Solaris Resource Manager 1.1 のシステム管理

部門間でのマシンの共有

他の開発部門のグループが、システムが空いているときに使用できることを条件に、このマシンのアップグレード (プロセッサとメモリー) を購入しようとしています。これはどちらのグループにとっても利益になるはずです。この設定をするには、databasesbatch と同じレベルに development というグループを新たに設定します。このグループは元のマシンの CPU 能力とメモリーを 50 パーセント増強したので、development にはマシンの 33 パーセントを割り当てます。

図 9-5 マシンの共有 (ステップ 1)

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開発グループには数百人のユーザーがいます。これらのユーザーに対する資源の分配に関与しないためには、Solaris Resource Manager の管理フラグ機能を使って、開発のシステム管理者に資源の分配を任せます。それには、operationsdevelopment のレベルに、両者が合意した制限値を設定し、両者がマシンの各部分の制御に必要な作業をします。

階層に新しいレベルを追加するには、operations グループを新しい l ノードとして追加し、batchdatabases の親グループを operations に変更します。

# limadm set sgroup=operations batch databases

管理フラグを設定するには、次のようにします。

# limadm set flag.admin=set operations development

通常の状況では、すべてのサーバーでデーモンとバックアップのプロセスを実行するので、別の高いレベルの l ノードにこれらを追加します。


注 -

root l ノードには制限値がないので、root は使用しないでください。


図 9-6 マシンの共有 (ステップ 2)

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以上の例でわかるように、Solaris Resource Manager を使用すると、異なるタイプのユーザーやアプリケーションを同じマシンに統合できます。CPU 割当率の制御、仮想メモリーの制限値、プロセスの制限値、およびログイン制御をうまく使用することによって、多様なアプリケーションにそれらが必要とする資源を必要なだけ与えることができます。また、制限値によって、アプリケーションやユーザーが他のユーザーやユーザーグループのアプリケーションに悪影響を与えることを防止できます。Solaris Resource Manager 製品の簡潔なレポートツールでは、任意の時点や時間経過におけるシステムの状況をユーザーやシステム管理者が正確に把握できます。このレポート生成機能を使用すると、容量計画や課金のために、アプリケーションやグループ間における資源の使用状況を知ることができます。