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iPlanet Messaging Server 5.2 移行ガイド |
第 3 章 単一サーバシステムにおける iPlanet Messaging Server への移行のシナリオと手順
この章では、SIMS 4.0 または Netscape Messaging Server 4.x 単一サーバシステムから1 iPlanet Messaging Server システムへの移行手順について説明します。この章の 4 つのシナリオでは、多くの SIMS 4.0 および Netscape Messaging Server 4.x 導入を扱います。ただし、導入はそれぞれ異なっており、個別の状況に応じてこれらの手順を変更する必要もあることに留意してください。
注 このマニュアル全体に目を通し、実施する移行のあらゆる側面について十分に理解してください。移行の手順が理解できたら、ディレクトリおよびメッセージストアのデータをすべてバックアップし、少人数のユーザについて移行を試してから、システム全体の移行を実施します。
「単一サーバの SIMS システムのアップグレード (メッセージストアのオフライン移行方法)」
「単一サーバの SIMS システムのアップグレード (メッセージストアのオンライン移行方法)」
単一サーバの SIMS システムのアップグレード (メッセージストアのオフライン移行方法)
シナリオの前提
同じホストで SIMS 4.0 を iPlanet Messaging Server に置き換える
移行手順メッセージストアの移行中はメールサービスを利用できない (オフライン)
Netscape Directory Server 4.12 を使用する (ディレクトリサーバは同じホストにあっても別のホストにあってもかまわない)
SIMS のユーザ / グループのディレクトリ接尾辞 : o=internet
SIMS と iPlanet Messaging Server のメールサーバ名 : mail.siroe.com
マスターディレクトリサーバ : mail.siroe.com
ディレクトリサーバのバインドパスワード : secret
SIMS のデフォルトの組織 DN : dc=siroe,dc=com,o=internet
ユーザ / グループエントリは DC ツリー内に含まれる (DIT は 1 つ)
ディレクトリサーバのデータベースをバックアップします。
複数スキーマのサポートを有効にします (SIMS/Netscape Messaging Server/iPlanet Messaging Server)。
- 使用するコマンドは DirServer_instance_root/bin/db2ldif です。詳細は、次の Netscape Directory Server のマニュアルを参照してください。http://docs.iplanet.com/docs/manuals/directory.html#dirserver41
SMTP サーバのキュー内のメッセージがすべて処理済みであり、キューが空であることを確認します。
- マージされたスキーマファイル (merged.oc.conf および merged.at.conf) をディレクトリサーバに追加します。このディレクトリサーバは、iPlanet Messaging Server でユーザ / グループサーバとして使用されます。「複数スキーマのサポート」を参照してください。
SIMS を停止します。
- これには、次のようにディスパッチャを停止する方法があります。
- /opt/SUNWmail/sbin/imta stop dispatcher
- この時点で SMTP サーバは停止しますが、ジョブコントローラによってキュー内のメッセージの処理は続けられます。キューが空であることを確認するには、次のコマンドを入力します。
- /opt/SUNWmail/sbin/imta qm counters
(メッセージストアの 2.5 倍のサイズのディスク容量を確保できる場合は、この手順を飛ばして次に進んでください。) SIMS の imbackup コマンドを使用して、別のデバイス (テープドライブなど) に SIMS メッセージストアのバックアップを作成します。
- 次のコマンドを使用します。/opt/SUNWmail/sbin/im.server stop
- SIMS のすべてのプロセスが停止したことを確認します。LDAP サーバ (slapd) は停止しないでください。この間、メールの送受信はできなくなります。
iPlanet Messaging Server および付属のディレクトリサーバをインストールして構成します。iPlanet Messaging Server のプロセスをすべて停止します。
- この SIMS メッセージストアのバックアップコピーは、あとで iPlanet Messaging Server メッセージストアに移動します。imbackup コマンドを使用してテープにバックアップを作成する場合の例を次に示します。
- imbackup -f /dev/rmt/0
- ディスク容量を余分に確保できる場合は、手順 10 で説明するように、SIMS メッセージストアをそのままにしてデータを imbackup から imsrestore に直接ストリーミングすると、ダウンタイムを最小限に抑えることができます。
SIMS で使用していたユーザ / グループディレクトリをポイントするように、iPlanet Messaging Server の設定を変更します。これは、1 つ前の手順と同時に実行できます。
- インストール時には、既存の SIMS ディレクトリサーバをユーザ / グループ情報の保存先サーバに指定しないでください。これはあとで行います。この時点では iPlanet Messaging Server の構成データを保存するために新しいディレクトリサーバをインストールする必要があります。インストールに関する次の質問に「No」と答えます。
- Do you want to use another directory to store your data?[No]:
- デフォルトのインストールオプションを使用します。ただし、SIMS ディレクトリサーバと同じネットワークポートは使用しないでください。これは、通常、389 ですが、390 を使用することもできます。ユーザとメーリングリストのエントリは既存のディレクトリサーバに置いたままになります。
- インストールの最後に、インストーラによってすべてのサーバプロセスが開始されます。インストールが終了したら、すべてのプロセスを停止してください。root として、次のコマンドを実行します。
- instance_root/stop-msg
SIMS サーバでログイン区切りに「+」を使用している場合、iPlanet Messaging Server では「@」がデフォルトなので、ログイン区切り文字を「+」に変更します。
- configutil を使用して、次の設定パラメータを変更します。
- local.ugldapbasedn = o=internet (SIMS で、ユーザを保存するために使用していた接尾辞)
local.ugldapbinddn = "cn=Directory Manager" (ディレクトリサーバのバインド DN)
local.ugldapbindcred = secret (ディレクトリサーバのバインドパスワード)
local.ugldapdeforgdn = "dc=siroe,dc=com,o=internet" (デフォルトの組織 DN)
local.ugldaphost = mail.siroe.com (ユーザ / グループの LDAP サーバがあるホスト)
local.ugldapport = 389 (ユーザ / グループの LDAP サーバがあるポート)
iPlanet Messaging Server スキーマを使用するように、ドメイン、ユーザ、およびグループのディレクトリエントリをアップグレードします。
- 次のコマンドを使用します。
- configutil -o service.loginseparator -v +
imsdirmig コマンドを使用して、ドメインエントリをアップグレードします (付録 A「コマンドラインインタフェース」を参照)。
SIMS メッセージストアを iPlanet Messaging Server メッセージストアに変換します。
