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iPlanet Messaging Server 5.2 移行ガイド



第 4 章   複数サーバシステムの iPlanet Messaging Server への移行に関するシナリオおよび手順


この章では、SIMS 4.0 または Netscape Messaging Server 4.x の複数サーバシステムから iPlanet Messaging Server システムに移行するための手順を説明します。ここでは SIMS 4.0 および Netscape Messaging Server 4.x のさまざまな導入に対応する 5 つのシナリオを示します。ただし、導入はそれぞれ異なっており、個別の状況に応じてこれらの手順を変更する必要もあることに留意してください。



このマニュアル全体に目を通し、実施する移行のあらゆる側面について十分に理解してください。移行の手順が理解できたら、ディレクトリおよびメッセージストアのデータをすべてバックアップし、少人数のユーザについて移行を試してから、システム全体の移行を実施します。



この章には、以下の節があります。



複数サーバの移行の概要

複数サーバ導入を移行する場合の基本的な手順を次に示します。

  1. 構成サーバをインストールします。

  2. 一番外側のサーバ群 (SMTP リレーサーバおよびメッセージアクセスプロキシ) を移行します。

  3. バックエンドのメッセージストアサーバを移行します。


複数サーバの移行シナリオにおけるトポロジ

この節のシナリオは、図 4-1 に示すサーバ導入に関するものです。次のことを前提としています。

  • 現在のシステムが SIMS 4.0 または Netscape Messaging Server 4.15 である

  • サーバの内訳は次のようになっている

    • 受信用 SMTP サーバが 2 つ : inbound1.siroe.cominbound2.siroe.com

    • 送信用 SMTP リレーサーバが 1 つ : outbound.siroe.com

    • Messaging Multiplexor (MMP)/ プロキシ が 1 つ : mail.siroe.com

    • バックエンド (メッセージストア) サーバが 2 つ : store1.siroe.comstore2.siroe.com

    • ユーザ / グループデータおよび iPlanet Messaging Server の構成情報用の LDAP マスターが 1 つ : ldapmaster.siroe.com (ユーザ / グループサーバはポート 389、構成サーバはポート 390)

    • LDAP の複製が 2 つ : ldapreplica1.siroe.comldapreplica2.siroe.com

      ディレクトリサーバに変更を加える前に、LDAP データベースをバックアップすることを強くお勧めします。



図 4-1    複数サーバのサンプルシナリオ



構成サーバのインストール



構成サーバは、iPlanet Messaging Server の構成データを含む LDAP サーバです。SIMS では構成データは設定ファイルに保存するので、この点は異なることになります。

通常、導入ごとに必要な構成サーバは 1 つだけです。すでに構成サーバを使用している Netscape Messaging Server 導入の場合は、そのサーバのマシンを使用することはできますが、ディレクトリサーバを新しくインストールし、それを新しい構成サーバとして使用する必要があります。

SIMS の場合は、ディレクトリサーバをインストールして構成サーバとして使用するマシンを選びます。以下の例では、ユーザ / グループエントリを含む LDAP サーバ (ldapmaster.siroe.com) の置かれているマシンに、新しい構成サーバも置きます。ldapmaster.siroe.com は、ユーザ / グループエントリおよび iPlanet Messaging Server 構成データの LDAP サーバをホストします。

  1. iPlanet Messaging Server の CD から、ディレクトリサーバだけをインストールします。

    インストールでは、ディレクトリサーバだけのインストールを選択できます。『インストールガイド』を参照してください。次のメッセージが表示されたら、「1, 2, 3」と入力します。

                                 Sun-Netscape Alliance
                 iPlanet Server Products Installation/Uninstallation
    --------------------------------------------------------------------------------

    iPlanet Server Products components:
    Components with a number in () contain additional subcomponents
    which you can select using subsequent screens.

        1. Netscape Server Products Core Components (3)
        2. Netscape Directory Suite (2)
        3. Administration Services (2)
        4. iPlanet Messaging Suite (5)

    Specify the components you wish to install [All]: 1, 2,3

    既存のユーザ / グループディレクトリがポート 389 を使用しているため、390 などの未使用のポートを使用します。

  2. ims_dssetup.pl を実行し、あとで iPlanet Messaging Server で使用できるようにディレクトリサーバを準備します。詳細は、『iPlanet Messaging Server インストールガイド』を参照してください。

  3. (Netscape Messaging Server 導入時のみ)新しくインストールした構成サーバで、デフォルトのユーザ / グループサーバを変更します。

    1. 構成サーバのサーバルートから startconsole を実行します。

    2. 「Administration Server」をダブルクリックし、Administration Server Console を起動します。

    3. Administration Server Console の「環境設定」タブを選択し、「ユーザ DS」タブを選択します。

    4. 「ユーザディレクトリの設定」ラジオボタンを選択します。ユーザ / グループディレクトリの「LDAP ホストおよびポート」(例 : ldapmaster.siroe.com:389) と「ユーザディレクトリサブツリー」(例 : o=siroe.com) に入力します。「保存」をクリックします。



SIMS の複数サーバ導入からの移行

ここでは、SIMS の複数サーバ導入から iPlanet Messaging Server 導入に移行する方法を説明します。基本的な手順は次のようになります。


SIMS のドメインエントリから iPlanet Messaging Server のドメインエントリへのアップグレード

SIMS の移行を行う前に、SIMS のすべてのドメインエントリを iPlanet Messaging Server のドメインエントリにアップグレードする必要があります。

imsdirmig -h ldapmaster.siroe.com -b "o=internet" -M sims -D "cn=Directory Manager" -w secret -m domains

この場合、o=internet の下のすべてのドメインがアップグレードされます。


SIMS の SMTP リレーサーバのアップグレード

次の手順は、SIMS の受信用および送信用 SMTP サーバに対するものです。

  1. SMTP またはメールマルチプレクサ (SIMS ではプロキシサーバと呼ばれる) をアップグレードする前に、まずマージされたスキーマファイル (merged.oc.confmerged.at.conf) をディレクトリサーバに追加する必要があります。「複数スキーマのサポート」を参照してください。

  2. SIMS の SMTP サーバ (inbound1.siroe.com) を停止します。この間、受信メッセージは 2 つ目の受信用 SMTP サーバ (inbound2.siroe.com) で処理されます。

    サーバがロードバランサの後ろに置かれている場合は、受信接続を inbound1.siroe.com にリダイレクトしないようにロードバランサの構成が修正されていることを確認します。負荷分散にラウンドロビン DNS を使用している場合は、オフラインにするサーバの DNS エントリを削除します。

  3. SMTP サーバのキュー内のメッセージがすべて処理済みであり、キューが空であることを確認します。

    これには、次のようにディスパッチャを停止する方法があります。

    /opt/SUNWmail/sbin/imta stop dispatcher

    この時点で SMTP サーバは停止しますが、ジョブコントローラによってキュー内のメッセージの処理は続けられます。キューが空であることを確認するには、次のコマンドを入力します。

    /opt/SUNWmail/sbin/imta qm counters

  4. iPlanet Messaging Server をインストールして構成します。

    ディレクトリサーバは新しくインストールしないでください。次のメッセージが表示されたら、「1,3,4」と入力します。

    Components with a number in () contain additional subcomponents
    which you can select using subsequent screens.

        1. Netscape Server Products Core Components (3)
        2. Netscape Directory Suite (2)
        3. Administration Services (2)
        4. iPlanet Messaging Suite (5)

    Specify the components you wish to install [All]: 1,3,4

    構成サーバのプロンプトが表示されたら、URL およびポート番号を入力します (「構成サーバのインストール」で説明したようにインストールされた URL およびポート番号)。

    Enter the non-secured LDAP URL of the server that contains the
    Configuration Directory using the form:

         ldap://<hostname>:<port>

    URL of Directory Server [ldap://inbound1.siroe.com:389/]:ldap://ldapmaster.siroe.com:390

  5. インストールが終了したら、新しくインストールした iPlanet Messaging Server が SIMS 4.0 のユーザ / グループディレクトリをポイントするように設定します。configutil を使用して、次の設定パラメータを変更します。

    local.ugldapbasedn = o=internet (SIMS でユーザを保存するために使用していた接尾辞)
    local.ugldapbinddn = "cn=Directory Manager" (ディレクトリサーバのバインド DN)
    local.ugldapbindcred = secret (ディレクトリサーバのバインドパスワード)
    local.ugldaphost = ldapreplica1.siroe.com (LDAP サーバの場所)
    local.ugldapport = 389

  6. 新しいマルチシステムスキーマをサポートするように dirsync を構成します。これには、configutil を使用して次の 2 つのパラメータを追加します。

    instance_root/configutil -o local.imta.schematag -v "ims50,sims40"

    instance_root/configutil -o local.imta.ugfilter -v (|(objectClass=inetLocalMailRecipient)(|(objectClass=inetMailUser)(objectclass=inetmailGroup)))

  7. SIMS の SMTP リレーサーバでログイン区切りに「+」を使用している場合、iPlanet Messaging Server では「@」がデフォルトなので、ログイン区切り文字を「+」に変更します。このようにすると、ユーザは既存のログイン区切り文字を使用して SMTP AUTH を実行できます。

    次のコマンドを使用します。

    configutil -o service.loginseparator -v +

  8. 送信用 SMTP サーバの場合は、サイトのポリシーに従って SMTP リレーを有効にします。

    1. クラス C ネットワークのすべてのノードがこのサーバを通してリレーできるようにするには、server_root/msg-instance/imta/config の下にある mappings ファイルを編集して、「* $N」を「* $Y」に変更します。

