この章では、DiskSuite ツールのグラフィカルユーザーインタフェースとコマンド行ユーティリティの両方による、DiskSuite オブジェクトの除去方法について説明します。
DiskSuite ツールを使用する手順ごとの指示を記載した節に直接進むためには、次の目次を使用してください。
コマンド行インタフェースを使用する手順ごとの指示を記載した節に直接進むためには、次の目次を使用してください。
この章では、次に示すような DiskSuite オブジェクトを除去する手順について説明します。
状態データベースの複製
メタデバイス
ホットスペアとホットスペア集合
ディスクセットのドライブとホスト
ディスクセット
トラブルシューティングや再構成を実行したり、あるいはシステムからオブジェクトを単に削除する場合、オブジェクトの除去が必要になることもあります。DiskSuite の概要については、『Solstice DiskSuite 4.2.1 リファレンス』を参照してください。
この章の手順に対する前提条件を次に示します。
現在の時点で、すべてのデータをバックアップしている。
ルート権限があることを確認する。
グラフィカルユーザーインタフェースを使用する場合は、DiskSuite ツールを起動する。
ローカルなメタデバイス (ディスクセット構成に含まれないメタデバイス) を操作するには、次のように入力します。
# metatool & |
ディスクセット内のメタデバイスを操作するには、自分がディスクセットの所有者であることを確認し、次のように入力します。
# metatool -s <ディスクセット名> & |
この節では、状態データベースの複製をシステムから除去する方法について説明します。
状態データベースの複製をすべて除去することは可能ですが、実際にはメタデバイスがまだ構成されている間は除去してはなりません。状態データベースの複製をすべて除去すると、メタデバイスが動作不能になります。
状態データベースの複製のエントリを md.tab ファイルから除去しても、複製はシステムから削除されません。DiskSuite ツールを使用するか、metadb -d コマンドを実行してください。
前提条件 (「DiskSuite オブジェクトを除去するための前提条件」) を満たし、予備情報 (「状態データベースの複製を除去するための予備情報」) を読んだことを確認する。
MetaDB オブジェクトを、オブジェクトリストから「メタデバイスエディタ」ウィンドウのキャンバスにドラッグする。
削除する状態データベースの複製を、MetaDB オブジェクトからドラッグする。
選択したスライスを「メタデバイスエディタ」のキャンバスにドラッグします。
MetaDB オブジェクトの先頭の矩形内部をクリックし、「確定」をクリックする。
状態データベースの複製を含むスライスの状態が、「スライスブラウザ」ウィンドウ内で「未割り当て」に変化します。
スライスをキャンバスから移動させる。
MetaDB オブジェクトから外にドラッグされたスライスを選択し、「キャンバスから移動」をクリックします。スライスは「スライスブラウザ」に返されます。
コンフィグレーションログを表示して、MetaDB オブジェクトが確定されたことを確認する。
状態データベースの複製をすべて削除しようとすると、警告メッセージが表示されます。
「DiskSuite オブジェクトを除去するための前提条件」の前提条件と 「状態データベースの複製を除去するための予備情報」の予備情報をチェックしてから、-d オプション付きの metadb(1M) コマンドを使用して、状態データベースの複製を削除します。状態データベースの複製がもう不要であることを確認します。詳細については、metadb(1M) のマニュアルページを参照してください。
# metadb -d c0t2d0s0 c0t1d0s0 |
この例では、スライス /dev/dsk/c0t2d0s0 と /dev/dsk/c0t1d0s0 に置かれた、状態データベースの複製を 2 つ除去します。
# metadb -f -d c0t1d0s3 c4t1d0s3 |
この例では、システムの残り 2 つの状態データベースの複製を除去します。-f オプションが必要です。
この節では、ストライプと連結をシステムから除去する方法について説明します。
メタデバイスをシステムから恒久的に除去し、その配下にあるスライスを再使用すると、そのメタデバイス上のデータはすべて失われます。データを保存する必要がある場合、データをバックアップしてください。
