ:

service.admin.calmaster.overrides.accesscontrol (デフォルトは no)

calmasterCred

Calendar Server のドメイン管理者として指定されたユーザーのパスワードが記録された ASCII テキストを指定します。 

ics.conf の対応するパラメータ:

service.siteadmin.cred (デフォルトなし)

calmasterUid

Calendar Server のドメイン管理者として指定されたユーザーのユーザー ID が記録された ASCII テキストを指定します。 

ics.conf の対応するパラメータ:

service.siteadmin.userid (デフォルトなし)

createLowercase

新規カレンダの作成時、またはカレンダの検索時に、Calendar Server がカレンダ ID (calid) を小文字に変換するかどうかを yes または no で指定します。 

ics.conf の対応するパラメータ:

calstore.calendar.create.lowercase (デフォルトは no)

domainAccess

ドメインの ACL (アクセス制御リスト) を指定します。ACL については、「1.8.3 Calendar Server バージョン 6.3 のアクセス制御リスト (ACL)」を参照してください。

この ACL は、ドメイン間検索で使用されます。詳細は、「11.2 Calendar Server 6.3 システムでのドメイン間の検索」を参照してください。


注意 – 注意 –

domainAccess の単一のインスタンスのみが許可されます。ただし、重複していてもシステムは警告しません。値を変更する場合は、必ず 1 しかないことを確認する必要があります。


fbIncludeDefCal

ユーザーのデフォルトカレンダを、そのユーザーの空き/予定ありカレンダリストに含めるかどうかを yes または no で指定します。 

ics.conf の対応するパラメータ:

calstore.freebusy.include.defaultcalendar (デフォルトは yes)

filterPrivateEvents

Calendar Server が、非公開の、および時刻と日付のみが公開される (極秘の) 予定と作業をフィルタリング (認識) できるかどうかを yes または no で指定します。no を指定した場合、Calendar Server はこれを 公開予定または作業として扱います。

ics.conf の対応するパラメータ:

calstore.filterprivateevents (デフォルトは yes)

groupMaxSize

出席依頼のために拡張される LDAP グループの最大サイズを指定します。 

ics.conf の対応するパラメータ:

calstore.group.attendee.maxsize (デフォルトは0: サイズに関係なくグループを拡張)

language

ドメインの言語を指定します。 

ics.conf の対応するパラメータ:

local.domain.language

resourceDefaultAcl

リソースカレンダの作成時にデフォルトのアクセス制御として適用される ACL (アクセス制御リスト) を指定します。 

ics.conf の対応するパラメータ:

resource.default.acl (デフォルトは

"@@o^a^r^g;@@o^c^wdeic^g;@^a^rsf^g")

setPublicRead

ユーザーのデフォルトカレンダの初期設定を、公開読み取り/非公開書き込み (yes) または非公開読み取り/非公開書き込み (no) に指定します。 

ics.conf の対応するパラメータ:

service.wcap.login.calendar.publicread (デフォルトは no)

searchFilter

ユーザー検索用のデフォルトのフィルタを指定します。 

ics.conf の対応するパラメータ:

local.userSearchFilter

ssoCookieDomain

指定ドメイン内のサーバーだけに cookie を送信するようにブラウザに指定します。この値は、ピリオド (.) から開始する必要があります。次に例を示します。.sesta.com 

ics.conf の対応するパラメータ:

sso.cookiedomain (デフォルトは現在のドメイン)

ssoUserDomain

ユーザーの SSO 認証の一部として使用されるドメインを指定します。 

ics.conf の対応するパラメータ:

sso.userdomain (デフォルトなし)

subIncludeDefCal

ユーザーのデフォルトカレンダを、そのユーザーの登録済みカレンダリストに含めるかどうかを yes または no で指定します。 

ics.conf の対応するパラメータ:

calstore.subscribed.include.defaultcalendar (デフォルトは yes)

uiAllowAnyone

ユーザーインタフェースが、「全員」ACL (アクセス制御リスト) を表示および使用するかどうかを yes または no で指定します。 

ics.conf の対応するパラメータ:

ui.allow.anyone (デフォルトは yes)

uiAllowDomain

ユーザーインタフェースが、このドメインの ACL (アクセス制御リスト) を表示および使用するかどうかを yes または no で指定します。 

ics.conf の対応するパラメータ:

ui.allow.domain (デフォルトは no)

uiBaseUrl

ベースサーバーアドレスの URL を指定します。次に例を示します。"https://proxyserver"

ics.conf の対応するパラメータ: 

ui.base.url (デフォルトなし)

uiConfigFile

ユーザーインタフェースの一部を非表示にするために、Calendar Server が起動時に読み込む xml ベースのオプション設定ファイルを指定します。

ics.conf の対応するパラメータ:

ui.config.file (デフォルトなし)

uiProxyURL

HTML UI JavaScript ファイル内で先頭に追加されるプロキシサーバーアドレスの URL を指定します。次に例を示します。"https://web_portal.sesta.com/"

ics.conf の対応するパラメータ:

ui.proxyaddress.url (デフォルトなし)