      ++++++++++++++++
      INTERNAL_IP

        $(192.18.74.57/24)   $Y
        127.0.0.1            $Y
        *                    $Y
      ++++++++++++++++

    2. 次に、imsimta cnbuild コマンドを実行します。この時点で、リレーサーバは完全に機能します。

    3. stored を起動します。

      instance_root/start stored

    4. 完全な dyrsync を実行します。

      instance_root/imsimta dirsync -F

    5. SMTP サーバを起動します。

      instance_root/start-msg smtp

    SMTP リレーの有効化の詳細は、「SMTP リレーの追加」を参照してください。

  9. この手順の最初の方 (手順 2) で負荷分散の設定を変更した場合は、必要に応じて設定を変更し直します。

  10. ほかの SMTP 受信用および送信用リレーサーバをアップグレードします。


SIMS の POP/IMAP プロキシサーバのアップグレード

SIMS プロキシサーバを iPlanet Messaging Server の MMP にアップグレードするには、次の手順を実行します。

  1. SMTP またはメールマルチプレクサ (SIMS ではプロキシサーバと呼ばれる) をアップグレードする前に、マージされたスキーマファイル (merged.oc.confmerged.at.conf) をディレクトリサーバに追加する必要があります。「複数スキーマのサポート」を参照してください。

  2. SIMS プロキシサーバを停止します。

  3. iPlanet Messaging Server の MMP をインストールします。『iPlanet Messaging Server インストールガイド』を参照してください。インストール時に入力を要求するメッセージが表示されたら、SIMS のユーザ / グループの LDAP サーバの名前を入力します。

    Please enter the LDAP URL to the domain component tree [ldap://siroe.com:389/o=internet]:ldap://ldapmaster.siroe.com:389/o=internet

  4. SIMS サーバでログイン区切りに「+」を使用している場合は、ImapProxyAService.cfgPopProxyAService.cfg の両方で次の設定パラメータを変更し、iPlanet Messaging Server のデフォルトのログイン区切りである「@」を変更します。

    #
    # list of valid delimiters
    #
    default:VirtualDomainDelim +@

    #
    # canonical delimiter
    #
    default:CanonicalVirtualDomainDelim +


SIMS のバックエンドメールストアサーバの iPlanet Messaging Server への移行 (オフライン移行)

SIMS のバックエンドメッセージングサーバを移行する前に、すべてのメッセージアクセスプロキシと SMTP リレーサーバがアップグレードされていることを確認します。オンライン移行の長所と短所については、「メッセージストアのオフライン移行」を参照してください。

前提

  • 同じホストで SIMS 4.0 を iPlanet Messaging Server に置き換える

  • iPlanet Messaging Server では既存のユーザ / グループディレクトリサーバと Configuration Directory Server を使用する

  • メッセージストアの移行中はメールサービスを利用できない (メールへのアクセスはできないが、受信メッセージは受信用 SMTP サーバに保存される)

  • Netscape Directory Server 4.12 を使用する

  • SIMS のユーザ / グループのディレクトリ接尾辞 : o=internet
    SIMS と iPlanet Messaging Server のバックエンドサーバ名 : store1.siroe.com
    マスターディレクトリサーバ : ldapmaster.siroe.com
    マスターディレクトリサーバのネットワークポート : 389
    Configuration Directory Server : ldapmaster.siroe.com
    Configuration Directory Server のネットワークポート : 390
    ディレクトリサーバのバインドパスワード : secret
    SIMS のデフォルトの組織 DN : dc=siroe,dc=com,o=internet
    ユーザ / グループエントリは DC ツリー内に含まれる (DIT は 1 つ)

移行手順

  1. SMTP サーバのキュー内のメッセージがすべて処理済みであり、キューが空であることを確認します。

    これには、次のようにディスパッチャを停止する方法があります。

    /opt/SUNWmail/sbin/imta stop dispatcher

    この時点で SMTP サーバは停止しますが、ジョブコントローラによってキュー内のメッセージの処理は続けられます。キューが空であることを確認するには、次のコマンドを入力します。

    /opt/SUNWmail/sbin/imta qm counters

  2. /opt/SUNWmail/sbin/im.server stop を使用して SIMS を停止します。

    SIMS のすべてのプロセスが停止したことを確認します。この間、ユーザは自分のメールボックスにアクセスできません。送信用 SMTP サーバ outbound.siroe.com を通してメールを送信することはできます。

  3. メッセージストアの 2.5 倍のサイズのディスク容量がない場合は、SIMS の imbackup コマンドを使用して、別のデバイス (テープドライブなど) に SIMS メッセージストアのバックアップを作成します。この SIMS メッセージストアのバックアップは、あとで iPlanet Messaging Server メッセージストアに移動します。

    imbackup コマンドを使用してテープにバックアップを作成する場合の例を次に示します。

    imbackup -f /dev/rmt/0

    ディスク容量を余分に確保できる場合は、あとで説明するように、SIMS メッセージストアをそのままにしてデータを imbackup から imsrestore に直接ストリーミングすると、ダウンタイムを最小限に抑えることができます。

  4. iPlanet Messaging Server をインストールして構成します。

    ディレクトリサーバは新しくインストールしないでください。次のメッセージが表示されたら、「1,3,4」と入力します。

    Components with a number in () contain additional subcomponents
    which you can select using subsequent screens.

        1. Netscape Server Products Core Components (3)
        2. Netscape Directory Suite (2)
        3. Administration Services (2)
        4. iPlanet Messaging Suite (5)

    Specify the components you wish to install [All]: 1,3,4

    構成サーバのプロンプトが表示されたら、URL およびポート番号を入力します (「構成サーバのインストール」で説明したようにインストールされた URL およびポート番号)。

    Enter the non-secured LDAP URL of the server that contains the
    Configuration Directory using the form:

    ldap://<hostname>:<port>

    URL of Directory Server [ldap://store1.siroe.com:389/]:ldap://ldapmaster.siroe.com:390

  5. サーバプロセスをすべて停止します。

    インストールの最後に、インストーラによってすべてのサーバプロセスが開始されます。インストールが終了したら、すべてのプロセスを停止してください。root として、次のコマンドを実行します。

    instance_root/stop-msg

  6. SIMS 4.0 のユーザ / グループディレクトリをポイントするように、iPlanet Messaging Server の設定を変更します。

    configutil を使用して、次の設定パラメータを変更します。

    local.ugldapbasedn = o=internet (SIMS で、ユーザを保存するために使用していた接尾辞)
    local.ugldapbinddn = "cn=Directory Manager" (ディレクトリサーバのバインド DN)
    local.ugldapbindcred = secret (ディレクトリサーバのバインドパスワード)
    local.ugldapdeforgdn = "dc=siroe,dc=com,o=internet" (デフォルトの組織 DN)
    local.ugldaphost = ldapreplica1.siroe.com (LDAP の複製があるホスト)
    local.ugldapport = 389

  7. SIMS メッセージストアを iPlanet Messaging Server メッセージストアに変換します。

    これを行うには、imsbackup を使用して SIMS メッセージストアをバックアップし、imsrestore を使用してメッセージストアを iPlanet Messaging Server にリストアします。この手順について次に説明します。

    LDAP ディレクトリに大文字を含む UID がある場合、imsrestore は必ず -u filename オプションとともに使用し、ユーザの SIMS メッセージストアの名前 (小文字のみ) を LDAP ディレクトリの UID (大文字も含まれる) に変更します。

    たとえば、LDAP ディレクトリに大文字を含む UID が 2 つあり、それが AndersonKolander である場合、SIMS には andersonkolander という 2 つのメッセージストアがあることになります。iPlanet Messaging Server メッセージストアの名前を AndersonKolander に変更するには、imsrestore とともに -u filename オプションを使用する必要があります。filename の内容は次のようになります。

    anderson=Anderson
    kolander=Kolander

    これを行わないと、UID に大文字が含まれるユーザは、移行済みメールにアクセスできなくなります。LDAP ディレクトリに大文字を含む UID がない場合は、この手順を実行する必要はありません。



    1. テープに SIMS メッセージストアのバックアップを作成した場合は (手順 3 を参照)、次のコマンドを使用してそれを iPlanet Messaging Server にリストアします。

      メールボックス名の文字で、MUTF-7 (Modified Unicode Tranformation Format、RFC 2060 を参照) でエンコードされていないものは、imsrestore によってスペースに置き換えられます。ユーザは、メールクライアントからフォルダ名を修正できます。変換によるフォルダ名の重複を避けるには、imsrestore-n オプションを使用します。



      configutil -o "local.store.synclevel" -v 0
      instance_root/start-msg store
      imsrestore -f /dev/rmt/0 -cy -n -v1

    2. ディスク容量を余分に確保できる場合は、次のコマンドを使用して SIMS メッセージストアを iPlanet Messaging Server メッセージストアに直接変換できます。

      configutil -o "local.store.synclevel" -v 0
      instance_root/start-msg store
      imbackup -f- -u
      user_file | server_root/bin/msg/store/bin/imsrestore -f- -cy -n -v1

      user_file はユーザメールボックスの名前が含まれているファイルです。ユーザエントリを等分してそれぞれのユーザファイルに入れ、10 〜 15 のバックアップ / リストアセッションを同時に実行すると、新しいメッセージストアへのリストアの速度を最適化できます。

  8. リストアが完了したら、設定パラメータ local.store.synclevel を元に戻します。

    configutil -o local.store.synclevel -v -1

  9. store を停止します。

    instance_root/stop-msg store

  10. SIMS サーバでログイン区切りに「+」を使用している場合、iPlanet Messaging Server では「@」がデフォルトなので、ログイン区切り文字を「+」に変更します。次のコマンドを使用します。

    configutil -o service.loginseparator -v +

  11. stored を起動します。

    instance_root/start stored

  12. 完全な dyrsync を実行します。

    instance_root/imsimta dirsync -F

  13. メッセージサーバを起動します。

    instance_root/start-msg

    この時点で、バックエンドサーバは完全に機能します。

    新しくインストールした iPlanet Messaging Server のデフォルト設定では、SMTP リレーはすべてブロックされます。サイトのポリシーに合わせてデフォルト設定を変更する場合は、「SMTP リレー機能」を参照してください。



  14. 次のバックエンドサーバを移行します。

    手順 1 に戻り、残りのバックエンドサーバについてもこれまでの手順を繰り返します。

  15. すべてのバックエンドサーバの移行が完了したら、次の手順を実行します。

    1. iPlanet Messaging Server スキーマを使用するように、ユーザとグループのエントリをアップグレードします。

      次に示すように、imsdirmig を使用します。

      imsdirmig -b "o=internet" -M sims -F "(mailhost=store1.siroe.com)" -D "cn=Directory Manager" -w secret -m both