ユーザ / グループエントリをアップグレードします。
- imsdirmig -h mail.siroe.com -b "o=internet" -M sims -D "cn=Directory Manager" -w secret -m domains
- この場合、o=internet の下のすべてのドメインがアップグレードされます。
- imsdirmig -h mail.siroe.com -b "o=internet" -M sims -D "cn=Directory Manager" -w secret -m both
- この場合、o=internet の下のすべてのユーザ / グループエントリがアップグレードされます。
- これを行うには、imsbackup を使用して SIMS メッセージストアをバックアップし、imsrestore を使用してメッセージストアを iPlanet Messaging Server にリストアします。この手順について次に説明します。
手順 5 に従って、テープまたはその他のデバイスに SIMS メッセージストアのバックアップを作成した場合は、次のコマンドを使用してそれを iPlanet Messaging Server にリストア / 変換します。メッセージストアのバックアップを作成していない場合は、手順 b に進んでください。
変換が完了したら、同期レベルを変更します。
注 メールボックス名の文字で MUTF-7 (Modified Unicode Tranformation Format、RFC 2060 を参照) でエンコードされていないものは、imsrestore によってスペースに置き換えられます。ユーザは、メールクライアントからフォルダ名を修正できます。変換によるフォルダ名の重複を避けるには、imsrestore の -n オプションを使用します。
ディスク容量を余分に確保できる場合は、次のコマンドを使用して SIMS メッセージストアを iPlanet Messaging Server メッセージストアに直接変換します。
- configutil -o "local.store.synclevel" -v 0
instance_root/start-msg store
imsrestore -f /dev/rmt/0 -cy -n -v1
- configutil -o "local.store.synclevel" -v 0
instance_root/start-msg store
imbackup -f- -u user_file | server_root/bin/msg/store/bin/imsrestore -f- -cy -n -v1
- user_file はユーザメールボックスの名前が含まれているファイルです。ユーザエントリを等分してそれぞれのユーザファイルに入れ、10 〜 15 のバックアップ / リストアセッションを同時に実行すると、リストアの速度を最適化できます。
stored を停止します。
- configutil -o local.store.synclevel -v -1
iPlanet Messaging Server を起動します。
- instance_root/stop-msg store
iPlanet Delegated Administrator for Messaging をインストールする前に、適切な ACI を追加します。
- iPlanet Messaging Server で imsimta dirsync -F コマンドを実行し、start-msg コマンドを使用してほかのすべてのサーバプロセスを開始します。この時点で、iPlanet Messaging Server は完全に機能します。
注 新しくインストールした iPlanet Messaging Server のデフォルト設定では、SMTP リレーはすべてブロックされます。サイトのポリシーに合わせてデフォルト設定を変更する場合は、「SMTP リレー機能」を参照してください。
- 次に示す、移行ツールキットに含まれている imsdaaci コマンドは、Delegated Administrator サービス管理者グループと Delegated Administrator ドメイン管理者グループ、および必要な ACI を作成するために使用する LDIF ファイルを作成します。
- server_root/bin/msg/migrate/bin/imsdaaci
- DIT に LDIF ファイルを追加するには、ldapmodify を使用します。ACI については、『iPlanet Messaging Server プロビジョニングガイド』を参照してください。
単一サーバの SIMS システムのアップグレード (メッセージストアのオンライン移行方法)
メッセージストアのオンライン移行方法を使用して、単一サーバの SIMS 電子メールシステムを単一サーバの iPlanet Messaging Server に移行する手順を説明します。
iPlanet Messaging Server は、新しいホストまたは現在の SIMS 4.0 システムと同じホストにインストールする
移行手順ディレクトリサーバは Netscape Directory Server 4.12 を使用する。SIMS と同じホストにあっても別のホストにあってもかまわない。iPlanet Messaging Server に新しいディレクトリサーバがインストールされるが、これにはサーバの構成データだけを置く。古いディレクトリ、つまり SIMS のディレクトリでは、アップグレードされた同一のユーザ、グループ、およびドメインのエントリで新しい iPlanet Messaging Server をサポートする
サーバがアクティブでオンライン状態にあるときに、SIMS メッセージストアを iPlanet Messaging Server メッセージストアに移行する。移行されたメッセージと、移行前に新しく届いたメッセージとが混在することになる
システムを新しいホストにインストールする場合は、次の例に示すような前提が適用される。iPlanet Messaging Server を同じホストにインストールする場合と手順が異なるときは別途注記する。
- 前提
SIMS のユーザ / グループのディレクトリ接尾辞 : o=internet
SIMS のメールサーバ名 : oldmail.siroe.com
iPlanet Messaging Server のメールサーバ名 : newmail.siroe.com
マスターディレクトリサーバ : ldap.siroe.com
ディレクトリサーバのバインドパスワード : secret
SIMS のデフォルトの組織 DN : dc=siroe,dc=com,o=internet
ディレクトリサーバのデータベースをバックアップします。
複数スキーマのサポートを有効にします (SIMS/Netscape Messaging Server/iPlanet Messaging Server)。マージされたスキーマファイル (merged.oc.conf および merged.at.conf) をディレクトリサーバに追加します。「複数スキーマのサポート」を参照してください。
- 使用するコマンドは DirServer_instance_root/bin/db2ldif です。詳細は、次の Netscape Directory Server のマニュアルを参照してください。http://docs.iplanet.com/docs/manuals/directory.html#dirserver41
SMTP サーバのキュー内のメッセージがすべて処理済みであり、キューが空であることを確認します。
同じホストにインストールする場合は、SIMS を停止します。
- これには、次のようにディスパッチャを停止する方法があります。
- /opt/SUNWmail/sbin/imta stop dispatcher
- この時点で SMTP サーバは停止しますが、ジョブコントローラによってキュー内のメッセージの処理は続けられます。キューが空であることを確認するには、次のコマンドを入力します。
- /opt/SUNWmail/sbin/imta qm counters
iPlanet Messaging Server および付属のディレクトリサーバをインストールして構成します。iPlanet Messaging Server のプロセスをすべて停止します。
- /opt/SUNWmail/sbin/im.server stop.