D.9.3.3 その他の LDAP ディレクトリ属性: csdomain ユーティリティー

次の表は、csdomain ユーティリティーで設定できるその他の LDAP 属性とプロパティーを示しています。

表 D–17 csdomain ユーティリティーのその他の LDAP ディレクトリ属性

LDAP 属性 

プロパティー名 

説明 

icsAllowedServiceAccess

allowedAccessProtocols

Calendar Server へのアクセスが許可されるかどうかを指定します。http に設定した場合、アクセスは拒否されます。その他の値に設定した場合、アクセスは許可されます。 

Calendar Server は、icsStatus 属性が設定されていない場合にだけこの属性を使用します。

icsDefaultAccess

userDefaultAcl

新規作成するユーザーカレンダの ACL を指定します。 

ics.conf の対応するパラメータ:

calstore.calendar.default.acl

icsDomainNames

searchDomainNames

カレンダまたはユーザーの検索時に、このドメインが検索できる外部ドメインを指定します。 

ics.conf の対応するパラメータ: なし

icsDWPBackEndHosts

(未定義) 

ホスト名が明示的に指定されていない場合に適用される、ユーザーのデフォルトバックエンドホスト (DNS 名) を指定します。この属性は、Calendar Server のモードが LDAP CLD の場合に使用されます。 

icsStatus

statusCalendarDomain

Calendar Server の状態を指定します。 

  • active: Calendar Server にアクセスできます。

  • inactive: Calendar Server にアクセスできません。カレンダはデータベースに残され、Calendar Server の LDAP 属性も変更されません。

  • deleted: ユーザーが「削除」としてマークされているため、Calendar Server にアクセスできません。

  • removed: カレンダはカレンダデータベースから削除されています。

    icsStatus の設定は、icsAllowedServiceAccess 属性に優先して適用されます。

    icsStatus を設定しない場合、Calendar Server は icsAllowedServiceAccess 属性の設定を使用します。

icsTimezone

timezone

デフォルトのタイムゾーン ID を指定します。例: America/New_York、Asia/Tokyo。 

サポートされるタイムゾーンについては、timezones.ics ファイルを参照してください。

D.9.4 例

D.10 csexport

csexport ユーティリティーは、iCalendar 形式 (.ics) または XML 形式 (.xml) のファイルにカレンダをエクスポートします。次のコマンドがあります。

D.10.1 要件

D.10.2 構文


csexport [-v|-q]
         -c calid
         calendar outputfile

次の表は、csexport ユーティリティーで使用できるコマンドを示しています。

表 D–18 csexport ユーティリティーのコマンド

コマンド 

説明 

calendar outputfile

指定した出力ファイルにカレンダをエクスポートします。ファイルのデータ形式は、次の指定したファイル名の拡張子によって決定されます。 

  • .ics for iCalendar (text/calendar)

  • .xml for XML (text/xml)

version

ユーティリティーのバージョンを表示します。 

次の表は、csexport ユーティリティーのコマンドオプションを示しています。

表 D–19 csexport ユーティリティーのコマンドオプション

オプション 

説明 

-v

冗長モードで実行します。実行コマンドに関するすべての情報が表示されます。デフォルトはオフです。 

-q

非出力モードで実行します。 

  • エラーが検出された場合にだけ情報を表示し、正常に処理が完了した場合は情報を表示しません。

  • 危険なコマンドの実行確認は行われません。

    デフォルトはオフです。

-c calid

エクスポートするカレンダのカレンダ ID。calendar コマンドを使用する場合は、このオプションの指定は必須です。デフォルト値はありません。 

D.10.3 例

D.11 csimport

csimport ユーティリティーは、csexport ユーティリティーを使用して作成した iCalendar 形式 (ics) または XML 形式のファイルからカレンダをインポートします。次のコマンドがあります。

カレンダのコンポーネントのインポート日の計算には、コンポーネントに関連付けられた X-NSCP-DTSTART-TZID で指定したタイムゾーンを使用します。タイムゾーンを指定していない場合は、ics.conf にあるサーバーのタイムゾーンが使用されます。

D.11.1 要件

D.11.2 構文


csimport [-v|-q]
          -c calid
         calendar inputfile

次の表は、csimport ユーティリティーで使用できるコマンドを示しています。

表 D–20 csimport ユーティリティーのコマンド

コマンド 

説明 

calendar inputfile

指定した入力ファイルからカレンダをインポートします。ファイルのデータ形式は、指定したファイル名の拡張子によって決定されます。 

  • .ics for iCalendar (text/calendar)