ストライプや連結を削除する前に、それがもう不要であることを確認します。
ストライプや連結を削除し、削除されたメタデバイスの一部であったスライスを再使用した場合、そのメタデバイスにあったすべてのデータはシステムから失われます。したがって、メタデバイスを削除する前に、メタデバイス上のデータをバックアップしておいてください。
前提条件 (「DiskSuite オブジェクトを除去するための前提条件」) を満たし、予備情報 (「ストライプと連結を除去するための予備情報」) を読んだことを確認する。
メタデバイスの最新のバックアップがあることを確認する。
メタデバイスへのアクセスを停止する。
たとえば、メタデバイス上のファイルシステムをマウント解除します。データベースなど、非 UFS アプリケーションの場合、アプリケーションによるメタデバイスの使用を停止させるために必要な手順を実行します。
削除するストライプや連結をオブジェクトリストからダブルクリックする。
メタデバイスオブジェクトがキャンバスに表示されます。
オブジェクトのポップアップメニューを表示し、「削除」を選択する。
表示されるダイアログボックスで「削除」をクリックする。
[オプション] このメタデバイスの /etc/vfstab ファイルにエントリが存在する場合、そのエントリを削除する。
存在しないメタデバイスにファイルシステムをマウントするよう要求して、システムを混乱させることがないようにします。
コンフィグレーションログを表示して、オブジェクトが削除されたことを確認する。
メタデバイスに割り当てられたホットスペア集合は削除されません。
「DiskSuite オブジェクトを除去するための前提条件」の前提条件と 「ストライプと連結を除去するための予備情報」の予備情報をチェックし、metaclear(1M) コマンドを使用して、メタデバイスを除去します。詳細については、metaclear(1M) のマニュアルページを参照してください。
# umount d8 # metaclear d8 d8: Concat/Stripe is cleared (/etc/vfstab ファイルを編集する) |
この例では、マウントされたファイルシステムを含む、連結 d8 を除去します。メタデバイスを除去するためには、その前に、ファイルシステムをマウント解除しなければなりません。システムは、連結が除去されたことを示す確認メッセージを表示します。このメタデバイスの /etc/vfstab ファイルにエントリが存在する場合、そのエントリを削除します。存在しないメタデバイスにファイルシステムをマウントするよう要求して、システムを混乱させることがないようにします。
この節では、ミラーをシステムから除去する方法について説明します。
ルート (/)、swap、/opt、/usr など、マウント解除できないファイルシステムによって使用されるミラーを除去するということは、本質的に、ファイルシステムの「ミラー化解除」を行い、ミラーを構成するいずれかのサブミラーの配下にあるスライスにそれをマウントする操作を伴います。「マウント解除不可能なファイルシステムをミラー化解除する方法 (コマンド行)」を参照してください。
ミラーを除去し、マウントデバイスと同じメタデバイス名を維持するには、「メタデバイス名の切り替え」を参照してください。
ミラーのサブミラーを削除し、削除されたサブミラーの一部であったスライスを再使用した場合、そのデータはすべてシステムから失われます。したがって、ミラーとそのサブミラーを削除する前に、ミラー上のデータをバックアップしておいてください。
ミラーを除去する場合、最初にミラーをそのサブミラーに「分解」します。データをいずれかのサブミラーに保存するよう選択したり、サブミラーが単一のスライスから成る場合には、データをスライス上に保存するよう選択できます。
この作業は、ルート (/)、swap、/opt、または /usr であるファイルシステムを除いて、ミラーを使用する非 UFS アプリケーションや任意のファイルシステムに使用できます。これらのファイルシステムのいずれかによって使用されるミラーを除去するには、「マウント解除不可能なファイルシステムをミラー化解除する方法 (コマンド行)」を参照してください。
前提条件 (「DiskSuite オブジェクトを除去するための前提条件」) を満たし、予備情報 (「ミラーを除去するための予備情報」) を読んだことを確認する。
メタデバイスの最新のバックアップがあることを確認する。
メタデバイスへのアクセスを停止する。
