日本語 OpenWindows では、次のような機能が提供されています。
日本語化されているプログラム
日本語環境用プログラム
ワークスペースプロパティ機能による日本語環境と英語環境の切り替え
日本語オンラインヘルプ
日本語オンラインマニュアル
日本語フォント
日本語対応ツールキットによる日本語プログラムの開発環境
DeskSetTM 上で、日本語の入力や日本語ファイルの表示などの日本語を取り扱うことができます。DeskSet のボタン、メニュー、およびメッセージが必要に応じて日本語で表示されます。
また、DeskSet から日本語ファイルを日本語 PostScript 対応のプリンタに出力できます。
コマンドツール
オーディオツール
テキストエディタ
テープツール
ファイルマネージャ
バインダ
メールツール
スナップショット
カレンダマネージャ
アイコンエディタ
時計ツール
計算ツール
イメージツール
シェルツール
印刷ツール
ヘルプビューワ
パフォーマンスメーター
OPENLOOK ウィンドウマネージャ (OLWM) のメニューとメッセージが日本語化されています。
ワークスペースメニューから選択できるワークスペースプロパティ (props) とワークステーション情報 (wsinfo) のメッセージとヘルプが日本語で表示されます。
XView ツールキット、OLIT ツールキット、Motif ツールキットのライブラリのメッセージとヘルプが日本語で参照できます。
Motif ツールキットの日本語メッセージを利用する場合には、環境変数 NLSPATH を次のように設定してください。
csh の場合
sun% setenv NLSPATH /usr/dt/lib/nls/msg/%L/%N.cat:/usr/dt/lib/nls/msg/C/%N.cat |
sh (または ksh) の場合
sun$ NLSPATH=/usr/dt/lib/nls/msg/%L/%N.cat:/usr/dt/lib/nls/msg/C/%N.cat sun$ export NLSPATH |
ボリューム管理用ユーザーインタフェース eject_popup および volmissing_popup のラベルとメッセージが日本語で表示されます。
日本語環境をより使いやすくするために、次のプログラムが提供されています。
cs00 ユーザー辞書ツール (udicmtool) は cs00 を使用する際、ユーザー辞書に対して、登録されていない単語を登録したり、不要な単語を削除したりするためのツールです。また、辞書形式ファイルを編集してユーザー専用の辞書も作成できます。辞書登録ツールの「利用中の辞書」モードで変更された内容は、その時点で動作しているアプリケーションに、すぐに反映できます。
使用方法などについては、『cs00 ユーザーズガイド』と udicmtool(1) のマニュアルページを参照してください。
日本語 OpenWindows のワークスペースプロパティの機能を使用して、動作環境を日本語から英語、または英語から日本語に切り替えることができます。
詳細は、第 12 章「日本語 OpenWindows のカスタマイズ」を参照してください。
ポインタを適当な場所に置いてキーボードの左側の Help キーを押すと、その時にポインタが置かれている場所に応じて、図 10-1 のようなヘルプメッセージを表示するウィンドウが表示されます。このウィンドウ内には日本語でメッセージが表示されます。
ワークスペースプロパティで、カテゴリの「ロケール」と「表示ロケール」を切り替えると、表示されるメッセージが日本語と英語で切り替わります。
Magnify HelpTM ウィンドウの「詳細」ボタンをクリックするか、ワークスペースメニューから「ヘルプ」を選択すると、日本語ヘルプハンドブックがヘルプビューワに表示されます。
日本語ヘルプハンドブックとヘルプビューワの詳細は、『OpenWindows ユーザーズガイド』を参照してください。
環境変数 LANG または LC_MESSAGES が ja に設定されている場合、man コマンドで日本語のオンラインマニュアルを参照できます。
また、オンラインマニュアルには日本語と英語の両方があり、OpenWindows の各 DeskSet と日本語環境用プログラムの他、OpenWindows が提供する各種のコマンドについての説明を man コマンドで表示できます。
DeskSet などの XView のアプリケーションから、いろいろな種類の日本語フォントを指定して使用できます。たとえば、大きさ 24 のゴシック体ボールドのフォントを使用するには、次のように指定します。
sun% shelltool -Wt gotb-24 |
got はゴシック、b はボールド、数字は大きさをそれぞれ表します。また、明朝は min、ミディアムは m を表わすので、組み合わせて使用できます。特に指定がない場合には、デフォルトのフォントとして gotm-14 が使用されます。
次に、XView アプリケーション起動時にコマンドオプションとして指定できるフォントをまとめます。
