国際化対応言語環境の利用ガイド

第 3 章 Solaris 9 環境における地域対応

この章では、Solaris 9 環境の各国語対応機能について説明します。

各国語に対応するためのソフトウェアサポート

この節では、Solaris 9 ロケールパッケージに関する情報や、Solaris 9 CD に含まれている各国語対応の内容、機能、スクリプト機能について説明します。

Solaris 9 ロケールパッケージの要約

Solaris 9 ロケールパッケージは 2 つのカテゴリに分類されます。

第 1 のカテゴリは部分ロケールで、そのロケールを有効にするものです。部分ロケールがシステムにインストールされていれば、ユーザーは、テキストの入力や表示、印刷を行なったり、ターゲットロケールの上でアプリケーションを実行したりすることができます。ただし、Solaris から出される OS/GUI メッセージは英語です。Solaris SOFTWARE CD には、すべての部分ロケールパッケージが格納されています。 日本語とアジア各国の部分ロケールはその言語に対応してパッケージ化されていますが、その他の部分ロケールは地理的な地域に対応してパッケージ化されています。

第 2 のカテゴリは、完全ロケールパッケージです。これらのパッケージには、ソフトウェアメッセージやオンラインヘルプファイルの翻訳、オプションフォント、言語固有の機能が含まれています。完全ロケールパッケージは、多数の言語に対して完全な言語の機能を提供します。次の言語に基づくロケールはすべて完全ロケールです。

完全ロケールは言語別にパッケージ化され、LANGUAGES CD に格納されています。


注 –

完全ロケールを機能させるためには、部分ロケールパッケージ (ロケールを有効にするもの) をインストールする必要があります。


Solaris のインストールプロセス中に、サポートが必要な地域の選択を求められます。インストール終了後に利用できるロケールのサポートは、この段階での選択によって決まります。部分ロケールは Solaris 9 オペレーティング環境とともに Solaris SOFTWARE CD からインストールされ、完全ロケールは LANGUAGES CD からインストールされます。完全ロケールのサポートが必要ない場合は、LANGUAGES CD からのインストールを省略できます。なお、英語ロケールはデフォルトでインストールされます。

このリリースから提供される新しいロケール

このリリースから提供される新しい部分ロケールには、ロシア語とポーランド語に対する UTF–8 ロケールの追加、カタロニア語の新しい 2 つのロケール、新しいタイ語ロケール、インド語ロケール、新しい 2 つの繁体字中国語ロケール、新しい簡体字中国語ロケールがあります。ロケール名は次のとおりです。

サポートされるロケール

次の各表に、Solaris 9 環境がサポートするすべてのロケールを示します。ロケール名は、国際的な命名規則に従って変更されています。

表 3–1 アジア

ロケール 

ユーザーインタフェース 

地域 

コードセット 

言語サポート 

hi_IN.UTF-8

英語 

インド 

UTF-8 [UTF-8 は、ISO/IEC 10646–1:2000 および Unicode 3.1 で定義されている UTF-8 です。]

ヒンディー語 (UTF-8) Unicode 3.1 

ja

日本語 

日本 

eucJP [eucJP は、日本語 EUC コードセットを示します。ja_JP.eucJP ロケールの仕様は UI_OSF 日本語環境実装規約バージョン 1.1 に、ja ロケールは以前の Solaris リリースで採用されてきた仕様にそれぞれ準拠しています。]

日本語 (EUC) 

 

 

 

 

JIS X 0201-1976 

 

 

 

 

JIS X 0208-1990 

 

 

 

 

JIS X 0212-1990 

ja_JP.eucJP

日本語 

日本 

eucJP 

日本語 (EUC) 

 

 

 

 

JIS X 0201-1976 

 

 

 

 

JIS X 0208-1990 

 

 

 

 

JIS X 0212-1990 

ja_JP.PCK

日本語 

日本 

PCK [PCK は Shift_JIS (SJIS) ともいいます。]

