表 56-2 で、一般システム情報を変更できるコマンドのマニュアルページと説明を示します。
表 56-2 システム情報変更用コマンド
コマンド |
対象システム情報とコマンドの機能 |
---|---|
日時を別のシステムの日時に合わせる |
|
日時を自分の指定に合わせる |
これらのコマンドを使用することにより、システムの日時を設定して、サーバーなど別のシステムの日時と同期させることができます。または、新しい日時を指定して、システムの日時を変更できます。
本日のメッセージ (MOTD) 機能のメッセージは /etc/motd にありますが、それらのメッセージを使用して、システムのすべてのユーザーにログイン時に通知や問い合わせを送ることができます。ただし、この機能の利用は控え目にして、このファイルを定期的に編集して無用になったメッセージを削除するようにしてください。
/etc/system ファイルを編集することにより、次のことが可能です。
日時を設定し直して別のシステムに同期させるには、次のように rdate コマンドを使用します。
# rdate other-system-name
other-system-name |
別のシステム名 |
rdate を使用してシステムの日時の設定が変更できたことを確認するには、date コマンドを使用してシステムの日時を調べます。
出力は同期させた別のシステムの日時に一致するはずです。
次の例は、どのように rdate を使用してシステムの日時を別のシステムに同期させるかを示しています。この例では、数時間遅れていたシステム neptune の日時の設定が変更されてサーバー pluto の日時と一致しています。
neptune$ date Thu Mar 6 09:07:34 MST 1997 neptune$ rdate pluto Thu Mar 6 09:08:29 1997 neptune$ date Thu Mar 6 09:08:32 MST 1997
次のように新しい日時を入力します。
# date mmddHHMM[[cc]yy]
mm |
月。2 桁を使用。 |
dd |
日。2 桁を使用。 |
HH |
時。2 桁で 24 時間制を使用。 |
MM |
分。2 桁を使用。 |
cc |
世紀。2 桁を使用。 |
yy |
年。2 桁を使用。 |
オプションを指定しないで date コマンドを使用してシステムの日時をチェックすることによって、システムの日付が正しくリセットされていることを確認します。
出力は、他のシステムと同じ日時を示すはずです。
次の例は、どのように date を手作業で使用してシステムの日時を設定するかを示しています。
# date Thu Mar 6 09:10:20 MST 1997 # date 030609121997 Thu Mar 6 09:12:00 MST 1997
エディタを使って、/etc/motd ファイルをオープンします。
テキストを編集して、スペース、タブ、復帰改行を含めて、ユーザーログインプロセスの一部として表示されるメッセージを挿入します。
ファイルをクローズして変更結果を保存します。
/etc/motd の内容を表示することによって、変更を確認します。
$ cat /etc/motd Welcome to the UNIX Universe. Have a nice day.
デフォルトの本日のメッセージは、Solaris ソフトウェアのインストール時に提供されます。メッセージの内容は次のような SunOS バージョン情報です。
$ cat /etc/motd Sun Microsystems Inc SunOS 5.6 Generic August 1997
次に編集後の /etc/motd ファイルの例を示します。このファイルは、ログインする各ユーザーに対してシステムの利用度に関する情報を提供します。
$ cat /etc/motdThe system will be down from 7:00 a.m to 2:00 p.m.on Saturday, August 5, for upgrades and maintenance. Do not try to access the system during those hours. Thank you...
/etc/system ファイルに次の行を追加します。
set maxuprc=value
value |
1 人のユーザーが同時に実行できるプロセス数 |
/etc/system ファイルをクローズして、変更結果を保存します。
maxuprc 値の変更を確認します。
# grep maxuprc /etc/system set maxuprc=100
システムをリブートします。
次の例は、各ユーザーが 100 プロセスを実行できるようにする場合に /etc/system ファイルに追加する行を示しています。
set maxuprc=100
/etc/system ファイルに次の行を追加します。
set pt_cnt=value set npty=same_value_as_pt_cnt set sad_cnt=2_times_pt_cnt valueset nautopush=same_value_as_ pt_cnt
set pt_cnt |
System V の疑似 tty 数を設定する。 |
set npty |
BSD の疑似 tty 数を設定する。 |
set sadcnt |
STREAMS のアドレス可能デバイス数を設定する。 |
set nautopush |
STREAMS の自動プッシュエントリ数を設定する。この数は、sadcnt の値の 2 倍になる。 |
/etc/system ファイルをクローズして変更結果を保存します。
pt_cnt 値の変更を確認します。
# grep pt_cnt /etc/system set pt_cnt=256
次のように入力して、リブート時にシステムを再構成するようにシステムに指示します。
$ touch /reconfigure
システムをリブートします。
次の例は、疑似 tty 数を 128 に増加しています。
set pt_cnt=128 set npty=128 set sadcnt=256 set nautopush=128
デフォルトでは、同時に発生する可能性のあるロック要求数は、512 です。ログアウトするとき、ユーザーは、ファイル (utmp を含む) をロックします。512 人より多いユーザーが同時に (数秒のうちに) ログアウトする場合、許可されるファイルロック数を増やさなければなりません。
/etc/system ファイルに次の行を追加して、ロック要求の数を増やします (デフォルトは 512)。
set tune_t_flckrec=value
/etc/system ファイルをクローズして変更結果を保存します。
tune_t_flckrec 値の変更を確認します。
# grep tune_t_flckrec /etc/system set tune_t_flckrec=value
次の例は、ロック要求数を 1024 に増加させます。
set tune_t_flckrec=1024
次の変数を追加して、共有メモリーセグメントを増やします。
set shmsys:shminfo_shmmax=value set shmsys:shminfo_shmmin=value set shmsys:shminfo_shmmni=value set shmsys:shminfo_shmseg=value set semsys:seminfo_semmap=value set semsys:seminfo_semmni=value set semsys:seminfo_semmns=value set semsys:seminfo_semmsl=value set semsys:seminfo_semmnu=value set semsys:seminfo_semume=value
/etc/system ファイルをクローズして変更結果を保存します。
共有メモリー値の変更を確認します。
# grep shmsys /etc/system
次の共有メモリー値は、大きなデータベースアプリケーションを実行する、多量のメモリー (たとえば 128 M バイト) を持つシステムに対応させます。
set shmsys:shminfo_shmmax=268435456 set shmsys:shminfo_shmmin=200 set shmsys:shminfo_shmmni=200 set shmsys:shminfo_shmseg=200 set semsys:seminfo_semmap=250 set semsys:seminfo_semmni=500 set semsys:seminfo_semmns=500 set semsys:seminfo_semmsl=500 set semsys:seminfo_semmnu=500 set semsys:seminfo_semume=100