Solaris のシステム管理

プリンタ構成資源

この節では、SunSoft 印刷クライアントコマンドがプリンタ名とプリンタ構成情報を検出するために使用する資源を説明します。

SunSoft 印刷クライアントコマンドは、ネットワーク上のすべてのプリンタのプリンタ構成情報を格納するネットワーク (共有) 資源である、ネームサービスを使用できます。ネームサービス (NIS または NIS+) は、プリンタ構成の管理を簡単にします。プリンタをネームサービスに追加すると、ネットワーク上のすべての SunSoft 印刷クライアントは、そのプリンタにアクセスできます。

図 39-3 は、印刷手順の中で、SunSoft 印刷クライアントコマンドがプリンタ構成資源の階層をチェックして、どこに印刷要求を送信するかを決定する部分を強調して示しています。

図 39-3 SunSoft 印刷クライアントが資源をチェックしてプリンタを検出する

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SunSoft 印刷クライアントソフトウェアがどのようにプリンタを検出するか

図 39-4 に示すように、SunSoft 印刷クライアントコマンドがプリンタとプリンタ構成情報を検出するには、多数の選択肢があります。

図 39-4 SunSoft 印刷クライアントソフトウェアがどのようにプリンタを検出するか

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  1. ユーザーは lp コマンドまたは lpr コマンドを使用して、SunSoft 印刷クライアントから印刷要求を出します。ユーザーは、次の 3 つの形式のいずれかで、宛先のプリンタ名またはプリンタクラスを指定できます。

    • 単独名形式。次の例に示すように、印刷コマンドとオプションの後にプリンタ名またはプリンタクラスが続きます。

      % lp -d neptune filename
      
    • POSIX 形式。次の例に示すように、印刷コマンドとオプションの後に server:printer が続きます。

      % lpr -P galaxy:neptune filename
      
    • コンテキストベース形式。次の例に示すように、『Solaris 2.6 Software Developer AnswerBook』の『Federated Naming Service Programming Guide』で定義されているように指定します。

      % lpr -d thisdept/service/printer/printer-name filename
      
  2. 印刷コマンドは、次のようにしてプリンタとプリンタ構成情報を検出します。

    • ユーザーが宛先のプリンタ名またはプリンタクラスを 3 つの有効な形式のうちの 1 つで指定しているかどうかをチェックします。

    • ユーザーがプリンタ名またはプリンタクラスを有効な形式で指定していなかった場合は、ユーザーの PRINTER 環境変数か LPDEST 環境変数でデフォルトプリンタ名をチェックします。

    • デフォルトプリンタ用の環境変数も定義されていなかった場合は、ユーザーのホームディレクトリの .printers ファイルで _default に設定されたプリンタ別名をチェックします。

    • .printers ファイルに _default に設定されたプリンタ別名が見つからなかった場合は、SunSoft 印刷クライアントの /etc/printers.conf ファイルで構成情報をチェックします。

    • /etc/printers.conf ファイルにプリンタが見つからなかった場合は、(もしあれば) ネームサービス (NIS または NIS+) をチェックします。

プリンタを検出する際に SunSoft 印刷クライアントが用いる方法には、次の利点があります。

どこでネームサービスを使用するか

ネームサービスは、ネットワーク用のプリンタ構成情報を追加、変更、および削除するために最も効率的な方法を提供します。ほとんどすべてのサイトはネームサービスを使用することで大きな恩恵を受けます。1 つの例外は、2、3 台のプリンタと印刷クライアントしかない非常に小さなネットワークです。