- SIMS のすべてのプロセスが停止したことを確認します。LDAP サーバ (slapd) は停止しないでください。この間、メールの送受信はできなくなります。
SIMS 4.0 のユーザ / グループディレクトリをポイントするように、iPlanet Messaging Server の設定を変更します。
- インストール時には、既存の SIMS ディレクトリサーバをユーザ / グループ情報の保存先サーバに指定しないでください。これはあとで行います。この時点では iPlanet Messaging Server の構成データを保存するために新しいディレクトリサーバをインストールする必要があります。インストールに関する次の質問に「No」と答えます。
- Do you want to use another directory to store your data?[No]:
- デフォルトのインストールオプションを使用します。ただし、ディレクトリサーバを同じホストにインストールする場合は、SIMS ディレクトリサーバと同じネットワークポートは使用しないでください。これは、通常、389 ですが、390 を使用することもできます。ユーザとメーリングリストのエントリは既存のディレクトリサーバに置いたままになります。
- インストールの最後に、インストーラによってすべてのサーバプロセスが開始されます。インストールが終了したら、すべてのプロセスを停止してください。root として、次のコマンドを実行します。
instance_root/stop-msg
SIMS サーバでログイン区切りに「+」を使用している場合、iPlanet Messaging Server では「@」がデフォルトなので、ログイン区切り文字を「+」に変更します。
- configutil を使用して、次の設定パラメータを変更します。
- local.ugldapbasedn = o=internet (SIMS で、ユーザを保存するために使用していた接尾辞)
local.ugldapbinddn = "cn=Directory Manager" (ディレクトリサーバのバインド DN)
local.ugldapbindcred = secret (ディレクトリサーバのバインドパスワード)
local.ugldapdeforgdn = "dc=siroe,dc=com,o=internet" (デフォルトの組織 DN)
local.ugldaphost = ldap.siroe.com (LDAP サーバがあるホスト)
local.ugldapport = 389
(次の手順は、iPlanet Messaging Server を古い SIMS サーバと同じホスト (oldmail.siroe.com) にインストールする場合にだけ行います。別のホストにインストールする場合は、次の手順に進んでください。iPlanet Messaging Server スキーマを使用するように、ドメイン、ユーザ、およびメーリングリストのディレクトリエントリをアップグレードします。
- instance_root/configutil -o service.loginseparator -v +
imsdirmig コマンドを使用して、ドメインエントリをアップグレードします (付録 A「コマンドラインインタフェース」を参照)。
(次の手順は、iPlanet Messaging Server を新しいホストにインストールする場合にだけ行います。) iPlanet Messaging Server スキーマを使用するように、ドメイン、ユーザ、およびグループのディレクトリエントリをアップグレードして、ユーザ / グループエントリの mailhost 属性を新しいホスト (newmail.siroe.com) に設定します。
ユーザ / グループエントリをアップグレードします。
- imsdirmig -h ldap.siroe.com -b "o=internet" -M sims -D "cn=Directory Manager" -w secret -m domains
- o=internet の下のすべてのドメインがアップグレードされます。
stored を起動します。
- imsdirmig -h ldap.siroe.com -b "dc=com,o=internet" -M sims -D "cn=Directory Manager" -w secret -m both
- o=internet の下のすべてのユーザ / グループエントリがアップグレードされます。
iPlanet Messaging Server で imsimta dirsync -F コマンドを実行します。
- instance_root/start stored
- instance_root/imsimta dirsync -F
/opt/SUNWmail/sbin/im.server stop を使用して SIMS を停止します。SIMS のすべてのプロセスが停止したことを確認します。LDAP サーバ (slapd) は停止しないでください。この間、メールの送受信はできなくなります。
メッセージサーバを起動します。iPlanet Messaging Server スキーマを使用するように、ドメインエントリをアップグレードします。
ユーザ / グループエントリをアップグレードします。
- imsdirmig コマンドを使用します (付録 A「コマンドラインインタフェース」を参照)。
- imsdirmig -h ldap.siroe.com -b "o=internet" -M sims -D "cn=Directory Manager" -w secret -m domains -A mailroutinghosts:newmail.siroe.com
- o=internet の下のすべてのドメインがアップグレードされます。
ユーザクライアントで新しいメールサーバが指定されていることを確認します。一時的に古いメールにアクセスできなくなることがあることをユーザに知らせます。
- imsdirmig -h ldap.siroe.com -b "dc=com,o=internet" -M sims -D "cn=Directory Manager" -w secret -m both -A mailhost:newmail.siroe.com
- o=internet の下のすべてのユーザ / グループエントリに新しいメールホストが割り当てられ、エントリは新しいスキーマにアップグレードされます。
stored を起動します。
- 移行済みユーザには、新しいメールサーバをポイントするようにメールクライアントプログラムを修正してもらいます (この例では oldmail.siroe.com から newmail.siroe.com をポイントするように変更します)。既存のメールホストを新しいメールホストに置き換える場合は、この手順が必要です。
- メッセージストアの移行が完了するまで、古いメールにはアクセスできないことと、一時的に空のメールボックスが表示されることをユーザに知らせます。さらに、メッセージストアの移行後は、新着メッセージ (iPlanet Messaging Server に新たに届いたメッセージ) と古いメッセージとが混在することも知らせます。
newmail.siroe.com で完全な dirsync を実行します。
- instance_root/start stored
システムの新しいデフォルトのメッセージングサーバに iPlanet Messaging Server を設定します。
- instance_root/imsimta dirsync -F
- これで、メッセージは newmail.siroe.com メッセージストアに配信されます。
移行後、ドメインの mailhosts 属性と preferredmailhost 属性の属性値が oldmail.siroe.com ではなく、newmail.siroe.com に設定されていることを確認します。たとえば、preferredmailhost の変更が必要なドメインメールエントリを検索するには、次の ldapsearch コマンドを使用します。
- newmail.siroe.com (以前 oldmail.siroe.com によってホストされていたドメインを管理するサーバ) をポイントするように、oldmail.siroe.com の A レコードを変更します。
- ldapsearch -h ldap.siroe.com -b "o=internet" "(&(objectclass=maildomain)(preferredmailhost=oldmail.siroe.com))"
- mailhosts の変更が必要なドメインメールエントリを検索するには、次の ldapsearch コマンドを使用します。
- ldapsearch -h ldap.siroe.com -b "o=internet" "(&(objectclass=maildomain)(mailhosts=oldmail.siroe.com))"
SIMS メッセージストアを iPlanet Messaging Server メッセージストアに変換します。
- SIMS メッセージストアが iPlanet Messaging Server メッセージストアに移行されるまで、古いメッセージにはアクセスできません。さらに、SIMS から移行された古いメッセージと、iPlanet Messaging Server メッセージストアに直接届いた新しいメッセージとが混在することになります。このため、受信順序が不正確になる場合があります。
