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iPlanet Messaging Server 5.1 管理者ガイド | |
第 1 章 概要
iPlanet Messaging Server は、大容量のパワフルな標準ベースインターネットメッセージングサーバであり、組織やサービスプロバイダのメッセージングに関するニーズに適切に対応できるよう設計されています。Messaging Server は、標準的な電子メールプロトコルをサポートする数種のモジュラーから構成されており、それぞれのモジュラーは個々に設定することができます。Messaging Server では、ユーザ、グループ、ドメインに関する情報がセントラル LDAP データベースに保存されます。また、サーバの設定に関する情報は、LDAP データベースまたは一連の設定ファイルに保存されます。
Messaging Server のパッケージには、サーバ設定用のツールやユーザ用のツールがあります。
標準プロトコルのサポート
標準プロトコルのサポート
SMTP (Simple Mail Transfer Protocol) サービス : インターネットの基準である SMTP を使用して、内部およびインターネットベースのメールを処理します。
IMAP4 (Internet Mail Access Protocol) サービス : 多数のユーザが同時に各自のメールボックスにアクセスできます。
POP3 (Post Office Protocol) サービス : 最も広く使用されているインターネットメールボックスプロトコルによるメールボックスへのアクセスを可能にします。
HTTP (Hypertext Transfer Protocol) サービス : Web ベースの電子メールをサポートします。iPlanet Messenger Express などの HTTP クライアントからのメールは専用の HTTP サービスに送られ、そこから MTA に転送されます。
ホストドメインのサポート
Messaging Server は、ISP が管理する電子メールドメイン (ホストドメイン) を完全にサポートします。つまり、組織の電子メールシステムが ISP によって運用および維持されている場合でも、Messaging Server を使用することができます。各ドメインは、単一の Messaging Server ホストを他のドメインと共有します。従来の LDAP ベース電子メールシステムでは、ドメインが複数の電子メールサーバホストによってサポートされていましたが、Messaging Server を使用すると、多くのドメインを 1 つのサーバでホストすることができます。各ドメインに対し、ユーザやグループの場所をポイントするための LDAP エントリがあります。
ユーザ対応のサポート
Messaging Server は、ユーザやグループ、ドメインに関する情報をセントラル LDAP データベースに保存します。また、iPlanet Delegated Administrator for Messaging は、コンソールグラフィカルユーザインターフェースや、組織内のユーザ、グループ、ドメインを管理するためのさまざまなコマンドラインユーティリティを備えています。ユーザ、グループ、ドメインの管理については、以下の各ドキュメントを参照してください。
『Messaging Server Provisioning Guide』 - LDAP を使って、ドメイン、ユーザ、グループ、管理者のエントリを作成する方法について説明しています。
さらに、Delegated Administrator のコンソールインターフェースには、ユーザ用のオンラインヘルプがあります。『Messaging Server リファレンスマニュアル』 - Delegated Administrator コマンドラインユーティリティを使って、ユーザ、グループ、ドメインを管理する方法について説明しています。
メッセージ統合のサポート
iPlanet Messaging Server は、メッセージを統合して保存するためのソリューションを提供しており、電子メール、ボイスメール、ファックスなどのデータをすべて 1 つのメッセージ ストアに保存できます。
Web メールのサポート
iPlanet Messaging Server の一部である Web 対応電子メールプログラム Messenger Express を使うと、エンドユーザがインターネット接続に HTTP を用いるマシンのブラウザからメールボックスにアクセスすることができます。Messenger Express クライアントから送信したメールは iPlanet Messaging Server の一部である専用 Web サーバに送られ、その後 HTTP サービスによってルーティングまたは配信用にローカル MTA またはリモート MTA に送られます。
パワフルなセキュリティおよびアクセス制御
iPlanet Messaging Server は、以下のセキュリティおよびアクセス制御機能を備えています。
POP、IMAP、HTTP、または SMTP へのパスワードログインおよび証明書に基づくログインのサポート
標準セキュリティプロトコルのサポート : TLS (Transport Layer Security)、SSL (Secure Sockets Layer)、SASL (Simple Authentication and Security Layer)
アクセス制御インストラクション (ACI) を用いての管理委託
便利なユーザインターフェース
