Sun Java Communications Suite 5 配備計画ガイド

第 25 章 Connector for Microsoft Outlook ソフトウェアの紹介

Connector for Microsoft Outlook は、Messaging Server と Calendar Server で Windows のデスクトップクライアントとして Outlook を使用できるようにし、アドレス帳のサポートも提供します。

Connector for Microsoft Outlook は Outlook のプラグインで、エンドユーザーのデスクトップにインストールする必要があります。Connector for Microsoft Outlook は、Messaging Server にフォルダの階層と電子メールメッセージを照会します。その情報を、Outlook で表示できる Messaging API (MAPI) プロパティーに変換します。同様に、WCAP を使用して Calendar Server に予定と作業を照会し、MAPI プロパティーに変換します。このモデルによって、Connector for Microsoft Outlook は 2 つの別個の情報源からエンドユーザーの Outlook 表示を作成します。すなわち、Messaging Server のメールと Calendar Server のカレンダ情報です。

ユーザーが Outlook を使用して項目を作成および変更する場合、Connector for Microsoft Outlook は新しいメッセージをメッセージ形式に応じて適切なサーバーに渡します。新しい送信メールは SMTP メールサーバーに送られて配信され、変更された電子メールメッセージはユーザーの IMAP フォルダへ送り返されて保管されます。新しいカレンダの予定および作業は標準的な形式に変換されて、Calendar Server データベースに格納されます。

Connector for Microsoft Outlook には、アドレス帳サービスのサポートが含まれています。アドレス帳サービスを使用可能にするには、Communications Express をインストールする必要があります。このサービスは WABP を利用します。このサービスによって、ユーザーは個人用アドレス帳に Outlook と Communications Express のどちらからでもアクセスできます。

この章の内容は次のとおりです。

Connector for Microsoft Outlook の概要

組織では、Sun Java Enterprise System のサーバーに接続しているときにユーザーが電子メールおよびカレンダのクライアントとして Microsoft Outlook を使用できるようにするために、Connector for Microsoft Outlook を配備します。Outlook とサーバーの間で継続される必要な通信を容易にするために、各デスクトップユーザーに対して Connector for Microsoft Outlook プラグインをインストールして設定する必要があります。デスクトップ配備ツールキットも用意されています。このツールキットは、システム管理者用のソフトウェアツールを集めたもので、個々のユーザーに対する Connector for Microsoft Outlook プラグインのインストールと設定に関連して、管理者とユーザーの両方の作業を簡略化するように設計されています。

管理者はデスクトップ配備ツールキットを使用して、エンドユーザー用のカスタムインストールパッケージを作成でき、そこに構成パラメータを事前設定することで、ユーザーの作業の簡略化と効率化を図ることができます。また、管理者が特定のユーザーやユーザーグループに必要または望ましいと考える構成設定が、これによってすべて適用されます。配備設定プログラムは、これらの事前設定された構成パラメータを .ini テキストファイルに保存してから、この .ini ファイルをエンドユーザー用のインストールプログラム (セットアップウィザード) にバンドルします。エンドユーザーがパッケージを起動すると、セットアップウィザードが .ini ファイルを読み込み、管理者の指定に従ってユーザーのデスクトップに Connector ソフトウェアをインストールして設定します。

Connector for Microsoft Outlook の機能

Connector for Microsoft Outlook で使用できる主な機能は次のとおりです。

Connector for Microsoft Outlook の高度なアーキテクチャー

Sun Java System Connector デスクトップ配備ツールキットは、次のコンポーネントで構成されています。

上記の配備ツールキットのコンポーネントのほかに、ユーザーが Sun Java System Connector for Microsoft Outlook をインストールするためには Microsoft Web 発行ウィザード (WPW) 用の Microsoft インストールプログラム (ほかのベンダーから入手可能) が必要になる場合があります。

Microsoft の WPW は、HTML で記述されたドキュメントを生成するためのツールです。通常、Web ブラウザで表示される Web ページ形式のドキュメントを生成します。ただし、WPW はほかの目的で情報を「公開」する場合にも使用できます。特定の種類のデータを含んだドキュメントを作成し、適切な場所にアップロードして、ほかのアプリケーションがドキュメントを見つけて関連データを抽出できるようにします。Connector for Microsoft Outlook は WPW をこのように使用して、Outlook と Sun Java Enterprise System のサーバーの間でユーザーのアイドル/ビジーデータの転送を容易にします。したがって、WPW は必要な仲介役あり、すべてのユーザーのインストールに必須のコンポーネントです。


注 –

ただし、WPW は Microsoft の製品であり、配備ツールキットのパッケージには含まれていません。Microsoft から入手する必要があります。Microsoft の WPW のインストールプログラムは、http://www.microsoft.com から無償でダウンロードできます。