- 次に、ほかのすべてのサーバプロセスを開始します。
- instance_root/start-msg
- この時点で、iPlanet Messaging Server は完全に機能します。
注 新しくインストールした iPlanet Messaging Server のデフォルト設定では、SMTP リレーはすべてブロックされます。サイトのポリシーに合わせてデフォルト設定を変更する場合は、「SMTP リレー機能」を参照してください。
iPlanet Delegated Administrator for Messaging をインストールする前に、適切な ACI を追加します。
- これを行うには、imsbackup を使用して SIMS メッセージストアをバックアップし、imsrestore を使用してメッセージストアを iPlanet Messaging Server にリストアします。この手順について次に説明します。
注 メールボックス名の文字で MUTF-7 (Modified Unicode Tranformation Format、RFC 2060 を参照) でエンコードされていないものは、imsrestore によってスペースに置き換えられます。ユーザは、メールクライアントからフォルダ名を修正できます。変換によるフォルダ名の重複を避けるには、imsrestore の -n オプションを使用します。
- 同じホストでアップグレードする場合は、oldmail.siroe.com で次のコマンドを実行します。
- imbackup -f- -u user_file | server_root/bin/msg/store/bin/imsrestore -f- -cy -n -v1
- 新しいホストにアップグレードする場合は、newmail.siroe.com で次のコマンドを実行します。
- rsh ipaddress_of_oldmail.siroe.com /opt/SUNWmail/sbin/imbackup -f- -u user_file | server_root/bin/msg/store/bin/imsrestore -f- -cy -n -v1
- user_file はユーザメールボックスの名前が含まれているファイルです。ユーザエントリを等分してそれぞれのユーザファイルに入れ、10 〜 15 のバックアップ / リストアセッションを同時に実行すると、新しいメッセージストアへのリストアの速度を最適化できます。
注 次のように fsync を無効にしないでください。
configutil -o "local.store.synclevel" -v 0
- 次に示す、移行ツールキットに含まれている imsdaaci コマンドは、Delegated Administrator サービス管理者グループと Delegated Administrator ドメイン管理者グループ、および必要な ACI を作成するために使用する LDIF ファイルを作成します。
- server_root/bin/msg/migrate/bin/imsdaaci
- DIT に LDIF ファイルを追加するには、ldapmodify を使用します。ACI については、『iPlanet Messaging Server プロビジョニングガイド』を参照してください。
単一サーバの SIMS システムのアップグレード (メッセージストアの段階的移行方法)
メッセージストアの段階的移行方法を使用して、単一サーバの SIMS 電子メールシステムを単一サーバの iPlanet Messaging Server に移行する手順を説明します。
iPlanet Messaging Server を新しいホストにインストールし、SIMS 4.0 の代わりに使用する (ハードウェアが余分に必要である)
移行手順ディレクトリサーバは Netscape Directory Server 4.12 を使用する。SIMS と同じホストにあっても別のホストにあってもかまわない。iPlanet Messaging Server に新しいディレクトリサーバがインストールされるが、これにはサーバの構成データだけを置く。古いディレクトリ、つまり SIMS のディレクトリでは、アップグレードされた同一のユーザ、グループ、およびドメインのエントリで新しい iPlanet Messaging Server をサポートする
ユーザメールボックスは、一度にすべてが移行されるのではなく、数回に分けて移行される。
SIMS のユーザ / グループのディレクトリ接尾辞 : o=internet
SIMS のメールサーバ名 : oldmail.siroe.com
iPlanet Messaging Server のメールサーバ名 : newmail.siroe.com
マスターディレクトリサーバ : ldap.siroe.com
ディレクトリサーバのバインドパスワード : secret
SIMS のデフォルトの組織 DN : dc=siroe,dc=com,o=internet
ディレクトリサーバのデータベースをバックアップします。
複数スキーマのサポートを有効にします (SIMS/Netscape Messaging Server/iPlanet Messaging Server)。マージされたスキーマファイル (merged.oc.conf および merged.at.conf) を SIMS のディレクトリサーバ (マスターおよび複製) に追加します。「複数スキーマのサポート」を参照してください。
- 使用するコマンドは DirServer_instance_root/bin/db2ldif です。詳細は、次の Netscape Directory Server のマニュアルを参照してください。http://docs.iplanet.com/docs/manuals/directory.html#dirserver41
iPlanet Messaging Server および付属のディレクトリサーバを newmail.siroe.com という新しいシステムにインストールして構成します。iPlanet Messaging Server のプロセスをすべて停止します。
SIMS 4.0 のユーザ / グループディレクトリをポイントするように、iPlanet Messaging Server の設定を変更します。configutil を使用して、次の設定パラメータを変更します。
- インストール時には、既存の SIMS ディレクトリサーバをユーザ / グループ情報の保存先サーバに指定しないでください。これはあとで行います。この時点では iPlanet Messaging Server の構成データを保存するために新しいディレクトリサーバをインストールする必要があります。インストールに関する次の質問に「No」と答えます。
- Do you want to use another directory to store your data?[No]:
- インストールの最後に、インストーラによってすべてのサーバプロセスが開始されます。インストールが終了したら、すべてのプロセスを停止してください。root として、次のコマンドを実行します。
instance_root/stop-msg
SIMS サーバでログイン区切りに「+」を使用している場合、iPlanet Messaging Server では「@」がデフォルトなので、ログイン区切り文字を「+」に変更します。次のコマンドを使用します。
- local.ugldapbasedn = o=internet (SIMS で、ユーザを保存するために使用していた接尾辞)
local.ugldapbinddn = "cn=Directory Manager" (ディレクトリサーバのバインド DN)
local.ugldapbindcred = secret (ディレクトリサーバのバインドパスワード)
local.ugldapdeforgdn = "dc=siroe,dc=com,o=internet" (デフォルトの組織 DN)
local.ugldaphost = ldap.siroe.com (LDAP サーバがあるホスト)
local.ugldapport = 389
SIMS のドメインエントリをアップグレードします。この手順では、iPlanet Messaging Server スキーマがサポートされるように、新しい属性でドメインエントリをアップグレードします。次のコマンドを使用します。
- configutil -o service.loginseparator -v +
複数スキーマの LDAP エントリをサポートできるように、iPlanet Messaging Server (newmail.siroe.com) の dirsync コマンドを設定します。
- imsdirmig -h ldap.siroe.com -b "o=internet" -M sims -D "cn=Directory Manager" -w secret -m domains -A mailroutinghosts:newmail.siroe.com -P
- ここでは、ドメインエントリだけをアップグレードしています。ドメイン内のユーザエントリやメーリングリストエントリはアップグレードされません。これはあとで行います。
stored を起動します。