日本語 (PC kanji)  

 

 

 

 

JIS X 0201-1976 

 

 

 

 

JIS X 0208-1990 

ja_JP.UTF-8

日本語 

日本 

UTF-8 

日本語 (UTF-8) Unicode 3.1 

ko_KR.EUC

韓国語 

韓国 

1001 

韓国語 (EUC) KS X 1001 

ko_KR.UTF-8

韓国語 

韓国 

UTF-8 

韓国語 (UTF-8) Unicode 3.1 

th_TH.UTF-8

英語 

タイ 

UTF-8 

タイ語 (UTF-8) Unicode 3.1 

th_TH.TIS620

英語 

タイ 

TIS620.2533 

タイ TIS620.2533  

zh_CN.EUC

簡体字中国語 

PRC 

gb2312 [gb2312 は、簡体字中国語 EUC コードセットを示します。GB 1988-80 および GB 2312-80 を含みます。]

簡体字中国語 (EUC) GB2312-1980 

zh_CN.GBK

簡体字中国語 

PRC 

GBK [GBK は GB 拡張を示します。すべての GB 2312-80 文字、ISO/IEC 10646-1 のすべての Unified Han 文字、および日本語のひらがな文字、かたかな文字を含みます。また、中国語、日本語、韓国語の文字セット、および ISO/IEC 10646-1 の多くの文字も含みます。]

簡体字中国語 (EUC)  

zh_CN.GB18030

簡体字中国語 

PRC 

GB18030–2000 

 

簡体字中国語 (GB18030–2000) GB18030–2000 

zh_CN.UTF-8

簡体字中国語 

PRC 

UTF-8 

簡体字中国語 (UTF-8) Unicode 3.1 

zh_HK.BIG5HK

繁体字中国語 

香港 

Big5+HKSCS 

繁体字中国語 (BIG5+HKSCS) 

zh_HK.UTF-8

繁体字中国語 

香港 

UTF-8  

繁体字中国語 (UTF-8) Unicode 3.1 

zh_TW.EUC

繁体字中国語 

台湾 

cns11643 

繁体字中国語 (EUC) CNS 11643-1992 

zh_TW.BIG5

繁体字中国語 

台湾 

BIG5 

繁体字中国語 (BIG5) 

zh_TW.UTF-8

繁体字中国語 

台湾 

UTF-8 

繁体字中国語 (UTF-8) Unicode 3.1 

表 3–2 オーストラリア

ロケール 

ユーザーインタフェース 

地域 

コードセット 

言語サポート 

en_AU.ISO8859-1

英語 

オーストラリア 

ISO8859-1 

英語 (オーストラリア)  

en_NZ.ISO8859-1

英語 

ニュージーランド 

ISO8859-1 

英語 (ニュージーランド) 

表 3–3 中央アメリカ

ロケール 

ユーザーインタフェース 

地域 

コードセット 

言語サポート 

es_CR.ISO8859-1

スペイン語 

コスタリカ 

ISO8859-1 

スペイン語 (コスタリカ) 

es_GT.ISO8859-1

スペイン語 

グアテマラ 

ISO8859-1 

スペイン語 (グアテマラ) 

es_NI.ISO8859-1

スペイン語 

ニカラグア 

ISO8859-1 

スペイン語 (ニカラグア) 

es_PA.ISO8859-1

スペイン語 

パナマ 

ISO8859-1 

スペイン語 (パナマ) 

es_SV.ISO8859-1

スペイン語 

エルサルバドル 

ISO8859-1 

スペイン語 (エルサルバドル) 