  • .xml for XML (text/xml)

version

ユーティリティーのバージョンを表示します。 

次の表は、csimport ユーティリティーのコマンドオプションを示しています。

表 D–21 csimport ユーティリティーのコマンドオプション

オプション 

説明 

-v

冗長モードで実行します。実行コマンドに関するすべての情報が表示されます。デフォルトはオフです。 

-q

非出力モードで実行します。 

  • エラーが検出された場合にだけ情報を表示し、正常に処理が完了した場合は情報を表示しません。

  • 危険なコマンドの実行確認は行われません。

    デフォルトはオフです。

-c calid

インポートするカレンダのカレンダ ID。calendar コマンドを使用する場合は、このオプションの指定は必須です。 

指定したカレンダ ID がすでに存在する場合、インポートされたデータはそのカレンダにマージされます。デフォルト値はありません。 

詳細は、「15.2 カレンダ固有の識別子 (calid) の作成」を参照してください。

D.11.3 例

D.12 csplugin

csplugin は、Calendar Server のインストールに設定されている CSAPI プラグインを管理します。次のコマンドがあります。

D.12.1 要件

D.12.2 構文


csplugin [-q|-v] 
         [-r] 
          -t ac|attr|auth|locate|lookup|xlate
         activate|deactivate plugin

csplugin [-q|-v] list

次の表は、csplugin ユーティリティーで使用できるコマンドを示しています。

表 D–22 csplugin ユーティリティーのコマンド

コマンド 

説明 

activate -t type name

指定した種類と名前のプラグインをロードし、有効にします (サポートされるプラグインの種類については、表 D–23-t オプションを参照)。

deactivate -t type name

指定した種類と名前のプラグインを終了し、無効 にします (サポートされるプラグインの種類については、表 D–23-t オプションを参照)。

list

サポートされるすべてのプラグインの種類、名前、有効状態を表示します。(サポートされるプラグインの種類については、表 D–23-t オプションを参照)。

version

ユーティリティーのバージョンを表示します。 

次の表は、csplugin ユーティリティーのコマンドオプションを示しています。

表 D–23 csplugin ユーティリティーのコマンドオプション

オプション 

説明 

-v

冗長モードで実行します。実行コマンドに関するすべての情報が表示されます。デフォルトはオフです。 

-q

非出力モードで実行します。 

  • エラーが検出された場合にだけ情報を表示し、正常に処理が完了した場合は情報を表示しません。

  • 危険なコマンドの実行確認は行われません。

    デフォルトはオフです。

-r

activate コマンドで使用した場合、プラグインを Calendar Server の plugin ディレクトリに物理的にコピーします。

deactivate コマンドで使用した場合、plugin ディレクトリからプラグインを削除します。

-t type

サポートされている次の種類のプラグインから 1 つを指定します。 

  • ac: デフォルトのグループスケジューリングアクセス制御メカニズムを補強する、またはそのメカニズムに優先する別のメカニズムを適用します。

  • attr: ユーザー属性の格納と取得のメカニズムを補強する、またはそのメカニズムに優先する別のメカニズムを適用します。

  • auth: ログイン認証メカニズムを補強する、またはそのメカニズムに優先する別のメカニズムを適用します。

  • locate: 指定した修飾 URL のカレンダ ID を取得します。

  • lookup: デフォルトのカレンダ検索メカニズムを補強する、またはそのメカニズムに優先する別のメカニズムを適用します。

  • xlate: 入出力データの形式変換メカニズムを補強する、またはそのメカニズムに優先する別のメカニズムを適用します。

D.12.3 例

D.13 cspurge

cspurge ユーティリティーを使用することで、削除ログデータベース (ics50deletelog.db) のエントリを手動で削除できます。

D.13.1 要件

D.13.2 構文


cspurge [-q|-v] 
        -e endtime 
        -s starttime

次の表は、cspurge ユーティリティーのコマンドオプションを示しています。

表 D–24 cspurge ユーティリティーのコマンドオプション

オプション 

説明 

-v

冗長モードで実行します。実行コマンドに関するすべての情報が表示されます。デフォルトはオフです。 

-q

非出力モードで実行します。 

  • エラーが検出された場合にだけ情報を表示し、正常に処理が完了した場合は情報を表示しません。

  • 危険なコマンドの実行確認は行われません。

    デフォルトはオフです。

-e endtime

対象範囲の終了時刻を GMT (UTC、Zulu とも呼ばれる) 形式で指定します。この値と同時刻の場合は対象に含まれません。 

デフォルトは 0 で、開始時刻以後のすべてが対象となります。 

-s starttime

対象範囲の開始時刻を GMT (UTC、Zulu とも呼ばれる) 形式で指定します。この値と同時刻の場合は対象に含まれます。 

デフォルトは 0 で、終了時刻以前のすべてが対象となります。 

D.13.3 例

D.14 csrename

csrename ユーティリティーを使用すると、1 人以上のカレンダユーザーの名前を変更できます。このユーティリティーを使用してカレンダユーザーの名前を変更するには、次のことを行います。