たとえば、ミラー化されたファイルシステムのマウント解除が必要です。データベースなど、非 UFS アプリケーションの場合、アプリケーションによるメタデバイスの使用を停止させるために必要な手順を実行します。
オブジェクトリストから、ミラーオブジェクトをダブルクリックする。
ミラーオブジェクトがキャンバスに表示されます。
ミラーオブジェクトのポップアップメニューを表示し、「削除」を選択する。
「削除」ボタンをクリックする。
ミラーは、その配下のサブミラーに分割されます (連結方式メタデバイス)。
[オプション] ミラーがファイルシステムとして使用され、/etc/vfstab ファイル内にミラーのエントリが存在した場合、次に示すいずれかの方法を使用して、ミラーのエントリを整理する。
/etc/vfstab エントリを変更して、いずれかのサブミラーにファイルシステムをマウントする。
いずれかのサブミラーが 1 面の連結から成る場合、/etc/vfstab エントリを変更して、配下のスライスにファイルシステムをマウントできる。
もうデータにアクセスする予定がない場合、ファイルシステムの /etc/vfstab エントリを完全に除去できる。
連結方式オブジェクトを整理する。
不要となったサブミラーメタデバイスを削除します。
コンフィグレーションログを表示して、オブジェクトが削除されたことを確認する。
この作業は、ルート (/)、swap、/opt、または /usr であるファイルシステムを除いて、ミラーを使用する非 UFS アプリケーションや任意のファイルシステムに使用できます。これらのファイルシステムによって使用されるミラーを除去するには、「マウント解除不可能なファイルシステムをミラー化解除する方法 (コマンド行)」を参照してください。
この作業の手順を次に示します。
ファイルシステムをマウント解除する
ミラーとそのいずれかのサブミラー上で metadetach(1M) を実行する
ミラー上で metaclear(1M) を実行する
オプション : /etc/vfstab ファイルを編集して、非ミラーデバイスを使用する (ファイルシステムエントリがここに表示される場合)
オプション : ファイルシステムを再マウントする
「DiskSuite オブジェクトを除去するための前提条件」の前提条件と「ミラーを除去するための予備情報」の予備情報をチェックしてから、metadetach(1M) と metaclear(1M) のコマンドを使用して、メタデバイスを削除します。詳細については、metadetach(1M) と metaclear(1M) のマニュアルページを参照してください。
# metastat d2 d2: Mirror Submirror 0: d0 State: Okay Submirror 1: d1 State: Okay ... # umount /news # metadetach d2 d0 # metaclear d2 d2: Mirror is cleared (/news がサブミラー d0 を参照するよう、/etc/vfstab ファイルを編集する) # mount /news # metaclear d1 d1: Concat/Stripe is cleared |
この例では、マウントされたファイルシステムも含むミラー d2 を除去します。ミラーは、サブミラー d0 と d1 から構成されます。metastat コマンドは、両方のサブミラーが「Okay (正常)」状態であることを通知します。metadetach コマンドがサブミラー d0 をミラー d2 から切り離すためには、その前に、ファイルシステムがマウント解除されなければなりません。その後、ミラーが除去されます。
サブミラー d0 上のデータへのアクセスを続けるために、/etc/vfstab ファイル内のファイルシステムのエントリは、ミラーから連結 (サブミラー) d0 に変更されます。
サブミラー (連結) d0 を参照するよう /etc/vfstab ファイルを整理した後、ファイルシステムが再マウントされます (d0 に再マウントされます)。別のサブミラー d1 は、metaclear コマンドで除去されます。
この節では、RAID5 メタデバイスをシステムから除去する方法について説明します。
RAID5 メタデバイスがシステムから永久に除去され、その配下にあるスライスが再使用されると、RAID5 メタデバイスにあったデータはすべて失われます。データを保存する必要がある場合は、データをバックアップしてください。
