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Sun ONE Message Queue 開発者ガイド



はじめに


このマニュアルは、開発者が SunTM ONE Message Queue (MQ) 環境で、メッセージングアプリケーションを開発するために必要な概念と手順に関する情報を提供します。

ここでは、次の節について説明します。



マニュアルの対象読者

このマニュアルは、主として MQ メッセージングシステムを使用してメッセージを交換するアプリケーションの開発者を対象としています。

これらのアプリケーションは、Java Message Service (JMS) アプリケーションプログラミングインタフェース (API) と Java XML Messaging (JAXI) API を使用して、メッセージの作成、送受信、および読み込みを行います。JMS と JAXM の仕様はオープンスタンダードです。

この『開発者ガイド』では、JMS API と JMS プログラミングのガイドラインに精通していることを前提としています。このマニュアルでは、MQ メッセージングシステムの機能と柔軟性を最大限に活かして JMS クライアントアプリケーションを最適化する方法を説明します。

ただし、この『開発者ガイド』は、JAXM API または JAXM プログラミングのガイドラインに精通していることを前提としていません。これに関する資料は第 5 章「SOAP メッセージの操作」で説明します。ただし、XML の基本的な知識があることを前提としています。



マニュアルの構成



このマニュアルは、読者が全編を読み通すように構成されています。各章の内容を次の表で簡単に説明します。


表 1    マニュアルの内容

説明

第 1 章「概要」  

Sun ONE Message Queue、JMS の概念、およびプログラミングの問題に関する高レベルな概要  

第 2 章「クイックスタートチュートリアル」  

簡単なクライアントアプリケーションを例として使用し、MQ 開発環境に関する知識を習得するためのチュートリアル  

第 3 章「管理対象オブジェクトの使用」  

MQ管理対象オブジェクトの使用方法 (プロバイダに依存しない方法とプロバイダ固有の方法の両方) の説明  

第 4 章「クライアントの最適化」  

MQ クライアントランタイムの機能、およびクライアントアプリケーションを最適化するためにこれらの機能を使用する方法の説明  

第 5 章「SOAP メッセージの操作」  

MQ のサポートの有無に応じた、SOAP メッセージの送受信の方法の説明  

付録 A 「管理対象オブジェクトの属性」  

管理対象オブジェクトの属性に関する概要の説明  



マニュアルの表記規則



ここでは、このマニュアルで使用されている表記規則について説明します。


テキストの表記規則


表 2    マニュアルの表記規則 

書体

説明

斜体  

可変部分に使用される。斜体で表記された項目や値は適宜置き換える必要がある。強調するマニュアル名や説明の対象となる語句や項目に対しても使用される  

モノスペース
 

コード例、コマンド行に入力するコマンド、ディレクトリ、ファイルまたはパス名、エラーメッセージテキスト、クラス名、メソッド名 (署名の全要素を含む)、パッケージ名、予約語、および URL を表す  

[]  

コマンド行の構文ステートメントのオプションの値を示す  

すべて大文字  

ファイルシステムタイプ (GIF、TXT、HTML など)、環境変数 (IMQ_HOME)、または頭文字 (MQ、JSP) を表す  

キー + キー  

複数のキーストロークはプラス記号で結合する。Ctrl+A は、両方のキーを同時に押すことを表す  

キー - キー  

連続するキーストロークはハイフンで結合する。Esc-S は、Esc キーを押してから離し、次に S キーを押すことを表す  


環境変数の表記規則

MQ では 3 種類の環境変数が使用されますが、その使用方法は、プラットフォームによって異なります。表 3 では、これらの環境変数について説明し、Solaris、Windows、および Linux の各プラットフォームでの使用方法についても概説します。


表 3    MQ 環境変数 

環境変数

説明

IMQ_HOME  

ルート MQ インストールディレクトリ。インストールされたファイルはすべてこのディレクトリ内に配置される

  • Solaris の場合、ルート MQ インストールディレクトリは存在しない。IMQ_HOME が MQ ソフトウェアで使用されることも、Solaris 上のファイルの場所を示すために MQ マニュアルで使用されることもない

  • Solaris 上の Sun ONE Application Server の Evaluation Edition では、MQ ソフトウェアが IMQ_HOME を使用することはないが、ルート MQインストールディレクトリ (Application Server インストールの ルートディレクトリの下にある、imq サブディレクトリ) を示すために MQ マニュアルで使用される

  • Windows の場合、IMQ_HOME は MQ ソフトウェアでも使用され、また ルート MQ インストールディレクトリを示すために MQ マニュアルでも使用される。IMQ_HOME の値は、MQ インストーラにより設定される (デフォルトでは C:¥Program Files¥Sun Microsystems¥Message Queue 3.0)

  • Linux の場合、IMQ_HOME は MQ ソフトウェアでは使用されないが、ルート MQ インストールディレクトリを示すために、MQ マニュアルで使用される (デフォルトでは /opt の下の imq サブディレクトリ)

 

