モデリング要素のプロパティーの多くは、ビジネスプロセスを構築すると自動的に定義されます。すべてのモデリング要素を配置したら、それらの要素のプロパティーシートを表示して、正しく設定されていることを確認してください。プロパティーシートは、「ビジネスプロセスデザイナ」ツールバーにある「プロパティーシートの表示」ツールを介してアクセスされ、プロパティーはビジネスプロセスの右に表示されます。
表 1 は、プロパティーシートに表示されるすべてのプロパティーの一覧とその説明を示していますが、これらのプロパティーの組み合わせは要素の型によって異なります。特定の要素では表示されないプロパティーや、特定の要素では読み取り専用であるプロパティーがあり、またすべてのプロパティーが必要なわけではありません。
表 1 アクティビティーとリンクのプロパティー
プロパティー |
説明 |
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選択されている要素の名前。 |
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決定要素の場合のみ、決定アクティビティーのロジックを表示したり変更したりできる「決定ゲートのプロパティー」ダイアログボックスを開きます。 |
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待機アクティビティーの場合のみ、最終期限または期間に基づいてタイムアウト期間を設定できる「タイムアウト」ダイアログボックスを開きます。 |
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ユーザーアクティビティーの場合のみ、そのアクティビティーの優先順位。 |
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ユーザーアクティビティーの場合のみ、タスクのタイプ。アクティビティーの名前を変更すると、この値はそれに一致するように自動的に更新されます。 |
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while 要素の場合のみ、while ループが失敗した場合に実行するアクション。例外をスローする、ブール値 true を返す、またはブール値 false を返すことを指定できます。 |
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ポートタイプに関連付けられた処理のタイプ。このフィールドは、一部のアクティビティーでは無効になっています。 |
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要素に対してスローする例外の名前。例外名のリストから選択できます (ビジネスプロセスに対して例外が事前に定義されている必要があります)。 |
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アクティビティーの出力を含む属性の名前。 |
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受信アクティビティーおよびイベントベースの決定の場合のみ、アクティビティーの新しいインスタンスを作成するかどうかのインジケータ。 |
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アクティビティーに対して相関セットを使用するかどうかのインジケータ。このプロパティーのダイアログボックスを使用して、相関セットをアクティビティーにバインドします (詳細については、「メッセージの相関の定義」を参照)。 |
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アクティビティーがトランザクション (XA) のサポート用に定義されているかどうかと、その定義方法を示すインジケータ。次のいずれかのオプションを選択します。
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アクティビティーの属性が値で渡されるか、参照で渡されるかのインジケータ。 |
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モデリング要素の特定のアラートを定義できる「アラートの指定」ダイアログボックスにアクセスします。詳細については、「モデリング要素へのアラートの追加」を参照してください。 |
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モデリング要素の特定のロガーメッセージを定義できる「ログメッセージの指定」ダイアログボックスを開きます。詳細については、「モデリング要素へのロガーメッセージの追加」を参照してください。 |
ビジネスプロセスのモデリング要素から、カスタムのログおよびアラートエントリを開始できます。あとで、これらのエントリを Enterprise Manager のビジネスプロセスのログページおよびアラートページに表示できます。