RAID5 メタデバイスを削除し、削除されたデバイスの一部であったスライスを再使用した場合、そのデータはすべて、システムから失われます。したがって、RAID5 メタデバイスを削除する前に、そこにあるデータをバックアップしてください。
前提条件 (「DiskSuite オブジェクトを除去するための前提条件」) を満たし、予備情報 (「RAID5 メタデバイスを除去するための予備情報」) を読んだことを確認する。
メタデバイスの最新のバックアップがあることを確認する。
RAID5 メタデバイスに対するアクセスを停止する。
たとえば、ファイルシステムをマウント解除します。データベースなど、非 UFS アプリケーションの場合、アプリケーションによるメタデバイスの使用を停止させるために必要な手順を実行します。
削除する RAID5 オブジェクトを、オブジェクトリストからダブルクリックする。
RAID5 オブジェクトがキャンバスに表示されます。
RAID5 オブジェクトのポップアップメニューを表示し、「削除」を選択する。
表示されるダイアログボックスで、「削除」をクリックする。
[オプション] このメタデバイスの /etc/vfstab ファイルにエントリが存在する場合、そのエントリを削除する。
存在しないデバイスにファイルシステムのマウント要求を行なって、システムを混乱させることがないようにします。
コンフィグレーションログを表示して、オブジェクトが削除されたことを確認する。
メタデバイスに割り当てられたホットスペア集合は、削除されません。
「DiskSuite オブジェクトを除去するための前提条件」の前提条件と 「RAID5 メタデバイスを除去するための予備情報」の予備情報をチェックしてから、metaclear(1M) コマンドを使用して、メタデバイスを削除します。詳細については、metaclear(1M) のマニュアルページを参照してください。
# umount /nfs # metaclear d80 d80: RAID is cleared (/etc/vfstab ファイルを編集する) |
この例では、マウントされたファイルシステム /nfs も含む、RAID5 メタデバイス d80 を除去します。d80 へのアクセスは、そのファイルシステムをマウント解除することによって停止されます。システムは、RAID5 メタデバイスが除去されるという確認メッセージを表示します。このメタデバイスの /etc/vfstab ファイルにエントリが存在する場合は、それを削除してください。存在しないメタデバイスにファイルシステムをマウントしようとして、システムを混乱させることがないようにします。
この節では、トランスメタデバイス (UFS ロギング) の除去方法について説明します。
トランスメタデバイスを除去し、マウントデバイスと同じメタデバイス名を維持するには、「メタデバイス名の切り替え」を参照してください。
トランスメタデバイスを除去すると、適切なファイルシステムからロギングが除去されます。そのメタデバイスやスライスも除去しない限り、ファイルシステム上の配下のデータ (マスターがメタデバイスから成る場合は、メタデバイスも) は、まだ保存されています。
そのマスターデバイスに関連する情報は、トランスメタデバイスを除去する前に、ログデバイスから元に戻されます。
この作業は、マウント解除できるファイルシステムから UFS ロギングを除去するために使用します。
前提条件 (「DiskSuite オブジェクトを除去するための前提条件」) を満たし、予備情報 (「トランスメタデバイスを除去するための予備情報」) を読んでいることを確認する。
メタデバイスの最新のバックアップがあることを確認する。
ファイルシステムをマウント解除する。
オブジェクトリストから、トランスメタデバイスオブジェクトをダブルクリックする。
トランスメタデバイスオブジェクトがキャンバスに表示されます。
トランスメタデバイスオブジェクトのポップアップメニューを表示し、「削除」を選択する。
「削除」ボタンをクリックする。
トランスメタデバイスは、その配下のマスターデバイスとロギングデバイスに分割されます。
次のいずれかの方法によって、/etc/vfstab ファイルを編集する。
マスターデバイスがメタデバイスである場合は、マスターデバイスとして機能するメタデバイスのファイルシステムをマウントするよう、/etc/vfstab ファイルのエントリを変更できます。
マスターデバイスが 1 つのスライスから成るメタデバイスである場合は、そのメタデバイスの配下にあるスライスのファイルシステムをマウントするよう、/etc/vfstab ファイルのエントリを変更できます。
