Message Queue コマンド行ユーティリティーまたは Windows の「スタート」メニューを使用して、ブローカをインタラクティブに起動できます。または、システムの起動時に自動的に起動するように調整できます。次の節で、この方法について説明します。
ブローカユーティリティー (imqbrokerd) を使用すると、コマンド行からブローカをインタラクティブに起動できます。Windows の場合は「スタート」メニューからブローカを起動できます。ブローカの起動に管理コンソール (imqadmin) やコマンドユーティリティー (imqcmd) を使用することはできません。これらのツールを使用する前に、ブローカが実行されている必要があります。
Solaris と Linux プラットフォームでは、ブローカインスタンスは必ずブローカを最初に起動したユーザーと同一のユーザーが起動します。各ブローカインスタンスは、固有の設定プロファイルとファイルベースのメッセージストアを保有します。ブローカインスタンスを最初に起動するとき、Message Queue はユーザーのファイル作成モードマスク (umask) を使用して、ブローカインスタンスの設定情報と持続データを格納するディレクトリに、アクセス権を設定します。
ブローカインスタンスには、デフォルトでインスタンス名 imqbroker が割り当てられます。この名前とデフォルト設定を使用してコマンド行からブローカを起動するには、次のコマンドを使用します。
imqbrokerd
このコマンドにより、デフォルトポート 7676 のポートマッパーを持つローカルマシン上にある、ブローカのインスタンス (imqbroker) が起動されます (「ポートマッパー」を参照)。
デフォルト以外のインスタンス名を指定する場合は、imqbrokerd コマンドに - name オプションを使用します。次のコマンドは、インスタンス名 myBroker を持つブローカを起動します。
imqbrokerd -name myBroker
imqbrokerd コマンド行では、ブローカの操作のさまざまな面を制御するその他のオプションも使用できます。次の例では、-tty オプションを使用してコマンドウィンドウにエラーと警告を送信します (標準出力)。
imqbrokerd -name myBroker -tty
コマンド行で -D オプションを使用しても、ブローカのインスタンス設定ファイル (config.properties) で指定されたプロパティーの値を上書きすることができます。この例では、imq.jms.max_threads プロパティーを設定して、jms 接続サービスが利用できる最大スレッド数を 2000 に上げています。
imqbrokerd -name myBroker -Dimq.jms.max_threads=2000
imqbrokerd コマンドの構文、サブコマンド、オプションの詳細は、「ブローカユーティリティー」を参照してください。この情報の簡単な概要については、次のコマンドで確認します。
imqbrokerd -help
Sun Java System Message Queue Platform Edition ライセンスを保有している場合は、imqbrokerd コマンドの - license オプションを使用して、Enterprise Edition の試用ライセンスをアクティブにして、Enterprise Edition の機能を 90 日間試用できます。ライセンス名に try を指定します。
imqbrokerd -license try
ブローカを起動するたびにこのオプションを使用する必要があります。使用しない場合、デフォルトで Platform Edition の標準ライセンスに戻ります。
コマンド行からブローカを明示的に起動する代わりに、システムの起動時に自動的にブローカが起動するように設定できます。この方法は、ブローカを実行するプラットフォーム (Solaris、Linux、または Windows) により異なります。
Solaris と Linux システムの場合、自動起動を有効にするスクリプトを Message Queue のインストール時に /etc/rc* ディレクトリツリーに配置します。このスクリプトの使用を有効にする場合、設定ファイル /etc/imq/imqbrokerd.conf (Solaris) または /etc/opt/sun/mq/imqbrokerd.conf (Linux) を次のように編集します。
ブローカの起動コマンド行引数を設定するには、ARGS プロパティーに 1 つ以上の値を指定します。
Windows システムの起動時にブローカを自動的に起動させるには、ブローカをWindows サービスとして定義する必要があります。そうすることで、ブローカはシステムの起動時に起動し、システムがシャットダウンされるまで、バックグランドで実行されます。したがって、別のインスタンスを起動する必要がないかぎり、ブローカを起動するのに imqbrokerd コマンドを使用することはありません。
システムで Windows サービスとして実行できるブローカは 1 つのみです。タスクマネージャーには、そうしたブローカが 2 つの実行可能プロセスとして表示されます。
Windows のネイティブサービスラッパー、imqbrokersvc.exe
ブローカを実行中の Java ランタイム
Windows システムで Message Queue をインストールしている場合、ブローカをサービスとしてインストールできます。インストール後、サービス管理ユーティリティー imqsvcadmin を使用して、次の操作を実行します。
Windows のサービスとしてブローカを追加
ブローカサービスの起動オプションを決定
Windows サービスとして実行中のブローカを削除
ブローカに起動オプションを渡すには、imqsvcadmin コマンドに -args 引数を使用します。これは 「ブローカの起動」で説明するように、imqbrokerd コマンドの -D オプションと同じように機能します。ブローカの動作を通常どおり制御するには、コマンドユーティリティー (imqcmd) を使用します。
imqsvcadmin コマンドの構文、サブコマンド、オプションの詳細は、「サービス管理ユーティリティー」を参照してください。
Windows サービスとしてインストールしたブローカを再設定する手順は次のとおりです。
サービスを停止します。
Windows の「スタート」メニューのサブメニュー「設定」から、「コントロール パネル」を選択します。
「管理ツール」コントロールパネルを開きます。
「サービス」ツールのアイコンを選択し、「ファイル」メニューから「開く」、またはポップアップコンテキストメニューから選択するか、単にアイコンをダブルクリックして、サービスツールを実行します。
「サービス (ローカル)」の下の「Message Queue Broker」サービスを選択し、「操作」メニューから「プロパティ」を選択します。
または、「Message Queue Broker」を右クリックし、ポップアップコンテキストメニューから「プロパティ」を選択するか、単に「Message Queue Broker」をダブルクリックします。どちらの場合も「Message Queue Broker のプロパティ」ダイアログボックスが表示されます。
「Message Queue Broker のプロパティ」ダイアログの「全般」タブで、「停止」をクリックして、ブローカサービスを停止します。
サービスを削除します。
コマンド行で、次のコマンドを入力します。
imqsvcadmin remove |
サービスを再インストールし、異なるブローカ起動オプション -args、または異なる Java バージョン引数、-vmargs オプションを指定します。
たとえば、サービスのホスト名とポート番号を broker1 と 7878 に変更する場合、次のコマンドを使用します。
imqsvcadmin install -args "-name broker1 -port 7878" |
代替の Java ランタイムの場所を指定する場合、imqsvcadmin コマンドの -javahome オプションまたは -jrehome オプションのどちらかを使用することができます。これらのオプションは、サービスの「プロパティ」ダイアログウィンドウの「全般」タブの「開始パラメータ」フィールドに指定することもできます。
「開始パラメータ」フィールドでは、円記号 (\\ ) がエスケープ文字として処理されるため、パスの区切り文字として使用する場合、次のように円記号を 2 つ入力してください。
-javahome c:\\\\j2sdk1.4.0
ブローカサービスの起動オプションを指定するには、例 3–1 に示すように、imqsvcadmin コマンドに query オプションを指定します。
|
ブローカを Windows サービスとして開始しようとしたときにエラーが発生する場合、記録されているエラーイベントを確認できます。