Sun Java Enterprise System 5 インストールガイド (Windows 版)

Java ES インストーラのしくみ

Sun Java Enterprise System (Java ES) は、多くの Sun のサーバー側製品を 1 つのソフトウェアシステムに統合し、分散型のエンタープライズアプリケーションのサポートに必要なサーバーソフトウェアを提供します。このマニュアルでは、これらの製品を「Java ES 製品コンポーネント」と呼びます。1 つのインストーラで、Java ES 製品コンポーネントおよび共有コンポーネントをさまざまな組み合わせでインストールできます。これらのコンポーネント間には複雑な相互関係が存在するため、それらをインストールする際には、単一の Java ES コンポーネントをインストールする場合よりも多くのインストール前作業やインストール後作業が必要となります。

このリリースで使用される Java ES コンポーネント

このリリースの Java ES ソフトウェアに含まれる、選択可能な Java ES コンポーネントは次のとおりです。名前とバージョンのあとに、このマニュアルで使用する省略名を示します。

Java ES インストーラに表示されるサービスおよびサブコンポーネントの完全な一覧については、付録 A 「このリリースの Java ES コンポーネント」を参照してください。この付録では、今回のリリースで提供する共有コンポーネントの一覧も示します。

インストーラのモード

Java ES Windows インストーラでは、MSI (Microsoft Windows Installer) フレームワークを使用して、Java ES システムをホスト上にインストールします。Java ES ソフトウェアのインストールは、対話的に実行することも、再利用可能なスクリプトを使用して実行することもできます。

言語の選択

Java ES インストーラでは、Java ES の多言語パッケージをインストールできます。次の言語を利用できます。

インストーラのデフォルトでは、Java ES が英語で自動的にインストールされます。

セットアップタイプ

Java ES インストーラでは、次のいずれかのセットアップタイプを選択できます。

設定タイプとパラメータの設定

多くの Java ES コンポーネントでは、選択する Java ES コンポーネントおよびインストールタイプによって、インストール時にある程度の設定が必要になります。

インストーラで、次の設定タイプを使用できます。

選択する設定オプションによっては、インストール中に管理者 ID とパスワードの入力を要求される場合があります。たとえば、ほとんどのコンポーネントには管理者ユーザー ID およびパスワードを指定する必要があります。これらの共通の値を設定することにより、すべてのコンポーネントの管理者ユーザー ID とパスワードのデフォルト値を設定することになります。


注 –

Java ES コンポーネントのマルチセッションインストールでは、最初のセッションインストールで選択した設定モード (「インストール中に自動的に設定」または「インストール後に手動で設定」) が後続のセッションのデフォルトとして採用され、設定選択モード画面は表示されません。


依存性の確認

Java ES コンポーネントの多くは、主要な機能を提供するために、ほかのコンポーネントの存在に依存しています。インストール時に選択した Java ES コンポーネントが共存して正常に機能するように、インストーラはコンポーネント間のチェックを広範囲に行います。このため、コンポーネントを選択する際に、特定の Java ES コンポーネントをインストールに含めるようにインストーラから求められる場合があります。

Java ES インストーラでは、次の規則を使用して Java ES コンポーネント間の依存性を処理します。

アップグレード

Java ES インストーラを使用してコンポーネントの新規インストールを実行することによって、Java ES コンポーネントはアップグレードされます。この場合の新規インストールは、最初に以前のバージョンのパッケージを削除してから、同じパスに Release 5 をインストールすることで実行されます。


注意 – 注意 –

同じホストに 2 つの異なるバージョンの Java ES をインストールしないでください。


以前のバージョンの設定データを新しいインストールに移行するか、新規に設定するか、両方を組み合わせて行うことにより、コンポーネントを再設定します。一部の Java ES コンポーネントには、コンポーネントの再設定または設定データの移行を行うユーティリティーが提供されています 。

Java ES 5 Windows インストーラでは、以前のバージョンのコンポーネントのインプレースアップグレードをサポートしていません。その代わりに、Java ES 4 との共存はサポートされています。Java ES 5 のインストール後、Java ES コンポーネントをアップグレードするには、『Sun Java Enterprise System 5 Upgrade Guide for Microsoft Windows 』で説明されているアップグレード手順に従う必要があります。個々のコンポーネントのアップグレードシナリオについては、それぞれのアップグレードガイドを参照してください。

Java ES 5 をインストールしようとすると、インストーラは最初に、システムに Java ES 4 が存在するかどうかを調べます。Java ES 4 が検出されると、インストーラは、Windows SYSTEM ディレクトリに Java ES 4 共有コンポーネントが以前から存在しているかどうかチェックします。これは、それらのコンポーネントが Java ES 5 との間で非互換性の問題を引き起こすからです。それら共有コンポーネントのいずれかが Java ES 4 のサービスで使用されている場合は、実行中の Java ES 4 サービスを停止するように求められます。

さらに、インストーラは Java ES 4 共有コンポーネントの名前を自動的に変更します。名前の変更情報は、インストーラのログファイルに格納されます。Java ES 4 のサービスを開始する必要がある場合は、共有コンポーネントの名前を手動で復元するようにしてください。


注 –

Java ES 4 と Java ES 5 のサーバーを同時に起動することはできません。


インストールのログ

インストールまたはアンインストールの実行中に、実行される処理のログレコードが生成されます。これらのレコードは、%Temp%\SUNJavaES.log にある単一のファイルに保存されます。

Java ES レポータ

Java ES レポータは、対話式の Java ES インストールセッションが正常に完了後、匿名の製品登録を実行するコマンド行ユーティリティーです。Java ES コンポーネントがインストールされるとすぐに、レポータのインストールが開始されます。コマンド行で、レポータがインターネット経由で Sun にアクセスするために使用するプロキシの URL または IP アドレスを入力することを求められます。インストールはメッセージを表示せずに続行され、それ以上の操作は必要ありません。

レポータをインストールしない場合は、Java ES インストールセッションの起動時に、インストーラコマンドに -noreporter オプションを指定できます。-noreporter オプションの使用後、または Java ES のサイレントインストール後に、レポータのみをインストールします。

レポータのインストール後、設定ファイルを編集してレポータを有効または無効にすることができます。これらの手順は、「Java ES レポータのインストール後の設定」に記載されています。レポータはインストーラの Java ES コンポーネントではないため、Java ES アンインストーラを使用してアンインストールできません。レポータをアンインストールする手順は、「Java ES レポータのアンインストール」に記載されています。

アンインストール

すべての製品の設定は、製品がアンインストールされる前に削除されます。設定を削除するために使用されるスクリプトは、アンインストールプログラムに組み込まれています。「スタート」>「設定」>「コントロール パネル」>「プログラムの追加と削除」を選択するか、アンインストールプログラムをサイレントモードで実行すると、Java ES システムをアンインストールできます。