      この場合、o=internet の下のすべてのユーザ / グループエントリがアップグレードされます。

    2. すべての SMTP サーバ (バックエンドのメッセージストアサーバ、SMTP リレーサーバなど) で複数スキーマのサポートを無効にします。

      すべてのディレクトリエントリが iPlanet Messaging Server にアップグレードされたら、複数スキーマのサポートは不要になります。configutil を使用して、次の 2 つのパラメータを削除します。

      instance_root/configutil -o local.imta.schematag -v ""
      instance_root/configutil -o local.imta.ugfilter -v ""

    3. iPlanet Delegated Administrator for Messaging をインストールする前に、適切な ACI を追加します。

      次に示す、移行ツールキットに含まれている imsdaaci コマンドは、Delegated Administrator サービス管理者グループと Delegated Administrator ドメイン管理者グループ、および必要な ACI を作成するために使用する LDIF ファイルを作成します。

      server_root/bin/msg/migrate/bin/imsdaaci

      DIT に LDIF ファイルを追加するには、ldapmodify を使用します。ACI については、『iPlanet Messaging Server プロビジョニングガイド』を参照してください。


SIMS のバックエンドメールストアサーバの iPlanet Messaging Server への移行 (オンライン移行)

バックエンドメッセージングサーバを移行する前に、すべてのメッセージアクセスプロキシと SMTP リレーサーバがアップグレードされていることを確認します。オンライン移行の長所と短所については、「メッセージストアのオンライン移行」を参照してください。移行プロセスは、余分なハードウェアの有無によって異なります。ハードウェアが余分にない場合は、「複数サーバのオンライン移行手順 (余分なハードウェアがない場合)」を参照してください。ハードウェアが余分にある場合は、「複数サーバのオンライン移行手順 (余分なハードウェアがある場合)」を参照してください。

前提

  • iPlanet Messaging Server は、同じホストの SIMS 4.0 と置き換えるか、または新しいホストにインストールする

  • iPlanet Messaging Server では既存のユーザ / グループディレクトリサーバと Configuration Directory Server を使用する

  • ディレクトリサーバは Netscape Directory Server 4.12 を使用する。SIMS と同じホストにあっても別のホストにあってもかまわない。iPlanet Messaging Server の構成データを置くための新しいディレクトリサーバがすでにインストールされている (「構成サーバのインストール」を参照)。古いディレクトリ、つまり SIMS のディレクトリでは、アップグレードされた同一のユーザ、グループ、およびドメインのエントリで新しい iPlanet Messaging Server をサポートする

  • サーバがアクティブでオンライン状態にあるときに、SIMS メッセージストアを iPlanet Messaging Server メッセージストアに移行する。移行されたメッセージと、移行プロセス中に届いた新しいメッセージとが混在することになる

  • システムを新しいホストにインストールする場合は、次の例に示すような前提が適用される。

    前提
    SIMS のユーザ / グループのディレクトリ接尾辞 : o=internet
    SIMS のメールサーバ名 : store1.siroe.com
    iPlanet Messaging Server のメールサーバ名 : store1.siroe.com (同じホストの場合) または newstore1.siroe.com (新しいホストの場合)
    マスターディレクトリサーバ : ldapmaster.siroe.com
    マスターディレクトリサーバのネットワークポート : 389
    Configuration Directory Server : ldapmaster.siroe.com
    Configuration Directory Server のネットワークポート : 390
    ディレクトリサーバのバインドパスワード : secret
    SIMS のデフォルトの組織 DN : dc=siroe,dc=com,o=internet


複数サーバのオンライン移行手順 (余分なハードウェアがない場合)

  1. SMTP サーバのキュー内のメッセージがすべて処理済みであり、キューが空であることを確認します。

    これには、次のようにディスパッチャを停止する方法があります。

    /opt/SUNWmail/sbin/imta stop dispatcher

    この時点で SMTP サーバは停止しますが、ジョブコントローラによってキュー内のメッセージの処理は続けられます。キューが空であることを確認するには、次のコマンドを入力します。

    /opt/SUNWmail/sbin/imta qm counters

  2. /opt/SUNWmail/sbin/im.server stop を使用して SIMS を停止します。

    SIMS のすべてのプロセスが停止したことを確認します。この間、ユーザは自分のメールボックスにアクセスできません。送信用サーバ outbound.siroe.com を通してメールを送信することはできます。

  3. iPlanet Messaging Server をインストールして構成します。

    ディレクトリサーバは新しくインストールしないでください。次のメッセージが表示されたら、「1,3,4」と入力します。

    Components with a number in () contain additional subcomponents
    which you can select using subsequent screens.

        1. Netscape Server Products Core Components (3)
        2. Netscape Directory Suite (2)
        3. Administration Services (2)
        4. iPlanet Messaging Suite (5)

    Specify the components you wish to install [All]: 1,3,4

    構成サーバのプロンプトが表示されたら、URL およびポート番号を入力します (「構成サーバのインストール」で説明したようにインストールされた URL およびポート番号)。

    Enter the non-secured LDAP URL of the server that contains the
    Configuration Directory using the form:

    ldap://<hostname>:<port>

    URL of Directory Server [ldap://store1.siroe.com:389/]:ldap://ldapmaster.siroe.com:390

  4. サーバプロセスをすべて停止します。

    インストールの最後に、インストーラによってすべてのサーバプロセスが開始されます。インストールが終了したら、すべてのプロセスを停止してください。root として、次のコマンドを実行します。

    instance_root/stop-msg

  5. SIMS 4.0 のユーザ / グループディレクトリをポイントするように、iPlanet Messaging Server の設定を変更します。

    configutil を使用して、次の設定パラメータを変更します。

    local.ugldapbasedn = o=internet (SIMS で、ユーザを保存するために使用していた接尾辞)
    local.ugldapbinddn = "cn=Directory Manager" (ディレクトリサーバのバインド DN)
    local.ugldapbindcred = secret (ディレクトリサーバのバインドパスワード)
    local.ugldapdeforgdn = "dc=siroe,dc=com,o=internet" (デフォルトの組織 DN)
    local.ugldaphost = ldapreplica1.siroe.com (LDAP の複製があるホスト)
    local.ugldapport = 389

  6. SIMS サーバでログイン区切りに「+」を使用している場合、iPlanet Messaging Server では「@」がデフォルトなので、ログイン区切り文字を「+」に変更します。次のコマンドを使用します。

    configutil -o service.loginseparator -v +

  7. stored を起動します。

    instance_root/start stored

  8. SMTP リレーサーバとアップグレードしたバックエンドストアに対して完全な dirsync を実行します。

    instance_root/imsimta dirsync -F

  9. メッセージサーバを起動します。

    ほかのすべてのサーバプロセスを開始します。

    instance_root/start-msg

    この時点で、iPlanet Messaging Server は完全に機能します (ユーザのログインや新しいメッセージの配信などが可能)。通常の配信日指定のメッセージ処理により、受信用 SMTP サーバ上の配信日指定のメッセージが store1.siroe.com に配信されます。

    新しくインストールした iPlanet Messaging Server のデフォルト設定では、SMTP リレーはすべてブロックされます。サイトのポリシーに合わせてデフォルト設定を変更する場合は、「SMTP リレー機能」を参照してください。



  10. SIMS のメールボックスを iPlanet Messaging Server に移行します。

    SIMS メッセージストアが iPlanet Messaging Server メッセージストアに移行されるまで、ユーザはメッセージを取り出すことができません。一時的に空のメールボックスが表示される場合もあります。さらに、SIMS から移行された古いメッセージと、iPlanet Messaging Server メッセージストアに直接届いた新しいメッセージとが混在することになります。このため、メッセージの順序が不正確になることもあります。

    移行するには、imsbackup を使用して SIMS メッセージストアをバックアップし、imsrestore を使用してメッセージストアを iPlanet Messaging Server にリストアします。この手順について次に説明します。

    LDAP ディレクトリに大文字を含む UID がある場合、imsrestore は必ず -u filename オプションとともに使用し、ユーザの SIMS メッセージストアの名前 (小文字のみ) を LDAP ディレクトリの UID (大文字も含まれる) に変更します。

    たとえば、LDAP ディレクトリに大文字を含む UID が 2 つあり、それが AndersonKolander である場合、SIMS には andersonkolander という 2 つのメッセージストアがあることになります。iPlanet Messaging Server メッセージストアの名前を AndersonKolander に変更するには、imsrestore とともに -u filename オプションを使用する必要があります。filename の内容は次のようになります。

    anderson=Anderson
    kolander=Kolander

    これを行わないと、UID に大文字が含まれるユーザは、移行済みメールにアクセスできなくなります。LDAP ディレクトリに大文字を含む UID がない場合は、この手順を実行する必要はありません。





    メールボックス名の文字で、MUTF-7 (Modified Unicode Tranformation Format、RFC 2060 を参照) でエンコードされていないものは、imsrestore によってスペースに置き換えられます。ユーザは、メールクライアントからフォルダ名を修正できます。変換によるフォルダ名の重複を避けるには、imsrestore-n オプションを使用します。



    store1.siroe.com で次のコマンドを実行します。

    imbackup -f- -u user | server_root/bin/msg/store/bin/imsrestore -f- -cy -n -v1

    user_file はユーザメールボックスの名前が含まれているファイルです。ユーザエントリを等分してそれぞれのユーザファイルに入れ、10 〜 15 のバックアップ / リストアセッションを同時に実行すると、新しいメッセージストアへのリストアの速度を最適化できます。

    次のように fsync を無効にしないでください。
    configutil -o "local.store.synclevel" -v 0



  11. SIMS のほかのすべてのバックエンドメッセージストアサーバについてもこれまでの手順を繰り返します。

    手順 1 に戻ります。

  12. すべてのバックエンドメッセージストアの移行が完了したら、次の手順を実行します。

    1. iPlanet Messaging Server スキーマを使用するように、ユーザとグループのエントリをアップグレードします。

    次に示すように、imsdirmig を使用します。

    imsdirmig -h ldapmaster.siroe.com -b "o=internet" -M sims -F (mailhost=store1.siroe.com) -D "cn=Directory Manager" -w secret -m both

