Solaris Bandwidth Manager 1.6 のシステム管理

batool の使用

この節では、batool を起動して操作する方法を説明します。また、使用できる運用モードについても説明します。

batool をアプリケーションとして起動する

batool は、次のように起動できます。

batool をアプリケーションとして起動する場合、ローカルシステムまたはリモートシステム上にある Solaris Bandwidth Manager を設定できます。

  1. batool スクリプトを実行して、batool アプリケーションを起動します。


    hostname% /opt/SUNWconn/ba/sbin/batool
    

    アプリケーションウィンドウが起動して、batool の「概要」ウィンドウが表示されます。

batool をアプレットとして起動する
  1. Solaris Bandwidth Manager がインストールされているシステムで、root として、Solaris Bandwidth Manager のポリシーエージェントを起動します。


    # /etc/init.d/bagent.control start
    

  2. /opt/SUNWconn/ba/html と、Web サーバー用の文書ルートの下にあるディレクトリ (badir) との間にリンクを作成します。

    Web サーバーは、Solaris Bandwidth Manager と同じマシンにインストールする必要があります。

  3. ローカルのシステム上で、ブラウザを起動して、 http://hostname/badir/batool.html という URL を表示します。 hostname は、Solaris Bandwidth Manager が動作しているシステムの名前です。badir は、/opt/SUNWconn/ba/html へのリンクを含むディレクトリです。

ホストシステムへの接続

batool を使って Solaris Bandwidth Manager が動作しているシステムを設定するときは、Solaris Bandwidth Manager ソフトウェアが動作しているホストに接続する必要があります。これは、Solaris Bandwidth Manager ソフトウェアがローカルのシステムにインストールされている場合にも適用されます。

Solaris Bandwidth Manager がインストールされているシステムに接続するには、「接続」メニューから「接続する」を選択します。接続ダイアログボックスが表示されるので、次の項目を指定します。

ユーザー名とパスワードが有効であれば、「概要」ウィンドウが表示されます。


注 -

ユーザー名またはパスワードを指定せずにログインした場合、構成情報は読み取り専用になります。


ディレクトリサービスへの接続

Solaris Bandwidth Manager の設定がディレクトリサービスに格納されている場合、まず、ディレクトリサービスに接続する必要があります。ディレクトリサービスに接続するには、「ファイル」メニューから「開く」の「URL ..」を選択します。「URL」フィールドに、使用したいディレクトリの URL を入力してください。

URL には ldap://host:port/distinguishedName の形式を使用します。 distinguishedName は、一連のサブエントリと属性の中に、設定情報を格納しているディレクトリツリーのエントリです。

ディレクトリの設定内容が開いて、アプリケーションウィンドウが「概要」ウィンドウを表示します。Solaris Bandwidth Manager でディレクトリサービスを使用する方法については、第 6 章「Solaris Bandwidth Manager でディレクトリサービスを使用する設定」を参照してください。

オンラインモードとオフラインモードの作業

Solaris Bandwidth Manager の設定はオンラインモードでもオフラインモードでも行うことができます。このモードは、設定への変更の処理方法を決定します。オンラインモードとオフラインモードを切り替えるには、ツールバーの左上にあるボタンを使用します。

変更内容は設定ファイルへ自動的には保存されません。設定ファイルへ保存するには、「ファイル」メニューから「保存」を選択します。

オンラインモードでの batool の実行

オンラインモードを使用すると、batool を動的に設定できます。変更を行うと、カーネルモジュールの設定が即座に更新されます。オンラインモードは、ネットワークに問題が発生し、一時的な変更が即座に必要な場合に便利です。オンラインモードを使用すると、変更を保存する前に、設定の結果を観察できます。


注意 - 注意 -

オンラインモードで設定ファイルを変更するときは、変更内容が即座に反映されるため、特に注意する必要があります。たとえば、自分の接続への帯域幅割り振りを減らすと、ホストシステムへの接続が切断される可能性もあります。


オフラインモードでの batool の実行

オフラインモードを使用すると、カーネルモジュールの現在の動作に影響を与えずに、Solaris Bandwidth Manager の設定ファイルを編集できます。オフラインモードは、設定を複数箇所変更し、次回のポリシーエージェントの再起動時に変更内容を実装したい場合に便利です。オフラインモードはデフォルトのモードです。

batool での操作

batool にはメニューとアイコンバーがあります。これらを使って、batool を操作して設定内容を変更できます。

「ファイル」メニューとアイコンパネルの使用

「ファイル」メニューを使って、新しい設定ファイルを作成したり、(ファイル名または URL を指定して) 既存の設定ファイルを開いたり、設定ファイルへ上書き保存したり、設定ファイルを別名で保存したりできます。また、現在の設定内容をファイルへ保存し、Solaris Bandwidth Manager のポリシーエージェントを再起動することも可能です。

あるいは、次のアイコンパネルを使用しても、ほとんど同じ作業ができます。

アイコン 

メニュー項目 

説明 

Graphic

なし 

画面表示をリフレッシュする 

なし 

新規 

新しい設定ファイルを作成する 

Graphic

開く 

指定したファイルを開いて、その内容を「概要」ウィンドウに表示する 

Graphic

保存 

ファイルへ保存する。ファイルが一度も保存されていない場合、ファイル選択ウィンドウでファイル名とディレクトリを指定する。ファイル名の拡張子は .conf

なし 

別名保存 

新しい名前で設定ファイルへ保存する。あるいは、指定した URL を使ってディレクトリサービスに書き込む 

Graphic

保存して再起動 

設定ファイルへ保存して、保存した設定ファイルを使って、ポリシーエージェントを再起動する 

なし 

URL で再起動 

URL で指定したディレクトリサービスに保存されている設定内容を使って、ポリシーエージェントを再起動する 

「編集」メニューとアイコンパネルの使用

「編集」メニューを使って、batool のほとんどのウィンドウで、定義内容を作成、カット、コピー、およびペーストできます。各オプションの正確な機能は、有効なウィンドウによって異なります。たとえば、ペーストオプションは、「URL グループ」ウィンドウでは URL グループをペーストし、「クラス」ウィンドウではクラスを子または兄弟としてペーストします。

あるいは、次のアイコンパネルを使用しても、「編集」メニューと同じ作業ができます。

アイコン 

メニュー項目 

説明 

Graphic

新規 

新しい定義を作成する。新しいクラスを作成する場合、そのクラスは現在選択している定義の子として追加される。新しい定義の名前は常に new であり、設定内容を保存する前には変更してください

Graphic

カット 

定義を定義階層から削除する 

Graphic

コピー 

定義を複製し、選択したコピー先の子として追加する。子の定義内容はオリジナルの定義内容からパラメータ値と名前 (数字が追加される) を継承する 

Graphic

ペースト 

選択したペースト先の子として定義を追加する 

GraphicGraphic

なし 

定義階層を上下に移動する 

以降の指示の中で「編集」メニューを使用する箇所では、上記アイコンを使用できます。