マスターデバイスがスライスである場合は、そのスライスのファイルシステムをマウントするよう、/etc/vfstab ファイルのエントリを変更できます。
これ以上データにアクセスする予定がない場合は、ファイルシステム用の /etc/vfstab ファイルのエントリを完全に除去します。
コンフィグレーションログを表示して、トランスメタデバイスオブジェクトが削除されたことを確認する。
fsck(1M) コマンドを実行する。
ファイルシステムはもうロギングデバイスではないため、ファイルシステムをマウントするには、その前に fsck を実行する必要があります。fsck の実行は、マスターデバイスの構成に応じて、raw メタデバイス上、またはスライス用の raw デバイス上で行います。次のプロンプトに対して y と答えます。
# fsck <raw デバイス名> ... FILE SYSTEM STATE IN SUPERBLOCK IS WRONG; FIX? y ... |
ファイルシステムをメタデバイスにマウントする場合、そのメタデバイス用の raw デバイス上で fsck を実行します。そうでない場合、ファイルシステムをマウントするスライス用の raw デバイス上で fsck を実行します。
ファイルシステムをマウントする。
ファイルシステムは、もうログを記録していません。
[オプション] マスターデバイスとロギングデバイスを整理する。
マスターデバイスとロギングデバイスがメタデバイスであった場合は、不要となったメタデバイスを削除します。
「DiskSuite オブジェクトを除去するための前提条件」の前提条件と 「トランスメタデバイスを除去するための予備情報」の予備情報をチェックしてから、metaclear(1M) コマンドを使用して、トランスメタデバイスを除去します。詳細は、metaclear(1M) のマニュアルページを参照してください。
# umount /abcfs # metaclear d64 (/etc/vfstab ファイルを編集する) # fsck /dev/rdsk/c0t2d0s6 ... FILE SYSTEM STATE IN SUPERBLOCK IS WRONG; FIX? y ... # mount /abcfs |
この例では、/abcfs ファイルシステムから UFS ロギングを除去し、トランスメタデバイス d64 を使用します。マスターデバイスの配下のスライスは、/dev/dsk/c0t2d0s6 です。トランスメタデバイスが除去されると、マスターデバイスに関連する情報は、デバイスを除去する前にログから元に戻されます。/etc/vfstab ファイルに含まれるファイルシステム用のエントリは、トランスメタデバイス用のメタデバイス名の代わりに、ファイルシステムを含むブロックデバイスと raw デバイスを参照するように変更しなければなりません。ファイルシステムはもうロギングデバイスではないため、マウントする前に fsck(1M) コマンドが実行されます。FIX? プロンプトに対して y と応答すると、ファイルシステムが配下のスライスにマウントされます。
この作業は、ルート (/)、/usr、swap など、マウント解除できないファイルシステムから UFS ロギングを除去するために使用します。
前提条件 (「DiskSuite オブジェクトを除去するための前提条件」) を満たし、予備情報 (「トランスメタデバイスを除去するための予備情報」) を読んでいることを確認する。
メタデバイスの最新のバックアップがあることを確認する。
オブジェクトリストから、トランスメタデバイスオブジェクトをダブルクリックする。
オブジェクトがキャンバスに表示されます。
ロギングデバイスを、トランスメタデバイスオブジェクトからキャンバスにドラッグする。
オブジェクトの状態は、「ログの切断 (予定設定済み)」に変化します。
トランスメタデバイスオブジェクトの先頭の矩形内部をクリックしてから、「確定」をクリックする。
ダイアログボックスが表示され、トランスメタデバイスがマウント解除された後、または次のリブートの後で、ロギングデバイスが切断されるという警告が出されます。「確定」をクリックします。
トランスメタデバイスの状態が「ログの切断 (進行中)」に変化します。
/etc/vfstab ファイルにファイルシステムのエントリが存在し、そのファイルシステムが現在マウントされている場合、DiskSuite ツールはこれを自動的に更新して、トランスメタデバイス名の代わりにスライス名を使用するようにします。
リブートする。
ファイルシステムがチェックされていることを示すメッセージが表示されます。