- configutil を使用して、次の 3 つのパラメータを設定します。
- instance_root/configutil -o local.imta.schematag -v "sims40,ims50"
instance_root/configutil -o local.imta.ugfilter -v
"(|(objectClass=inetLocalMailRecipient)(|(objectClass=inetMailUser)(objectClass=inetMailGroup)))"
instance_root/configutil -o local.imta.sims_migrate -v True
newmail.siroe.com で完全な dirsync を実行します。
- instance_root/start stored
newmail.siroe.com のすべてのサーバプロセスを開始します。
- instance_root/imsimta dirsync -F
oldmail.siroe.com で SIMS 4.0 のプロキシサーバを構成します。
- instance_root/start-msg
注 新しくインストールした iPlanet Messaging Server のデフォルト設定では、SMTP リレーはすべてブロックされます。サイトのポリシーに合わせてデフォルト設定を変更する場合は、「SMTP リレー機能」を参照してください。
oldmail.siroe.com から newmail.siroe.com に、ユーザの一部を移行します。
- この手順により、oldmail.siroe.com からの移行後に、ユーザ側で newmail.siroe.com をポイントするようにメールクライアントの設定を変更する手間が省けます。oldmail.siroe.com が IMAP/POP プロキシとして機能するように構成されると、受信クライアント接続は適切なメールサーバに対して行われます。
- oldmail.siroe.com /etc/opt/SUNWmail/ims/ims.cnf にあるメッセージストアの設定ファイルを次のように変更します。
- ims-proxy: on
- このように変更すると、oldmail.siroe.com の IMAP/POP サーバはプロキシサーバとして機能する一方で、ローカルメールボックスにアクセスすることも可能になります。oldmail.siroe.com はプロキシサーバとメッセージストアサーバの両方として機能することになります。
- IMAP/POP サーバを再起動します。
- /opt/SUNWmail/sbin/mt.scheduler stop
/opt/SUNWmail/sbin/mt.scheduler start
- ユーザを小分けして新しいシステムに移行することにより、ユーザのダウンタイム (ユーザがメールボックスにアクセスできない時間) を最小限に抑えることができます。このプロセスの結果を確認できるように、まず少人数のユーザを移行してみることをお勧めします。ユーザのまとまりごとに、次の手順を実行します。
移行するユーザのまとまりを選択します。移行中はメールにアクセスできないことをユーザに知らせます。
これらのユーザ宛てのすべてのメッセージがユーザメールボックスではなく保留チャネルに送信されるように指定し、ユーザメールボックスはロックして移行中は開けないようにします。次のコマンドを使用します。
oldmail.siroe.com と newmail.siroe.com の両方で増分 dirsync を実行して、前の手順で加えた変更を反映します。
- imsdirmig -b "dc=siroe,dc=com,o=internet" -M sims -D "cn=Directory Manager" -w secret -m users -F "(uid=s*)" -A mailDeliveryOption:hold¥;mailFolderMap:LOCK -O
- 上の例では、siroe.com 内で uid の値が「s」で始まるすべてのユーザエントリについて、mailDeliveryOption と mailFolderMap の属性値が更新されます (RFC-1558 に従ってあらゆる LDAP フィルタを使用できます)。このコマンドでは、iPlanet Messaging Server スキーマをサポートするためのエントリのアップグレードは行わないでください。これはあとの移行プロセスで行います。
- このコマンドを実行すると、対象ユーザは自分のメールボックスにアクセスできなくなりますが、メールを送信することはできます。受信メールは保留チャネルに保存され、この手順の最後にメールボックスに配信されます。
SIMS のユーザメッセージストアのまとまりを iPlanet Messaging Server のメッセージストアに変換して移動します。
- これを行うには、imsbackup を使用して SIMS メッセージストアをバックアップし、imsrestore を使用してメッセージストアを iPlanet Messaging Server にリストアします。この手順について次に説明します。
注 メールボックス名の文字で、MUTF-7 (Modified Unicode Tranformation Format、RFC 2060 を参照) でエンコードされていないものは、imsrestore によってスペースに置き換えられます。ユーザは、メールクライアントからフォルダ名を修正できます。変換によるフォルダ名の重複を避けるには、imsrestore の -n オプションを使用します。
- iPlanet Messaging Server で次のコマンドを実行します。
- rsh SIMS_host /opt/SUNWmail/ims/sbin/imbackup -f- -u usernames_file | server_root/bin/msg/store/bin/imsrestore -f- -cy -n -v1
- imbackup は SIMS ホストで実行されます。user_file は、ユーザメールボックス名を含むファイルです。ユーザエントリを等分してそれぞれのユーザファイルに入れ、10 〜 15 のバックアップ / リストアセッションを同時に実行すると、リストアの速度を最適化できます。imsrestore は iPlanet Messaging Server ホストで実行されます。
新しい iPlanet Messaging Server をポイントするようにユーザエントリを変更し、ユーザエントリに mailDeliveryOption:mailbox および mailhost:newmail.siroe.com と設定することによってメールボックスに対する保留を解除します。次のように、imsdirmig を -O および -A オプションとともに使用します。
ユーザ / グループの次のまとまりについて、前の手順を繰り返します。前の手順を参照してください。
newmail.siroe.com と oldmail.siroe.com で完全な dirsync を実行します。
- imsdirmig -b "dc=siroe,dc=com,o=internet" -M sims -D "cn=Directory Manager" -w secret -m users -F "(uid=s*)" -O -A mailDeliveryOption:mailbox¥;mailhost:newmail.siroe.com
- これで、移行済みユーザがメールボックスにアクセスできるようになります。
oldmail.siroe.com と newmail.siroe.com の保留キューを空にし、メールボックスを移行している間にシステムに届いたメッセージをすべて新しいサーバ、newmail.siroe.com にリダイレクトします。
- これで、移行済みユーザ宛てのメッセージは、oldmail.siroe.com の MTA により、newmail.siroe.com のメッセージストアに配信されます。
- oldmail.siroe.com で次のコマンドを実行します。
- /opt/SUNWmail/imta/sbin/hold_master -u uid -d domain
- -u は受取人の名前を指定し、-d はそのユーザが所属するドメインを指定します。
グループエントリの場合は、mailhost 属性を新しい iPlanet Messaging Server ホストの完全指定名 (newmail.siroe.com など) に変更します。変更しないと、ローカルに配信しようとしたメールが SIMS サーバに差し戻されます。
システムの新しいデフォルトのメッセージングサーバに iPlanet Messaging Server を設定します。
- imsdirmig -b "dc=siroe,dc=com,o=internet" -M sims -D "cn=Directory Manager" -w secret -m groups -F "(objectclass=inetmailgroup)" -O -A mailhost:newmail.siroe.com
- これにより、すべてのグループの LDAP エントリがアップグレードされます。
SMTP サーバのキュー内のメッセージがすべて処理済みであり、キューが空であることを確認します。
