この章では、システム構成情報の事前設定について説明します。事前に設定を行うと、Solaris オペレーティング環境をインストールする際に、システム構成情報の入力を求めるプロンプトが表示されません。この章では、さらに、電源管理システム情報の事前設定についても説明します。この章の内容は次のとおりです。
どのインストール方法でも、周辺機器、ホスト名、IP (インターネットプロトコル) アドレス、ネームサービスなどのシステム構成情報が必要です。インストールプログラムは、構成情報の入力を求める前に、まず sysidcfg ファイルの情報を調べ、次にネームサービスデータベースの情報を調べます。
Solaris Web Start プログラム、Solaris suninstall プログラム、およびカスタム JumpStart インストールプログラムは、事前設定されたシステム構成情報を検出すると、その情報の入力を求めることはありません。たとえば、複数のシステムに Solaris 9 ソフトウェアをインストールする場合、時間帯を sysidcfg ファイル中またはネームサービスデータベース中に指定しておくと、Solaris 9 ソフトウェアのインストール時に時間帯を入力する手間が省けます。
システム構成情報を事前設定するには、2 つの方法があります。システム構成情報は以下の場所に設定できます。
sysidcfg ファイル (リモートシステム上またはフロッピーディスク)
自分のサイトで使用しているネームサービスデータベース
表 7–1 を使って、システム構成情報を事前設定するための方法を決定してください。
表 7–1 システム構成情報を事前設定するための方法
この情報はシステムに固有なため、各システム用に異なる sysidcfg ファイルを作成するよりも、ネームサービスを編集してください。
Solaris Web Start のインストール時にこの情報を構成できますが、sysidcfg ファイルやネームサービスを使用せずに行う必要があります。
このシステム構成情報は、sysidcfg ファイルまたはネームサービスでは事前設定できません。詳細は、SPARC: 電源管理情報の事前設定を参照してください。
sysidcfg ファイルに一連のキーワードを指定すると、システムを事前設定できます。表 7–2 は、これらのキーワードを示しています。
異なる構成情報を必要とするシステムごとに、固有の sysidcfg ファイルを作成する必要があります。すべてのシステムに同じ時間帯を割り当てる場合は、同じ sysidcfg ファイルを使用して、一連のシステムに時間帯を事前設定することができます。ただし、これらの各システムに異なる root (スーパーユーザー) パスワードを事前設定する場合は、各システムに固有の sysidcfg ファイルを作成する必要があります。
sysidcfg ファイルは、次のどちらかに置くことができます。
NFS ファイルシステム – sysidcfg ファイルを共有 NFS ファイルシステムに置く場合は、ネットワークからインストールできるようにシステムを設定するときに、add_install_client(1M) コマンドの -p オプションで Solaris 9 ソフトウェアのインストール時に sysidcfg ファイルが検索される場所を指定する必要があります。
UFS フロッピーディスクまたは PCFS フロッピーディスク – sysidcfg ファイルをフロッピーディスクのルート (/) ディレクトリに置きます。
カスタム JumpStart インストールを行なっていて、フロッピーディスク上の sysidcfg ファイルを使用したい場合は、プロファイルフロッピーディスク上に sysidcfg ファイルを置く必要があります。プロファイルフロッピーディスクを作成するには、スタンドアロンシステム用のプロファイルフロッピーディスクの作成を参照してください。
1 つのディレクトリまたはフロッピーディスクには、1 つの sysidcfg ファイルだけを入れることができます。複数の sysidcfg ファイルを作成する場合は、各ファイルを異なるディレクトリまたは異なるフロッピーディスクに置く必要があります。
sysidcfg ファイルで使用するキーワードには、非依存型と依存型の 2 種類があります。依存型キーワードは、非依存型キーワード内でのみ固有であることが保証されています。依存型キーワードは、対応する非依存型キーワードによって識別される場合にのみ存在します。
次の例では、name_service が非依存型キーワードであり、domain_name と name_server が依存型キーワードです。
name_service=NIS {domain_name=marquee.central.sun.com name_server=connor(129.152.112.3)} |
構文規則 |
コメント例 |
---|---|
非依存型キーワードは任意の順序で指定可能 |
pointer=MS-S display=ati {size=15-inch} |
キーワードは大文字と小文字のどちらでもよい |
TIMEZONE=US/Central terminal=PC Console |
関連する非依存型キーワードを結合するには、すべての依存型キーワードを中括弧 { } で囲む |
name_service=NIS {domain_name=marquee.central.sun.com name_server=connor(129.152.112.3)} |
値は単一引用符 (') または二重引用符 (“) で囲んで指定可能 |