csrename ユーティリティーは次のディレクトリに格納されています。

cal-svr-base /SUNWics5/cal/sbin

D.14.1 要件

csrename を実行する前に、次のことを実行する必要があります。

csrename を実行するには、icsuser (または設定中に指定された Calendar Server ランタイムユーザー ID) としてログインします。スーパーユーザー (root) として csrename を実行する場合は、新しいデータベースファイルに対するアクセス権のリセットが必要になることもあります。LDAP ディレクトリサーバー属性を変更するには、そのディレクトリに対する管理権限も必要です。

インストールしている Calendar Server の構成にフロントエンドサーバーとバックエンドサーバーが含まれている場合は、各バックエンドサーバー上で csrename を実行する必要があります。

D.14.2 構文

次の構文を使用して csrename を実行します。


csrename [-t DestinationDB] 
         [-c ConfigFile]
         [-e ErrorFile] 
          -m MappingFile 
         rename [DB|LDAP]

次の表に、このユーティリティーのオプションを一覧表示し、各オプションについて説明します。

表 D–25 csrename のオプション

オプション 

説明 

-t DestinationDB

csrename で、変換後のユーザー名が付いた新しいデータベースが生成される出力先ディレクトリを指定します。デフォルトは MigratedDB です。csrename の終了後、ics.conf ファイル内の caldb.berkeleydb.homedir.path パラメータは出力先データベースをポイントしている必要があります。caldb.berkeleydb.homedir.path をリセットして出力先データベースディレクトリをポイントするか、または出力先データベースファイルをこのパラメータで指定されたディレクトリに移動します。

-c ConfigFile

Calendar Server 設定ファイルを指定する入力パラメータ。デフォルトは ics.conf ファイルです。csrename ユーティリティーは設定ファイルの caldb.berkeleydb.homedir.path パラメータを使用して、入力カレンダデータベースの場所を特定します。カレンダデータベースのデフォルトの場所は cal_svr_base/var/opt/SUNWics5/csdb です。

-e ErrorFile

csrename でエラーや解決できないデータベースエントリが書き込まれるファイル。デフォルトは MigrateError です。

-m MappingFile

入力マッピングファイルを指定します。デフォルトは MigrateMapping です。入力マッピングファイルとは、既存のユーザー ID を新しいユーザー ID にマッピングするテキストファイルのことです。csrename を実行する前に、マッピングファイルを作成する必要があります。古い値と新しい値の間にスペースを入力し、1 行に 1 つのエントリを指定します。

次に例を示します。 

tchang tc897675

jsmith js963123

bkamdar bk548769

結果を調べたときに 1 つ以上の名前変更に失敗したことがわかった場合は、変更に失敗した名前だけの新しいマッピングファイルを作成し、csrename を再実行すると、エラーを解決できます。

DB|LDAP

更新するデータベースを指定します。 

DB: 新しいカレンダデータベースのユーザー ID だけを変換します (デフォルト)。

LDAP: 新しいカレンダデータベースと LDAP ディレクトリサーバー属性の両方のユーザー ID を変換します。

D.14.3 例

D.15 csresource

csresource ユーティリティーは、会議室や機器など、LDAP エントリとリソースのカレンダを作成および管理します。csresource ユーティリティーは、リソースに関連付けられているカレンダだけに対して使用でき、ユーザーのカレンダに対して実行した場合はエラーが返されます。次のコマンドがあります。

D.15.1 要件

D.15.2 構文


csresource [-q|-v] 
           [-a aces] 
           [-b  basedn] 
           [-d domain] 
           [-t description] 
           [-k yes|no] 
           [-o owner] 
           [-y otherowners] 
            -m email 
            -c calid 
           create common_name

csresource [-q|-v] 
           [-b basedn] 
           [-d domain]
           delete|disable|enable [common_name]

csresource [-q|-v] 
           [-b basedn]
           [-d domain]
           [-h host] 
           list [common_name]

次の表は、csresource ユーティリティーで使用できるコマンドを示しています。

表 D–26 csresource ユーティリティーのコマンド

コマンド 

説明 

create common_name

指定したカレンダ ID の新規リソースを作成します。 

delete [common_name]

指定したリソースを削除します。common_name を指定しない場合は、すべてのリソースが削除されます。

enable [common_name]