... The /usr file system (/dev/md/rdsk/d0) is being checked. /dev/md/rdsk/d0: 11576 files, 198318 used, 42081 free /dev/md/rdsk/d0: (737 frags, 5168 blocks, 0.3% fragmentation) ... |
/etc/vfstab ファイルを編集して、トランスメタデバイスを除去する。
ファイルシステムが、トランスメタデバイスではなく、ファイルシステムを含むブロックデバイスと raw デバイスを参照するよう、ファイルシステムのエントリを変更します。
リブートする。
このリブートによって、システムは、ファイルシステムがトランスメタデバイスではなく、すでにその配下のスライスにマウントされていることを認識できます。
トランスメタデバイスを削除する。
確認ダイアログボックスの「削除」ボタンをクリックする。
コンフィグレーションログを表示して、トランスメタデバイスオブジェクトが削除されたことを確認する。
「DiskSuite オブジェクトを除去するための前提条件」の前提条件と「トランスメタデバイスを除去するための予備情報」の予備情報をチェックしてから、metadetach(1M) と metaclear(1M) のコマンドを使用して、トランスメタデバイスを除去します。詳細は、metadetach(1M) と metaclear(1M) のマニュアルページを参照してください。
この作業は、/usr など、通常のシステム操作中にはマウント解除できないファイルシステムから、トランスメタデバイスを除去するときに使用します。
# metadetach -f d20 d20: logging device c0t0d0s1 will be detached at unmount or reboot # reboot ... The /usr file system (/dev/rdsk/c0t3d0s3) is being checked. ... (/etc/vfstab ファイルを編集する) # reboot ... # metaclear d20 d20: Trans is cleared |
この例では、d20 は、/usr ファイルシステムに UFS ロギングを提供するトランスメタデバイスです。ロギングを除去するため、-f オプションを付けて metadetach コマンドを実行してロギングデバイスを強制的に切断し、システムをリブートします。次に、ファイルシステムが、(トランスメタデバイスではなく)ファイルシステムを含むスライスを参照するよう、/etc/vfstab ファイルを編集してファイルシステムのエントリを変更します。もう一度リブートすると、/usr ファイルシステムは、その新しいマウントデバイス上に置かれます。metaclear コマンドは、トランスメタデバイス d20 をシステムから除去します。
この節では、ホットスペアとホットスペア集合をシステムから除去する方法について説明します。
使用中のホットスペアは削除できません。
ホットスペア集合を削除するためには、その前に、サブミラーと RAID5 メタデバイスに対するホットスペア集合の関連付けをすべて削除します。
前提条件 (「DiskSuite オブジェクトを除去するための前提条件」) を満たし、予備情報 (「ホットスペアとホットスペア集合を除去するための予備情報」) を読んでいることを確認する。
オブジェクトリストから、ホットスペア集合オブジェクトをダブルクリックする。
オブジェクトがキャンバスに表示されます。
除去したいホットスペアスライスを、ホットスペア集合オブジェクトからキャンバスにドラッグする。
ホットスペア集合オブジェクトの先頭の矩形内部をクリックし、「確定」をクリックする。
コンフィグレーションログを表示して、ホットスペア集合が確定されたことを確認する。
「DiskSuite オブジェクトを除去するための前提条件」の前提条件と 「ホットスペアとホットスペア集合を除去するための予備情報」の予備情報をチェックしてから、metahs(1M) コマンドを使用して、ホットスペアを除去します。詳細は、metahs(1M) のマニュアルページを参照してください。
# metahs -d hsp003 /dev/dsk/c2t1d0s2 hsp003: Hotspare is deleted |
この例では、ホットスペア /dev/dsk/c2t1d0s2 をホットスペア集合 hsp003 から除去します。
