この章では、SPARC システムまたは IA システムでカスタム JumpStart インストールを実行する手順を説明します。これらの手順は、Solaris 8 ソフトウェアをインストールしようとするシステム上で実行してください。
カスタム JumpStart インストールの実行時に、JumpStart プログラムはインストール対象のシステムと rules.ok ファイル内のルールと照合します。この際、最初から順にルールが読み取られ、インストール中のシステムがルールに定義されたすべてのシステム属性に一致するかどうか検査されます。システムがルールと一致すると、JumpStart プログラムによる rules.ok ファイルの読み取りが停止して、一致したルールのプロファイルにもとづいてシステムのインストールが開始されます。
表 26–1 SPARC: 作業マップ: カスタム JumpStart インストールのためのシステムの設定
作業 |
説明 |
参照先 |
---|---|---|
システムがサポートされているかを確認する |
ハードウェアのマニュアルで、Solaris 8 環境におけるシステムサポートを確認します。 |
『Solaris 8 Sun ハードウェアマニュアル』 |
Solaris ソフトウェアをインストールするための十分なディスク容量がシステムにあるかを確認する |
Solaris ソフトウェアのインストールに求められる十分な容量があるかを確認します。 | |
(省略可能) システム構成情報を事前設定する |
sysidcfg ファイルまたはネームサービスを使用してシステムのインストール情報をあらかじめ設定できます。システム情報をあらかじめ設定すると、インストール時に情報入力を求めるプロンプトは表示されません。 | |
カスタム JumpStart インストールするようにシステムを準備する |
rules ファイルとプロファイルファイルを作成してこれらのファイルを検証します。 | |
(省略可能) カスタム JumpStart のオプション機能を準備する |
begin スクリプト、finish スクリプトなどのオプション機能を使用する場合は、それらのスクリプトやファイルを用意します。 |
第 24 章「カスタム JumpStart オプション機能の使用」と第 25 章「カスタムルールおよびプローブキーワードの作成方法」 |
(省略可能) ネットワーク上でインストールするためのシステムを設定する |
リモートの Solaris 8 DVD または Solaris 8 SOFTWARE CD (SPARC) イメージをインストールする場合は、インストールサーバーまたはブートサーバーからシステムをブートしてインストールするように、システムを設定する必要があります。 | |
インストールまたはアップグレードを行う |
システムをブートしてインストールまたはアップグレードを開始します。 |
システムがネットワークに接続されている場合は、Ethernet コネクタまたはそれに類似したネットワークアダプタがシステムに装着されていることを確認します。
tip(1) ラインで接続されているシステムをインストールする場合は、ウィンドウ表示が横 80 桁、縦 24 行以上あることを確認します。
システムの DVD-ROM または CD-ROM ドライブを使用して Solaris 8 ソフトウェアをインストールする場合は、ドライブに Solaris 8 DVD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) を挿入します。
プロファイルフロッピーディスクを使用する場合は、システムのフロッピーディスクドライブにプロファイルフロッピーディスクを挿入します。
システムをブートします。
新しく購入したばかり (未使用) のシステムの場合は、システムの電源を入れます。
既存システムのインストールまたはアップグレードを行う場合は、システムをシャットダウンします。ok プロンプトで次のコマンドを入力します。
ok boot cdrom:net - install [[url:ask]] [[dhcp]] [[nowin]] |
ハードウェアおよびシステムコンポーネントがシステムによって検査されて、SPARC システムがブートします。ブートには数分間かかります。
sysidcfg ファイルでシステム情報の事前構成を行わなかった場合は、プロンプトが表示された時点でシステム構成についての質問に答えます。
画面の指示に従って、ソフトウェアをインストールします。
JumpStart プログラムが Solaris ソフトウェアのインストールを終了すると、システムが自動的にリブートします。
インストールが終了すると、インストールログがファイルに保存されます。インストールログは、次のディレクトリに作成されます。
/var/sadm/system/logs
/var/sadm/install/logs
カスタム JumpStart インストールの際に、JumpStart プログラムはインストール対象のシステムを rules.ok ファイル内のルールに対応付けます。この際、最初から順にルールが読み取られ、インストール中のシステムがルールに定義されたすべてのシステム属性に一致するかどうか検査されます。システムがルールと一致すると同時に、JumpStart プログラムによる rules.ok ファイルの読み取りが停止して、一致したルールのプロファイルにもとづいてシステムのインストールが開始されます。
表 26–2 x86: 作業マップ: カスタム JumpStart インストールのためのシステムの設定
作業 |
説明 |
参照先 |
---|---|---|
既存のオペレーティングシステムとユーザーデータを保存する必要があるかを決定する |
システムにディスク全体を使用している既存のオペレーティングシステムがある場合は、そのシステムと Solaris 8 ソフトウェアを共存させるために既存のオペレーティングシステムを保存する必要があります。この決定により、システムのプロファイル内の fdisk(1M) キーワードをどのように指定するかが決まります。 | |
システムがサポートされているかを確認する |
ハードウェアのマニュアルで、Solaris 8 環境におけるシステムサポートを確認します。 |
『Solaris 8 ハードウェア互換リスト (Intel 版)』 |
Solaris ソフトウェアをインストールするための十分なディスク容量がシステムにあるかを確認する |
