このマニュアルは 2 つのパートに分けられ、全部で 19 の章と 6 つの付録から構成されています。概要は次のとおりです。
Part 1 は、Solaris 7 ソフトウェアインストール時の注意点、ローカルコンピューティング環境の変化や、日常の作業の変更点を理解するのに役立ちます。
この Part は、次の章から構成されています。
第 1 章「概要」では、Solaris オペレーティング環境へ移行することの利点について説明し、SVR4 (System V リリース 4) と Solaris オペレーティング環境の主な違いを要約します。
第 2 章「主な変更について」では、SunOS 4.x と SunOS 5.6 の主な違いを説明します。これ以降の章で取り上げられている項目の背景を説明し、これらのリリース間で変更された、手順、ツール、概念に焦点を当てています。
第 3 章「SunOS 4.x システムから Solaris 7 オペレーティング環境への変換」では、ソフトウェアのインストールとその後の作業を通じて、移行を容易に行うために考慮すべき点を取り上げます。その結果、SunOS 4.x のデータを Solaris 7 環境に容易に移行することができます。
第 4 章「互換パッケージの使用方法」では、SunOS/BSD ソース互換パッケージとバイナリ互換パッケージについて説明します。これらのパッケージにより、Solaris 7 環境への移行の際に、SunOS 4.x のコマンドとアプリケーションを使用することができるので、移行は容易になります。
第 5 章「セキュリティ」では、SunOS 4.x と Solaris 7 のセキュリティの主な違いと、それらの違いがシステム管理作業に及ぼす影響について説明します。
第 6 章「ユーザ環境の管理」では、Solaris ソフトウェアをインストールした後で、ローカルのユーザ環境を設定する作業の変更点について説明します。デフォルトシェルの設定、ユーザ環境のカスタマイズ、ウィンドウシステム、ユーザとグループの管理についても説明します。さらに、マニュアルページの変更点についても取り上げます。
第 7 章「デバイスの管理」では、SunOS 5.6 のデバイス命名規則について説明します。また、ディスク情報の入手といったデバイスに関連する作業、システムへのデバイス追加、ボリュームマネージャの使用方法などに対する変更点も説明します。
第 8 章「起動とシャットダウン」では、システムのブートとシャットダウンの手順の変更について説明します。
第 9 章「ファイルシステムの管理」では、ファイルシステムのレイアウトの変更、またファイルシステム、仮想ファイルシステム、ディレクトリ、およびファイルの変更点について説明します。また、ファイルシステムの管理に関する変更についても説明します。
第 10 章「SunOS 4.x クライアントをサポートする Solaris 7 サーバの設定」では、クライアント用にサーバを設定する方法を説明します。また、Solaris 7 のサーバが SunOS 4.x のクライアントにサービスを提供するための準備に必要になる discover4x、install4x、convert4x という 3 つのプログラムについても説明します。
第 11 章「プリンタ、端末、モデムの管理」では、Solaris 7 ソフトウェアをインストールした後でプリンタの設定と管理を行う方法について説明します。また、プリンタコマンドの変更点についても説明します。システム管理ツール (Admintool) と サービスアクセス機能 (SAF) を使って端末とモデムを管理する方法についても説明します。
第 12 章「ネットワークサービスの管理」では、ネットワーク機能である TCP/IP と UUCP の変更点について概要を説明します。
第 13 章「ネームサービスの使用方法」では、NIS+ とドメインネームシステム (DNS) について説明し、NIS+ を NIS と DNS のそれぞれと比較します。
第 14 章「Solaris 共通デスクトップ環境」では、共通デスクトップ環境 (以降「CDE」とします)について説明し、OpenWindows 環境から CDE への移行方法を解説します。
Part 2 は、主に開発者に関係する変更点について説明します。それらの違いと類似点を取り上げ、プログラミング環境に関係する内容についても説明します。
この Part は、次の章から構成されています。
第 15 章「コンパイラ、リンカ、デバッガ」では、コンパイラ、リンカ、デバッガに追加された機能や削除された機能について説明します。
第 16 章「ツールと資源 」では、開発環境用のツールと資源の変更について説明します。変更点としては、ioctl() リクエスト、ptrace() リクエストの値、ライブラリ、make と SCCS が挙げられます。この章では、アプリケーションの互換性を調べる方法、Solaris 7 のパッケージ作成機能、SunOS 4.x のツールの検索方法についても説明します。
第 17 章「ネットワークと国際化機能」では、プログラミング環境に関係する Solaris 7 のネットワーク機能について説明します。また、国際化機能の拡張についても説明します。
第 18 章「システムとデバイスの構成」では、システムとデバイスの構成の変更点について説明します。動的にロードされるカーネル、カーネルのレイアウト、config コマンドと boot コマンド、/etc/system ファイルなどを取り上げます。
次の付録は、SunOS 4.1 のインタフェースと、他のオペレーティングシステムでの対応機能を示しているため、リファレンスとして活用することができます。この情報は、ユーザ、システム管理者、開発者にとって有用です。付録の構成は次のとおりです。
付録 A 「コマンドリファレンス」 では、SunOS 4.x と SunOS 5.6 のコマンドを比較します。
付録 B 「システムコールリファレンス」 では、SunOS 4.x と SunOS 5.6 のシステムコールを比較します。
付録 C 「ライブラリルーチンリファレンス」 では、SunOS 4.x と SunOS 5.6 のライブラリルーチンを比較します。
付録 D 「システムファイルリファレンス」 では、SunOS 4.x と SunOS 5.6 のシステムファイルを比較します。
付録 E 「/ と /usr ファイルシステムの変更」 では、/ と /usr ファイルシステムのディレクトリの配置を示します。
付録 F 「基本的な変更についてのクイックリファレンス」 は、一般的なコマンド、ファイル、ディレクトリ、またデーモンと標準的なプロセスのクイックリファレンスです。