Messaging Server は、標準的な電子メールプロトコルをサポートする数種のモジュラーから構成されており、各モジュラーは個々に設定することが可能です。Messaging Server のコマンドラインユーティリティおよびローカルサーバに保存されている一連の設定ファイルを使用して、メッセージ転送エージェント (MTA) を設定できます。また、Messaging Server のコンソールグラフィカルユーザインターフェースおよび一連のコマンドラインユーティリティを使用すると、メッセージストアおよびメッセージアクセス サービスを設定することもできます。
MTA の設定および MTA へのアクセスの設定については、以下の各章を参照してください。
第 6 章「MTA サービスと設定について」
また、『iPlanet Messaging Server リファレンスマニュアル』にも関連情報が記載されています。メッセージストアの設定およびメッセージストアへのアクセスの設定については、以下の各章を参照してください。
第 4 章「POP、IMAP、および HTTP サービスを設定する」
また、『iPlanet Messaging Server リファレンスマニュアル』にも関連情報が記載されています。
第 2 章「一般的なメッセージング機能を設定する」 - サービスの起動/停止、ディレクトリアクセスの設定など、Messaging Server の基本的なタスクについて説明しています。
第 5 章「Messaging Multiplexor」 - 複数サーバに対する単一接続ポイントとしての役割を担う特殊なメッセージングサーバ iPlanet Messaging Multiplexor (MMP) について説明しています。
インストール後のディレクトリ/ファイル構造
表 1-1 は、iPlanet Messaging Server をインストールした後のディレクトリやファイルの構成を示しています。ただし、この表は典型的なサーバ管理タスクに関連するディレクトリやファイルのみを示すものであり、完全な表ではありません。
ディレクトリ
デフォルトの位置と説明
/usr/iplanet/server5/
(デフォルト位置)特定のサーバグループ (1 つの Administration Server によって管理されているすべてのサーバ) のインストール先ディレクトリ。Messaging Server に加え、他の iPlanet サーバが含まれる場合もあります。
また、このディレクトリには管理サーバの起動/停止に使用するバイナリ実行可能プログラム (start-admin と stop-admin)、および コンソールを起動する startconsole も含まれています。
サーバと同時にインストールされるドキュメントのインストール先ディレクトリ。
manual/en/admin/ には、Administration Server のドキュメントがあります。
このディレクトリには、インストールした Messaging Server のバイナリ実行可能プログラムの一部も含まれています。
インスタンス名は、インストール時に指定した Messaging Server のインスタンス名を示します (デフォルト設定では、サーバマシンのホスト名になっています)。
このディレクトリには、Messaging Server のインスタンスを定義する設定ファイルが含まれています。1 台のホストマシンに同じバイナリファイルを共有する複数の Messaging Server インスタンスを作成することも可能です。
このディレクトリには、configutil、start-msg、stop-msg など、インストールした Messaging Server のバイナリ実行可能プログラムの一部も含まれています。
local.conf、msg.conf、sslpassword.confなど、一般的な設定ファイルがあります。
msg.conf ファイル内の各値は、インストール時に設定されます。Messaging Server は、LDAP ホスト名やポート番号などの情報を得るため、起動時にこのファイルを使用します。
MTA の設定に関連するディレクトリがあります (bin、config、db、dl、programs、queue、tmp など)。
インスタンス ディレクトリ/imta/config/
(変更不可)MTA 設定ファイルがあります (imta.cnf、dispatcher.cnf、job_controller.cnf、aliases、imta_tailor など)。
インスタンスディレクトリ/imta/queue/
(変更不可)メッセージキューサブディレクトリがあります。各チャンネルキュー用に、それぞれ 1 つずつサブディレクトリが割り当てられます (例 : ims-ms、tcp_intranet、tcp_local、autoreply など)。
インスタンスディレクトリ/imta/programs/
(変更不可)ユーザメール処理用にサイトから提供された実行可能プログラムがある場合、それらのプログラムはこのディレクトリに含まれます。
MTA によって使用されるデータベースがあります (aliasesdb.db、domaindb.db、profiledb.db、reversedb.db、ssrdb.db)。
メッセージストアの処理に関連するディレクトリがあります (mboxlist、partition、user)。
詳細については、「メッセージストアディレクトリのレイアウト」を参照してください。
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最終更新日 2001 年 5 月 24 日