network_interface='none' |
キーワードは 1 回だけ指定可能。キーワードを複数回指定した場合は最初のキーワードだけが有効 |
network_interface=none network_interface=le0 |
表 7–2 に、sysidcfg ファイルで使用できるキーワードを示します。
表 7–2 sysidcfg キーワード
構成情報 |
キーワード |
使用例または設定値 |
---|---|---|
ネームサービス、ドメイン名、ネームサーバー |
name_service=NIS, NIS+, DNS, LDAP, NONE | |
NIS と NIS+ 用オプション: {domain_name=domain_name name_server=hostname(ip_address)} |
name_service=NIS {domain_name=west.arp.com name_server=timber(129.221.2.1)} name_service=NIS+ {domain_name=west.arp.com. name_server=timber(129.221.2.1)} |
|
DNS 用オプション: {domain_name=domain_name name_server=ip_address,ip_address, ip_address (最大 3 個) search=domain_name,domain_name,domain_name,domain_name,domain_name, domain_name (最大 6 個、合計の長さが 250 文字以下)} |
name_service=DNS {domain_name=west.arp.com name_server=10.0.1.10,10.0.1.20 search=arp.com,east.arp.com} 注 – name_service は 1 つの値だけを選択します。必要に応じて、domain_name と name_server キーワードのどちらか一方または両方を設定するか、あるいはどちらも含めません。どちらのキーワードも使用しない場合、中括弧 { } は省略します。 |
|
LDAP 用オプション: {domain_name=domain_name profile=profile_name profile_server=ip_address proxy_dn="proxy_bind_dn" proxy_password=password} |
name_service=LDAP {domain_name=west.arp.com profile=default profile_server=129.221.2.1 proxy_dn="cn=proxyagent,ou=profile, dc=west,dc=arp,dc=com" proxy_password=password} 注 – proxy_dn および proxy_password キーワードは省略可能です。proxy_dn 値は、二重引用符で囲む必要があります。 |
|
ネットワークインタフェース、ホスト名、IP アドレス、ネットマスク、DHCP、IPv6 |
network_interface=NONE, PRIMARY, value |
|
DHCP を使用する場合、次のように指定する。 {dhcp protocol_ipv6=yes_or_no} |
network_interface=primary {dhcp protocol_ipv6=yes} |
|
|
DHCP を使用しない場合、次のように指定する。 {hostname=host_name default_route=ip_address or NONE ip_address=ip_address netmask=netmask protocol_ipv6=yes_or_no} 注 – DHCP を使用しない場合、protocol_ipv6=yes と default_route は指定する必要がありません。ただし、JumpStart インストールの場合、この時点で protocol_ipv6 を指定する必要があります。指定がないと、後で対話方式で入力を要求されます。 |
network_interface=le0 {hostname=feron default_route=129.146.88.1 ip_address=129.146.88.210 netmask=255.255.0.0 protocol_ipv6=no} 注 – network_interface は、1 つの値だけを選択します。必要に応じて、hostname、ip_address、netmask キーワードのどれかを組み合わせて設定するか、あるいはどれも設定しません。どのキーワードも使用しない場合、中括弧 { } は省略します。 |
root パスワード |
root_password=root_password |
/etc/shadow にある暗号化された文字列 |
セキュリティポリシー |
security_policy=kerberos, NONE Kerberos 用オプション: {default_realm=FQDN admin_server=FQDN kdc=FQDN1, FQDN2, FQDN3} (FQDN は完全修飾ドメイン名です。) |
security_policy=kerberos {default_realm=Yoursite.COM admin_server=krbadmin.Yoursite.COM kdc=kdc1.Yoursite.COM, kdc2.Yoursite.COM} 注 – 最大 3 つの鍵発行センター (KDC) をリストできます。少なくとも 1 つは必須です。 |