表 3–4 中央ヨーロッパ

ロケール 

ユーザーインタフェース 

地域 

コードセット 

言語サポート 

cs_CZ.ISO8859-2

英語 

チェコ共和国 

ISO8859-2 

チェコ語 (チェコ) 

de_AT.ISO8859-1

ドイツ語 

アートリア 

ISO8859-1 

ドイツ語 (オーストリア) 

de_AT.ISO8859-15

ドイツ語 

アートリア 

ISO8859-15 

ドイツ語 (オーストリア、ISO8859-15 - Euro) 

de_CH.ISO8859-1

ドイツ語 

スイス 

ISO8859-1 

ドイツ語 (スイス) 

de_DE.UTF-8

ドイツ語 

ドイツ 

UTF-8 

ドイツ語 (ドイツ、Unicode 3.1) 

de_DE.ISO8859-1

ドイツ語 

ドイツ 

ISO8859-1 

ドイツ語 (ドイツ) 

de_DE.ISO8859-15

ドイツ語 

ドイツ 

ISO8859-15 

ドイツ語 (ドイツ、ISO8859-15 - Euro) 

fr_CH.ISO8859-1

フランス語 

スイス 

ISO8859-1 

フランス語 (スイス) 

hu_HU.ISO8859-2

英語 

ハンガリー 

ISO8859-2 

ハンガリー語 (ハンガリー) 

pl_PL.ISO8859-2

英語 

ポーランド 

ISO8859-2 

ポーランド語 (ポーランド) 

pl_PL.UTF-8

英語 

ポーランド 

UTF-8 

ポーランド語 (ポーランド、Unicode 3.1) 

sk_SK.ISO8859-2

英語 

スロバキア 

ISO8859-2 

スロバキア語 (スロバキア) 

表 3–5 東ヨーロッパ

ロケール 

ユーザーインタフェース 

地域 

コードセット 

言語サポート 

bg_BG.ISO8859-5

英語 

ブルガリア 

ISO8859-5 

ブルガリア語 (ブルガリア) 

et_EE.ISO8859-15

英語 

エストニア 

ISO8859–15 

エストニア語 (エストニア) 

hr_HR.ISO8859-2

英語 

クロアチア 

ISO8859-2 

クロアチア語 (クロアチア) 

lt_LT.ISO8859-13

英語 

リトアニア 

ISO8859-13 

リトアニア語 (リトアニア) 

lv_LV.ISO8859-13

英語 

ラトビア 

ISO8859-13 

ラトビア語 (ラトビア) 

mk_MK.ISO8859-5

英語 

マケドニア 

ISO8859-5 

マケドニア語 (マケドニア) 

ro_RO.ISO8859-2

英語 

ルーマニア 

ISO8859-2 

ルーマニア語 (ルーマニア) 

ru_RU.KOI8-R

英語 

ロシア 

KOI8-R 

ロシア語 (ロシア、KOI8-R) 

ru_RU.ANSI1251

英語 

ロシア 

ansi-1251 

ロシア語 (ロシア、ANSI 1251) 

ru_RU.ISO8859-5

英語 

ロシア 

ISO8859-5 

ロシア語 (ロシア) 

ru_RU.UTF-8

英語 

ロシア 

UTF-8 

ロシア語 (ロシア、Unicode 3.1) 

sh_BA.ISO8859-2@bosnia

英語 

ボスニア 

ISO8859-2 

ボスニア語 (ボスニア) 

sl_SI.ISO8859-2

英語 

スロベニア 

ISO8859-2 

スロベニア語 (スロベニア) 

sq_AL.ISO8859-2

英語 

アルバニア 

ISO8859-2 

アルバニア語 (アルバニア) 

sr_YU.ISO8859-5

英語 

セルビア 

ISO8859-5 

セルビア語 (セルビア) 

tr_TR.ISO8859-9

英語 

トルコ 

ISO8859-9 

トルコ語 (トルコ) 

tr_TR.UTF-8

英語 

トルコ 

UTF-8 

トルコ語 (トルコ、Unicode 3.1) 

表 3–6 中東

ロケール 

ユーザーインタフェース 

地域 

コードセット 

言語サポート 

He

英語 

イスラエル 

ISO8859-8 

ヘブライ語 (イスラエル) 

