Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド

15.6 ユーザーカレンダの管理

ここでは、Calendar Server ユーティリティー 「D.5 cscalを使用してユーザーカレンダを管理する手順について説明します。

ここでは、次の管理作業について説明します。

15.6.1 カレンダを表示するには

すべてのカレンダ、あるユーザーが所有するすべてのカレンダ、または特定のカレンダのプロパティーを表示するときは、cscal ユーティリティーの list コマンドを使用します。

次の例は、cscal を使用した 3 つの異なる作業を示しています。

15.6.2 カレンダを削除するには

Calendar Server から 1 つ以上のカレンダを削除するには、cscal ユーティリティーの delete コマンドを使用します。このユーティリティーはカレンダを削除しますが、ディレクトリサーバーからユーザーを削除することはありません。

次の 2 つの例は、cscal delete を使用して実行できる異なる作業を示しています。


注意 – 注意 –

delete コマンドはすべてのカレンダ情報をカレンダデータベースから削除します。実行した処理を取り消すことはできません。カレンダを削除すると、それを復元できるのはカレンダデータがバックアップされている場合だけです。詳細は、第 17 章「Calendar Server データのバックアップと復元」を参照してください。


15.6.3 削除されたユーザーのカレンダを消去するには

Calendar Server Utility コマンド csuser delete、あるいは Delegated Administrator Console または Utility を使用して 1 つ以上のユーザーを削除した場合、そのユーザーが所有していたカレンダがまだデータベース内に存在している可能性があります。

ユーザーのカレンダを消去するには、次の 2 つの方法があります。使用する方法は、ユーザーを削除するのに使用したツールにより異なります。

Calendar Server ユーティリティー csuser

csuser ユーティリティーは、LDAP ディレクトリからユーザーを消去して、ユーザーのデフォルトのカレンダを消去しますが、ユーザーが所有していたその他のカレンダは消去しません。cscal を使用してこれらのカレンダを消去する方法については、「Calendar Server バージョン 6.3 で csuser を使用して削除されたユーザーのすべてのカレンダを消去するには」を参照してください。

Delegated Administrator コンソールとユーティリティー

Delegated Administrator はカレンダを消去しません。Delegated Administrator を使用して削除するユーザーをマークし、Calendar Server Utility の csclean を使用してマークしたユーザーのカレンダを消去します。

csclean を使用して削除されたユーザーのカレンダを消去する方法については、「Delegated Administrator を使用して削除されたユーザーのすべてのカレンダを消去するには」を参照してください。

Delegated Administrator Utility の使用方法については、『Sun Java System Communications Services 6 2005Q4 Delegated Administrator Guide 』を参照してください。

Delegated Administrator Console の使用方法については、オンラインヘルプを参照してください。

ProcedureCalendar Server バージョン 6.3 で csuser を使用して削除されたユーザーのすべてのカレンダを消去するには

  1. 削除された所有者の uid のすべてのカレンダを検索するには、cscal list コマンドを実行します。

    cscal -o owner list

  2. 所有者のすべてのカレンダを消去するには、cscal コマンドを使用します。

    cscal -o owner delete

  3. csuser list を再実行して、すべてのカレンダが消去されていることを確認します。


    注 –

    commadmin を使用してユーザーを「削除」としてマークし、ユーザーの LDAP エントリが削除されている場合は、この手順を使用します。


ProcedureDelegated Administrator を使用して削除されたユーザーのすべてのカレンダを消去するには

Delegated Administrator はカレンダを消去しません。Delegated Administrator によって「削除」とマークされたユーザーのすべてのカレンダを消去するには、csclean ユーティリティーを使用します。

  1. csclean を使用して、「削除」とマークされているがまだ削除されていないユーザーのすべてのカレンダを消去します。

    たとえば、過去 10 日間で sesta.com ドメ イン内の「削除」とマークされたユーザーのすべてのカレンダを消去するには、次の コマンドを実行します。

    csclean -g 10 clean sesta.com

  2. ユーザーが LDAP から削除されている場合は、cscal を使用してください。

    手順については、「Calendar Server バージョン 6.3 で csuser を使用して削除されたユーザーのすべてのカレンダを消去するには」を参照してください。

15.6.4 カレンダを有効にするには

ユーザーがカレンダにアクセスできるようにするには、まず cscal enable コマンドを使用してカレンダを有効にする必要があります。

次の例は、カレンダを有効にする方法を示しています。

15.6.5 カレンダを無効にするには

ユーザーがカレンダにアクセスできないようにするには、cscal ユーティリティーの disable コマンドを使用します。disable コマンドはユーザーによるカレンダへのアクセスを禁止しますが、カレンダデータベースから情報を削除するわけではありません。