指定したリソースを有効にします。common_name を指定しない場合は、すべてのリソースが有効化されます。

disable [common_name]

指定したリソースを無効にします。common_name を指定しない場合は、すべてのリソースが無効化されます。

list [common_name]

指定したリソースカレンダを表示します。name を指定しない場合は、すべてのリソースカレンダが表示されます。

-h host オプションが指定されている場合、そのバックエンドサーバー上の指定のリソースカレンダ (またはすべてのリソースカレンダ) のカレンダ属性が表示されます。


注 –

上のいずれかのコマンドで name に空白文字が含まれる場合は、引用符 (" ") で囲む必要があります。


次の表は、csresource ユーティリティーのコマンドオプションを示しています。

表 D–27 csresource ユーティリティーのコマンドオプション

オプション 

説明 

-v

冗長モードで実行します。実行コマンドに関するすべての情報が表示されます。デフォルトはオフです。 

-q

非出力モードで実行します。 

  • エラーが検出された場合にだけ情報を表示し、正常に処理が完了した場合は情報を表示しません。

  • 危険なコマンドの実行確認は行われません。

    デフォルトはオフです。

-a [aces]

指定したカレンダの ACE (アクセス制御エントリ)。ACE は、グループスケジュールのためにカレンダにアクセスできるユーザー、およびこれらのユーザーが持つアクセス権の種類 (作成、削除、読み取り、書き込みなど) を決定します。ACE 文字列または ACL (アクセス制御リスト) は、引用符 ("") で囲む必要があります。

デフォルトは、ics.conf ファイルの resource.default.acl パラメータの設定です。

ACE の形式については、「15.4 カレンダのアクセス制御」を参照してください。

-b [basedn]

指定したリソースに適用される LDAP ベース DN (識別名)。デフォルトは、ics.conf ファイルの local.ugldapbasedn パラメータの設定から取得されます。

-c calid

icsCalendar 属性。create コマンドを使用する場合は、このオプションの指定は必須です。詳細は、「15.2 カレンダ固有の識別子 (calid) の作成」を参照してください。

-d domain

ドメインの名前を指定します。デフォルトはics.conf ファイルの service.defaultdomain パラメータの設定から取得されます。

-t [description]

カレンダの目的として表示されるコメントを指定します。デフォルトは説明なしです。 

-h host

リソースカレンダが存在するバックエンドサーバーの名前を指定します。このオプションは list コマンドだけに適用されます。 

-k yes|no

会議室などのリソースに関連するカレンダで、複数のユーザーからの予約を許可するかどうかを指定します。たとえば、yes を指定した場合は、リソースカレンダの同じ時間帯に複数の予定をスケジューリングできます。

-k オプションを省略した場合のデフォルトは、ics.conf ファイルの resource.allow.doublebook パラメータの設定から取得されます。ただし、resource.allow.doublebook パラメータはカレンダの作成時にだけ使用されます。

カレンダの作成後は、Calendar Server はカレンダのプロパティーデータベース (ics50calprops.db) を参照して複数のユーザーからの予約の可否を決定します。カレンダのカレンダプロパティーを変更して複数のユーザーからの予約の可否を変更する場合は、-k オプションを指定した csresource コマンドを再実行します。

-m email

リソースの LDAP mail 属性 (一次電子メールアドレス) を指定します。 

-o owner

一次所有者。 

デフォルトは ics.conf ファイルの service.siteadmin.userid パラメータの設定から取得されます。

-y otherowners

その他の所有者。複数の所有者を指定する場合は引用符 ( " ") で囲み、空白文字で区切ります。デフォルトはその他の所有者なしです。

version

ユーティリティーのバージョンを表示します。 

D.15.3 例

D.16 csrestore

csrestore ユーティリティーは、csbackup または csexport ユーティリティーを使用して作成したカレンダデータベース、指定のカレンダ、またはユーザーのデフォルトカレンダを復元します。次のコマンドがあります。

バックアップしたカレンダデータベースのバージョン番号は、指定したバックアップディレクトリ内のバージョンファイル caldb.conf に記録されます。


注意 – 注意 –

Calendar Server バージョン 6.3 の csrestore ユーティリティーは、Calendar Server バージョン 2 の csrestore との互換性を持ちません。データを喪失する可能性があるので、バージョン 2 の csrestore ユーティリティーでバックアップしたデータを復元しないでください。


D.16.1 要件


注 –

csrestore はユーザーの LDAP エントリ、登録済みカレンダ、または独自のカレンダを処理しません。個人のカレンダを複数値の属性 icsSubscribed に戻すには、ユーザー LDAP エントリ上で手動で実行する必要があります。