インストールプログラムとデスクトップで表示する言語 |
system_locale=locale |
有効なロケール値が、/usr/lib/locale ディレクトリまたは第 40 章「ロケールの値 (リファレンス)」にあります。 |
端末タイプ |
terminal=terminal_type |
有効な端末値が /usr/share/lib/terminfo ディレクトリのサブディレクトリにあります。 |
時間帯 |
timezone=timezone |
有効な時間帯値が /usr/share/lib/zoneinfo ディレクトリのサブディレクトリとファイルにあります。時間帯値は /usr/share/lib/zoneinfo ディレクトリからの相対パス名です。たとえば、米国の山岳部標準時の時間値は US/Mountain です。日本の時間帯値は Japan です。また、有効な Olson 時間帯も指定できます。 |
日付と時刻 |
timeserver=localhost, hostname, ip_addr |
localhost を指定した場合は、そのシステムの時刻が正しいものと仮定し、時刻が設定されます。ネームサービスを実行していなくて、あるシステムの hostname または ip_addr を指定した場合は、そのシステムの時刻を使って時刻が設定されます。 |
IA: モニタータイプ |
monitor=monitor_type |
インストールしたいシステム上で kdmconfig -d filename を実行すると、その出力が sysidcfg ファイルに追加されます。 |
IA: キーボード言語、キーボード配置 |
keyboard=keyboard_language {layout=value} |
インストールしたいシステム上で kdmconfig -d filename を実行すると、その出力が sysidcfg ファイルに追加されます。 |
IA: グラフィックスカード、画面サイズ、カラー深度、表示解像度 |
display=graphics_card {size=screen_size depth=color_depth resolution=screen_resolution} |
インストールしたいシステム上で kdmconfig -d filename を実行すると、その出力が sysidcfg ファイルに追加されます。 |
IA: ポインティングデバイス、ボタン数、IRQ レベル |
pointer=pointing_device {nbuttons=number_buttons irq=value} |
インストールしたいシステム上で kdmconfig -d filename を実行すると、その出力が sysidcfg ファイルに追加されます。 |
テキストエディタを使って sysidcfg という名前のファイルを作成します。
必要な sysidcfg のキーワードを入力します。
sysidcfg ファイルを保存します。
複数の sysidcfg ファイルを作成する場合は、それぞれのファイルを別々のディレクトリまたは別々のフロッピーディスクに保存する必要があります。
クライアントから次のファイルシステムまたはディレクトリを介して sysidcfg ファイルにアクセスできるようにします。
共有 NFS ファイルシステム。ネットワークからインストールできるようにシステムを設定するには、add_install_client(1M) に -p オプションを指定します。
UFS フロッピーディスクまたは PCFS フロッピーディスクのルート(/) ディレクトリ
一連の SPARC システムのための sysidcfg ファイルの例を次に示します。これらのシステムのホスト名、IP アドレス、およびネットマスクは、ネームサービスを編集することにより、すでに事前設定されています。このファイルにはすべてのシステム構成情報が事前設定されているので、カスタム JumpStart プロファイルを使ってカスタム JumpStart インストールを実行できます。
system_locale=en_US timezone=US/Central terminal=sun-cmd timeserver=localhost name_service=NIS {domain_name=marquee.central.sun.com name_server=connor(129.152.112.3)} root_password=m4QPOWNY network_interface=le0 {hostname=feron default_route=129.146.88.1 ip_address=129.146.88.210 netmask=255.255.0.0 protocol_ipv6=no} security_policy=kerberos {default_realm=Yoursite.COM admin_server=krbadmin.Yoursite.COM kdc=kdc1.Yoursite.COM, kdc2.Yoursite.COM} |
一連の IA システムで、キーボード、グラフィックスカード、ポインティングデバイスがすべて同じ場合の sysidcfg ファイルの例を次に示します。これらのデバイス情報 (keyboard、display、 pointer) は、kdmconfig(1M) -d コマンドを実行して取得したものです。この例では、Solaris インストールプログラムで使用される言語 (system_locale) を選択するプロンプトがインストール前に表示されます。