表 3–7 北アフリカ

ロケール 

ユーザーインタフェース 

地域 

コードセット 

言語サポート 

ar_EG.UTF-8

英語 

エジプト 

UTF-8 

アラビア語 (エジプト) 

Ar

英語 

エジプト 

ISO8859-6 

アラビア語 (エジプト) 

表 3–8 北アメリカ

ロケール 

ユーザーインタフェース 

地域 

コードセット 

言語サポート 

en_CA.ISO8859-1

英語 

カナダ 

ISO8859-1 

英語 (カナダ) 

en_US.ISO8859-1

英語 

米国 

ISO8859-1 

英語 (U.S.A.) 

en_US.ISO8859-15

英語 

米国 

ISO8859-15 

英語 (U.S.A., ISO8859-15 - Euro) 

en_US.UTF-8

英語 

米国 

UTF-8 

英語 (U.S.A., Unicode 3.0) 

fr_CA.ISO8859-1

フランス語 

カナダ 

ISO8859-1 

フランス語 (カナダ) 

es_MX.ISO8859–1

スペイン語 

メキシコ 

ISO8859-1 

スペイン語 (メキシコ) 

表 3–9 北ヨーロッパ

ロケール 

ユーザーインタフェース 

地域 

コードセット 

言語サポート 

da_DK.ISO8859–1

英語 

デンマーク 

ISO8859-1 

デンマーク語 (デンマーク) 

da_DK.ISO8859-15

英語 

デンマーク 

ISO8859-15 

デンマーク語 (デンマーク、ISO8859–15–Euro) 

fi_FI.ISO8859–1

英語 

フィンランド 

ISO8859-1 

フィンランド語 (Unicode 3.1) 

fi_FI.ISO8859–15

英語 

フィンランド 

ISO8859-15 

フィンランド語 (フィンランド、ISO8859–15–Euro) 

fi_FI.UTF-8

英語 

フィンランド 

UTF-8 

フィンランド語 (フィンランド) 

is_IS.ISO8859–1

英語 

アイスランド 

ISO8859-1 

アイスランド語 (アイスランド) 

no_NO.ISO8859–1@bokmal

英語 

ノルウェー 

ISO8859–1 

ノルウェー語 (ノルウェー ブークモール語) 

no_NO.ISO8859–1@nyorsk

英語 

ノルウェー 

ISO8859–1 

ノルウェー語 (ノルウェー ニーノシク語) 

sv_SE.ISO8859–1

スウェーデン語 

スウェーデン 

ISO8859-1 

スウェーデン語 (スウェーデン) 

sv_SE.ISO8859-15

スウェーデン語 

スウェーデン 

ISO8859-15 

スウェーデン語 (スウェーデン、ISO8859–15–Euro) 

sv_SE.UTF-8

スウェーデン語 

スウェーデン 

UTF-8 

スウェーデン語 (スウェーデン、Unicode 3.1) 

表 3–10 南アメリカ

ロケール 

ユーザーインタフェース 

地域 

コードセット 

言語サポート 

es_AR.ISO8859-1

スペイン語 

アルゼンチン 

ISO8859-1 

スペイン語 (アルゼンチン) 

es_BO.ISO8859-1

スペイン語 

ボリビア 

ISO8859-1 

スペイン語 (ボリビア) 

es_CL.ISO8859-1

スペイン語 

チリ 

ISO8859-1 

スペイン語 (チリ) 

es_CO.ISO8859-1

スペイン語 

コロンビア 

ISO8859-1 

スペイン語 (コロンビア) 

es_EC.ISO8859-1

スペイン語 

エクアドル 

ISO8859-1 

スペイン語 (エクアドル) 

es_PE.ISO8859-1

スペイン語 

ペルー 

ISO8859-1 

スペイン語 (ペルー) 

es_PY.ISO8859-1

スペイン語 

パラグアイ 

ISO8859-1 

スペイン語 (パラグアイ) 