    この場合、o=internet の下のすべてのユーザ / グループエントリがアップグレードされます。

    1. すべての SMTP サーバ (バックエンドのメッセージストアサーバ、SMTP リレーサーバなど) で複数スキーマのサポートを無効にします。

      すべてのディレクトリエントリが iPlanet Messaging Server にアップグレードされたら、複数スキーマのサポートは不要になります。configutil を使用して、次の 2 つのパラメータを削除します。

      instance_root/configutil -o local.imta.schematag -v ""
      instance_root/configutil -o local.imta.ugfilter -v ""

    2. iPlanet Delegated Administrator for Messaging をインストールする前に、適切な ACI を追加します。

      次に示す、移行ツールキットに含まれている imsdaaci コマンドは、Delegated Administrator サービス管理者グループと Delegated Administrator ドメイン管理者グループ、および必要な ACI を作成するために使用する LDIF ファイルを作成します。

      server_root/bin/msg/migrate/bin/imsdaaci

      DIT に LDIF ファイルを追加するには、ldapmodify を使用します。ACI については、『iPlanet Messaging Server プロビジョニングガイド』を参照してください。


複数サーバのオンライン移行手順 (余分なハードウェアがある場合)

  1. 新しいマシン (newstore1.siroe.com) に iPlanet Messaging Server をインストールして構成します。

    ディレクトリサーバは新しくインストールしないでください。次のメッセージが表示されたら、「1,3,4」と入力します。

    Components with a number in () contain additional subcomponents
    which you can select using subsequent screens.

        1. Netscape Server Products Core Components (3)
        2. Netscape Directory Suite (2)
        3. Administration Services (2)
        4. iPlanet Messaging Suite (5)

    Specify the components you wish to install [All]: 1,3,4

    構成サーバのプロンプトが表示されたら、URL およびポート番号を入力します (「構成サーバのインストール」で説明したようにインストールされた URL およびポート番号)。

    Enter the non-secured LDAP URL of the server that contains the
    Configuration Directory using the form:

    ldap://<hostname>:<port>

    URL of Directory Server [ldap://newstore1.siroe.com:389/]:ldap://ldapmaster.siroe.com:390

  2. サーバプロセスをすべて停止します。

    インストールの最後に、インストーラによってすべてのサーバプロセスが開始されます。インストールが終了したら、すべてのプロセスを停止してください。root として、次のコマンドを実行します。

    instance_root/stop-msg

  3. SIMS 4.0 のユーザ / グループディレクトリをポイントするように、iPlanet Messaging Server の設定を変更します。

    configutil を使用して、次の設定パラメータを変更します。

    local.ugldapbasedn = o=internet (SIMS で、ユーザを保存するために使用していた接尾辞)
    local.ugldapbinddn = "cn=Directory Manager" (ディレクトリサーバのバインド DN)
    local.ugldapbindcred = secret (ディレクトリサーバのバインドパスワード)
    local.ugldapdeforgdn = "dc=siroe,dc=com,o=internet" (デフォルトの組織 DN)
    local.ugldaphost = ldapreplica1.siroe.com (LDAP の複製があるホスト)
    local.ugldapport = 389

  4. SIMS サーバでログイン区切りに「+」を使用している場合、iPlanet Messaging Server では「@」がデフォルトなので、ログイン区切り文字を「+」に変更します。次のコマンドを使用します。

    configutil -o service.loginseparator -v +

  5. 新しいバックエンド SMTP ルーティングホストを追加して、ドメインエントリをアップグレードします。

    imsdirmig -h ldap.siroe.com -b "o=internet" -M sims -D "cn=Directory Manager" -w secret -m domains -A mailroutinghosts:newstore1.siroe.com -P -O

  6. 新しいメールホストをポイントするように、ユーザおよびグループのエントリをアップグレードします。

    次に示すように、imsdirmig を使用します。

    imsdirmig -h -b "o=internet" -M sims -F (mailhost=store1.siroe.com) -D "cn=Directory Manager" -w secret -m both -A mailhost:newstore1.siroe.com -O

    この場合、o=internet の下のすべてのユーザ / グループエントリに新しいメールホストが割り当てられ、エントリは新しいスキーマにアップグレードされます。

  7. 新しいマルチシステムスキーマをサポートするように dirsync を構成します。これには、configutil を使用して次の 2 つのパラメータを追加します。

    instance_root/configutil -o local.imta.schematag -v "ims50,sims40"

    instance_root/configutil -o local.imta.ugfilter -v (|(objectClass=inetLocalMailRecipient)(|(objectClass=inetMailUser)(objectclass=inetmailGroup)))

  8. stored を起動します。

    instance_root/start stored

  9. アップグレードしたバックエンドストア newstore1.siroe.com で完全な dirsync を実行します。

    これにより SMTP サーバからのメッセージを新しいサーバで受信できるようになります。

    instance_root/imsimta dirsync -F

  10. メッセージサーバを起動します。

    start-msg コマンドを使用して、ほかのすべてのサーバプロセスを開始します。この時点で、iPlanet Messaging Server は完全に機能します (ユーザのログインや新しいメッセージの配信などが可能)。

    SIMS メッセージストアが iPlanet Messaging Server メッセージストアに移行されるまで、古いメッセージにはアクセスできません。さらに、SIMS から移行された古いメッセージと、iPlanet Messaging Server メッセージストアに直接届いた新しいメッセージとが混在することになります。このため、メッセージの順序が不正確になることもあります。

    新しくインストールした iPlanet Messaging Server のデフォルト設定では、SMTP リレーはすべてブロックされます。サイトのポリシーに合わせてデフォルト設定を変更する場合は、「SMTP リレー機能」を参照してください。



  11. 移行後、ドメインの mailhosts 属性および preferredmailhost 属性の属性値が、以前の store1.siroe.com ではなく newstore1.siroe.com に設定されていることを確認します。たとえば、preferredmailhost の変更が必要なドメインメールエントリを検索するには、次の ldapsearch コマンドを使用します。

    ldapsearch -h ldapmaster.siroe.com -b "o=internet" "(&(objectclass=maildomain)(preferredmailhost=store1.siroe.com))"

    mailhosts の変更が必要なドメインメールエントリを検索するには、次の ldapsearch コマンドを使用します。

    ldapsearch -h ldapmaster.siroe.com -b "o=internet" "(&(objectclass=maildomain)(mailhosts=store1.siroe.com))"

  12. すべての SMTP サーバで増分 dirsync を実行します。

    instance_root/imsimta dirsync

    これで、移行済みユーザ宛てのメッセージは、inbound1.siroe.com および inbound2.siroe.com により、newstore1.siroe.com メッセージストアに配信されます。

  13. SIMS の SMTP サーバのキュー内のメッセージがすべて処理済みであることを確認します。

    この時点で、受信用 SMTP サーバによって SIMS のバックエンドメッセージストアにメッセージが配信されることはありません。SIMS のバックエンドサーバを停止する前に、MTA キューのメッセージがすべて配信済みであることを確認します。

  14. /opt/SUNWmail/sbin/im.server stop を使用して SIMS を停止します。

    SIMS のすべてのプロセスが停止したことを確認します。

  15. SIMS のメールボックスを iPlanet Messaging Server に移行します。

    これを行うには、imsbackup を使用して SIMS メッセージストアをバックアップし、imsrestore を使用してメッセージストアを iPlanet Messaging Server にリストアします。この手順について次に説明します。

    LDAP ディレクトリに大文字を含む UID がある場合、imsrestore は必ず -u filename オプションとともに使用し、ユーザの SIMS メッセージストアの名前 (小文字のみ) を LDAP ディレクトリの UID (大文字も含まれる) に変更します。

    たとえば、LDAP ディレクトリに大文字を含む UID が 2 つあり、それが AndersonKolander である場合、SIMS には andersonkolander という 2 つのメッセージストアがあることになります。iPlanet Messaging Server メッセージストアの名前を AndersonKolander に変更するには、imsrestore とともに -u filename オプションを使用する必要があります。filename の内容は次のようになります。

    anderson=Anderson
    kolander=Kolander

    これを行わないと、UID に大文字が含まれるユーザは、移行済みメールにアクセスできなくなります。LDAP ディレクトリに大文字を含む UID がない場合は、この手順を実行する必要はありません。





    メールボックス名の文字で、MUTF-7 (Modified Unicode Tranformation Format、RFC 2060 を参照) でエンコードされていないものは、imsrestore によってスペースに置き換えられます。ユーザは、メールクライアントからフォルダ名を修正できます。変換によるフォルダ名の重複を避けるには、imsrestore-n オプションを使用します。



    newstore1.siroe.com で次のコマンドを実行します。

    rsh store1.siroe.com /opt/SUNWmail/sbin/imbackup -f- -u user | server_root/bin/msg/store/bin/imsrestore -f- -cy -n -v1

    user はユーザメールボックスの名前が含まれているファイルです。ユーザエントリを等分してそれぞれのユーザファイルに入れ、10 〜 15 のバックアップ / リストアセッションを同時に実行すると、新しいメッセージストアへのリストアの速度を最適化できます。

    次のように fsync を無効にしないでください。
    configutil -o "local.store.synclevel" -v 0



    SIMS メッセージストアが iPlanet Messaging Server メッセージストアに移行されるまで、古いメッセージにはアクセスできません。一時的に空のメールボックスが表示される場合もあります。さらに、SIMS から移行された古いメッセージと、iPlanet Messaging Server メッセージストアに直接届いた新しいメッセージとが混在することになります。このため、メッセージの順序が不正確になることもあります。

  16. SIMS のほかのすべてのバックエンドメッセージストアサーバについてもここまでの手順を繰り返します。

    手順 1 に戻ります。

  17. すべてのバックエンドメッセージストアの移行が完了したら、次の手順を実行します。

    1. iPlanet Messaging Server スキーマを使用するように、ユーザとグループのエントリをアップグレードします。

      次に示すように、imsdirmig を使用します。

      imsdirmig -h ldapmaster.siroe.com -b "o=internet" -M sims -D "cn=Directory Manager" -w secret -m both