Solaris ソフトウェアのインストールに求められる十分な容量があるかを確認します。 | |
(省略可能) システム構成情報を事前設定する |
sysidcfg ファイルまたはネームサービスを使用してシステムのインストール情報をあらかじめ設定できます。システム情報をあらかじめ設定すると、インストール時に情報入力を求めるプロンプトは表示されません。 | |
カスタム JumpStart インストールするようにシステムを準備する |
rules ファイルとプロファイルファイルを作成して検証します。 | |
(省略可能) カスタム JumpStart のオプション機能を準備する |
begin スクリプト、finish スクリプトなどの機能を使用する場合は、それらのスクリプトまたはファイルの準備を行います。 |
第 24 章「カスタム JumpStart オプション機能の使用」 と 第 25 章「カスタムルールおよびプローブキーワードの作成方法」 |
(省略可能) ネットワーク上でインストールするためのシステムを設定する |
リモートの Solaris 8 DVD (Intel) または Solaris SOFTWARE CD (Intel) イメージをインストールする場合は、インストールサーバーまたはブートサーバーからシステムをブートしてインストールするように、システムを設定する必要があります。 | |
インストールまたはアップグレードを行う |
システムをブートしてインストールまたはアップグレードを開始します。 |
システムがネットワークに接続されている場合は、Ethernet コネクタまたはそれに類似したネットワークアダプタがシステムに装着されていることを確認します。
tip(1) ラインで接続されているシステムをインストールする場合は、ウィンドウ表示が横 80 桁、縦 24 行以上あることを確認します。
プロファイルフロッピーディスクを使用する場合は、システムのフロッピーディスクドライブにそのフロッピーディスクを挿入します。
プロファイルフロッピーディスクには、プロファイル情報だけでなく、Solaris 8 Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) のコピーも含まれます。PXE ネットワークブートを利用してネットワークを介してシステムをブートする場合は、フロッピーディスクからではなくネットワークからシステムがブートするようにシステムを構成する必要があります。
システムの DVD-ROM または CD-ROM ドライブを使用して Solaris 8 ソフトウェアをインストールする場合は、ドライブに Solaris 8 DVD (Intel) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) を挿入します。
Solaris 8 DVD または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD からブートする場合は、そのディスクを挿入します。システムの BIOS は、DVD または CD からのブートをサポートするものでなければなりません。
PXE ネットワークブートを使用してネットワークからブートする – システムの BIOS 設定ツールまたはネットワークアダプタの構成セットアップツールを使用して、この機能が有効になっていることを確認します。PXE ネットワークブートを使用するようにシステムを構成する方法については、『Solaris 8 ハードウェア互換リスト (Intel 版)』を参照してください。
フロッピーディスクからブートする – 手順 3 でドライブに挿入したプロファイルフロッピーディスクを使用するか、あるいはシステムのフロッピーディスクドライブに Solaris 8 Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) を挿入します。
ブートフロッピーディスクソフトウェアは、http://soldc.sun.com/support/drivers/dcs_diskettes の「Solaris Developer Connection」でこのソフトウェアをフロッピーディスクにダウンロードしてコピーすれば使用できます。
システムの電源が入っていない場合は、電源を入れます。システムの電源が入っている場合は、システムをリブートします。
Device Configuration Assistant プログラムがシステムのデバイスを調べます。
「Boot Solaris 」画面が表示されたら、システムをブートするデバイス (「DVD」、「CD」、「Net」、または「Disk」) を選択します。
プロンプトで、次のどちらかを実行します。
Select the type of installation you want to perform: 1 Solaris Interactive 2 Custom JumpStart Enter the number of your choice followed by the <ENTER> key. If you enter anything else, or if you wait for 30 seconds, an interactive installation will be started. |
カスタム JumpStart 方式を選択するには、次のどちらかを行います。
30 秒以内に「2」またはブートコマンドを入力しないと、Solaris 8 対話式インストールプログラムが開始されます。コマンド行に任意のキーを入力することによって、このタイマーを止めることができます。
2 を入力し、Enter キーを押します。
カスタム JumpStart 構成ファイルの場所を指定するには、次のコマンドを入力します。
b install [[url:ask]] [[dhcp]] [[nowin]] |
sysidcfg でシステム情報の事前構成を行わなかった場合は、プロンプトが表示された時点でシステム構成についての質問に答えます。
画面の指示に従って、ソフトウェアをインストールします。
JumpStart プログラムが Solaris ソフトウェアのインストールを終了すると、システムが自動的にリブートします。
インストールが終了すると、インストールログがファイルに保存されます。インストールログは、次のディレクトリに作成されます。
/var/sadm/system/logs
/var/sadm/install/logs