es_UY.ISO8859-1

スペイン語 

ウルグアイ 

ISO8859-1 

スペイン語 (ウルグアイ) 

es_VE.ISO8859-1

スペイン語 

ベネズエラ 

ISO8859-1 

スペイン語 (ベネズエラ) 

pt_BR.ISO8859-1

英語 

ブラジル 

ISO8859-1 

ポルトガル語 (ブラジル) 

pt_BR.UTF-8

英語 

ブラジル 

UTF-8 

ポルトガル語 (ブラジル、Unicode 3.1) 

表 3–11 南ヨーロッパ

ロケール 

ユーザーインタフェース 

地域 

コードセット 

言語サポート 

ca_ES.ISO8859-1

英語 

スペイン 

ISO8859-1 

カタロニア語 (スペイン) 

ca_ES.ISO8859-15

英語 

スペイン 

ISO8859–15 

カタロニア語 (スペイン、ISO8859-15 - Euro) 

el_GR.ISO8859-7

英語 

ギリシャ語 

ISO8859-7 

ギリシャ語 (ギリシャ) 

es_ES.ISO8859-1

スペイン語 

スペイン 

ISO8859-1 

スペイン語 (スペイン) 

es_ES.ISO8859-15

スペイン語 

スペイン 

ISO8859-15 

スペイン語 (スペイン、ISO8859-15 - Euro) 

es_ES.UTF-8

スペイン語 

スペイン 

UTF-8 

スペイン語 (スペイン、Unicode 3.1) 

it_IT.ISO8859-1

イタリア語 

イタリア 

ISO8859-1 

イタリア語 (イタリア) 

it_IT.ISO8859-15

イタリア語 

イタリア 

ISO8859-15 

イタリア語 (イタリア、ISO8859-15 - Euro) 

it_IT.UTF-8

イタリア語 

イタリア 

UTF-8 

イタリア語 (イタリア、Unicode 3.1) 

pt_PT.ISO8859-1

英語 

ポルトガル 

ISO8859-1 

ポルトガル語 (ポルトガル) 

pt_PT.ISO8859-15

英語 

ポルトガル 

ISO8859-15 

ポルトガル語 (ポルトガル、ISO8859-15 - Euro) 

表 3–12 西ヨーロッパ

ロケール 

ユーザーインタフェース 

地域 

コードセット 

言語サポート 

en_GB.ISO8859-1

英語 

イギリス 

ISO8859-1 

英語 (イギリス) 

en_IE.ISO8859-1

英語 

アイルランンド 

ISO8859-1 

英語 (アイルランド) 

fr_BE.ISO8859-1

フランス語 

ベルギーのワロン 

ISO8859-1  

フランス語 (ベルギーのワロン、Unicode 3.1) 

fr_BE.UTF-8

フランス語 

ベルギーのワロン 

UTF-8 

フランス語 (ベルギーのワロン、Unicode 3.1) 

fr_FR.ISO8859-1

フランス語 

フランス 

ISO8859-1 

フランス語 (フランス) 

fr_FR.UTF-8

フランス語 

フランス 

UTF-8 

フランス語 (フランス、Unicode 3.1) 

nl_BE.ISO8859-1

英語 

ベルギーのフラマン 

ISO8859-1 

ドイツ語 (ベルギーのフラマン) 

nl_NL.ISO8859-1

英語 

オランダ 

ISO8859-1 

ドイツ語 (オランダ) 

ロケールの複数キーの Compose キーシーケンス

Solaris ロケールの多く、とりわけヨーロッパや Unicode のロケールでは、いわゆる「デッドキーシーケンス」(Compose キーシーケンスともいう) を使ってさまざまな文字を入力できます。

Compose キーシーケンスは、発音符号など、キーボードのキー表面に表示されていない文字を入力するときに使用します。

次の表に、Compose キーシーケンスのいくつかの例を示します。Compose キーシーケンスの詳細については、英語/ヨーロッパ言語入力モードを参照してください。