      この場合、o=internet の下のすべてのユーザ / グループエントリが新しいスキーマにアップグレードされます。

    2. すべての SMTP サーバ (バックエンドのメッセージストアサーバ、SMTP リレーサーバなど) で複数スキーマのサポートを無効にします。

      すべてのディレクトリエントリが iPlanet Messaging Server にアップグレードされたら、複数スキーマのサポートは不要になります。configutil を使用して、次の 2 つのパラメータを削除します。

      instance_root/configutil -o local.imta.schematag -v ""
      instance_root/configutil -o local.imta.ugfilter -v ""

    3. iPlanet Delegated Administrator for Messaging をインストールする前に、適切な ACI を追加します。

      次に示す、移行ツールキットに含まれている imsdaaci コマンドは、Delegated Administrator サービス管理者グループと Delegated Administrator ドメイン管理者グループ、および必要な ACI を作成するために使用する LDIF ファイルを作成します。

      server_root/bin/msg/migrate/bin/imsdaaci

      DIT に LDIF ファイルを追加するには、ldapmodify を使用します。ACI については、『iPlanet Messaging Server プロビジョニングガイド』を参照してください。


SIMS メッセージストアサーバの iPlanet Messaging Server への移行 (段階的移行)

バックエンドメッセージングサーバを移行する前に、すべてのメッセージアクセスプロキシサーバと SMTP リレーサーバがアップグレードされていることを確認します。段階的移行の長所と短所については、「メッセージストアのオフライン移行」を参照してください。

前提

  • iPlanet Messaging Server を新しいホストにインストールし、SIMS 4.0 の代わりに使用する

  • iPlanet Messaging Server では既存のユーザ / グループディレクトリサーバと Configuration Directory Server を使用する

  • ディレクトリサーバは Netscape Directory Server 4.12 を使用する。SIMS と同じホストにあっても別のホストにあってもかまわない。iPlanet Messaging Server の構成データを置くための新しいディレクトリサーバがすでにインストールされている (「構成サーバのインストール」を参照)。ユーザ / グループディレクトリ、つまり SIMS のディレクトリは、アップグレードされた同一のユーザ、グループ、およびドメインのエントリで新しい iPlanet Messaging Server をサポートする

  • SIMS のユーザメールボックスは、一度にすべてが移行されるのではなく、数回に分けて移行される

  • システムを新しいホストにインストールする場合は、次の例に示すような前提が適用される

    前提
    SIMS のユーザ / グループのディレクトリ接尾辞 : o=internet
    SIMS のメールサーバ名 : store1.siroe.com
    iPlanet Messaging Server のメールサーバ名 : newstore1.siroe.com
    マスターディレクトリサーバ : ldapmaster.siroe.com
    マスターディレクトリサーバのネットワークポート : 389
    Configuration Directory Server : ldapmaster.siroe.com
    Configuration Directory Server のネットワークポート : 390
    ディレクトリサーバのバインドパスワード : secret
    SIMS のデフォルトの組織 DN : dc=siroe,dc=com,o=internet

移行手順

  1. 新しいマシン (newstore1.siroe.com) に iPlanet Messaging Server をインストールして構成します。

    ディレクトリサーバは新しくインストールしないでください。次のメッセージが表示されたら、「1,3,4」と入力します。

    Components with a number in () contain additional subcomponents
    which you can select using subsequent screens.

        1. Netscape Server Products Core Components (3)
        2. Netscape Directory Suite (2)
        3. Administration Services (2)
        4. iPlanet Messaging Suite (5)

    Specify the components you wish to install [All]: 1,3,4

    構成サーバのプロンプトが表示されたら、URL およびポート番号を入力します (「構成サーバのインストール」で説明したようにインストールされた URL およびポート番号)。

    Enter the non-secured LDAP URL of the server that contains the
    Configuration Directory using the form:

    ldap://<hostname>:<port>

    URL of Directory Server [ldap://newstore1.siroe.com:389/]:ldap://ldapmaster.siroe.com:390

  2. サーバプロセスをすべて停止します。

    インストールの最後に、インストーラによってすべてのサーバプロセスが開始されます。インストールが終了したら、すべてのプロセスを停止してください。root として、次のコマンドを実行します。

    instance_root/stop-msg

  3. SIMS 4.0 のユーザ / グループディレクトリをポイントするように、iPlanet Messaging Server の設定を変更します。

    configutil を使用して、次の設定パラメータを変更します。

    local.ugldapbasedn = o=internet (SIMS で、ユーザを保存するために使用していた接尾辞)
    local.ugldapbinddn = "cn=Directory Manager" (ディレクトリサーバのバインド DN)
    local.ugldapbindcred = secret (ディレクトリサーバのバインドパスワード)
    local.ugldapdeforgdn = "dc=siroe,dc=com,o=internet" (デフォルトの組織 DN)
    local.ugldaphost = ldapreplica1.siroe.com (LDAP の複製があるホスト)
    local.ugldapport = 389

  4. SIMS サーバでログイン区切りに「+」を使用している場合、iPlanet Messaging Server では「@」がデフォルトなので、ログイン区切り文字を「+」に変更します。次のコマンドを使用します。

    configutil -o service.loginseparator -v +

  5. 複数スキーマの LDAP エントリをサポートできるように、iPlanet Messaging Server (newstore1.siroe.com)dirsync コマンドを構成します。これには、configutil を使用して次の 3 つのパラメータを設定します。

    instance_root/configutil -o local.imta.schematag -v "sims40,ims50"
    instance_root/configutil -o local.imta.ugfilter -v
    "(|(objectClass=inetLocalMailRecipient)(|(objectClass=inetMailUser)(objectClass=inetMailGroup)))"
    instance_root/configutil -o local.imta.sims_migrate -v True

  6. stored を起動します。

    instance_root/start stored

  7. 完全な dirsync を実行します。

    instance_root/imsimta dirsync -F

  8. newstore1.siroe.com のすべてのサーバプロセスを開始します。

    instance_root/start-msg



    新しくインストールした iPlanet Messaging Server のデフォルト設定では、SMTP リレーはすべてブロックされます。サイトのポリシーに合わせてデフォルト設定を変更する場合は、「SMTP リレー機能」を参照してください。



  9. 移行後、ドメインの mailhosts 属性および preferredmailhost 属性の属性値が、以前の store1.siroe.com ではなく newstore1.siroe.com に設定されていることを確認します。たとえば、preferredmailhost の変更が必要なドメインメールエントリを検索するには、次の ldapsearch コマンドを使用します。

    ldapsearch -h ldapmaster.siroe.com -b "o=internet" "(&(objectclass=maildomain)(preferredmailhost=store1.siroe.com))"

    mailhosts の変更が必要なドメインメールエントリを検索するには、次の ldapsearch コマンドを使用します。

    ldapsearch -h ldapmaster.siroe.com -b "o=internet" "(&(objectclass=maildomain)(mailhosts=store1.siroe.com))"

  10. store1.siroe.com から newstore1.siroe.com に、ユーザメールボックスの一部を移行します。

    ユーザを小分けして新しいシステムに移行することにより、ユーザのダウンタイム (ユーザがメールボックスにアクセスできない時間) を最小限に抑えることができます。このプロセスの結果を確認できるように、まず少人数のユーザを移行してみることをお勧めします。ユーザのまとまりごとに、次の手順を実行します。

    1. 移行するユーザのまとまりを選択します。移行中はメールにアクセスできないことをユーザに知らせます。

    2. これらのユーザ宛てのすべてのメッセージがユーザメールボックスではなく保留チャネルに送信されるように指定し、ユーザメールボックスはロックして移行中は開けないようにします。次のコマンドを使用します。

      imsdirmig -h ldapmaster.siroe.com -b "dc=siroe,dc=com,o=internet" -M sims -D "cn=Directory Manager" -w secret -m users -F "(uid=s*)" -A mailDeliveryOption:hold¥;mailFolderMap:LOCK -O

      上の例では、siroe.com 内で uid の値が「s」で始まるすべてのユーザエントリについて、mailDeliveryOptionmailFolderMap の属性値が更新されます (RFC-1558 に従ってあらゆる LDAP フィルタを使用できます)。このコマンドでは、iPlanet Messaging Server スキーマをサポートするためのエントリのアップグレードは行いません。これはあとの移行プロセスで行います。

      このコマンドを実行すると、対象ユーザは自分のメールボックスにアクセスできなくなりますが、メールを送信することはできます。受信メールは保留チャネルに保存され、このプロセスの最後にメールボックスに配信されます。

    3. 受信用および送信用 SMTP リレーホストと、store1.siroe.com および newstore1.siroe.comdirsync を実行し、前の手順のルーティングの変更を反映させます。

    4. 次に示すように、iPlanet Messaging Server で、SIMS ユーザのまとまりを iPlanet Messaging Server メッセージストアに変換して移動します。

    これを行うには、imsbackup を使用して SIMS メッセージストアをバックアップし、imsrestore を使用してメッセージストアを iPlanet Messaging Server にリストアします。この手順について次に説明します。

    LDAP ディレクトリに大文字を含む UID がある場合、imsrestore は必ず -u filename オプションとともに使用し、ユーザの SIMS メッセージストアの名前 (小文字のみ) を LDAP ディレクトリの UID (大文字も含まれる) に変更します。

    たとえば、LDAP ディレクトリに大文字を含む UID が 2 つあり、それが AndersonKolander である場合、SIMS には andersonkolander という 2 つのメッセージストアがあることになります。iPlanet Messaging Server メッセージストアの名前を AndersonKolander に変更するには、imsrestore とともに -u filename オプションを使用する必要があります。filename の内容は次のようになります。

    anderson=Anderson
    kolander=Kolander

    これを行わないと、UID に大文字が含まれるユーザは、移行済みメールにアクセスできなくなります。LDAP ディレクトリに大文字を含む UID がない場合は、この手順を実行する必要はありません。





