この節では、batool を起動して操作する方法を説明します。また、使用できる運用モードについても説明します。
ローカルマシンのアプリケーションとして起動します。アプリケーションとして起動するには、SUNWbac パッケージと SUNWbat パッケージをインストールしておく必要があります。
Java プラグインを持つ NetscapeTM 5.1 以降、またはその互換バージョンなどのブラウザからアクセスするアプレットとして起動します。リモートのシステムを設定する場合は、Sun WebServerTM などの Web サーバーを Solaris Bandwidth Manager が動作しているシステムにインストールしておく必要があります。
batool をアプリケーションとして起動する場合、ローカルシステムまたはリモートシステム上にある Solaris Bandwidth Manager を設定できます。
batool スクリプトを実行して、batool アプリケーションを起動します。
hostname% /opt/SUNWconn/ba/sbin/batool |
アプリケーションウィンドウが起動して、batool の「概要」ウィンドウが表示されます。
Solaris Bandwidth Manager がインストールされているシステムで、root として、Solaris Bandwidth Manager のポリシーエージェントを起動します。
# /etc/init.d/bagent.control start |
/opt/SUNWconn/ba/html と、Web サーバー用の文書ルートの下にあるディレクトリ (badir) との間にリンクを作成します。
Web サーバーは、Solaris Bandwidth Manager と同じマシンにインストールする必要があります。
ローカルのシステム上で、ブラウザを起動して、 http://hostname/badir/batool.html という URL を表示します。 hostname は、Solaris Bandwidth Manager が動作しているシステムの名前です。badir は、/opt/SUNWconn/ba/html へのリンクを含むディレクトリです。
batool を使って Solaris Bandwidth Manager が動作しているシステムを設定するときは、Solaris Bandwidth Manager ソフトウェアが動作しているホストに接続する必要があります。これは、Solaris Bandwidth Manager ソフトウェアがローカルのシステムにインストールされている場合にも適用されます。
Solaris Bandwidth Manager がインストールされているシステムに接続するには、「接続」メニューから「接続する」を選択します。接続ダイアログボックスが表示されるので、次の項目を指定します。
Solaris Bandwidth Manager ソフトウェアをホストしているサーバー名
サーバーに対するユーザー名。これは、Solaris Bandwidth Manager ソフトウェアをインストールしたときに設定したユーザー名。/etc/opt/SUNWconn/ba/agent.properties ファイルに定義されている
サーバーに対するパスワード。これは、Solaris Bandwidth Manager ソフトウェアをインストールしたときに設定したパスワード。/etc/opt/SUNWconn/ba/agent.properties ファイルに定義されている。「接続」メニューの「パスワードを変更」オプションを使って、パスワードを変更できる
ユーザー名とパスワードが有効であれば、「概要」ウィンドウが表示されます。
ユーザー名またはパスワードを指定せずにログインした場合、構成情報は読み取り専用になります。
Solaris Bandwidth Manager の設定がディレクトリサービスに格納されている場合、まず、ディレクトリサービスに接続する必要があります。ディレクトリサービスに接続するには、「ファイル」メニューから「開く」の「URL ..」を選択します。「URL」フィールドに、使用したいディレクトリの URL を入力してください。
URL には ldap://host:port/distinguishedName の形式を使用します。 distinguishedName は、一連のサブエントリと属性の中に、設定情報を格納しているディレクトリツリーのエントリです。
ディレクトリの設定内容が開いて、アプリケーションウィンドウが「概要」ウィンドウを表示します。Solaris Bandwidth Manager でディレクトリサービスを使用する方法については、第 6 章「Solaris Bandwidth Manager でディレクトリサービスを使用する設定」を参照してください。
Solaris Bandwidth Manager の設定はオンラインモードでもオフラインモードでも行うことができます。このモードは、設定への変更の処理方法を決定します。オンラインモードとオフラインモードを切り替えるには、ツールバーの左上にあるボタンを使用します。
変更内容は設定ファイルへ自動的には保存されません。設定ファイルへ保存するには、「ファイル」メニューから「保存」を選択します。
オンラインモードを使用すると、batool を動的に設定できます。変更を行うと、カーネルモジュールの設定が即座に更新されます。オンラインモードは、ネットワークに問題が発生し、一時的な変更が即座に必要な場合に便利です。オンラインモードを使用すると、変更を保存する前に、設定の結果を観察できます。
オンラインモードで設定ファイルを変更するときは、変更内容が即座に反映されるため、特に注意する必要があります。たとえば、自分の接続への帯域幅割り振りを減らすと、ホストシステムへの接続が切断される可能性もあります。
オフラインモードを使用すると、カーネルモジュールの現在の動作に影響を与えずに、Solaris Bandwidth Manager の設定ファイルを編集できます。オフラインモードは、設定を複数箇所変更し、次回のポリシーエージェントの再起動時に変更内容を実装したい場合に便利です。オフラインモードはデフォルトのモードです。
batool にはメニューとアイコンバーがあります。これらを使って、batool を操作して設定内容を変更できます。
「ファイル」メニューを使って、新しい設定ファイルを作成したり、(ファイル名または URL を指定して) 既存の設定ファイルを開いたり、設定ファイルへ上書き保存したり、設定ファイルを別名で保存したりできます。また、現在の設定内容をファイルへ保存し、Solaris Bandwidth Manager のポリシーエージェントを再起動することも可能です。
あるいは、次のアイコンパネルを使用しても、ほとんど同じ作業ができます。
アイコン |
メニュー項目 |
説明 |
---|---|---|
|
なし |
画面表示をリフレッシュする |
なし |
新規 |
新しい設定ファイルを作成する |
|
開く |
指定したファイルを開いて、その内容を「概要」ウィンドウに表示する |
|
保存 |
ファイルへ保存する。ファイルが一度も保存されていない場合、ファイル選択ウィンドウでファイル名とディレクトリを指定する。ファイル名の拡張子は .conf |
なし |
別名保存 |
新しい名前で設定ファイルへ保存する。あるいは、指定した URL を使ってディレクトリサービスに書き込む |
|
保存して再起動 |
設定ファイルへ保存して、保存した設定ファイルを使って、ポリシーエージェントを再起動する |
なし |
URL で再起動 |
URL で指定したディレクトリサービスに保存されている設定内容を使って、ポリシーエージェントを再起動する |
「編集」メニューを使って、batool のほとんどのウィンドウで、定義内容を作成、カット、コピー、およびペーストできます。各オプションの正確な機能は、有効なウィンドウによって異なります。たとえば、ペーストオプションは、「URL グループ」ウィンドウでは URL グループをペーストし、「クラス」ウィンドウではクラスを子または兄弟としてペーストします。
あるいは、次のアイコンパネルを使用しても、「編集」メニューと同じ作業ができます。
アイコン |
メニュー項目 |
説明 |
---|---|---|
|
新規 |
新しい定義を作成する。新しいクラスを作成する場合、そのクラスは現在選択している定義の子として追加される。新しい定義の名前は常に new であり、設定内容を保存する前には変更してください |
|
カット |
定義を定義階層から削除する |
|
コピー |
定義を複製し、選択したコピー先の子として追加する。子の定義内容はオリジナルの定義内容からパラメータ値と名前 (数字が追加される) を継承する |
|
ペースト |
選択したペースト先の子として定義を追加する |
|
なし |
定義階層を上下に移動する |
以降の指示の中で「編集」メニューを使用する箇所では、上記アイコンを使用できます。