古いサーバーから新しいサーバーへのユーザーの移行は、すべてのユーザーに対して同時に行われるわけではありません。ユーザーが実際に移行される前に、新しいサーバーでユーザーアカウントの作成とプロビジョニングが行われます。そのため、移行期間中は、古いサーバーと新しいサーバーの両方に、同じアドレスを持つユーザーメールボックスが同時に存在することになります。したがって、移行期間中には一時的なメール転送ルールを定義して、ユーザーのメールが正しくルーティングされるようにする必要があります。
組織で新しいインターネットアドレスを実装する場合でも、古いアドレスを古いサーバーに保持しておく必要があります。これは、ユーザーの古いプライマリインターネットアドレスによって引き続き正しいサーバーに配信される場合のみ、古いメッセージへの返信が配信可能になるためです。特定のドメインへのインターネットメールはすべて、関連する MX レコードで指定されている単一のサーバーに配信される必要があるため、組織では、新しい Sun Java System サーバーを指すように MX レコードを更新するタイミングを決定する必要があります。
移行期間の最初に MX レコードを Communications Suite サーバーに切り替える場合は、Communications Suite サーバーを設定して、ローカルメールボックスに配信できないメールをすべて古いサーバー上の対応するメールボックスに送るようにしてください。また、Communications Suite サーバーで新しいユーザーのプロビジョニングを行うたびに、新しいサーバー上で転送ルールを定義して、通常なら新しいメールボックスに配信されるべきメールを、すべて古いサーバー上の対応するユーザーメールボックスに転送するようにしてください。各ユーザーが新しいサーバーに移行されるたびに、新しいサーバー上の最初の転送ルールを削除し、古いサーバー上で新しいルールを定義して、そのユーザーのメールをすべて対応する Communications Suite メールボックスに転送するようにしてください。
反対に、移行期間の最後まで MX レコードで古いサーバーを指し続ける場合は、古いサーバーを設定して、ローカルに配信できないメールを Communications Suite サーバー上の対応するユーザーメールボックスに送るようにしてください。ユーザーが新しいサーバーに移行されるたびに、古いサーバー上で新しいルールを定義して、ほかのユーザーから古いサーバーに送信されたメールを Communications Suite サーバー上の新しいユーザーアカウントに転送するようにしてください。