    メールボックス名の文字で、MUTF-7 (Modified Unicode Tranformation Format、RFC 2060 を参照) でエンコードされていないものは、imsrestore によってスペースに置き換えられます。ユーザは、メールクライアントからフォルダ名を修正できます。変換によるフォルダ名の重複を避けるには、imsrestore-n オプションを使用します。



    rsh store1.siroe.com /opt/SUNWmail/ims/sbin/imbackup -f- -u user_file | server_root/bin/msg/store/bin/imsrestore -f- -cy -n -v1

    imbackup は SIMS ホストで実行されます。user_file は、ユーザメールボックス名を含むファイルです。ユーザエントリを等分してそれぞれのユーザファイルに入れ、10 〜 15 のバックアップ / リストアセッションを同時に実行すると、リストアの速度を最適化できます。imsrestore は iPlanet Messaging Server ホストで実行されます。

    1. 新しい iPlanet Messaging Server をポイントするようにユーザエントリを変更し、ユーザエントリに mailDeliveryOption:mailbox および mailhost:newmail.siroe.com と設定することによってメールボックスに対する保留を解除します。次のように、imsdirmig-O および -A オプションとともに使用します。

      imsdirmig -h ldapmaster.siroe.com -b "dc=siroe,dc=com,o=internet" -M sims -D "cn=Directory Manager" -w secret -m users -F "(uid=s*)" -O -A mailDeliveryOption:mailbox¥;mailhost:newstore1.siroe.com

      これで、移行済みユーザがメールボックスにアクセスできるようになります。

    2. newstore1.siroe.comstore1.siroe.com、およびすべてのリレーサーバで増分 dirsync を実行します。これで、移行済みユーザ宛てのメッセージは、受信用 SMTP リレーサーバにより、newstore1.siroe.com メッセージストアに配信されます。

    3. store1.siroe.comnewstore1.siroe.com の保留キューを空にし、ユーザメールボックスを移行している間にシステムに届いたメッセージをすべて新しいサーバ、newstore1.siroe.com にリダイレクトします。

      /opt/SUNWmail/imta/sbin/hold_master -u uid -d domain

      スクリプトを作成し、一度に複数のユーザについて処理することもできます。

  11. ユーザとメーリングリストの次のまとまりを移行します。前の手順を参照してください。

  12. メーリングリストエントリの場合は、mailhost 属性を新しい iPlanet Messaging Server ホストの完全指定名 (newstore1.siroe.com など) に変更します。変更しないと、ローカルに配信しようとしたメールが誤って古い SIMS サーバにリダイレクトされます。

    imsdirmig -h ldapmaster.siroe.com -b "dc=siroe,dc=com,o=internet" -M sims -D "cn=Directory Manager" -w secret -m groups -F "(objectclass=inetmailgroup)" -O -A mailhost:newstore1.siroe.com

    これにより、すべてのグループの LDAP エントリがアップグレードされます。

  13. SMTP サーバのキュー内のメッセージがすべて処理済みであり、キューが空であることを確認します。

    これには、次のようにディスパッチャを停止する方法があります。

    /opt/SUNWmail/sbin/imta stop dispatcher

    この時点で SMTP サーバは停止しますが、ジョブコントローラによってキュー内のメッセージの処理は続けられます。キューが空であることを確認するには、次のコマンドを入力します。

    /opt/SUNWmail/sbin/imta qm counters

  14. すべてのメールボックスの移行が完了したら、store1.siroe.com の使用を停止できます。

  15. すべてのバックエンドサーバについて、これまでの手順を繰り返します。

  16. すべてのバックエンドメッセージストアの移行が完了したら、次の手順を実行します。

    1. imsdirmig を使用して、すべてのユーザ / グループディレクトリエントリを iPlanet Messaging Server スキーマにアップグレードします。

      imsdirmig -h ldapmaster.siroe.com -b "o=internet" -M sims -D "cn=Directory Manager" -w secret -m both

    2. すべての SMTP サーバで、複数スキーマのサポートを無効にします。

      すべてのディレクトリエントリが iPlanet Messaging Server にアップグレードされたら、複数スキーマのサポートは不要になります。configutil を使用して、すべての SMTP サーバ (メッセージストアサーバとすべての受信用および送信用リレーサーバ) について次の 2 つのパラメータを削除します。

      instance_root/configutil -o local.imta.schematag -v ""
      instance_root/configutil -o local.imta.ugfilter -v ""

    3. すべての SMTP サーバ (メッセージストアサーバとすべての受信用および送信用リレーサーバ) で、stored を起動します。

      instance_root/start stored

    4. すべての SMTP サーバ (メッセージストアサーバとすべての受信用および送信用リレーサーバ) で imsimta dirsync -F コマンドを実行します。

    5. iPlanet Delegated Administrator for Messaging をインストールする前に、適切な ACI を追加します。

      次に示す、移行ツールキットに含まれている imsdaaci コマンドは、Delegated Administrator サービス管理者グループと Delegated Administrator ドメイン管理者グループ、および必要な ACI を作成するために使用する LDIF ファイルを作成します。

      server_root/bin/msg/migrate/bin/imsdaaci

      DIT に LDIF ファイルを追加するには、ldapmodify を使用します。ACI については、『iPlanet Messaging Server プロビジョニングガイド』を参照してください。


補足

メッセージストアの設定を次に示すように変更すると、ユーザの最初のまとまりに関して、メールボックスの移行パフォーマンスを向上させることができます。ただし、この設定のまま実際のメッセージングサーバを稼働させるのは安全ではありません。ユーザメールボックスの最初のまとまりを SIMS サーバから iPlanet Messaging Server に移行したら、設定の変更を元に戻すことをお勧めします。

メールボックスの移行を最適化するには、次の手順を実行します。

  1. 手順 10手順 c のあと、メッセージングサーバを停止します。

    instance_root/stop-msg

  2. 同期レベルを 0 に設定します。

    instance_root/configutil -o "local.store.synclevel" -v 0

  3. store デーモンを起動します。

    instance_root/start stored

  4. 手順 10手順 d に戻ります。

  5. メールボックスの最初のまとまりを移行したら、同期レベルをリセットします。

    configutil -o "local.store.synclevel" -v 1

  6. メッセージングサーバのプロセスを再起動します。

    instance_root/start-msg



Netscape Messaging Server の複数サーバ導入のアップグレード

ここでは、Netscape Messaging Server の複数サーバ導入から iPlanet Messaging Server 導入に移行する方法を説明します。基本的な手順は次のようになります。

  1. 「必要な名前付きコンテキストの追加」

  2. 「Netscape Messaging Server の SMTP リレーサーバのアップグレード」

  3. 「Netscape Messaging Server の MMP サーバのアップグレード」

  4. 「Netscape Messaging Server のバックエンドメッセージストアの移行」


必要な名前付きコンテキストの追加

既存のユーザ / グループディレクトリを使用するには、ユーザ / グループディレクトリサーバに必要な DC および組織ツリーのルート接尾辞と、その他のディレクトリインデックスを作成します。これらの手順を次に説明します。

  1. Netscape Messaging Server のユーザ / グループの LDAP サーバ (ldapmaster.siroe.com) に対して ims_dssetup.pl を実行します。

    次に、画面に表示されるメッセージと適切な応答の例を示します。

    Welcome to the iMS Directory Server preparation tool.

    This tool will help you setup a Netscape Directory Server and
    make it ready to use for installing iPlanet Messaging Server.

    Do you want to continue [y]:

    Please enter the full path to the directory where Netscape
    Directory Server was installed.

    Directory server root [/usr/netscape/server4]:

    Please select a directory server instance from the following list:

    [1] slapd-users

    Which instance do you want [1]:

    Please enter the base suffix for DC Tree [o=internet]:

    Please enter the base suffix under which the Users/Groups data should be
    setup [o=siroe.com]:

    Do you want to update the schema files [yes]:no

    Do you want to configure new indexes [yes]:

    Please enter the schema directory [/cdrom/cdrom0/solaris/iMS/msg/config]:

    Here is a summary of the settings that you chose:

    Server Root:                 /usr/netscape/server4
    Server Instance:           slapd-users
    Update Schema:          no
    DC Root:                      o=internet
    User/Group Root:         o=siroe.com
    Add New Indexes:        yes
    Schema Directory:       /cdrom/cdrom0/solaris/iMS/msg/config

    Do you want to continue [y]:

    スクリプトは、名前付きコンテキストの作成と新しい属性へのインデックス付けに進みます。

  2. Netscape Messaging Server のユーザ / グループディレクトリサーバを再起動します。

    instance_root/restart-slapd


Netscape Messaging Server の SMTP リレーサーバのアップグレード

  1. SMTP またはメールマルチプレクサ (SIMS ではプロキシサーバと呼ばれる) をアップグレードする前に、マージされたスキーマファイル (merged.oc.confmerged.at.conf) をディレクトリサーバに追加する必要があります。「複数スキーマのサポート」を参照してください。

  2. SMTP サーバのキュー内のメッセージがすべて処理済みであり、キューが空であることを確認します。

    これには、SMTP ポート番号を変更し、SMTP サーバを再起動する方法があります。このようにすると、サーバではキューのメッセージを引き続き処理しますが、標準の SMTP ポートではメッセージを受け付けなくなります。

    instance_root/configutil -o service.smtp.port -v 901
    instance_root/stop-msg smtp
    instance_root/start-msg smtp

    キューが空であることを確認するには、次のコマンドを入力します。

    /usr/bin/mailq

  3. 旧 SMTP サーバを停止します。この間、受信メッセージは 2 つ目の受信用 SMTP サーバで処理されます。

  4. iPlanet Messaging Server をインストールして構成します。次のメッセージ以外では、デフォルトのオプションを使用します。

    1. ディレクトリサーバは新しくインストールしないでください。次のメッセージが表示されたら、「1,3,4」と入力します。

      Components with a number in () contain additional subcomponents
      which you can select using subsequent screens.