D.16.2 構文


csrestore [-v|-q] 
          [-f] 
          database inputdir

csrestore [-v|-q] 
           -c calid 
          calendar inputfile

csrestore [-v|-q] 
           -a userid
          [-b basedn] 
          defcal inputfile

次の表は、csrestore ユーティリティーで使用できるコマンドを示しています。

表 D–28 csrestore ユーティリティーのコマンド

コマンド 

説明 

database inputdir

指定した入力ディレクトリ、またはバックアップカレンダデータベースが含まれる入力ファイルからカレンダデータベースを復元します。この操作によって、現在のカレンダデータベースにそれまで含まれていたすべての内容は上書きされます。 

calendar inputfile

指定した入力ファイルから指定のカレンダ ID でカレンダを復元します。ファイルのデータ形式は、指定したファイル名の拡張子によって決定されます。 

  • .ics for iCalendar (text/calendar).

  • .xml for XML (text/xml).

    指定したカレンダ ID がすでに存在する場合は、復元前にそのカレンダのデータはクリアされます。

defcal inputfile

指定した入力ファイルから指定したユーザー ID のデフォルトカレンダを復元します。ファイルのデータ形式は、指定したファイル名の拡張子によって決定されます。 

  • .ics for iCalendar (text/calendar).

  • .xml for XML (text/xml).

version

ユーティリティーのバージョンを表示します。 

次の表は、csrestore ユーティリティーのコマンドオプションを示しています。

表 D–29 csrestore ユーティリティーのコマンドオプション

オプション 

説明 

-v

冗長モードで実行します。実行コマンドに関するすべての情報が表示されます。デフォルトはオフです。 

-q

非出力モードで実行します。 

  • エラーが検出された場合にだけ情報を表示し、正常に処理が完了した場合は情報を表示しません。

  • 危険なコマンドの実行確認は行われません。

    デフォルトはオフです。

-a userid

復元対象となるユーザーのユーザー ID。デフォルトオプションでは、このオプションの指定は必須です。デフォルト値はありません。 

-b basedn

指定したユーザー ID に適用される LDAP ベース DN (識別名)。デフォルトは、ics.conf ファイルの local.ugldapbasedn の設定から取得されます。

-f

既存のデータベースファイルの削除を強制します。 

-c calid

復元対象となるカレンダのカレンダ ID。calendar コマンドを使用する場合は、このオプションの指定は必須です。デフォルト値はありません。

詳細は、「15.2 カレンダ固有の識別子 (calid) の作成」を参照してください。

D.16.3 例

D.17 csschedule

csschedule ユーティリティーは、GSE (グループスケジューリングエンジン) キューに格納されているスケジュールエントリを管理します。次のコマンドがあります。

D.17.1 要件

D.17.2 構文


csschedule [-q|-v] 
           [-c count] 
           [-e endtime] 
           [-s starttime]
           [-t scheduletime
             -o offset] 
           [-u uid] 
           list [calid]

csschedule [-q|-v] 
           [-t scheduletime 
             -o offset 
             -u uid 
             -n sequencenumber 
             -r rid] 
           list [calid]

csschedule [-q|-v]  
           [-t scheduletime 
             -o offset 
             -u uid 
             -n sequencenumber 
             -r rid] 
           delete [calid]

csschedule [-q|-v] 
           [-s starttime] 
           [-e endtime] 
           delete [calid]

         