- oldmail.siroe.com の DNS レコードを newmail.siroe.com をポイントする CNAME または A レコードに変更します。
古いホストの使用を停止します。
- これには、次のようにディスパッチャを停止する方法があります。
- /opt/SUNWmail/sbin/imta stop dispatcher
- この時点で SMTP サーバは停止しますが、ジョブコントローラによってキュー内のメッセージの処理は続けられます。キューが空であることを確認するには、次のコマンドを入力します。
- /opt/SUNWmail/sbin/imta qm counters
すべてのユーザを移行したら、imsdirmig を使用して、すべてのユーザ / グループのディレクトリエントリを iPlanet Messaging Server スキーマにアップグレードします。imsdirmig は次のように実行します。
複数スキーマのサポートを無効にします。
- imsdirmig -b "o=internet" -M sims -D "cn=Directory Manager" -w secret -m both
移行後、ドメインの mailhosts 属性と preferredmailhost 属性の属性値が oldmail.siroe.com ではなく、newmail.siroe.com に設定されていることを確認します。たとえば、preferredmailhost の変更が必要なドメインメールエントリを検索するには、次の ldapsearch コマンドを使用します。
- すべてのディレクトリエントリが iPlanet Messaging Server にアップグレードされたら、複数スキーマのサポートは不要になります。configutil を使用して、次の 2 つのパラメータを削除します。
- instance_root/configutil -o local.imta.schematag -v ""
instance_root/configutil -o local.imta.ugfilter -v ""
newmail.siroe.com で増分 dirsync を実行します。
- ldapsearch -h ldap.siroe.com -b "o=internet" "(&(objectclass=maildomain)(preferredmailhost=oldmail.siroe.com))"
- mailhosts の変更が必要なドメインメールエントリを検索するには、次の ldapsearch コマンドを使用します。
- ldapsearch -h ldap.siroe.com -b "o=internet" "(&(objectclass=maildomain)(mailhosts=oldmail.siroe.com))"
iPlanet Delegated Administrator for Messaging をインストールする前に、適切な ACI を追加します。
- 次に示す、移行ツールキットに含まれている imsdaaci コマンドは、Delegated Administrator サービス管理者グループと Delegated Administrator ドメイン管理者グループ、および必要な ACI を作成するために使用する LDIF ファイルを作成します。
- server_root/bin/msg/migrate/bin/imsdaaci
- DIT に LDIF ファイルを追加するには、ldapmodify を使用します。ACI については、『iPlanet Messaging Server プロビジョニングガイド』を参照してください。
SIMS の段階的移行に関する補足
メッセージストアの設定を次に示すように変更すると、ユーザの最初のまとまりに関して、メールボックスの移行パフォーマンスを向上させることができます。ただし、この設定のまま実際のメッセージングサーバを稼働させるのは安全ではありません。ユーザメールボックスの最初のまとまりを SIMS サーバから iPlanet Messaging Server に移行したら、設定の変更を元に戻すことをお勧めします。メールボックスの移行を最適化するには、次の手順を実行します。
手順 12 の手順 c のあと、メッセージングサーバを停止します。
同期レベルを 0 に設定します。
- instance_root/stop-msg
store デーモンを起動します。
- instance_root/configutil -o "local.store.synclevel" -v 0
手順 12 の手順 d に戻ります。
- instance_root/start store
メールボックスの最初のまとまりを移行したら、同期レベルをリセットします。
メッセージングサーバのプロセスを再起動します。
- configutil -o "local.store.synclevel" -v -1
- instance_root/start-msg
単一サーバの Netscape Messaging Server システムからの移行
余分なハードウェアを使わずに、単一サーバの Netscape Messaging Server 電子メールシステムを単一サーバの iPlanet Messaging Server に移行する手順を説明します。
同じサーバで Netscape Messaging Server 4.x を iPlanet Messaging Server に置き換える
ユーザおよびグループの UID の形式は、LocalPart (ofanning、wallyc など)、または LocalPart@FQDN (wallyc@varrius.org、ofanning@siroe.com など) である。別の形式の UID を使用している場合は、ネームスペースに関する制限やその回避策について、「Netscape Messaging Server 4.x のディレクトリネームスペースに関する制限事項」を参照
ディレクトリサーバは Netscape Directory Server 4.12 を使用する。Netscape Messaging Server と同じホストにあっても別のホストにあってもかまわない。iPlanet Messaging Server に新しいディレクトリサーバがインストールされるが、これにはサーバの構成データだけを置く。古いディレクトリ、つまり Netscape Messaging Server のディレクトリでは、アップグレードされた同一のユーザ、グループ、およびドメインのエントリで新しい iPlanet Messaging Server をサポートする
iPlanet Messaging Server のユーザ / グループのディレクトリ接尾辞 : o=siroe.com (既存のユーザ / グループのベース接尾辞)
マスターディレクトリサーバ : ldap.siroe.com
ディレクトリサーバのバインド DN : cn=Directory Manager
ディレクトリサーバのバインドパスワード : secret
Netscape Messaging Server のユーザ / グループのベース DN : o=siroe.com
iPlanet Messaging Server のデフォルトの組織 DN : o=siroe.com
ディレクトリサーバのネットワークポート : 389
iPlanet Messaging Server のサーバユーザ : mailsrv
UNIX における Netscape Messaging Server 移行手順
移行する前に、メッセージストアをバックアップしておくことを強くお勧めします。
SMTP サーバのキュー内のメッセージがすべて処理済みであり、キューが空であることを確認します。
複数スキーマのサポートを有効にします (SIMS/Netscape Messaging Server/iPlanet Messaging Server)。マージされたスキーマファイル (merged.oc.conf および merged.at.conf) をディレクトリサーバに追加します。「複数スキーマのサポート」を参照してください。
- これには、SMTP ポート番号を変更し、SMTP サーバを再起動する方法があります。このようにすると、サーバではキューのメッセージを引き続き処理しますが、標準の SMTP ポートではメッセージを受け付けなくなります。
- instance_root/configutil -o service.smtp.port -v 901
instance_root/stop-msg smtp
instance_root/start-msg smtp
- キューが空であることを確認するには、次のコマンドを入力します。
- /usr/bin/mailq
Netscape Messaging Server の LDAP サーバに対して perl ims_dssetup.pl を実行し、スキーマを更新しないことを選択します。
Netscape Messaging Server 4.x を停止します。ディレクトリサーバは停止しないでください。
- 詳細は、『iPlanet Messaging Server インストールガイド』を参照してください。
iPlanet Messaging Server に、Netscape Messaging Server のバニティドメインを再実装します。
Netscape Messaging Server のディレクトリサーバを再起動します。