keyboard=ATKBD {layout=US-English} display=ati {size=15-inch} pointer=MS-S timezone=US/Central timeserver=connor terminal=ibm-pc name_service=NIS {domain_name=marquee.central.sun.com name_server=connor(129.152.112.3)} root_password=URFUni9 |
sysidcfg ファイルで使用するキーワードには、非依存型と依存型の 2 種類があります。依存型キーワードは、非依存型キーワード内でのみ固有であることが保証されています。依存型キーワードは、対応する非依存型キーワードによって識別される場合にのみ存在します。
次の例では、name_service が非依存型キーワードであり、domain_name と name_server が依存型キーワードです。
name_service=NIS {domain_name=marquee.central.sun.com name_server=connor(129.152.112.3)} |
構文規則 |
コメント例 |
---|---|
非依存型キーワードは任意の順序で指定可能 |
pointer=MS-S display=ati {size=15-inch} |
キーワードは大文字と小文字のどちらでもよい |
TIMEZONE=US/Central terminal=PC Console |
関連する非依存型キーワードを結合するには、すべての依存型キーワードを中括弧 { } で囲む |
name_service=NIS {domain_name=marquee.central.sun.com name_server=connor(129.152.112.3)} |
値は単一引用符 (') または二重引用符 (“) で囲んで指定可能 |
network_interface='none' |
キーワードは 1 回だけ指定可能。キーワードを複数回指定した場合は最初のキーワードだけが有効 |
network_interface=none network_interface=le0 |
表 7–2 に、sysidcfg ファイルで使用できるキーワードを示します。
表 7–2 sysidcfg キーワード
構成情報 |
キーワード |
使用例または設定値 |
---|---|---|
ネームサービス、ドメイン名、ネームサーバー |
name_service=NIS, NIS+, DNS, LDAP, NONE | |
NIS と NIS+ 用オプション: {domain_name=domain_name name_server=hostname(ip_address)} |
name_service=NIS {domain_name=west.arp.com name_server=timber(129.221.2.1)} name_service=NIS+ {domain_name=west.arp.com. name_server=timber(129.221.2.1)} |
|
DNS 用オプション: {domain_name=domain_name name_server=ip_address,ip_address, ip_address (最大 3 個) search=domain_name,domain_name,domain_name,domain_name,domain_name, domain_name (最大 6 個、合計の長さが 250 文字以下)} |
name_service=DNS {domain_name=west.arp.com name_server=10.0.1.10,10.0.1.20 search=arp.com,east.arp.com} 注 – name_service は 1 つの値だけを選択します。必要に応じて、domain_name と name_server キーワードのどちらか一方または両方を設定するか、あるいはどちらも含めません。どちらのキーワードも使用しない場合、中括弧 { } は省略します。 |
|
LDAP 用オプション: {domain_name=domain_name profile=profile_name profile_server=ip_address proxy_dn="proxy_bind_dn" proxy_password=password} |
name_service=LDAP {domain_name=west.arp.com profile=default profile_server=129.221.2.1 proxy_dn="cn=proxyagent,ou=profile, dc=west,dc=arp,dc=com" proxy_password=password} 注 – proxy_dn および proxy_password キーワードは省略可能です。proxy_dn 値は、二重引用符で囲む必要があります。 |
|
ネットワークインタフェース、ホスト名、IP アドレス、ネットマスク、DHCP、IPv6 |
network_interface=NONE, PRIMARY, value |
|
DHCP を使用する場合、次のように指定する。 {dhcp protocol_ipv6=yes_or_no} |
network_interface=primary {dhcp protocol_ipv6=yes} |