          1. Netscape Server Products Core Components (3)
          2. Netscape Directory Suite (2)
          3. Administration Services (2)
          4. iPlanet Messaging Suite (5)

      Specify the components you wish to install [All]: 1,3,4

    2. 構成サーバのプロンプトが表示されたら、URL およびポート番号を入力します (「構成サーバのインストール」で説明したようにインストールされた URL およびポート番号)。

      Enter the non-secured LDAP URL of the server that contains the
      Configuration Directory using the form:

      ldap://<hostname>:<port>

      URL of Directory Server [ldap://inbound1.siroe.com:389/]:ldap://ldapmaster.siroe.com:390

    3. 次のメッセージが表示されます。

      Default Organization DN [o=siroe.com,o=siroe.com]:

      デフォルト値 (o=siroe.com,o=siroe.com) を使用します。これは、Netscape Messaging Server のユーザ / グループエントリの場所ではありません。この時点では、エントリは現在のネームスペースにあります。

  5. iPlanet Messaging Server のインストール後、DC ツリーのデフォルトドメインエントリの inetdomainbasedn 属性の値 (この場合は dc=siroe,dc=com,o=internet) を、Netscape Messaging Server ユーザが置かれている場所 (この場合は o=siroe.com) に変更します。また、configutil を使用して local.ugldapdeforgdno=siroe.com に設定します。

    instance_root/configutil -o "local.ugldapdeforgdn" -v "o=siroe.com"

    デフォルトでは、インストーラは o=siroe.com,o=siroe.com でユーザとグループを検索するようにデフォルトドメインを構成しますが、既存の Netscape Messaging Server のユーザとグループは o=siroe.com の下に置かれています。このため、DT ツリーのドメインノード siroe.com の DN 参照は構造サブツリーを正しくポイントする必要があります。この変更によって、iPlanet Messaging Server がユーザ / グループディレクトリサーバで既存の Netscape Messaging Server のユーザとグループをどのように認識できるようになるかについては、「iPlanet Messaging Server での既存のディレクトリ情報ツリーの使用」を参照してください。

  6. 新しいマルチシステムスキーマをサポートするように dirsync を構成します。

    instance_root/configutil -o local.imta.schematag -v "ims50,nms41"

    instance_root/configutil -o local.imta.ugfilter -v (|(objectClass=inetLocalMailRecipient)(|(objectClass=mailRecipient)(objectclass=mailGroup)))

  7. Netscape Messaging Server の SMTP リレーサーバでログイン区切りに「+」を使用している場合、iPlanet Messaging Server では「@」がデフォルトなので、ログイン区切り文字を「+」に変更します。このようにすると、ユーザは既存のログイン区切り文字を使用して SMTP AUTH を実行できます。

    次のコマンドを使用します。

    configutil -o service.loginseparator -v +

  8. 送信用 SMTP サーバの場合は、サイトのポリシーに従って SMTP リレーを有効にします。

    1. imta.cnf file ファイルで、tcp_local および tcp_intranet の各チャネルに dequeue_removeroute オプションを追加します。

      それぞれのチャネルブロックは次のようになります。

      ! tcp_local
      tcp_local smtp mx single_sys remotehost inner switchchannel

      identnonelimited subdirs 20 maxjobs 7 pool SMTP_POOL maytlsserver maysaslserver saslswitchchannel tcp_auth dequeue_removeroute
      tcp-daemon

      !
      ! tcp_intranet
      tcp_intranet smtp mx single_sys subdirs 20 noreverse

      maxjobs 7 pool SMTP_POOL maytlsserver allowswitchchannel
      saslswitchchannel tcp_auth dequeue_removeroute
      tcp_intranet-daemon

    2. クラス C ネットワークのすべてのノードがこのサーバを通してリレーできるようにするには、server_root/msg-instance/imta/config の下にある mappings ファイルを編集して、「* $N」を「* $Y」に変更します。

      ++++++++++++++++
      INTERNAL_IP

        $(192.18.74.57/24)   $Y
        127.0.0.1            $Y
        *                    $Y
      ++++++++++++++++

    3. 内部ネットワークのユーザがサーバを通してメールをリレーできるように、MTA の設定を変更することができます。これには、server_root/msg-instance/imta/config の下にあるマッピングファイルの INTERNAL_IP セクションを変更します。インストール時の状態では、iMS はサーバからのリレーだけを許可します。このため、サーバの IP アドレスが 192.168.23.23 の場合、インストール時の INTERNAL_IP マッピングは次のようになります。

      ++++++++++++++++++++
      INTERNAL_IP

        $(192.168.23.23/32)     $Y
        127.0.0.1               $Y
        *                       $N
      ++++++++++++++++++++

      内部ネットワークがクラス C ネットワークである場合は、次のように変更します。

      ++++++++++++++++++++
      INTERNAL_IP

        $(192.168.23.0/24)      $Y
        127.0.0.1               $Y
        *                       $N
      ++++++++++++++++++++

    4. 次に、imsimta cnbuild コマンドを実行します。この時点で、リレーサーバは完全に機能します。

    5. stored を起動します。

      instance_root/start stored

    6. 完全な dyrsync を実行します。

      instance_root/imsimta dirsync -F

    7. SMTP サーバを起動します。

      instance_root/start-msg smtp

    SMTP リレーの有効化の詳細は、「SMTP リレーの追加」を参照してください。


Netscape Messaging Server の MMP サーバのアップグレード

  1. SMTP またはメールマルチプレクササーバをアップグレードする前に、マージされたスキーマファイル (merged.oc.confmerged.at.conf) をディレクトリサーバに追加する必要があります。「複数スキーマのサポート」を参照してください。

  2. SMTP サーバのインストール時に、インストーラにより ldapmaster.siroe.com に DC ツリーが作成されています。ただし、マスターサーバとレプリカサーバの間には、DC ツリーのデータをレプリケートすることについてのレプリケーション契約はありません。このレプリケーション契約を作成する必要があります。『Netscape Directory Server 管理者ガイド』を参照してください。

  3. Netscape Messaging Server の MMP サーバを停止します。

  4. MMP サーバをインストールして構成します。次のメッセージ以外では、デフォルトのオプションを使用します。

    Please enter the LDAP URL to the domain component tree [ldap://siroe.com:389/o=internet]:ldap://ldapreplica2.siroe.com:389/o=internet

    Netscape Messaging Server の LDAP サーバ情報を入力します。これは、Netscape Messaging Server の既存のユーザ / グループの LDAP サーバです。


Netscape Messaging Server のバックエンドメッセージストアの移行

バックエンドメッセージングサーバを移行する前に、MMP と SMTP リレーサーバがすべてアップグレードされていることを確認します。

前提

  • 同じサーバで Netscape Messaging Server 4.x を iPlanet Messaging Server に置き換える

  • iPlanet Messaging Server では既存のユーザ / グループディレクトリサーバと Configuration Directory Server を使用する

  • iPlanet Messaging Server の DC ツリーの接尾辞 : o=internet
    マスターディレクトリサーバ : ldapmaster.siroe.com
    マスターディレクトリサーバのネットワークポート : 389
    Configuration Directory Server : ldapmaster.siroe.com
    Configuration Directory Server のネットワークポート : 390
    ディレクトリサーバのバインド DN : cn=Directory Manager
    ディレクトリサーバのバインドパスワード : secret
    Netscape Messaging Server のユーザ / グループのベース DN : o=siroe.com
    iPlanet Messaging Server のデフォルトの組織 DN :
                                          dc=siroe,dc=com,o=internet
    iPlanet Messaging Server のサーバユーザ : mailsrv


UNIX における移行手順

移行する前に、メッセージストアをバックアップしておくことを強くお勧めします。

  1. SMTP サーバのキュー内のメッセージがすべて処理済みであり、キューが空であることを確認します。

    これには、SMTP ポート番号を変更し、SMTP サーバを再起動する方法があります。このようにすると、サーバではキューのメッセージを引き続き処理しますが、標準の SMTP ポートではメッセージを受け付けなくなります。

    instance_root/configutil -o service.smtp.port -v 901
    instance_root/stop-msg smtp
    instance_root/start-msg smtp

    キューが空であることを確認するには、次のコマンドを入力します。

    /usr/bin/mailq

  2. Netscape Messaging Server 4.x を停止します。

    instance_root/stop-msg

  3. iPlanet Messaging Server をインストールして構成します。

    ディレクトリサーバは新しくインストールしないでください。次のメッセージが表示されたら、「1,3,4」と入力します。

    Components with a number in () contain additional subcomponents
    which you can select using subsequent screens.

        1. Netscape Server Products Core Components (3)
        2. Netscape Directory Suite (2)
        3. Administration Services (2)
        4. iPlanet Messaging Suite (5)

    Specify the components you wish to install [All]: 1,3,4

    構成サーバのプロンプトが表示されたら、URL およびポート番号を入力します (「構成サーバのインストール」で説明したようにインストールされた URL およびポート番号)。

    Enter the non-secured LDAP URL of the server that contains the
    Configuration Directory using the form:

    ldap://<hostname>:<port>

    URL of Directory Server [ldap://store1.siroe.com:389/]:ldap://ldapmaster.siroe.com:390

  4. サーバプロセスをすべて停止します。

    instance_root/stop-msg

  5. 既存の Netscape Messaging Server のディレクトリのネームスペースを iPlanet Messaging Server のディレクトリのネームスペースにマップまたは変更します。

    「iPlanet Messaging Server での既存のディレクトリ情報ツリーの使用」を参照してください。

  6. デフォルトの組織ツリーを設定します。

    1. configutil を使用して local.ugldapdeforgdno=siroe.com に設定します。

      instance_root/configutil -o "local.ugldapdeforgdn" -v "o=siroe.com"

      o=siroe.com は、デフォルトドメインに対応する組織ツリーの DN です。

    2. configutil を使用して local.service.pab.migrate4151 に設定します。

      ./configutil -o local.service.pab.migrate415 -v 1

  7. Netscape Messaging Server メッセージストアを iPlanet Messaging Server メッセージストアに移行します。

    次の手順に従って、プライマリストアパーティションのパスが Netscape Messaging Server 4.x のメッセージストアパスをポイントするように変更します。

    1. iPlanet Messaging Server Administration Console を使用して、Netscape Messaging Server 4.x のすべてのメールストアパーティションをポイントするように、メッセージストアの設定を変更します(『iPlanet Messaging Server 管理者ガイド』を参照)。