表 3–13 Compose キーで入力する発音記号の例

記号 

Compose キーとの組み合わせ 

例  

Diaeresis 

” 

Compose A “ —> A と diaeresis  

Caron 

Compose Z v —> Z と caron 

Breve 

Compose G u —> G と breve  

Ogonek 

Compose A a —> A と Ogonek 

Cedilla 

Compose K , —> K と cedilla 

登録標識 

R O  

Compose R O —> 登録標識 

感嘆符の反転 

! !  

Compose ! ! —> 感嘆符の反転 


注 –

ロケールのコードセットに、対応する文字がない場合は、compose シーケンスを使用することはできません。たとえば、ISO8859–1 には caron 付きの Z がないため、en_US.ISO8859–1 ロケールで caron 付きの Z を入力することはできません。


Solaris 9 製品でのキーボードサポート

Solaris は、特定の地域向けに作られたさまざまなキー配列をもつさまざまなキーボードだけでなく、Sun SPARC プラットフォームと Intel Architecture (IA) プラットフォーム双方の配列を認識およびサポートします。Solaris 9 は、次の表に示す地域向けのキーボードをサポートします。

表 3–14 地域向けキーボードのサポート

地域 

国 

Sun キーボード (Type 4/5/5c) 

Sun キーボード (Type 6) 

PC キーボード 

アジア 

日本 

 

韓国 

 

台湾 

ヨーロッパ 

ベルギー 

 

チェコ共和国 

 

 

デンマーク 

 

フィンランド 

 

 

 

フランス 

 

ドイツ 

 

イギリス 

 

ギリシャ 

 

 

ハンガリー 

 

 

イタリア 

 

ラトビア 

 

 

リトアニア 

 

 

オランダ 

 

ノルウェー 

 

ポーランド 

 

 

ポルトガル 

 

ロシア 

 

スペイン 

 

スウェーデン 

 

スイス (フランス語) 

 

スイス (ドイツ語) 

 

トルコ 

アメリカ 

カナダ (フランス語)  

 

ラテンアメリカ (スペイン語) 

 

 

 

米国 

中近東 

アラブ 

 

中国など、国際標準に準拠するキーボード配列を使用する地域では、米国向けのキーボード配列サポートに基づいてロケールの文字を入力します。基本的なキーボードマッピングはどちらも同じです。日本、トルコ、スイスなど一部の国では、複数の言語が使用されていたり、複数のキーボード配列が存在するため、複数のキーボードが使用されます。

サンの Type 4,、5、5c キーボードでは、Mini DIN 8–ピン接続に基づく Sun 入出力インタフェースが使用されます。サンの Type 6 キーボードには、2 種類のインタフェースがあります。

キーボードタイプは、サンのキーボードの裏面に印刷されています。

PC キーボードのインタフェースには、PS/2 や USB など、さまざまなものがあります。

SPARC システムでのキーボードの変更

サンのほとんどの Type 4,、5、5c キーボードでは、DIP スイッチの設定だけでキーボード配列を変えることができます。DIP スイッチの設定で配列を変更できるキーボードのタイプ、名称、対応する配列 id は、 /usr/openwin/share/etc/keytables/keytable.map ファイルに記載されています。


注 –

Type 6 キーボードの裏面には DIP スイッチがないため、このタイプのキーボードの配列を変えることはできません。米国、 米国/UNIX、日本語キーボードなど、一部の Type 5、5c キーボードには、DIP スイッチの代わりにジャンパがあります。 SPARC プラットフォームでも IA プラットフォームでも、Solaris 9 オペレーティング環境には、キーボードを変更するユーティリティやツールはバンドルされていません。ただし、xmodmap(1) など、標準的な UNIX ツールは除きます。