|
|
DHCP を使用しない場合、次のように指定する。 {hostname=host_name default_route=ip_address or NONE ip_address=ip_address netmask=netmask protocol_ipv6=yes_or_no} 注 – DHCP を使用しない場合、protocol_ipv6=yes と default_route は指定する必要がありません。ただし、JumpStart インストールの場合、この時点で protocol_ipv6 を指定する必要があります。指定がないと、後で対話方式で入力を要求されます。 |
network_interface=le0 {hostname=feron default_route=129.146.88.1 ip_address=129.146.88.210 netmask=255.255.0.0 protocol_ipv6=no} 注 – network_interface は、1 つの値だけを選択します。必要に応じて、hostname、ip_address、netmask キーワードのどれかを組み合わせて設定するか、あるいはどれも設定しません。どのキーワードも使用しない場合、中括弧 { } は省略します。 |
root パスワード |
root_password=root_password |
/etc/shadow にある暗号化された文字列 |
セキュリティポリシー |
security_policy=kerberos, NONE Kerberos 用オプション: {default_realm=FQDN admin_server=FQDN kdc=FQDN1, FQDN2, FQDN3} (FQDN は完全修飾ドメイン名です。) |
security_policy=kerberos {default_realm=Yoursite.COM admin_server=krbadmin.Yoursite.COM kdc=kdc1.Yoursite.COM, kdc2.Yoursite.COM} 注 – 最大 3 つの鍵発行センター (KDC) をリストできます。少なくとも 1 つは必須です。 |
インストールプログラムとデスクトップで表示する言語 |
system_locale=locale |
有効なロケール値が、/usr/lib/locale ディレクトリまたは第 40 章「ロケールの値 (リファレンス)」にあります。 |
端末タイプ |
terminal=terminal_type |
有効な端末値が /usr/share/lib/terminfo ディレクトリのサブディレクトリにあります。 |
時間帯 |
timezone=timezone |
有効な時間帯値が /usr/share/lib/zoneinfo ディレクトリのサブディレクトリとファイルにあります。時間帯値は /usr/share/lib/zoneinfo ディレクトリからの相対パス名です。たとえば、米国の山岳部標準時の時間値は US/Mountain です。日本の時間帯値は Japan です。また、有効な Olson 時間帯も指定できます。 |
日付と時刻 |
timeserver=localhost, hostname, ip_addr |
localhost を指定した場合は、そのシステムの時刻が正しいものと仮定し、時刻が設定されます。ネームサービスを実行していなくて、あるシステムの hostname または ip_addr を指定した場合は、そのシステムの時刻を使って時刻が設定されます。 |
IA: モニタータイプ |
monitor=monitor_type |
インストールしたいシステム上で kdmconfig -d filename を実行すると、その出力が sysidcfg ファイルに追加されます。 |
IA: キーボード言語、キーボード配置 |
keyboard=keyboard_language {layout=value} |
インストールしたいシステム上で kdmconfig -d filename を実行すると、その出力が sysidcfg ファイルに追加されます。 |
IA: グラフィックスカード、画面サイズ、カラー深度、表示解像度 |
display=graphics_card {size=screen_size depth=color_depth resolution=screen_resolution} |
インストールしたいシステム上で kdmconfig -d filename を実行すると、その出力が sysidcfg ファイルに追加されます。 |
IA: ポインティングデバイス、ボタン数、IRQ レベル |
pointer=pointing_device {nbuttons=number_buttons irq=value} |
インストールしたいシステム上で kdmconfig -d filename を実行すると、その出力が sysidcfg ファイルに追加されます。 |
テキストエディタを使って sysidcfg という名前のファイルを作成します。
必要な sysidcfg のキーワードを入力します。
sysidcfg ファイルを保存します。
複数の sysidcfg ファイルを作成する場合は、それぞれのファイルを別々のディレクトリまたは別々のフロッピーディスクに保存する必要があります。
クライアントから次のファイルシステムまたはディレクトリを介して sysidcfg ファイルにアクセスできるようにします。
共有 NFS ファイルシステム。ネットワークからインストールできるようにシステムを設定するには、add_install_client(1M) に -p オプションを指定します。