IMQ_VARHOME  

MQ の一時的または動的に作成された構成ファイルやデータファイルが格納されている、/var ディレクトリを示す

  • Solaris の場合、IMQ_VARHOME は、デフォルトで /var/imq ディレクトリに設定されるが、ユーザはオプションでこの値を任意のディレクトリに設定できる

  • Solaris 上の Sun ONE Application Server の Evaluation Edition では、IMQ_VARHOME は、デフォルトで IMQ_HOME/var に設定されるが、ユーザはオプションでこの値を任意のディレクトリに設定できる

  • Windows の場合、IMQ_VARHOME は、デフォルトで IMQ_HOME/var に設定されるが、ユーザはオプションでこの値を任意のディレクトリに設定できる

  • Linux の場合、IMQ_VARHOME は、デフォルトで IMQ_HOME/var に設定されるが、ユーザはオプションでこの値を任意のディレクトリに設定できる

 

IMQ_JAVAHOME  

MQ 実行可能ファイルが必要とする Java ランタイム (JRE 1.4) の場所を示す

  • Solaris の場合、IMQ_JAVAHOME は、デフォルトで /usr/j2se/jre ディレクトリに設定されるが、ユーザはオプションでこの値を JRE 1.4 がインストールされている任意の値に設定できる

  • Windows の場合、IMQ_JAVAHOME は、デフォルトで IMQ_HOME/jre に設定されるが、ユーザはオプションでこの値を JRE 1.4 がインストールされている任意の値に設定できる

  • Linux の場合、IMQ_JAVAHOME は、デフォルトで /usr/java/j2sdk1.0/jre ディレクトリに設定されるが、ユーザはオプションでこの値を JRE 1.4 がインストールされている任意の値に設定できる

 

このマニュアルで、IMQ_HOMEIMQ_VARHOME、および IMQ_JAVAHOME は、プラットフォーム固有の環境変数の表記法や構文 (UNIX の $IMQ_HOME など) に関係なく示されています。すべてのパス名には、UNIX のファイル区切り文字の表記法 (/) が使用されています。



関連マニュアル



このマニュアル以外にも、MQ には追加のマニュアルリソースが用意されています。


MQ マニュアルセット

表 4 に MQ マニュアルセットに含まれる各マニュアルを、通常使用する順に一覧表示します。


表 4    MQ マニュアルセット 

マニュアル

対象読者

説明

MQ インストールガイド  

開発者および管理者  

Solaris、Linux、および Windows の各プラットフォームで MQ ソフトウェアをインストールする方法を説明する  

リリースノート  

開発者および管理者  

新機能、制限事項、既知のバグ、および技術的な注意点を説明する  

MQ 開発者ガイド  

開発者  

MQ の JMS 実装に関連するクイックスタートチュートリアルおよびプログラミング情報を提供する  

MQ 管理者ガイド  

管理者。開発者にも推奨  

MQ 管理ツールを使用して管理タスクを実行するために必要な基本情報を提供する  


JavaDoc

JavaDoc 形式の JMS および MQ API マニュアルは、次の場所にあります。

IMQ_HOME/javadoc/index.html
(Solaris では、/usr/share/javadoc/imq/index.html)

このマニュアルは、Netscape または Internet Explorer などの HTML ブラウザで表示できます。このマニュアルには、標準の JMS API マニュアルおよび MQ 管理対象オブジェクト用の MQ 固有の API が含まれており (第 3 章「管理対象オブジェクトの使用」を参照)、メッセージングアプリケーションの開発者にとって有用です。


クライアントアプリケーションの例

複数のアプリケーションの例が次の場所に用意されており、サンプルのクライアントアプリケーションコードを参照できます。

IMQ_HOME/demo (Solaris では/usr/demo/imq)

このディレクトリと各サブディレクトリの中に配置されている README ファイルを参照してください。


Java Message Service (JMS) 仕様書

JMS 仕様書は、次のサイトにあります。

http://java.sun.com/products/jms/docs.html

この仕様書には、サンプルのクライアントコードも掲載されています。


Java XML Messaging (JAXM) 仕様書

JAXM 仕様書は、次のサイトにあります。

http://java.sun.com/xml/downloads/jaxm.html

この仕様書には、サンプルのクライアントコードも掲載されています。


JMS プログラミングに関する参考文献

JMS API の基礎知識を身につける上で役立つ一般書籍を次に紹介します。

  • 『Java Message Service』、Richard Morson-Haefel、David A. Chappell 共著、O'Reilly and Associates, Inc. (Sebastopol, CA)

  • 『Professional JMS Programming』、Scott Grant、Michael P. Kovacs、Meeraj Kunnumpurath、Silvano Maffeis、K. Scott Morrison、Gopalan Suresh Raj、Paul Giotta、James McGovern 共著、Wrox Press Inc.、ISBN: 1861004931

  • 『Practical Java Message Service』、Tarak Modi 著、Manning Publications、ISBN: 1930110138


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最終更新日 2002 年 6 月 19 日