# metahs -d all /dev/dsk/c2t1d0s2 hsp003: Hotspare is deleted hsp004: Hotspare is deleted # metahs -i ... hsp003: 2 hot spares c1t3d0s6 Available 912800 blocks c0t0d0s4 Available 5600 blocks hsp004: 2 hot spares c1t3d0s6 Available 912800 blocks c0t0d0s4 Available 5600 blocks |
この例では、ホットスペア /dev/dsk/c2t1d0s2 を、それに関連付けられたすべてのホットスペア集合から除去します。-i オプション付きの metahs コマンドは、ホットスペアスライスが、もう (削除元の) ホットスペア集合の一部ではないことを明らかにします。
ホットスペア集合を除去するためには、その前に、サブミラーと RAID5 メタデバイスに対する関連付けをすべて除去しなければなりません。
前提条件 (「DiskSuite オブジェクトを除去するための前提条件」) を満たし、予備情報 (「ホットスペアとホットスペア集合を除去するための予備情報」) を読んでいることを確認する。
「ブラウズ」メニューから「ホットスペア集合」を選択し、「ホットスペア集合ブラウザ」ウィンドウを表示する。
スクロールリストから、削除したいホットスペア集合をダブルクリックする。
そのホットスペア集合の「ホットスペア集合情報」ウィンドウが表示されます。「関連のあるデバイス」リストには、そのホットスペア集合を使用するすべてのメタデバイスが表示されます。
「関連のあるデバイス」リストに含まれるメタデバイス (サブミラーや RAID5 メタデバイス) ごとに、ホットスペア集合の関連付けを除去する。
ホットスペア集合の関連付けを除去した、それぞれのミラーや RAID5 デバイスを確定する。
ホットスペア集合の「使用状況」状態が「なし」に変化します。
オブジェクトリストから、ホットスペア集合オブジェクトをダブルクリックして、キャンバスに表示する。
ホットスペア集合を削除する。
オブジェクトのポップアップウィンドウを表示し、「削除」を選択します。
コンフィグレーションログを表示して、ホットスペア集合が削除されたことを確認する。
「DiskSuite オブジェクトを除去するための前提条件」の前提条件と 「ホットスペアとホットスペア集合を除去するための予備情報」の予備情報をチェックしてから、metaparam(1M) と metahs(1M) のコマンドを使用して、ホットスペア集合を除去します。詳細は、metaparam(1M) と metahs(1M) のマニュアルページを参照してください。
# metastat ... d30: Mirror State: Okay ... d31: Submirror of d30 Hot spare pool: hsp001 ... d32: Submirror of d30 Hot spare pool: hsp001 ... # metaparam -h none d30 # metaparam -h none d31 # metahs -d hsp001 hsp001: Hotspare pool is cleared |
この例では、ホットスペア集合 hsp001 の除去方法を示します。ホットスペア集合の関連付けを調べるには、metastat コマンドを使用します。metastat の出力には、ホットスペア集合 hsp001 を使用する 2 つのサブミラー (d31 と d32) が示されます。-h オプションと none オプションを付けた metaparam コマンドは、ホットスペア集合に対する関連付けを除去します。その際、まずサブミラー d31 の関連付けが除去されてから、d32 の関連付けが除去されます。ホットスペア集合に関連付けがなくなれば、metahs -d コマンドで除去されます。
この節では、ディスクセットをシステムから除去する方法について説明します。
ディスクセットからホストを除去することができます。ただし、最後のホストをディスクセットから除去するには、ディスクセット内のドライブがすべて除去されていなければなりません。
最後のホストをディスクセットから除去すると、ディスクセットが破壊されます。
ディスクセットからドライブが除去されると、DiskSuite は、残りのドライブ全体を通じて、メタデバイス状態データベースの複製のバランスを再調整します。