      メッセージストアディレクトリは、メッセージストアのデータが置かれている場所なので、Netscape Messaging Server 4.x を削除するときにメッセージストアディレクトリを削除しないでください。



    2. ユーザの講読ディレクトリを削除します。

      rmdir iMS_server_root/msg-instance/store/user/

    3. Netscape Messaging Server ユーザの講読フォルダへのシンボリックリンクを設定します。

      ln -s NMS_server_root/msg-instance/store/user/
      iMS_server_root/msg-instance/store/user/

    4. mboxlist ファイルをコピーします。

      cp NMS_server_root/msg-instance/store/mboxlist/data.db2
      iMS_server_root/msg-instance/store/mboxlist/folder.db

    5. quota ファイルをコピーします。

      cp NMS_server_root/msg-instance/store/quota.db2 iMS_server_root/msg-instance/mboxlist/quota.db

    6. ファイルがメールサーバユーザによって所有されていることを確認します。たとえば、次のように入力します。

      chown mailsrv iMS_server_root/msg-instance/store/mboxlist/*

    7. ほかのファイルはコピーしないでください。

  8. 新しいマルチシステムスキーマをサポートするように dirsync を構成します。これには、configutil を使用して次の 2 つのパラメータを追加します。

    instance_root/configutil -o local.imta.schematag -v "ims50,nms41"

    instance_root/configutil -o local.imta.ugfilter -v "(|(objectClass=inetLocalMailRecipient)(|(objectClass=mailRecipient)(objectclass=mailGroup)))"

  9. stored を起動します。

    instance_root/start stored

  10. ストアサーバに対して完全な dirsync を実行します。

    instance_root/imsimta dirsync -F

  11. iPlanet Messaging Server を再起動します。

    メールサーバは使用可能になっています。この時点では、複数スキーマのサポートにより、iPlanet Messaging Server は ldapmaster.siroe.com の古いディレクトリエントリを使って機能しています。新しいユーザおよびグループのエントリは、新しいディレクトリノードに作成されます。

    新しくインストールした iPlanet Messaging Server のデフォルト設定では、SMTP リレーはすべてブロックされます。サイトのポリシーに合わせてデフォルト設定を変更する場合は、「SMTP リレー機能」を参照してください。



  12. 新しい機能を使用できるように、容量制限データベースをアップグレードします。

    メールサーバユーザとして次を実行します。

    su mailsrv
    cd
    iMS_server_root/bin/msg/admin/bin
    setenv CONFIGROOT
    iMS_server_root/msg-instance/config
    ./reconstruct -q
    exit

  13. すべてのバックエンドサーバについて、これらの手順を繰り返します。

  14. すべてのバックエンドサーバの移行が完了したら、次の手順を実行します。

    1. imsdirmig を使用して、ユーザ / グループエントリを iPlanet Messaging Server スキーマにアップグレードします。

      imsdirmig -h ldapmaster.siroe.com -b "o=siroe.com" -M nms -D "cn=Directory Manager" -F "(!(cn=postmaster))" -w secret -m both

      -F "(!(cn=postmaster))" は、移行プロセスからポストマスターエントリを除外するフィルタです。このようなフィルタが指定されていない場合、imsdirmig はエントリの処理に失敗し、エラーのために終了します(-c を指定して、エラー発生後も imsdirmig の処理を続行するようにすることもできます)。

    2. すべての SMTP サーバで、複数スキーマのサポートを無効にします。

      すべてのディレクトリエントリが iPlanet Messaging Server にアップグレードされたら、複数スキーマのサポートは不要になります。configutil を使用して、次の 2 つのパラメータを削除します。

      instance_root/configutil -o local.imta.schematag -v ""
      instance_root/configutil -o local.imta.ugfilter -v ""


Windows NT における移行手順

移行する前に、メッセージストアをバックアップしておくことを強くお勧めします。

  1. SMTP サーバのキュー内のメッセージがすべて処理済みであり、キューが空であることを確認します。

    これには、SMTP ポート番号を変更し、SMTP サーバを再起動する方法があります。このようにすると、サーバではキューのメッセージを引き続き処理しますが、標準の SMTP ポートではメッセージを受け付けなくなります。

    instance_rootconfigutil -o service.smtp.port -v 901
    instance_rootstop-msg smtp
    instance_rootstart-msg smtp

    キューが空になるのを待ちます。

  2. Netscape Messaging Server の LDAP サーバに対し perl ims_dssetup.pl を実行します。ims_dssetup.pl によってディレクトリサーバスキーマのアップデートを要求するメッセージが表示されたら、スキーマのアップデートを選択します。

  3. 複数スキーマのサポートを有効にします (SIMS/Netscape Messaging Server/iPlanet Messaging Server)。マージされたスキーマファイル (merged.oc.conf および merged.at.conf) をディレクトリサーバに追加します。『iPlanet Messaging Server 移行ガイド』の付録 B「複数スキーマのサポート」を参照してください。また、以前の手順で追加したスキーマファイル、um50-common-schema.conf および ims50-schema.conf に対する include 指示をすべてコメントアウトします。キーワードの前に # を付加し、その手順の説明に従います。

    詳細は、『iPlanet Messaging Server インストールガイド』を参照してください。

  4. Netscape Messenger Server だけをアンインストールします。ユーザのメールストアは保存することを選択します。Directory Server はアンインストールしません。

  5. ユーザのメールストアが置かれている msg-instance ディレクトリの名前をほかの名前 (「mailstore」など) に変更します。

  6. iPlanet Messaging Server に、Netscape Messaging Server のバニティドメインを再実装します。

  7. Netscape Messaging Server と同じサーバディレクトリに iPlanet Messaging Server をインストールします。Directory Server はインストールしないことを選択します。Default Organization DN [o=siroe.com,o=OldDirRoot] というメッセージが表示されたら、デフォルト値 (o=siroe.com,o=OldDirRoot) を使用します。これは、Netscape Messaging Server のユーザエントリの場所ではありません。この時点では、エントリは現在のネームスペースにあります。

  8. サーバプロセスをすべて停止します。

    instance_root/stop-msg

  9. 既存の Netscape Messaging Server のディレクトリのネームスペースを iPlanet Messaging Server のディレクトリのネームスペースにマップまたは変更します。

    『iPlanet Messaging Server 移行ガイド』の付録 B の「iPlanet Messaging Server での既存のディレクトリ情報ツリーの使用」を参照してください。

  10. デフォルトの組織ツリーを設定します。

    configutil を使用して local.ugldapdeforgdno=sesta.com に設定します。

    instance_root/configutil -o "local.ugldapdeforgdn" -v "o=sesta.com"

    o=sesta.com は、デフォルトドメインに対応する組織ツリーの DN です。

  11. Netscape Messaging Server メッセージストアを iPlanet Messaging Server メッセージストアに移行します。

    次の手順に従って、プライマリストアパーティションのパスが Netscape Messaging Server 4.x のメッセージストアパスをポイントするように変更します。

    1. iPlanet Messaging Server Administration Console を使用して、Netscape Messaging Server 4.x のすべてのメールストアパーティションをポイントするようにメッセージストアの設定を変更します (mailstore は手順 5 で使用した例)。

    2. ユーザの講読ディレクトリを削除します。

    3. 次に示すように、Netscape Messaging Server メッセージストアをコピーします。

      NMSServerRoot/mailstore/store/user/

      から

      iMSServerRoot/msg-instance/store/user/

      (mailstore は手順 5 で使用した例)

    4. mboxlist ファイルをコピーします。

      NMSServerRoot/mailstore/store/mboxlist/data.db2

      から

      iMSServerRoot/msg-instance/store/mboxlist/folder.db

    5. quota ファイルをコピーします。

      NMSServerRoot/mailstore/store/quota.db2

      から

      iMSServerRoot/msg-instance/mboxlist/quota.db

    6. ほかのファイルはコピーしないでください。

  12. 新しいマルチシステムスキーマをサポートするように dirsync を構成します。これには、configutil を使用して次の 2 つのパラメータを追加します。

    instance_root/configutil -o local.imta.schematag
       -v "ims50,nms41"
    instance_root/configutil -o local.imta.ugfilter
       -v (|(objectClass=inetLocalMailRecipient)
       (|(objectClass=mailRecipient) (objectclass=mailGroup)))

  13. stored を起動します。

    instance_root/start stored

  14. 完全な dirsync を実行し、ユーザおよびグループのエントリを取り込みます。

    instance_root/imsimta dirsync -F

  15. iPlanet Messaging Server を再起動します。これで、Netscape Messaging Server 4.x のユーザメールボックスを表示できます。

    メールサーバは使用可能になっています。この時点では、複数スキーマのサポートにより、iPlanet Messaging Server は ldap.sesta.com の古いディレクトリエントリを使って機能しています。新しいユーザおよびグループのエントリは、新しいディレクトリノードに作成されます。

    新しくインストールした iPlanet Messaging Server のデフォルト設定では、SMTP リレーはすべてブロックされます。サイトのポリシーに合わせてデフォルト設定を変更する場合は、『iPlanet Messaging Server 移行ガイド』の第 1 章「Netscape Messaging Server 4.x との相違点」の「SMTP リレー機能」を参照してください。



  16. 新しい機能を使用できるように、容量制限データベースをアップグレードします。メールサーバユーザとして次を実行します。

    cd iMSServerRoot/bin/msg/admin/bin
    reconstruct -q

  17. 新しいサーバが起動したら、imsdirmig を使用して、ユーザおよびグループのディレクトリエントリを iPlanet Messaging Server スキーマにアップグレードします。

    imsdirmig -b "o=sesta.com" -M nms -D "cn=Directory Manager" -w secret -m both -F "(!(cn=postmaster))"

  18. 複数スキーマのサポートを無効にします。

    すべてのディレクトリエントリが iPlanet Messaging Server にアップグレードされたら、複数スキーマのサポートは不要になります。configutil を使用して、次の 2 つのパラメータを削除します。

    instance_root/configutil -o local.imta.schematag -v ""
    instance_root/configutil -o local.imta.ugfilter -v ""


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最新更新日 2002 年 2 月 14 日