UFS フロッピーディスクまたは PCFS フロッピーディスクのルート(/) ディレクトリ
一連の SPARC システムのための sysidcfg ファイルの例を次に示します。これらのシステムのホスト名、IP アドレス、およびネットマスクは、ネームサービスを編集することにより、すでに事前設定されています。このファイルにはすべてのシステム構成情報が事前設定されているので、カスタム JumpStart プロファイルを使ってカスタム JumpStart インストールを実行できます。
system_locale=en_US timezone=US/Central terminal=sun-cmd timeserver=localhost name_service=NIS {domain_name=marquee.central.sun.com name_server=connor(129.152.112.3)} root_password=m4QPOWNY network_interface=le0 {hostname=feron default_route=129.146.88.1 ip_address=129.146.88.210 netmask=255.255.0.0 protocol_ipv6=no} security_policy=kerberos {default_realm=Yoursite.COM admin_server=krbadmin.Yoursite.COM kdc=kdc1.Yoursite.COM, kdc2.Yoursite.COM} |
一連の IA システムで、キーボード、グラフィックスカード、ポインティングデバイスがすべて同じ場合の sysidcfg ファイルの例を次に示します。これらのデバイス情報 (keyboard、display、 pointer) は、kdmconfig(1M) -d コマンドを実行して取得したものです。この例では、Solaris インストールプログラムで使用される言語 (system_locale) を選択するプロンプトがインストール前に表示されます。
keyboard=ATKBD {layout=US-English} display=ati {size=15-inch} pointer=MS-S timezone=US/Central timeserver=connor terminal=ibm-pc name_service=NIS {domain_name=marquee.central.sun.com name_server=connor(129.152.112.3)} root_password=URFUni9 |
次の表は、システム構成情報を事前設定するために編集および入力を行う必要があるネームサービスデータベースの概要を示したものです。
事前設定するシステム情報 |
ネームサービスデータベース |
---|---|
ホスト名と IP アドレス |
hosts |
日付と時刻 |
hosts。インストール対象のシステムに日付と時刻を提供するシステムのホスト名で timehost というホストの別名を持つマシンを使用します。 |
時間帯 |
timezone |
ネットマスク |
netmasks |
DNS や LDAP のネームサービスでは、システムのロケールを事前設定することはできません。NIS や NIS+ のネームサービスを使用する場合は、そのネームサービスの手順に従ってシステムのロケールを事前設定してください。
ネームサーバー上でスーパーユーザーになります。
/var/yp/Makefile ファイルを編集して、ロケールマップを追加します。
エントリの後に、以下を追加します。
locale.time: $(DIR)/locale -@if [ -f $(DIR)/locale ]; then \ sed -e "/^#/d" -e s/#.*$$// $(DIR)/locale \ | awk '{for (i = 2; i<=NF; i++) print $$i, $$0}' \ | $(MAKEDBM) - $(YPDBDIR)/$(DOM)/locale.byname; \ touch locale.time; \ echo "updated locale"; \ if [ ! $(NOPUSH) ]; then \ $(YPPUSH) locale.byname; \ echo "pushed locale"; \ else \ : ; \ fi \ else \ echo "couldn't find $(DIR)/locale"; \ fi |
文字列 all: を検索し、変数リストの最後に locale という語を挿入します。
all: passwd group hosts ethers networks rpc services protocols \ netgroup bootparams aliases publickey netid netmasks c2secure \ timezone auto.master auto.home locale |
ファイルの後方にある同じようなエントリの後に、文字列 locale: locale.time を追加します。