- 『iPlanet Messaging Server プロビジョニングガイド』を参照してください。
新しいサーバルートディレクトリに iPlanet Messaging Server をインストールします。次に示す例外を除き、デフォルトのインストールオプションを使用できます。
- instance_root/restart-slapd
構成情報を置くために新しいディレクトリサーバをインストールします。ただし、ユーザ / グループデータに関しては既存の Netscape Messaging Server のディレクトリサーバをポイントするように新しいメッセージングシステムを設定します。
サーバプロセスをすべて停止します。
次のメッセージが表示されます。
- 画面に次のメッセージが表示された場合は、デフォルト (No) を使用します。
- Do you want to register this software with an existing netscape configuration directory server? [No]:
- 次のメッセージが表示された場合は、デフォルトを使用せずに Yes と入力してから、適切なディレクトリ情報を入力します。
- Do you want to use another directory to store your data? [No]:Yes
- Default Organization DN [o=siroe.com,o=Old_Dir_Root]:
- デフォルト値 (o=siroe.com,o=Old_Dir_Root) を使用します。これは、Netscape Messaging Server のユーザエントリの場所ではありません。この時点では、エントリは現在のネームスペースにあります。
既存の Netscape Messaging Server のディレクトリのネームスペースを iPlanet Messaging Server のディレクトリのネームスペースにマップまたは変更します。
- instance_root/stop-msg
デフォルトの組織ツリーを設定します。
- 「iPlanet Messaging Server での既存のディレクトリ情報ツリーの使用」を参照してください。
configutil を使用して local.ugldapdeforgdn を o=siroe.com に設定します。
Netscape Messaging Server メッセージストアを iPlanet Messaging Server メッセージストアに移行します。
configutil を使用して local.service.pab.migrate415 を 1 に設定します。
- instance_root/configutil -o "local.ugldapdeforgdn" -v "o=siroe.com"
- o=siroe.com は、デフォルトドメインに対応する組織ツリーの DN です。
- ./configutil -o local.service.pab.migrate415 -v 1
- 次の手順に従って、プライマリストアパーティションのパスが Netscape Messaging Server 4.x のメッセージストアパスをポイントするように変更します。
iPlanet Messaging Server Administration Console を使用して、Netscape Messaging Server 4.x のすべてのメールストアパーティションをポイントするように、メッセージストアの設定を変更します(『iPlanet Messaging Server 管理者ガイド』を参照)。
新しいマルチシステムスキーマをサポートするように dirsync を構成します。これには、configutil を使用して次の 2 つのパラメータを追加します。
注 メッセージストアディレクトリは、メッセージストアのデータが置かれている場所なので、Netscape Messaging Server 4.x を削除するときにメッセージストアディレクトリを削除しないでください。
Netscape Messaging Server ユーザの講読フォルダへのシンボリックリンクを設定します。
- rmdir iMS_server_root/msg-instance/store/user/
mboxlist ファイルをコピーします。
- ln -s NMS_Server_Root/msg-instance/store/user/
iMS_server_root/msg-instance/store/user/
quota ファイルをコピーします。
- cp NMS_Server_Root/msg-instance/store/mboxlist/data.db2
iMS_server_root/msg-instance/store/mboxlist/folder.db
ファイルがメールサーバユーザによって所有されていることを確認します。たとえば、次のように入力します。
- cp NMS_server_root/msg-instance/store/quota.db2 iMS_server_root/msg-instance/mboxlist/quota.db
ほかのファイルはコピーしないでください。
- chown mailsrv iMS_server_root/msg-instance/store/mboxlist/*
stored を起動します。
- instance_root/configutil -o local.imta.schematag -v "ims50,nms41"
instance_root/configutil -o local.imta.ugfilter -v
"(|(objectClass=inetLocalMailRecipient)(|(objectClass=mailRecipient)(objectclass=mailGroup)))"
完全な dirsync を実行し、ユーザおよびグループのエントリを取り込みます。
- instance_root/start stored
iPlanet Messaging Server を再起動します。これで、Netscape Messaging Server 4.x のユーザメールボックスを表示できます。
- instance_root/imsimta dirsync -F
新しい機能を使用できるように、制限容量データベースをアップグレードします。
- メールサーバは使用可能になっています。この時点では、複数スキーマのサポートにより、iPlanet Messaging Server は ldap.siroe.com の古いディレクトリエントリを使って機能しています。新しいユーザおよびグループのエントリは、新しいディレクトリノードに作成されます。
注 新しくインストールした iPlanet Messaging Server のデフォルト設定では、SMTP リレーはすべてブロックされます。サイトのポリシーに合わせてデフォルト設定を変更する場合は、「SMTP リレー機能」を参照してください。
新しいサーバが起動したら、imsdirmig を使用して、ユーザおよびグループのディレクトリエントリを iPlanet Messaging Server スキーマにアップグレードします。
- メールサーバユーザとして次を実行します。
- su mailsrv
cd iMS_server_root/bin/msg/admin/bin
setenv CONFIGROOT iMS_server_root/msg-instance/config
./reconstruct -q
exit
複数スキーマのサポートを無効にします。
- imsdirmig -b "o=siroe.com" -M nms -D "cn=Directory Manager" -F "(!(cn=postmaster))" -w secret -m both
- -F "(!(cn=postmaster))" は、移行プロセスからポストマスターエントリを除外するフィルタです。このようなフィルタが指定されていない場合、imsdirmig はエントリの処理に失敗し、エラーのために終了します (-c を指定して、エラー発生後も imsdirmig の処理を続行することもできます)。
iPlanet Delegated Administrator for Messaging をインストールする前に、適切な ACI を追加します。
- すべてのディレクトリエントリが iPlanet Messaging Server にアップグレードされたら、複数スキーマのサポートは不要になります。configutil を使用して、次の 2 つのパラメータを削除します。
- instance_root/configutil -o local.imta.schematag -v ""
instance_root/configutil -o local.imta.ugfilter -v ""
- 次に示す、移行ツールキットに含まれている imsdaaci コマンドは、Delegated Administrator サービス管理者グループと Delegated Administrator ドメイン管理者グループ、および必要な ACI を作成するために使用する LDIF ファイルを作成します。
- server_root/bin/msg/migrate/bin/imsdaaci
