この章では、SunOS 5.x または 4.x システムのプリンタ設定情報を変換し、変換した情報を SunSoft 印刷クライアントに渡して、システムが既存のプリンタを利用できるようにする方法を説明します。
新しいプリンタをインストールする場合は、第 3 章「プリンタマネージャによる印刷クライアントソフトウェアの設定」を参照してください。
既存プリンタの数が少ない場合は、プリンタ設定情報を変換して印刷クライアントにその情報を転送するよりも、プリンタマネージャを使用してプリンタへのアクセスを追加する方が簡単です。プリンタへのアクセスの追加方法については、『Solstice AdminSuite 2.3 管理者ガイド』または本書の第 3 章「プリンタマネージャによる印刷クライアントソフトウェアの設定」を参照してください。
表 2-1 に、SunOS 5.x および 4.x システムのプリンタ設定情報を変換して SunSoft 印刷クライアントに渡し、SunSoft 印刷クライアントが既存プリンタを使用できるようにするための処理の概要を示します。各処理の実行にはコマンド行インタフェースを使用します。
表 2-1 SunSoft 印刷クライアントを更新して既存プリンタを使用する手順
処理 |
説明 |
参照先 |
---|---|---|
既存プリンタ設定情報の変換 |
SunOS 5.x システムのプリンタ設定情報の変換 5.x システムの /etc/lp/printers ディレクトリ内のプリンタ設定情報を、SunSoft 印刷クライアントの /etc/printers.conf 設定ファイルに変換します。これは通常、1 回だけ行う処理です。 | |
SunOS 4.x システムのプリンタ設定情報の変換 4.x システムの /etc/printcap ファイル内のプリンタ設定情報を、SunSoft 印刷クライアントの /etc/printers.conf 設定ファイルに変換します。これは通常、1 回だけ行う処理です。 | ||
SunSoft 印刷クライアントが既存プリンタを利用できるようにする |
/etc/printers.conf ファイルによる NIS の読み込み NIS を使用している場合は、変換済み /etc/printers.conf ファイル内のプリンタ設定情報を、NIS マスターファイルにコピーします。これは通常、1 回だけ行う処理です。 | |
/etc/printers.conf ファイルによる NIS+ の読み込み NIS+ を使用している場合は、変換済み /etc/printers.conf ファイル内のプリンタ設定情報を、NIS+ マスターファイルにコピーします。これは通常、1 回だけ行う処理です。 |
SunOS 5.x または 4.x システムのプリンタ設定情報を、SunSoft 印刷クライアントソフトウェアで使用するプリンタ設定ファイル /etc/printers.conf に変換する手順を説明します。変換を自動的に行うには、以下の 2 つの新しい印刷管理コマンドのいずれかを使用します。
conv_lp コマンド
SunOS 5.x システム上の /etc/lp/printers ディレクトリ内の情報を、システムの /etc/printers.conf ファイルのエントリに変換します。手順については、「SunOS 5.x システムの場合」を参照してください。
SunOS 5.x システムで SunSoft 印刷ソフトウェアをインストールするときに、既存の設定情報を自動的に変換し、/etc/printers.conf ファイルを作成します。
conv_lpd コマンド
SunOS 4.x システム上の /etc/printcap 設定ファイル内の情報を、システムの /etc/printers.conf ファイル内のエントリに変換します。手順については、「SunOS 4.x システムの場合」を参照してください。
上記のコマンドを使用して、既存のプリンタが登録されたマスターの /etc/printers.conf ファイルを作成してください。作成したマスターファイルは、すべての SunSoft 印刷クライアントにコピーする (ネームサービスを使っていない場合) ことも、NIS または NIS+ に読み込ませることもできます。この結果、新しい SunSoft 印刷クライアントで最初からすべての既存プリンタを利用できるようになります。
すでに NIS または NIS+ のネームサービスにプリンタ情報を設定している場合は、SunSoft 印刷クライアントで /etc/printers.conf ファイルを使用しないでください。SunSoft 印刷クライアントは最初は /etc/printers.conf ファイルを使ってプリンタを探しますが、/etc/printers.conf ファイル中の情報と NIS または NIS+ マップ内の情報とが一致しない場合、エラーが発生します。この問題を回避するには、NIS または NIS+ のプリンタ情報を使用する場合には、SunSoft 印刷クライアント上の /etc/printers.conf ファイルを削除してください。
SunOS 5.x とSunSoft 印刷クライアントソフトウェアがインストールされているシステムに、スーパーユーザーとしてログインします。
システムの /etc/lp/printers ディレクトリ内のプリンタ設定情報を、/etc/printers.conf ファイルに変換します。
# /usr/lib/print/conv_lp |
SunOS 4.x システムの /etc/printcap ファイルを、SunSoft 印刷クライアントソフトウェアがインストールされている SunOS 5.x システムにコピーします。
/etc/printcap ファイルをコピーした SunOS 5.x システムに、スーパーユーザーとしてログインします。
/etc/printcap ファイル内のプリンタ設定情報を、/etc/printers.conf ファイルに変換します。
# /usr/lib/print/conv_lpd |
マスターの /etc/printers.conf ファイルに既存のプリンタを登録した後、すべての SunSoft 印刷クライアントが次の 2 通りの方法で既存プリンタを利用できます。
ネームサービスを使用していない場合は、マスターの /etc/printers.conf ファイルをすべての SunSoft 印刷クライアントにコピーします。
ネームサービスを使用している場合は、マスターの /etc/printers.conf ファイルを使用して、NIS または NIS+ のマスターファイルを読み込みます。すべての SunSoft 印刷クライアントがこの情報を利用できるようになります。
NIS マスターサーバーにコピーする /etc/printers.conf ファイルを持つシステムに、スーパーユーザーとしてログインします。
システムの /etc/printers.conf ファイルを NIS マスターサーバーの /etc ディレクトリにコピーします。
メークファイル usr/lib/print/Makefile.yp を NIS マスターサーバーの /var/yp ディレクトリにコピーします。
NIS マスターサーバーに、スーパーユーザーとしてログインします。
このシステムで、ファイルの処理方法を指定します。
# make -f /var/yp/makefile -f /var/yp/Makefile.yp printers.conf |
NIS+ admin グループのメンバーであることを確認します。
この処理を行うには、適切な特権が必要です。
NIS マスターファイルにコピーする /etc/printers.conf ファイルを持つシステムに、スーパーユーザーとしてログインします。
システムの /etc/printers.conf ファイルを NIS+ マスターファイルにコピーします。
# fncreate_printer -f /etc/printers.conf thisorgunit/service/printer |
このコマンドの詳細は、『Federated Naming Service Programming Guide』を参照してください。
SunSoft 印刷クライアントが既存プリンタを利用できるように設定したら、ホームディレクトリの .printers を編集してプリンタエイリアスを設定します。
手順については、第 4 章「ユーザー環境の変更」を参照してください。