passwd: passwd.time group: group.time hosts: hosts.time ethers: ethers.time networks: networks.time rpc: rpc.time services: services.time protocols: protocols.time netgroup: netgroup.time bootparams: bootparams.time aliases: aliases.time publickey: publickey.time netid: netid.time passwd.adjunct: passwd.adjunct.time group.adjunct: group.adjunct.time netmasks: netmasks.time timezone: timezone.time auto.master: auto.master.time auto.home: auto.home.time locale: locale.time |
ファイルを保存します。
/etc/locale というファイルを作成し、ドメインまたは特定のシステムに対して1つのエントリを作成します。
locale domain_name |
または
locale system_name |
使用できるロケール値のリストについては、第 40 章「ロケールの値 (リファレンス)」を参照。
たとえば次の行は、worknet.com ドメインに対してデフォルト言語として日本語を指定しています。
ja worknet.com |
たとえば次の行は、charlie というシステムに対してデフォルトロケールとして ja_JP.UTF-8 ロケールを指定しています。
ja_JP.UTF-8 |
ロケールは、Solaris 9 DVD または Solaris 9 SOFTWARE 1 of 2 CD に入っています。
# cd /var/yp; make |
これでドメインまたは locale マップで個別に指定したシステムは、デフォルトのロケールを使用するように設定されました。ここで指定したデフォルトのロケールは、インストール時に使用されるとともに、システムのリブート後のデスクトップでも使用されます。
この手順は、NIS+ ドメインが設定されていると仮定しています。NIS+ ドメインの設定については、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』を参照してください。
ネームサーバーに、スーパーユーザーまたは NIS+ admin グループのユーザーとしてログインします。
# nistbladm -D access=og=rmcd,nw=r -c locale_tbl name=SI,nogw= locale=,nogw= comment=,nogw= locale.org_dir.`nisdefaults -d` |
# nistbladm -a name=name locale=locale comment=comment locale.org_dir.`nisdefaults -d` |
name |
デフォルトのロケールを事前設定したいドメイン名または特定のシステム名。 |
locale |
システムにインストールし、システムのリブート後にデスクトップ上で使用するロケール。使用できるロケール値のリストについては、第 40 章「ロケールの値 (リファレンス)」を参照。 |
comment |
コメントフィールド。複数の単語を使ったコメントは、前後を二重引用符で囲むこと。 |
ロケールは、Solaris 9 DVD または Solaris 9 SOFTWARE 1 of 2 CD に入っています。
これでドメインまたは locale テーブルで個別に指定したシステムは、デフォルトロケールを使用するように設定されました。ここで指定したデフォルトロケールは、インストール時に使用されるとともに、システムのリブート後のデスクトップでも使用されます。
ネームサーバー上でスーパーユーザーになります。
/var/yp/Makefile ファイルを編集して、ロケールマップを追加します。
エントリの後に、以下を追加します。
locale.time: $(DIR)/locale -@if [ -f $(DIR)/locale ]; then \ sed -e "/^#/d" -e s/#.*$$// $(DIR)/locale \ | awk '{for (i = 2; i<=NF; i++) print $$i, $$0}' \ | $(MAKEDBM) - $(YPDBDIR)/$(DOM)/locale.byname; \ touch locale.time; \ echo "updated locale"; \ if [ ! $(NOPUSH) ]; then \ $(YPPUSH) locale.byname; \ echo "pushed locale"; \ else \ : ; \ fi \ else \ echo "couldn't find $(DIR)/locale"; \ fi |
文字列 all: を検索し、変数リストの最後に locale という語を挿入します。
all: passwd group hosts ethers networks rpc services protocols \ netgroup bootparams aliases publickey netid netmasks c2secure \ timezone auto.master auto.home locale |
ファイルの後方にある同じようなエントリの後に、文字列 locale: locale.time を追加します。