表 10-1 XView のコマンドオプションフォント
gotb-12、14、16、20、24 |
gotm-12、14、16、20、24 |
minb-12、14、16、20、24 |
minm-12、14、16、20、24 |
minm-12、14、16、20、24 |
OLIT ツールキットを使用したアプリケーションを起動すると、デフォルトフォントとして各 EUC コードセットに対して次のフォントが使用されます。
表 10-2 OLIT のデフォルトフォント 1
コードセット 0 |
-sun-gothic-medium-r-normal--16-140-75-75-c-70-jisx0201.1976-0 |
コードセット 1 |
-sun-gothic-medium-r-normal--16-140-75-75-c-140-jisx0208.1983-0 |
コードセット 2 |
-sun-gothic-medium-r-normal--16-140-75-75-c-70-jisx0201.1976-0 |
デフォルトフォントを変更するには、olDefaultFont や他の適切なフォントリソースに対して XLFD フォント名を直接指定してください。次に、リソースファイル内で、olDefaultFont にフォント名を設定する例を示します。
この設定により、各 EUC コードセットに対して次のフォントが使用されます。
表 10-3 OLIT のデフォルトフォント 2
コードセット 0 |
-sun-gothic-bold-r-normal--26-240-75-75-c-120-jisx0201.1976-0 |
コードセット 1 |
-sun-gothic-bold-r-normal--26-240-75-75-c-240-jisx0208.1983-0 |
コードセット 2 |
-sun-gothic-bold-r-normal--26-240-75-75-c-120-jisx0201.1976-0 |
OLIT のアプリケーション起動時にフォントを指定する場合は、フォント名として XLFD 名を使用します。次の例を参考にしてください。
国際化された XView ライブラリを使用して、日本語のウィンドウアプリケーションを開発できます。こうして開発したアプリケーションを日本語 OpenWindows 環境で使用することによって、日本語の入力表示など日本語を取り扱うことが可能になります。
国際化された XView ライブラリを使用してコンパイルする場合には、「-DOW_I18N」を明示的に指定します。
また、アプリケーション実行時に使用されるライブラリを指定するために、次のように「-R/usr/openwin/lib」も明示的に指定してください。
sun% cc -DOW_I18N -I/usr/openwin/include -L/usr/openwin/lib ¥ -R/usr/openwin/lib -lxview -lX11 ... |
国際化された XView の詳細は、『XView Developer's Notes』を参照してください。
国際化された OLIT ライブラリを使用して、日本語のウィンドウアプリケーションを開発できます。こうして開発したアプリケーションを日本語 OpenWindows 環境で使用することによって、日本語の入力や表示などを取り扱うことが可能になります。
国際化された OLIT ライブラリを使用してコンパイルするには、次のように行います。
sun% cc -I/usr/openwin/include -R/usr/openwin/lib -L/usr/openwin/lib ¥ -lXol -lXt -lX11 ... |
TextEdit、TextField、ScrollingList、TextLine の各ウィジェットを使用した日本語入力をともなうアプリケーションを起動する際は、次の点に注意してください。
日本語入力サーバー htt または atok8 が起動されていること
htt については第 8 章「Solaris CDE と日本語 OpenWindows 環境に共通の機能」の「日本語入力サーバー(htt)」、atok8 については『ATOK8 ユーザーズガイド』を参照してください。
XtNimPreeditStyle および XtNimStatusStyle リソースに適当な値が設定されていること
リソースファイル内で、XtNimPreeditStyle および XtNimStatusStyle に値を設定する例を次に示します。
*imPreeditStyle: onTheSpot *imStatusStyle: imDisplaysInClient |
これにより、XtNimPreeditStyle が OL_ON_THE_SPOT に、XtNimStatusStyle が OL_IM_DISPLAYS_IN_CLIENT に設定されます。
国際化された OLIT の詳細は、『OLIT リファレンスマニュアル』を参照してください。