図 1-5 に示すように、SunSoft 印刷クライアントコマンドは、より多くの方法でプリンタやプリンタ設定情報を特定します。
ユーザーが、SunSoft 印刷クライアントから lp コマンドまたは lpr コマンドを使用して印刷要求を発信します。次の 3 つのいずれかの名前で出力先プリンタ名またはプリンタクラスを指定できます。
アトミック名
印刷コマンドとオプションの後に、プリンタ名またはプリンタクラスを入力します。
% lp -d neptune |
POSIX 名
印刷コマンドとオプションの後に、サーバー名、プリンタ名の順にコロンで区切って入力します。
% lpr -P galaxy:neptune |
コンテキストベース名
詳細は、『Federated Naming Service Programming Guide』を参照してください。
% lp -d thisorgunit/service/printer/printer-name |
印刷コマンドは、次のようにプリンタとプリンタ設定情報を特定します。
出力先のプリンタ名またはプリンタクラスが上記の 3 つの有効な形式のいずれかで指定されているかどうかを調べます。
プリンタ名やプリンタクラスが正しい形式で指定されていない場合、コマンドは、ユーザーの PRINTER 環境変数または LPDEST 環境変数のデフォルトのプリンタ名を調べます。
どちらの環境変数にもデフォルトのプリンタ名が定義されていない場合、コマンドはユーザーのホームディレクトリにある .printers ファイル中の _default プリンタエイリアスを調べます。
.printers ファイルに _default プリンタエイリアスがない場合は、SunSoft 印刷クライアントの /etc/printers.conf ファイルを調べて設定情報を特定します。
/etc/printers.conf ファイルにプリンタが記述されていない場合、コマンドはネームサービス (NIS または NIS+) があれば、それを調べます。
SunSoft 印刷クライアントソフトウェアのプリンタ特定方法には、以下の利点があります。
ネームサービス (NIS または NIS+) を使用して、プリンタ情報を 1 ヶ所にまとめて格納できます。これは、SunSoft 印刷クライアントソフトウェアの最も重要な機能です。プリンタ情報をネームサービスに入力するだけで、プリンタを追加して、そのプリンタをネットワーク上のすべての SunSoft 印刷クライアントが使用できるようになります。プリンタの変更や削除についても同様です。ネームサービス中のプリンタ情報は、すべての SunSoft 印刷クライアントが使用できます。
.printers ファイルを編集して、プリンタ情報をカスタマイズできます。SunSoft 印刷クライアントはネームサービスに記述されているプリンタを認識していますが、プリンタエイリアスを使用したり、特定のプリンタだけを対象として、印刷要求の取り消しや状態を確認したりできるように、そのクライアントのプリンタ設定ファイルをカスタマイズできます。
ネームサービスを使用しなくても、ネットワーク上のすべてのプリンタに関する /etc/printers.conf のマスターファイルを作成して、そのファイルを SunSoft 印刷クライアントにコピーすることによって、印刷の設定と管理にかかる時間を短縮できます。/etc/printers.conf ファイルの使用方法の詳細は、第 2 章「SunSoft 印刷クライアントへの移行」を参照してください。