ソフトウェア使用率監視システムは、クライアント/サーバー環境でも、また共有ファイルシステム環境でも使用できます。ソフトウェア使用率監視機能は、環境によって異なる働きをします。この節では、環境別のソフトウェア使用率監視機能の動作について説明します。
図 13-1 に、クライアント/サーバー環境でソフトウェア使用率監視機能を実行した場合の、イベントの流れを示します。
クライアントに swu_svr デーモン、マスターログファイル、swu_print コマンドがインストールされている場合、そのクライアントは監視サーバーとしても機能します。
イベントの流れについて説明します。
swu_rpt コマンドまたは関数が、コマンド行、シェルスクリプト、アプリケーションのいずれかから、監視サーバーまたはクライアント上で起動されます。
swu_rpt コマンドまたは関数は、指定のプログラムに関するソフトウェア使用率レポートのエントリをローカルの待ち行列に作成します (エントリの種類は、swu_rpt コマンドまたは関数で使われているオプションによって決まります)。
ローカルの待ち行列が無効になっている場合、レポートエントリはログに保存されません。
swu_queue コマンドを使用する cron ジョブ (スーパーユーザーの crontab から実行) がクライアントまたはサーバー上で実行され、ローカルの待ち行列にある情報をソフトウェア使用率監視サーバー上で実行中の swu_svr デーモンに転送 (フラッシュ) します。
スーパーユーザーは、コマンド行から swu_queue コマンドと -F オプションを使って、ファイルをローカルの待ち行列から swu_svr デーモンに手動で転送できます。
swu_svr デーモンは、swu_queue コマンドから受信したレポートエントリをマスターログファイル (/var/opt/SUNWswusg/swusage.log) または監視サーバー上で swu_svr デーモンの起動時に指定されたファイルに保存します。
swu_svr デーモンが、エントリに指定されている監視サーバー上で実行されていない場合、ローカルの待ち行列にあるそのエントリは待ち行列から削除されます。
swu_print コマンドは、マスターログファイル (/var/opt/SUNWswusg/swusage.log) または指定のファイルにある情報の一部、要約、あるいはすべてを、awk などの検索ツールによる情報の検索が可能な別のファイルにコピーします。ファイル名を指定しない場合、このコマンドはデフォルトで標準出力デバイスにこの情報を送ります。
各コマンドは上記の番号順に実行されます。ただし、swu_rpt コマンドまたは関数は、swu_queue コマンドがローカルの待ち行列からのソフトウェア使用率レポート情報を転送するまで何回でも実行できます。
ソフトウェア使用率監視機能は、共有ファイルシステム環境でも、クライアント/サーバー環境と同じように動作します。専用の監視サーバーにソフトウェア使用率監視機能をインストールすると、ネットワーク上の他のホストとそのバイナリファイルを共有できます。
図 13-2 に、共有ファイルシステム環境でソフトウェア使用率監視機能を実行した場合の、イベントの流れを示します。
イベントの流れについて説明します。
swu_rpt コマンドまたは関数が、コマンド行、シェルスクリプト、アプリケーションのいずれかから、任意のホスト上で起動されます。
swu_svr デーモンは、swu_rpt コマンドまたは関数が作成した情報を受け取り、マスターログファイル (/var/opt/SUNWswusg/swusage.log) または swu_svr デーモンの起動時に指定されたファイルに保存します。
swu_svr デーモンがホストサーバー上で実行していない場合、エントリは失われます。
swu_print コマンドは、マスターログファイル (/var/opt/SUNWswusg/swusage.log) または指定のファイルにある情報の一部、要約、あるいはすべてを、awk などの検索ツールによる情報の検索が可能な別のファイルにコピーします。ファイル名を指定しない場合、このコマンドはデフォルトで標準出力デバイスにこの情報を送ります。