次の表は、csschedule ユーティリティーで使用できるコマンドを示しています。

表 D–30 csschedule ユーティリティーのコマンド

コマンド 

説明 

list

指定したカレンダ ID によって特定される、GSE キュー内のエントリを表示します。 

delete

指定したカレンダ ID によって特定される、GSE キュー内のエントリを削除します。 

version

ユーティリティーのバージョンを表示します。 

次の表は、csschedule ユーティリティーのコマンドオプションを示しています。

表 D–31 csschedule ユーティリティーのコマンドオプション

オプション 

説明 

-v

冗長モードで実行します。実行コマンドに関するすべての情報が表示されます。デフォルトはオフです。 

-q

非出力モードで実行します。 

  • エラーが検出された場合にだけ情報を表示し、正常に処理が完了した場合は情報を表示しません。

  • 危険なコマンドの実行確認は行われません。

    デフォルトはオフです。

-c count

表示する GSE キューのエントリ数。たとえば、キューに含まれる 10 のエントリを調べる場合は 10 を指定します。 

-e endtime

GSE キューのエントリを時間範囲で指定する場合の終了時刻。0 を指定した場合は、開始時刻以後のすべてのエントリが対象となります。デフォルトは 0 (ゼロ)。 

-n sequencenumber

キューに含まれる予定または作業のシーケンス番号。 

-o offset

予定時刻のオフセット値。同時刻に複数のエントリがスケジューリングされている場合、このオフセット値が GSE 内のエントリを一意に識別します。 

-r rid

予定または仕事の定期予定 ID (RID)。RID は、定期的な予定または仕事の個々の予定を識別する、セミコロンで区切られたリスト形式の文字列です。

-s starttime

GSE キューのエントリを時間範囲で指定する場合の開始時刻。0 を指定した場合は、終了時刻以前のすべてのエントリが対象となります。デフォルトは 0 (ゼロ)。 

-t scheduletime

予定時刻。例: 20001231T103045Z

-u uid

GSE キューのエントリの一意の ID (UID)。

D.17.3 例

D.18 csstats

csstats ユーティリティーは、Calendar Server の統計情報を表示します。次のコマンドがあります。

カウンタについては、「E.3 カウンタ設定ファイル (counter.conf)」を参照してください。

D.18.1 要件

D.18.2 構文


csstats [-q|v] 
        [-r registry] 
        [-i iterations] 
        [-s delay] 
        list [subsystem] 

次の表は、csstats ユーティリティーで使用できるコマンドを示しています。

表 D–32 csstats ユーティリティーのコマンド

コマンド 

説明 

list [subsystem]

指定した Calendar Server サブシステムのカウンタ統計情報を表示します。または、サブシステムを指定しない場合は、次のサブシステムのうち、使用可能なサブシステムの基本情報を表示します。 

  • alarm: サービスアラーム通知の監視

  • auth: ログイン認証

  • db: カレンダデータベース

  • disk: ディスク使用率の監視

  • gse: GSE (グループスケジューリングエンジン)

  • http: HTTP トランスポート

  • response: サーバーの応答時間

  • sess: サーバーセッションの状態

  • wcap: Web カレンダアクセスプロトコル

Version

ユーティリティーのバージョンを表示します。 

次の表は、csstats ユーティリティーのコマンドオプションを示しています。

表 D–33 csstats ユーティリティーのコマンドオプション

オプション 

説明 

-v

冗長モードで実行します。実行コマンドに関するすべての情報が表示されます。デフォルトはオフです。 

-q

非出力モードで実行します。 

  • エラーが検出された場合にだけ情報を表示し、正常に処理が完了した場合は情報を表示しません。

  • 危険なコマンドの実行確認は行われません。

    デフォルトはオフです。

-i iterations

統計情報のルックアップを繰り返す回数。デフォルトは、1 です。 

-r registry

カウンタ統計情報を格納しているファイルの名前と場所。デフォルトは次のとおりです。 

/opt/SUNWics5/cal/lib/counter/counter

-s delay

統計情報の検索間隔を秒単位の時間で指定します。デフォルトは 1 秒です。 

D.18.3 例

D.19 csuser

csuser ユーティリティーは、Schema バージョン 1 モードでのみ機能します。これは、カレンダのユーザーの LDAP エントリとユーザーのデフォルトカレンダを管理します。次のコマンドがあります。


注 –

このユーティリティーは Communications Express で必要な Address Book のユーザーを有効にしません。ldapmodify を使用して手動で行う必要があります。


Directory Server を使用している場合は、ldapsearch ユーティリティーと ldapmodify ユーティリティーも使用できます。これらのユーティリティーについては、次の Web サイトで入手できる Directory Server のマニュアルを参照してください。

http://docs.sun.com/coll/1316.2

D.19.1 要件

D.19.2 構文


csuser [-q|-v]
       [-a aces] 
       [-b basedn]
        -m email address 
       [-d domain]
        -f filename
        -g givenname 
       [-k yes|no] 
       [-l langcode] 
        -s surname 
        -y userpassword
       create userid

csuser [-q|-v] 
       [-b basedn] 
       [-d domain] 
       [-h host] 
       list [userid]

csuser [-q|-v] 
       [-b basedn] 
       [-d domain]
       [check|delete|disable|enable|reset] userid

         

次の表は、csuser ユーティリティーで使用できるコマンドを示しています。

表 D–34 csuser ユーティリティーのコマンド

コマンド 

説明 

check userid

指定したユーザー ID のユーザーがカレンダ機能を利用できるかどうかを調べます。 

create userid

指定したユーザー ID のユーザーを作成し、このユーザーによる Calendar Server へのログインを有効にします。 

delete userid

指定したユーザー ID のユーザーを削除します。 

disable userid

ユーザーの LDAP エントリに icsAllowedServiceAcess="http" を追加して、指定したユーザー ID のカレンダを無効にします。

enable userid

ユーザーの LDAP エントリから icsAllowedServiceAcess="http" を削除して、指定したユーザー ID のカレンダを有効にします。

list [userid]