たとえば、ユーザーが jsmith@sesta.com:meetings にアクセスできないようにするには、次のように実行します。

cscal disable jsmith@sesta.com:meetings

15.6.6 カレンダプロパティーを変更するには

カレンダプロパティーを変更するには、cscal ユーティリティーの modify コマンドを使用します。

たとえば、AllAdmins のグループスケジュール設定のアクセス制御設定を変更し、もう一人の所有者として RJones@sesta.com を指定するには、次のように実行します。

cscal -a "@@o^c^wd^g" -y RJones@sesta.com modify AllAdmins

この例で使用されている 2 つのコマンド変数の意味は次のとおりです。

15.6.7 カレンダからプロパティーを消去するには

カレンダからプロパティー値を消去するには、cscal modify コマンドを使用し、オプションの値を 2 つの二重引用符("") で指定します。

次の 3 つの例は、異なるプロパティーを消去する方法を示しています。

15.6.8 「失われた」デフォルトカレンダを復元するには

ユーザーのデフォルトカレンダが Communications Express のユーザーインタフェースクライアントには表示されないが、データベースには存在する場合、ユーザーの LDAP エントリの 2 つの属性を更新することで、カレンダを復元し、再表示可能にできます。

カレンダを復元するには、ユーザーの LDAP エントリの次の属性の値がユーザーの完全修飾 calid であることを確認します。

Schema バージョン 2 の場合は、次のいずれかの方法を使用して属性を更新します。

Schema バージョン 1 の場合は、csattribute add コマンドを使用して属性を更新できます。

Procedureユーザーカレンダを別のバックエンドサーバーへ移動するには

あるバックエンドサーバーから別のバックエンドサーバーにユーザーカレンダを移動するには、次の手順を実行します。

  1. 元のサーバーで、「D.19 csuser ユーティリティーを実行してカレンダユーザーを無効にします。たとえば、ユーザー ID と calidbkamdar のユーザーを無効にするには、次のように実行します。

    csuser disable bkamdar

  2. 元のサーバーで、「D.10 csexport ユーティリティーを実行してカレンダデータベースからファイルにユーザーの各カレンダをエクスポートします。次に例を示します。

    csexport -c bkamdar calendar bkamdar.ics

  3. エクスポートしたカレンダファイル (*.ics) を元のサーバーから新しいサーバーにコピーします。

  4. 新しいサーバーで、エクスポートされた各カレンダに対して、「D.11 csimport ユーティリティーを実行してファイルからカレンダデータベースにカレンダをインポートします。次に例を示します。

    csimport -c bkamdar calendar bkamdar.ics

  5. LDAP ディレクトリサーバーで 「D.3 csattribute」 ユーティリティーを実行し、カレンダ所有者の icsDWPHost LDAP 属性が新しいバックエンドサーバーをポイントするように変更します。属性を変更するには、まず属性を削除し、新しい値を持つ属性を追加します。たとえば、新しいサーバー名を sesta.com に設定するには、次のように実行します。


    csattribute -a icsDWPHost delete bkamdar
     csattribute -a icsDWPHost=sesta.com add bkamdar
  6. 新しいサーバーで、「D.19 csuser ユーティリティーを使用してユーザーカレンダのカレンダユーザーを有効にします。次に例を示します。

    csuser enable bkamdar

  7. 新しいサーバーで、次のコマンドを実行して属性が正しく、各カレンダが正常に移動されていることを確認します。次に例を示します。


    cscal -v -o bkamdar list bkamdar
     ...
     csattribute -v list bkamdar
  8. 元のサーバーで、移動した各カレンダを削除します。次に例を示します。

    cscal -o bkamdar delete bkamdar

    -o オプションを指定することで、一次所有者が bkamdar であるすべてのカレンダが削除されます。


    注 –

    CLD キャッシュオプションを使用している場合、カレンダを別のバックエンドサーバーに移動した後に、CLD キャッシュをクリアしてサーバー名を消去してください。CLD キャッシュに古いエントリが残されていると、フロントエンドサーバーが移動後のカレンダを見つけられなくなります。

    CLD キャッシュをクリアするには、次の手順を実行します。

    • Calendar Server を停止します。

    • /var/opt/SUNWics5/csdb/cld_cache ディレクトリ内のすべてのファイルを消去します。ただし、cld_cache ディレクトリ自体は消去しません。

    • Calendar Server を再起動します。