Solaris PC NetLink 管理マニュアル

6.1.3 サーバー問題のデバッグを行うツール

SunLink Server ソフトウェアには、サーバー問題の障害追跡に使用できる Solaris システムコマンドがあります。これらのコマンドは SunLink Server コマンドプロンプトで実行できます。この節では、これらのコマンドについてまとめ、サーバーの障害追跡においてそのコマンドが果たす役割について説明します。

各コマンドの詳細を参照するには、SunLink Server コマンドプロンプトで man コマンドを入力してください。

6.1.3.1 lmshell

lmshell コマンドは、実際に MS-DOS クライアントにアクセスしていないときに MS-DOS クライアントセッションをエミュレートする際に役立ちます。このコマンドは、クライアントとサーバー間の接続問題の障害追跡を行う際に特に便利です。lmshell コマンドを使用して、SunLink Server のコマンドプロンプトの lmshellnet logonnet use コマンドを実行することで、クライアントログオンや資源のリンクを模倣することができます。

6.1.3.2 lmstat

lmstat コマンドは、サーバーの共有メモリーイメージに問い合せて、サーバーの現在の状態に関するさまざまなデータを収集します。このコマンドは、どのサーバープロセスでクライアントセッションがオンになっているかを調べるときに特に便利です。

SunLink Server ソフトウェアは、一連の協調的なプロセスで構成されています。サーバーが稼動しているときに次のコマンドを入力します。

ps -ef | grep lmx

このコマンドを実行すると以下のような表示が生成されます。

root 17726 1 0 12:03:36 0:00 lmx.alerter

root 17713 17461 0 12:03:32 0:00 lmx.srv -s 1

root 17722 17874 0 12:03:35 0:00 lmx.srv -s 2

root 17726 1 0 12:03:36 0:01 lmx.dmn

root 17728 1 0 12:03:36 0:01 lmx.browser

root 17744 1 0 12:03:28 0:00 lmx.ctrl

この例では、2 つの lmx.srv サーバープロセス (17713 と 17722) があります。サーバーには現在 9 つのクライアントとセッションを持っています。

どの lmx.srv プロセスにクライアントが接続しているかを知るためには、サーバープロンプトで lmstat -c を実行します。システムは以下のような出力を表示します。

Clients:

BANANA.SERVE‾X (nwnum=0, vcnum=0) on 17713

ORANGE (nwnum=0, vcnum=0) on 17713

PEAR (nwnum=0, vcnum=0) on 17722

各クライアント名に対応するプロセス ID 番号が付いているのがわかります。これは現在そのクライアントを管理している lmx.srv プロセスのプロセス ID です。vcnum の値はこれがクライアントコンピュータの最初の VC か追加の VC かを指定するものです。

クライアントを管理している lmx.srv プロセスのプロセス ID を調べることは、lmstat -w または Solaris システムの truss( ) コマンドを使用するときに特に便利です。このコマンドは共に起動引数の一部としてプロセス ID を必要とします。(-w オプションはすべてのオペレーションシステム上で有効ではありません。)

6.1.3.3 regconfig

regconfig コマンドは、SunLink Server レジストリのキー情報の照会や変更を行う際に使用します。このコマンドを使用して、レジストリにある任意の値を変更することができます。(Windows NT レジストリエディタを使用してキーの値を変更することもできます。)

regconfig コマンドを使用して、SunLink Server のレジストリをシステムのデフォルトに再初期化することもできます。

レジストリの詳細については、付録 A 「SunLink Server のレジストリ」 を参照してください。

6.1.3.4 regcheck

regcheck コマンドは、SunLink Server のレジストリファイルの確認や修正を行う際に使用します。このコマンドは SunLink Server レジストリファイルの内部構造のみを確認し、そこに保存されているデータの有効性については確認しません。

レジストリファイルの内部構造が無効なことが判明した場合は、regcheck コマンドを使用して必要な修正を行います。

6.1.3.5 samcheck

samcheck コマンドは、SAM データベースの確認、ダンプ、および修正を行う際に使用します。このコマンドを使用して、ユーザーアカウントデータベースが破壊されていないかを確認し、必要に応じて修正を行います。

samcheck コマンドを使用して、ユーザーアカウントデータベースのコンテンツを人間が読める形式で stdout に出力することもできます。

6.1.3.6 srvconfig

srvconfig コマンドは、lanman.ini ファイルにあるすべてのサーバーパラメタの現在のデフォルト設定を表示する際に使用します。(修正したいパラメタの場所やスペリングを確認するにも良い方法です。)

lanman.ini ファイルには、修正可能な構成パラメタがいくつか含まれています。これらのパラメタの多くにはデフォルト設定が使用されていますが、そのうちのいくつかは変更してサーバーのインストール時に設定されたデフォルト値を上書きすることができます。

lanman.ini ファイルのデフォルト設定を表示するには、次のコマンドを使用します。

srvconfig -p | more

このコマンドは lanman.ini ファイルにあるすべてのパラメタとそのデフォルト設定のリストを生成します。

6.1.3.7 acladm

acladm コマンドは、アクセス制御リストで発見された問題の確認と修正に使用します。

実行する前に、このコマンドで使用できるオプションを調べてください。SunLink Server のコマンドプロンプトで man acladm コマンドを入力します。