バージョン管理ツールを使用した典型的な SCCS セッションを取り上げて、その概要を説明します。読者がすでに SCCS に精通していることを前提としています。ここでは次の事項について説明します。
SCCS の管理下にあるファイルがまだ存在しないときの初期セッション
プロジェクトがすでに SCCS の管理下にあるときのセッション
開発が始まっているプロジェクトのソースコードを、SCCS の管理下に置いて、ソースコード管理システムを使用できます。ここでは、プロジェクトがすでに進んでおり、プロジェクトの階層が確立されているものとします。
プロジェクトを SCCS の管理下に置くには:
次のうちのいずれかの方法でバージョン管理ツールを起動する。
シェルコマンドプロンプトで twversion と入力し、その後にアンパサンド (&) を入力する。または、シェルコマンドプロンプトで twversion と入力し、必要に応じてパス名を指定し、その後にアンパサンド (&) を入力する。たとえば、次のように入力する。
demo% twversion &
demo% twversion <ディレクトリ名> &
「ワークスペース管理」ウィンドウでワークスペースアイコンをダブルクリックする。
「バージョン管理」ウィンドウで、該当するプロジェクトディレクトリのアイコンをダブルクリックする。
選択したディレクトリに移動します。ここには SCCS の管理下にあるファイルがまだ存在しないため、ディレクトリだけが表示されます。
「コマンド」⇒「新たにチェックイン」を選択する。
「新たにチェックイン」ダイアログに、SCCS の管理下にないファイルのリストが表示されます。
SCCS の管理下に置きたいファイルを選択し、「初期コメント」区画にコメントを入力する。
「了解」ボタンをクリックして、選択したファイルをチェックインする。
SCCS の管理下に置かれたファイルは、「バージョン管理」ウィンドウに表示されます。
必要に応じて各プロジェクトディレクトリで同様の手順を繰り返します。SCCS の管理下に置かれたファイルの取り扱いは、次の「SCCS の管理下にあるプロジェクトの処理」を参照してください。
プロジェクトを SCCS の管理下に置いたら、バージョン管理ツールを使用して SCCS 機能を実行できます。基本的な SCCS 処理と、具体的なプロジェクトでの応用方法は以下のような手順になります。次の節以降で、それぞれの実行方法について詳しく説明します。
以下の説明は、手順の一例です。プロジェクトの目的や、プロジェクトに必要な作業内容によって、それぞれの手順は異なります。
作業用ディレクトリでバージョン管理ツールを起動する。
「コマンド」⇒「チェックアウト」または「コマンド」⇒「チェックアウトして、編集」を選択して、ファイルをチェックアウトする。
「ファイル」⇒「ファイル履歴」を選択して、ファイルの履歴グラフを表示する。
「履歴」ウィンドウの履歴グラフからデルタを 2 つ選択する。次に、「表示」⇒「差分をファイルマージで」または「表示」⇒「差分をテキストエディタで」を選択して、両デルタの相違を調べる。
ファイルに変更を加える。
必要なコメントを追加する。
「コマンド」⇒「チェックイン」を選択して、ファイルをチェックインする。
これらの手順は、プロジェクトの必要性に応じて繰り返して実行したり、別な方法となることもあります。以降では、バージョン管理ツールを使用してさまざまな SCCS 機能を実行する方法について詳細に説明します。