次の表に、Type 4、5、5c キーボードの配列 id 値を示します (1 = スイッチオン、0 = スイッチオフ)。

表 3–15 Type 4、5、5c キーボードの配列

DIP スイッチ 

キーボード (キーテーブルファイル) 

設定 (2 進数) 

米国. (US4.kt)

000000 

米国 (US4.kt)

000001 

ベルギー (FranceBelg4.kt )

000010 

カナダ (Canada4.kt )

000011 

デンマーク (Denmark4.kt )

000100 

ドイツ (Germany4.kt )

000101 

イタリア (Italy4.kt )

000110 

オランダ ( Netherland4.kt)

000111 

ノルウェー (Norway4.kt )

001000 

ポルトガル (Portugal4.kt )

001001 

10 (0x0a) 

ラテンアメリカ/スペイン語 (SpainLatAm4.kt)

001010 

11 (ox0b) 

スウェーデン ( SwedenFin4.kt)

001011 

12 (0x0c) 

スイス/フランス語 (Switzer_Fr4.kt)

001100 

13 (0x0d) 

スイス/ドイツ語 (Switzer_Ge4.kt)

001101 

14 (0x0e) 

イギリス ( UK4.kt)

001110 

16 (0x10) 

韓国 (Korea4.kt )

010000 

17 (0x11) 

台湾 ( Taiwan4.kt)

010001 

33 (0x21) 

米国 (US5.kt)

100001 

34 (0x22) 

米国./UNIX (US_UNIX5.kt)

100010 

35 (0x23) 

フランス (France5.kt)

100011 

36 (0x24) 

デンマーク (Denmark5.kt)

100100 

37 (0x25) 

ドイツ (Germany5.kt)

100101 

38 (0x26) 

イタリア (Italy5.kt)

100110 

39 (0x27) 

オランダ (Netherland5.kt)

100111 

40 (0x28) 

ノルウェー (Norway5.kt)

101000 

41 (0x29) 

ポルトガル (Portugal5.kt)

101001 

42 (0x2a) 

スペイン (Spain5.kt)

101010 

43 (0x2b) 

スウェーデン (Sweden5.kt)

101011 

44 (0x2c) 

スイス/フランス語 (Switzer_Fr5.kt)

101101 

45 (0x2d) 

スイス/ドイツ語 (Switzer_Ge5.kt)

101110 

46 (0x2e) 

イギリス (UK5.kt)

101111 

47 (0x2f) 

韓国 (Korea5.kt)

101111 

48 (0x30) 

台湾 (Taiwan5.kt)

110000 

49 (0x31) 

日本 (Japan5.kt)

110001 

50 (0x32), 63 (0x3f) 

カナダ/フランス語 (Canada_Fr5.kt)

110010 

51 0(x33) 

ハンガリー (Hungary5.kt)

110011 

52 (0x34 

ポーランド (Poland5.kt)

110100 

53 (0x35) 

チェコ (Czech5.kt)

110101 

54 (0x36) 

ロシア (Russia5.kt)

110110 

55 (0x37) 

ラトビア (Latvia5.kt)

110111 

56 (0x38), 62 (0x3e) 

トルコ-Q5 (TurkeyQ5.kt)

111000 

57 (0x39) 

ギリシャ (Greece5.kt)

111001 

58 (0x3a) 

アラブ (Arabic5.kt)

111011 

59 (0x3b) 

リトアニア (Lithuania5.kt)

111010 

60 (0x3c) 

ベルギー (Belgian5.kt)

111100 

62 (0x3e) 

トルコ-F5 (TurkeyF5.kt)

111110 

63 (0x3f) 

カナダ/フランス語 (Canada_Fr5_TBITS5.kt)

111111 

4 が付いたキーテーブルファイル名は Type 4 キーボードを、5 が付いたキーテーブルファイル名は Type 5 キーボードをそれぞれ表します。

キーボード配列を変更する手順は次のとおりです (チェコの例)。

  1. この表か /usr/openwin/share/etc/keytables/keytable.mp ファイルから適切な DIP スイッチ id (配列 id) を見つけます。keytable.mp ファイルの配列 id 値は 10 進数で表されています。