- DIT に LDIF ファイルを追加するには、ldapmodify を使用します。ACI については、『iPlanet Messaging Server プロビジョニングガイド』を参照してください。
Windows NT における Netscape Messaging Server 移行手順
移行する前に、メッセージストアをバックアップしておくことを強くお勧めします。
SMTP サーバのキュー内のメッセージがすべて処理済みであり、キューが空であることを確認します。
Netscape Messaging Server の LDAP サーバに対し perl ims_dssetup.pl を実行します。ims_dssetup.pl によってディレクトリサーバスキーマのアップデートを求めるメッセージが表示されたら、スキーマのアップデートを選択します。
- これには、SMTP ポート番号を変更し、SMTP サーバを再起動する方法があります。このようにすると、サーバではキューのメッセージを引き続き処理しますが、標準の SMTP ポートではメッセージを受け付けなくなります。
- instance_root¥configutil -o service.smtp.port -v 901
instance_root¥stop-msg smtp
instance_root¥start-msg smtp
- キューが空になるのを待ちます。
複数スキーマのサポートを有効にします (SIMS/Netscape Messaging Server/iPlanet Messaging Server)。マージされたスキーマファイル (merged.oc.conf および merged.at.conf) をディレクトリサーバに追加します。『iPlanet Messaging Server 移行ガイド』の付録 B「複数スキーマのサポート」を参照してください。また、以前の手順で追加したスキーマファイル、um50-common-schema.conf および ims50-schema.conf に対する include 指示をすべてコメントアウトします。キーワードの前に # を付加し、その手順の説明に従います。
Netscape Messenger Server だけをアンインストールします。ユーザのメールストアは保存することを選択します。Directory Server はアンインストールしません。
- 詳細は、『iPlanet Messaging Server インストールガイド』を参照してください。
ユーザのメールストアが置かれている msg-instance ディレクトリの名前をほかの名前 (「mailstore」など) に変更します。
iPlanet Messaging Server に、Netscape Messaging Server のバニティドメインを再実装します。
Netscape Messaging Server と同じサーバディレクトリに iPlanet Messaging Server をインストールします。Directory Server はインストールしないことを選択します。Default Organization DN [o=siroe.com,o=OldDirRoot] というメッセージが表示されたら、デフォルト値 (o=siroe.com,o=OldDirRoot) を使用します。これは、Netscape Messaging Server のユーザエントリの場所ではありません。この時点では、エントリは現在のネームスペースにあります。
既存の Netscape Messaging Server のディレクトリのネームスペースを iPlanet Messaging Server のディレクトリのネームスペースにマップまたは変更します。
- instance_root/stop-msg
デフォルトの組織ツリーを設定します。
- 『iPlanet Messaging Server 移行ガイド』の付録 B の「iPlanet Messaging Server での既存のディレクトリ情報ツリーの使用」を参照してください。
Netscape Messaging Server メッセージストアを iPlanet Messaging Server メッセージストアに移行します。
- configutil を使用して local.ugldapdeforgdn を o=sesta.com に設定します。
- instance_root/configutil -o "local.ugldapdeforgdn" -v "o=sesta.com"
- o=sesta.com は、デフォルトドメインに対応する組織ツリーの DN です。
- 次の手順に従って、プライマリストアパーティションのパスが Netscape Messaging Server 4.x のメッセージストアパスをポイントするように変更します。
iPlanet Messaging Server Administration Console を使用して、Netscape Messaging Server 4.x のすべてのメールストアパーティションをポイントするようにメッセージストアの設定を変更します (mailstore は手順 5 で使用した例)。
新しいマルチシステムスキーマをサポートするように dirsync を構成します。これには、configutil を使用して次の 2 つのパラメータを追加します。次に示すように、Netscape Messaging Server メッセージストアをコピーします。
mboxlist ファイルをコピーします。
- NMS_server_root/mailstore/store/user/
- から
- iMS_server_root/msg-instance/store/user/
- (mailstore は手順 5 で使用した例)
quota ファイルをコピーします。
- NMS_server_root/mailstore/store/mboxlist/data.db2
- から
- iMS_server_root/msg-instance/store/mboxlist/folder.db
ほかのファイルはコピーしないでください。
- NMS_server_root/mailstore/store/quota.db2
- から
- iMS_server_root/msg-instance/mboxlist/quota.db
stored を起動します。
- instance_root/configutil -o local.imta.schematag
-v "ims50,nms41"
instance_root/configutil -o local.imta.ugfilter
-v (|(objectClass=inetLocalMailRecipient)
(|(objectClass=mailRecipient) (objectclass=mailGroup)))
完全な dirsync を実行し、ユーザおよびグループのエントリを取り込みます。
- instance_root/start stored
iPlanet Messaging Server を再起動します。これで、Netscape Messaging Server 4.x のユーザメールボックスを表示できます。
- instance_root/imsimta dirsync -F
新しい機能を使用できるように、制限容量データベースをアップグレードします。メールサーバユーザとして次を実行します。
- メールサーバは使用可能になっています。この時点では、複数スキーマのサポートにより、iPlanet Messaging Server は ldap.sesta.com の古いディレクトリエントリを使って機能しています。新しいユーザおよびグループのエントリは、新しいディレクトリノードに作成されます。
注 新しくインストールした iPlanet Messaging Server のデフォルト設定では、SMTP リレーはすべてブロックされます。サイトのポリシーに合わせてデフォルト設定を変更する場合は、『iPlanet Messaging Server 移行ガイド』の第 1 章「Netscape Messaging Server 4.x との相違点」の「SMTP リレー機能」を参照してください。
新しいサーバが起動したら、imsdirmig を使用して、ユーザおよびグループのディレクトリエントリを iPlanet Messaging Server スキーマにアップグレードします。
- cd iMS_server_root/bin/msg/admin/bin
reconstruct -q
複数スキーマのサポートを無効にします。
- imsdirmig -b "o=sesta.com" -M nms -D "cn=Directory Manager" -w secret -m both -F "(!(cn=postmaster))"
- すべてのディレクトリエントリが iPlanet Messaging Server にアップグレードされたら、複数スキーマのサポートは不要になります。configutil を使用して、次の 2 つのパラメータを削除します。
- instance_root/configutil -o local.imta.schematag -v ""
instance_root/configutil -o local.imta.ugfilter -v ""
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最新更新日 2002 年 2 月 14 日