指定したユーザー ID のユーザーのカレンダ属性を表示します。ユーザー ID を指定しない場合は、有効なすべてのユーザーの属性がリスト表示されます。 

-h server-name オプションが指定されている場合、そのバックエンドサーバー上の指定のユーザー ID (または有効なすべてのユーザー) のカレンダ属性が表示されます。

reset userid

指定したユーザー ID のユーザーのすべてのカレンダ属性をデフォルトの設定にリセットします。 

注: ユーザー ID のカレンダ属性がリセットされると、ユーザーの LDAP エントリからすべてのカレンダ属性 icsCalendarUser (オブジェクトクラス)、icsSubscribed icsCalendarOwnedicsCalendar、および icsDWPHost (ユーザーが LDAP CLD 設定に含まれる場合) が削除されます。Calendar Server 管理者がユーザーに代わってカレンダを作成することはできません。

Calendar Server 管理者がそのユーザーに対して csuser enable コマンドを実行すると、これらの属性はユーザーの LDAP エントリ内に復元されます。

version

ユーティリティーのバージョンを表示します。 

次の表は、csuser ユーティリティーのコマンドオプションを示しています。

表 D–35 csuser ユーティリティーのコマンドオプション

オプション 

説明 

-v

冗長モードで実行します。実行コマンドに関するすべての情報が表示されます。デフォルトはオフです。 

-q

非出力モードで実行します。 

  • エラーが検出された場合にだけ情報を表示し、正常に処理が完了した場合は情報を表示しません。

  • 危険なコマンドの実行確認は行われません。

    デフォルトはオフです。

-b basedn

すべての LDAP ユーザーに使用されるベース DN。デフォルト値は、 ics.conf ファイルの local.ugldapbasedn の設定から取得されます。

-d domain

ドメインの名前を指定します。デフォルトはics.conf ファイルの service.defaultdomain パラメータの設定から取得されます。

-a [aces]

指定したカレンダの ACE (アクセス制御エントリ) です。ACE は、グループスケジュールのためにカレンダにアクセスできるユーザー、およびこれらのユーザーが持つアクセス権の種類 (作成、削除、読み取り、書き込みなど) を決定します。ACE 文字列または ACL (アクセス制御リスト) は、引用符 ("") で囲む必要があります。

デフォルトは次のとおりです。 

"@@o^a^r^g;@@o^c^wdeic^g;
@^a^sf^g;@^c^^g;@^p^r^g"

ACE の形式については、「E.2.9 Calendar Server サービス設定」を参照してください。

-f filename

パスワード (-y パラメータ) を必要とするオプション用にパスワードを記録したファイルの名前です。スクリプトから csuser を実行する場合、セキュリティーのためにパスワードをこのファイルに指定します。

-g givenname

ユーザーの LDAP givenName 属性 (姓名の名) です。このオプションは必須です。デフォルト値はありません。 

-h host

ユーザーカレンダが存在するバックエンドサーバーの名前を指定します。このオプションは list コマンドだけに適用されます。 

-p port

LDAP サーバーが待機しているポートの番号です。デフォルト値は、ics.conf ファイルの local.ugldapport の設定から取得されます。

-k yes|no

ユーザーカレンダで複数のユーザーからの予約を許可するかどうかを指定します。yes を指定した場合は、ユーザーカレンダの同じ時間帯に複数の予定をスケジューリングできます。

デフォルトは、ics.conf ファイルの user.allow.doublebook の設定から取得されます。

-l [langcode]

言語コードです。デフォルトは ics.conf ファイルの local.sitelanguage の設定です。

-m email address

ユーザーの LDAP mail 属性 (一次電子メールアドレス) を指定します。 

-s surname

ユーザーの LDAP surName 属性 (姓名の姓) です。このオプションは必須です。デフォルト値はありません。 

D.19.3 例


注 –

このコマンドを実行することで、jsmith@sesta.com は Calendar Server にログインしてカレンダデータにアクセスすることができなくなりますが、jsmith のデータはカレンダデータベースから削除されません。ただし、jsmith が現在 Calendar Server にログインしている場合は、ログオフするまでカレンダデータへのアクセスを維持できます。


D.20 start-cal

start-cal ユーティリティーは次の順序で Calendar Server サービスを開始します。

D.20.1 要件

D.20.2 構文

start-cal

D.20.3 例

cal-svr-base/SUNWics5/cal/sbin/start-cal

詳細は、「12.1 Calendar Server 6.3 プロセスの起動と停止」を参照してください。

D.21 stop-cal

stop-cal ユーティリティーは、すべての Calendar Server サービスを終了します。

D.21.1 要件

D.21.2 構文

stop-cal

D.21.3 例

cal-svr-base/SUNWics5/cal/sbin/stop-cal

詳細は、「12.1 Calendar Server 6.3 プロセスの起動と停止」を参照してください。