テキストエディタと構築プロセスの統合により、構築エラーを簡単なプロセスで修正できます。構築が失敗すると、構築エラーが「構築」ウィンドウの構築出力表示区画に表示されます (図 16-6 参照)。構築エラーはエラーが存在しているソースファイルにリンクされ、下線が引かれて強調表示されます。認識されないエラーは、強調表示や下線を使用せずに、通常の構築出力と同様に表示されます。
構築ジョブと修正 (編集後のソースファイルの再コンパイル) を同時に実行しないでください。「構築」ウィンドウの構築出力表示区画に両方のジョブの出力が混在して表示され、それぞれのジョブの出力を見分けるのが困難になります。

エラーごとに、そのエラーが存在しているファイル名、エラーが発生した行番号、エラーメッセージが示されます。
C コンパイラによって発行された構築エラーメッセージにはグリフ
が付加されます。このグリフをクリックすると、そのエラーメッセージの定義を示すポップアップウィンドウが表示されます。

ハイパーテキストリンクに変換できる出力を生成できるのは Sun コンパイラだけです。使用している構築コマンドで Sun コンパイラを呼び出せない場合は、「構築」ウィンドウに表示された構築エラーからエラーのソースファイルへのリンクは使用できません。
下線が付いているエラーをクリックすると、テキストエディタが起動され、エラーが存在しているソースファイルが表示されます。ソースファイルのエラー行は強調表示され、その行の左側にエラーグリフが表示されます (図 16-8 参照)。
キーボードショートカットの F4 (次のエラー) および Shift+F4 (前のエラー) を使用してエラー間を移動すると、テキストエディタのウィンドウだけを見て修正作業を進めることができます。

次に、「構築」ウィンドウとエディタを使って、構築エラーを素早く修正するための手順を説明します。
「構築」ウィンドウの出力表示区画で強調表示されているエラーをクリックします。
設定されているエディタのウィンドウが開き、エラーが存在しているソースファイルが表示されます。エラーの存在している行を検索する必要はありません。エラー行は強調表示され、カーソルがその行に置かれています。エラーメッセージはテキストエディタのフッターにも表示されます。
エディタでそのソースファイルを編集できることを確認します。
SCCS の管理下にあるファイルを修正する場合は、テキストエディタのメニューコマンドを使用してファイルをチェックアウトします。
vi エディタでは、「バージョン」⇒「チェックアウト」を選択します。
XEmacs エディタでは、「ツール」⇒「VC」⇒「Check out File <ファイル名>」を選択します。
GNU Emacs エディタでは、「Tools」⇒「Version Control」⇒「Check Out」を選択します。
エラーのあるソースファイルを編集します。
「構築」ウィンドウで「次のエラー」ツールバーボタンをクリック (または、キーボードショートカット F4 を使用) し、テキストエディタの次の構築エラーの場所に移動します。
「次のエラー」ボタンをクリックすると、構築出力の次のエラーが強調表示され、同時にテキストエディタの対応するソース行も強調表示されます。
編集したファイルを保存します。
vi エディタでは、「ファイル」⇒「保存」を選択します。
XEmacs エディタでは、「ファイル」⇒「保存」を選択します。
GNU Emacs エディタでは、「File」⇒「Save buffer」を選択します。
SCCS の管理下にあるファイルは、テキストエディタのメニューコマンドを使用してファイルをチェックインします。
vi エディタでは、「バージョン」⇒「チェックイン」を選択します。
XEmacs エディタでは、「ツール」⇒「VC」⇒「Check in Files <ファイル名>」を選択します。
GNU Emacs エディタでは、「Tools」⇒「Version Control」⇒「Check In」を選択します。
エディタウィンドウの「構築」ツールバーボタンをクリックすると再構築されます。
「構築」ウィンドウの「構築」ツールバーボタンをクリックするか、キーボードショートカット F3 を使用しても再構築できます。
構築処理の進行状況は、構築の出力表示区画で監視できます。