Java CAPS では、ビジネスプロセスの要素からアラートエントリを開始できます。定義できるアラートの種類には、重要度の高いものから、重度、中度、軽度、警告、および情報があります。アラートノードはブール値のデータ型を取りますが、マッピングを定義するときにデータ型が自動的に変換されるように指定できます。
アラートエントリを追加する要素を含むビジネスプロセスを開きます。
ビジネスプロセスデザイナで、要素を選択します。
「ビジネスプロセスデザイナ」ツールバーで、「プロパティーシート」をクリックします。
要素のプロパティーが、ビジネスプロセスの右に表示されます。
「アラートのプロパティー」フィールドをクリックし、省略記号 (...) をクリックします。
「アラートの指定」ダイアログボックスが表示されます。
使用可能な方法を使用して、アラートを定義します。
アラートの定義を完了したら、「了解」をクリックします。
Java CAPS では、ビジネスプロセスの要素からログエントリを開始できます。致命的、エラー、警告、情報、デバッグのいずれかの log4j ログレベルを指定できます。Enterprise Manager でログエントリを表示すると、これらのログレベルは対応する JDK ログレベルに変換されます。表 2は、重要度の高いものからログレベルのマッピングを示しています。
表 2 log4j から Java へのログレベルのマッピング
ロガーレベルノードはブール値のデータ型を取りますが、マッピングを定義するときにデータ型が自動的に変換されるように指定できます。
ロガーエントリを追加する要素を含むビジネスプロセスを開きます。
ビジネスプロセスデザイナで、要素を選択します。
「ビジネスプロセスデザイナ」ツールバーで、「プロパティーシート」をクリックします。
要素のプロパティーが、ビジネスプロセスの右に表示されます。
「ログのプロパティー」フィールドをクリックし、省略記号 (...) をクリックします。
「ログメッセージの指定」ダイアログボックスが表示されます。
使用可能な方法を使用して、ログメッセージを定義します。
ログメッセージの定義を完了したら、「了解」をクリックします。
分散トランザクション処理 (DTP) (一般には XA と呼ばれる) は、短時間および長時間分散トランザクション中の複数のトランザクションシステムコンポーネントのセキュリティー保護を維持するために提案された W3C 標準です。これにより、分散トランザクションの完全性が保証されます。
XA トランザクションは、短時間と長時間という 2 つの幅広いカテゴリに分類されます。短時間 XA トランザクションは、長時間トランザクションより単純で、迅速、かつ必要なシステムリソースも少なくなりますが、トランザクション全体を通して ACID (Atomic, Consistent, Isolated, and Durable) にとどまります。長時間 XA トランザクションは一般に、より複雑性で分散性が高く、より長時間実行されます。BPM では、短時間 XA は一般に、ビジネスプロセス全体に適用され (ビジネスプロセス全体の XA)、長時間 XA は一般に、個々のビジネスプロセスアクティビティーに適用されます (アクティビティーレベルの XA)。
ここでは、BPM を使用してビジネスプロセス全体の XA およびアクティビティーレベルの XA に対する XA サポートを有効にするための詳細と手順について説明します。XA の使用の開始に関する詳細については、http://www.w3.org を参照してください。
ビジネスプロセスのビジネスプロセス全体の XA は、「ビジネスプロセスのプロパティー」ダイアログボックスの「全般」ページから設定されます。ビジネスプロセス全体の XA を有効にするための手順を次に示します。
プロジェクトエクスプローラで、ビジネスプロセスを右クリックし、「プロパティー」をクリックします。
「ビジネスプロセスのプロパティー」ウィンドウの「全般」ページが表示されます。
「ビジネスプロセス全体で XA を有効にする」ドロップダウンリストで、「はい」をクリックします。
「了解」をクリックします。
「ビジネスプロセスデザイナ」ツールバーで、「プロパティーシートの表示」をクリックします。
ビジネスプロセスデザイナで、呼び出しアクティビティーをクリックします。
プロパティーシートの「トランザクションサポート」プロパティーで、「参加する」を選択します。
ビジネスプロセス内のほかのすべての呼び出しアクティビティーに対して、手順 5 と 6 を繰り返します。
プロジェクト内のほかのビジネスプロセスに対して持続性を使用する必要がない場合は、ビジネスプロセス全体で XA を有効にする必要はありません。
BPM では、ビジネスプロセスのアクティビティーレベルの XA を有効にすることができます。これは、任意の受信アクティビティー、呼び出しアクティビティー、または選択アクティビティー (OnMessage) のプロパティーシートで処理されます。アクティビティーレベルの XA を有効にするための手順を次に示します。
アクティビティーレベルの XA を有効にするには、持続性を使用してビジネスプロセスを配備する必要があります。