前提条件 (「DiskSuite オブジェクトを除去するための前提条件」) を満たし、予備情報 (「ホストとディスクをディスクセットから除去するための予備情報」) を読んでいることを確認する。
metaset(1M) コマンドを使用して、ディスクセットからホストを除去する。
# metaset -s <ディスクセット> -d -h <ホスト> |
このコマンドでは、
-s <ディスクセット> |
metaset が作用するディスクセットの名前を指定します。 |
-d |
指定したホストを削除します。 |
-h <ホスト> |
ディスクセットから削除する 1 つ以上のホスト名を指定します。このホスト名は、/etc/nodename にあるものと同じ名前です。 |
ホストがディスクセットから除去されたことを確認するには、オプションなしで metaset(1M) コマンドを使用する。
# metaset |
red# metaset -s relo-red -d -h blue red# metaset Set name = relo-red, Set number = 1 Host Owner red Yes ... |
この例では、ホスト blue をディスクセット relo-red から除去します。
前提条件 (「DiskSuite オブジェクトを除去するための前提条件」) を満たし、予備情報 (「ホストとディスクをディスクセットから除去するための予備情報」) を読んでいることを確認する。
metaset(1M) コマンドを使用して、ディスクセットからドライブを除去する。
# metaset -s <ディスクセット> -d [-f] <ドライブ>... |
このコマンドでは、
-s <ディスクセット> |
metaset が作用するディスクセットの名前を指定します。 |
-d |
指定したドライブ名を削除します。 |
-f |
ディスクセット内の最後のドライブを強制的に削除します。このドライブには最後の状態データベースの複製が暗黙に含まれるためです。 |
<ドライブ> |
ディスクセットから削除されるドライブを指定します。 ドライブの指定形式は cxtxdx とし、スライスを指定しません。 |
ディスクセット内の最後のドライブを削除するには、-f オプションを使用します。
metaset(1M) コマンドを使用して、ディスクセットからドライブが除去されたことを確認する。
red# metaset -s relo-red -d c2t5d0 red# metaset ... Host Owner red Yes blue Drive Dbase c1t2d0 Yes c1t3d0 Yes c2t2d0 Yes c2t3d0 Yes c2t4d0 Yes |
この例では、ディスクセット relo-red からドライブ c2t5d0 を除去します。metaset コマンドは、削除されたドライブがもうディスクセットの一部ではないことを確認します。
ディスクセットを完全に除去するということは、次のようなことを意味します。
ディスクセット内のメタデバイスとホットスペア集合をすべて除去する
ディスクセット内のホストを 1 つ残して、あとはすべて除去する
ディスクセット内のドライブをすべて除去する
最後のホストを除去する
「DiskSuite オブジェクトを除去するための前提条件」の前提条件と 「ホストとディスクをディスクセットから除去するための予備情報」の予備情報をチェックしてから、metaclear(1M) と metaset(1M) のコマンドを使用して、ディスクセットを完全に除去します。詳細は、metaclear(1M) と metaset(1M) のマニュアルページを参照してください。
red# metaclear -s relo-red -a red# metaset -s relo-red -d -h blue red# metaset -s relo-red -f -d c1t2d0 c1t3d0 c2t2d0 c2t3d0 c2t4d0 c2t5d0 red# metaset -s relo-red -d -h red |
metaclear -a コマンドは、relo-red ディスクセットからすべてのメタデバイスとホットスペア集合を除去します。次に、ディスクセットからホスト blue が削除され、さらに共有ディスクドライブが削除されます。最後に、ディスクセットからはセット内の最後のホスト (この場合は red) が削除されます。この最後のコマンドは、システムからディスクセットを除去します。