passwd: passwd.time group: group.time hosts: hosts.time ethers: ethers.time networks: networks.time rpc: rpc.time services: services.time protocols: protocols.time netgroup: netgroup.time bootparams: bootparams.time aliases: aliases.time publickey: publickey.time netid: netid.time passwd.adjunct: passwd.adjunct.time group.adjunct: group.adjunct.time netmasks: netmasks.time timezone: timezone.time auto.master: auto.master.time auto.home: auto.home.time locale: locale.time |
ファイルを保存します。
/etc/locale というファイルを作成し、ドメインまたは特定のシステムに対して1つのエントリを作成します。
locale domain_name |
または
locale system_name |
使用できるロケール値のリストについては、第 40 章「ロケールの値 (リファレンス)」を参照。
たとえば次の行は、worknet.com ドメインに対してデフォルト言語として日本語を指定しています。
ja worknet.com |
たとえば次の行は、charlie というシステムに対してデフォルトロケールとして ja_JP.UTF-8 ロケールを指定しています。
ja_JP.UTF-8 |
ロケールは、Solaris 9 DVD または Solaris 9 SOFTWARE 1 of 2 CD に入っています。
# cd /var/yp; make |
これでドメインまたは locale マップで個別に指定したシステムは、デフォルトのロケールを使用するように設定されました。ここで指定したデフォルトのロケールは、インストール時に使用されるとともに、システムのリブート後のデスクトップでも使用されます。
この手順は、NIS+ ドメインが設定されていると仮定しています。NIS+ ドメインの設定については、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』を参照してください。
ネームサーバーに、スーパーユーザーまたは NIS+ admin グループのユーザーとしてログインします。
# nistbladm -D access=og=rmcd,nw=r -c locale_tbl name=SI,nogw= locale=,nogw= comment=,nogw= locale.org_dir.`nisdefaults -d` |
# nistbladm -a name=name locale=locale comment=comment locale.org_dir.`nisdefaults -d` |
name |
デフォルトのロケールを事前設定したいドメイン名または特定のシステム名。 |
locale |
システムにインストールし、システムのリブート後にデスクトップ上で使用するロケール。使用できるロケール値のリストについては、第 40 章「ロケールの値 (リファレンス)」を参照。 |
comment |
コメントフィールド。複数の単語を使ったコメントは、前後を二重引用符で囲むこと。 |
ロケールは、Solaris 9 DVD または Solaris 9 SOFTWARE 1 of 2 CD に入っています。
これでドメインまたは locale テーブルで個別に指定したシステムは、デフォルトロケールを使用するように設定されました。ここで指定したデフォルトロケールは、インストール時に使用されるとともに、システムのリブート後のデスクトップでも使用されます。
Solaris の電源管理ソフトウェアを使用すると、システムが 30 分間アイドル状態になると自動的にシステム状態を保存し電源を切ることができます。EPA の省電力 (Energy Star) ガイドラインのバージョン 2 に準拠したシステム (sun4u システムなど) に Solaris 9 ソフトウェアをインストールするときは、デフォルトで電源管理ソフトウェアもインストールされます。Solaris Web Start のインストール時に、インストールプログラムは、電源管理ソフトウェアを有効にするか、無効にするかの指定を求めます。suninstall インストールプログラムは、インストールが完了し、システムがリブートした後で、電源管理ソフトウェアを有効にするか無効にするかを指定するよう求めます。
システムが Energy Star バージョン 3 以降に対応している場合、この情報の入力は求められません。
対話式インストールを実行している場合は、電源管理情報を事前設定してプロンプトを回避する方法はありません。カスタム JumpStart インストールでは、finish スクリプトを使ってシステムに /autoshutdown または /noautoshutdown ファイルを作成することで、電源管理情報を事前設定できます。システムのリブート時に、/autoshutdown は電源管理ソフトウェアを有効にし、/noautoshutdown ファイルは電源管理ソフトウェアを無効にします。
たとえば、finish スクリプトに次の行を入れておくと電源管理ソフトウェアが有効になり、システムリブート後にプロンプトが表示されないようにすることができます。
touch /a/autoshutdown |
finish スクリプトの詳細は、finish スクリプトの作成を参照してください。