    チェコの場合、配列 id は 10 進数の 53 です (16 新数では 0x35)。

  2. 配列 id を 2 進数に変換するか、上の表の設定値を使用します。この変換には、dtcalc(1) などの計算ユーティリティが使用できます。

    チェコキーボードの場合、この値は 2 進数の 110101 です。

  3. スーパーユーザーになります。システムをシャットダウンし、電源を切ります。

  4. キーボード裏面の DIP スイッチの設定を手順 2 の 2 進数に変更します。

    左側が最初の DIP スイッチです。「1」の場合はスイッチを up に、「0」の場合はスイッチを down にします。

    したがって、チェコキーボードの 2 進数 110101 は up up down up down up になります。

  5. 電源を入れ、システムを起動します。


注 –

Type 4 キーボードとは異なり、Type 5、5c キーボードには、DIP スイッチが 5 つしかありません。Type 5、5c キーボードの場合は、2 進数の最初の桁を無視してください。たとえば、チェコ Type 5c キーボードの場合は最後の 5 桁 (10101) だけを使用するため、DIP スイッチの設定は「Up Down Up Down Up」になります。


Intel システムでのキーボードの変更

Intel アーキテクチャシステムの場合、キーボードは、インストールの kdmconfig(1M) 部分で選択されます。インストールした後でこれを変更する場合は、GUI デスクトップ環境を終了してコマンド行モードになります。スーパーユーザーとして kdmconfig を実行します。説明に従って、必要なキーボード配列を選択します。

キーボードの配列

次の図にアラビア語キーボードを示します。

図 3–1 アラビア語キーボード

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次の図にベルギー向けキーボードを示します。

図 3–2 ベルギー向けキーボード

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次の図にキリル文字キーボードを示します。

図 3–3 キリル (ロシア語) キーボード

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次の図にデンマーク語キーボードを示します。

図 3–4 デンマーク語キーボード

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次の図にフィンランド語キーボードを示します。

図 3–5 フィンランド語キーボード

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次の図にフランス語キーボードを示します。

図 3–6 フランス語キーボード

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次の図にドイツ語キーボードを示します。

図 3–7 ドイツ語キーボード

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次の図にイタリア語キーボードを示します。

図 3–8 イタリア語キーボード

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次の図に日本語キーボードを示します。

図 3–9 日本語キーボード

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次の図に韓国語キーボードを示します。

図 3–10 韓国語キーボード

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次の図にオランダ (オランダ語) キーボードを示します。

図 3–11 オランダ (オランダ語) キーボード

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次の図にノルウェー語キーボードを示します。

図 3–12 ノルウェー語キーボード

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次の図にポルトガル語キーボードを示します。

図 3–13 ポルトガル語キーボード

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次の図にスペイン語キーボードを示します。

図 3–14 スペイン語キーボード

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次の図にスウェーデン語キーボードを示します。

図 3–15 スウェーデン語キーボード

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次の図にスイス (フランス語) キーボードを示します。

図 3–16 スイス (フランス語) キーボード

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次の図にスイス (ドイツ語) キーボードを示します。

図 3–17 スイス (ドイツ語) キーボード

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次の図に繁体字中国語キーボードを示します。

図 3–18 繁体字中国語キーボード

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次の図にトルコ語 F キーボードを示します。

図 3–19 トルコ語 F キーボード

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次の図にトルコ語 Q キーボードを示します。

図 3–20 トルコ語 Q キーボード

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次の図にイギリス向けキーボードを示します。

図 3–21 イギリス向けキーボード

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次の図に米国向けキーボードを示します。

図 3–22 米国向けキーボード

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次の図に米国/UNIX キーボードを示します。

図 3–23 米国/UNIX キーボード

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