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iPlanet Application Server 管理者ガイド



第 8 章   データベース接続の管理


iPlanet Application Server アプリケーションから、データベースにアクセスし、データを追加、取得、および変更することができます。この章では、データアクセスドライバを設定し、設定値をデータベース接続パラメータに適用する方法について説明します。

この章には次のトピックがあります。



データアクセスドライバについて

iPlanet Application Server アプリケーションでは、頻繁にデータベースにアクセスする必要があります。 データベースにはデータアクセスドライバを介してアクセスします。データアクセスドライバは、データベースベンダーまたはサードパーティベンダーによって作成されたソフトウェアです。次のタイプのデータアクセスドライバを iPlanet Application Server に設定し、データベースに接続できます。

  • Oracle

  • DB2

  • Informix

  • Sybase

  • SQL Server (Windows)

  • ODBC



    • グローバルトランザクションは、ネイティブ JDBC ドライバではサポートされていません。グローバルトランザクションを使用するには、サードパーティ JDBC ドライバを設定する必要があります。

      iPlanet Application Server 6.0 SP1 では、ネイティブドライバは廃止されています。ネイティブ JDBC ドライバのサポートは、下位互換性を維持する目的に限定されています。

    • データベースドライバでトランザクションをサポートするためには、JDBC 2.0 with Extensions の仕様に準拠するサードパーティ JDBC ドライバを使用する必要があります。



iPlanet Application Server をインストールする前に、データアクセスドライバをインストールしてください。インストールしたドライバは、iPlanet Application Server によって自動的に設定されます。

JDBC 2.0 Extensions 仕様に準拠する サードパーティ JDBC ドライバはすべて iPlanet Application Server でサポートされています。JDBC 2.0 Extensions フレームワークに準拠していないデータベースドライバは、iPlanet Application Server では動作しません。



サードパーティ JDBC ドライバの設定



サードパーティ JDBC ドライバは、アプリケーションサーバのインストール時か、またはインストール後に登録ツールを使って iPlanet に識別させる必要があります。登録は、サードパーティ JDBC ドライバデータソースを使うアプリケーションをハウジングする各アプリケーションサーバインスタンスで行う必要があります。たとえば、iPlanet Application Server の 2 つのノードクラスタを設定し、クラスタ内の両方のノードでアプリケーションを利用できるようにする場合は、各インスタンスでサードパーティ JDBC ドライバを登録する必要があります (既存の iPlanet Type 2 ドライバには同じ必要条件が適用されます)。

この節では次のトピックについて説明します。


インストール時

サードパーティ JDBC ドライバの設定は、カスタムインストールオプションでのみ行うことができます。高速または標準インストールを使う場合は、アプリケーションサーバのインストール後にサードパーティ JDBC ドライバを設定する方法について、次の節を参照してください。

アプリケーションサーバのカスタムインストール時に、iPlanet Type 2 またはサードパーティ JDBC を設定するか、あるいは JDBC ドライバを使わないように選択できます。インストール時には Type 2 ドライバまたはサードパーティ JDBC ドライバのどちらかしか設定できませんが、インストール後に両方のドライバを設定するように選択できます。


インストール後

インストール後に iPlanet Application Server Administration Tool を使ってサードパーティ JDBC ドライバを設定します。

iPlanet はサポートされているネイティブクライアントライブラリの存在を自動的に認識するので、サポートされているデータベースプラットフォームへの iPlanet Type 2 JDBC ドライバの登録は自動的に行われます。

インストール後にデータベースドライバを登録する方法については、『iPlanet Application Server 管理者ガイド』を参照してください。


サードパーティ JDBC ドライバの設定

JDBC は、Javasoft 仕様の標準 API で、Java プログラムから Database Management Systems (DBMS) にアクセスするときに利用します。JDBC API は、次の手順の実行に使用する、いくつかのインターフェイスとクラスから構成されています。

  • データベースに接続するアプリケーションおよびアプレットの作成

  • SQL (Structured Query Language) で書き込まれたクエリの送信

  • 結果の処理

iPlanet Application Server をインストールするときに、ネイティブおよびサードパーティの JDBC ドライバを設定できます。インストール後にサードパーティの JDBC ドライバを設定する場合は、iPlanet Application Server Administration Tool を使用します。

コマンドラインツールを使用してサードパーティドライバを設定する必要がある場合は、「コマンドラインツールを使ってサードパーティ JDBC ドライバを設定する」を参照してください。


動作確認済みのサードパーティドライバ

次の表は、iPlanet Application Server 6.5 で動作することが確認されているサードパーティ JDBC ドライバを示します。


表 8-1    Solaris および Windows で動作確認済みのサードパーティドライバ

ドライバ

プラットフォーム

Oracle 8.1.7 および 81 Type 2 および Type 4 (thin)  

Solaris および Windows  

Merant (Intersolv) SequeLink DataDirect Java 5.1  

Solaris および Windows

(DDJ5.1 がサポートするすべてのデータベース)  

Sybase jConnect for JDBC 5.2 Type 4  

Solaris および Windows  

DB2 JDBC 7.1 client  

Solaris および Windows  

Access to Microsoft SQL Server  

Windows の場合のみ Merant から使用可能  

Informix JDBC v2.1 Type 4  

Solaris および Windows  


サードパーティ JDBC ドライバをセットアップするには

Solaris および Windows でサードパーティ JDBC ドライバを設定するには、次の手順を実行します。

  1. iPlanet Application Server Administration Tool を起動します。

    • Solaris の場合は、iASInstallDir/ias/bin に移動します。

      ./ksvradmin

    • Windows では、「スタート」>「iPlanet Application Server 6.5」>「iAS Administration Tool」を選択します。

      Administration Tool が起動します。

  2. メニューオプションから「データベース」を選択します。

  3. 登録済み iPlanet Application Server の隣の「+」記号をクリックして、すべてのデータベースオプションを表示します。



  4. 「外部 JDBC ドライバ」を選択し、「追加」をクリックします。

    次のダイアログボックスが表示されます。



  5. 設定するドライバのドライバ名を入力します。たとえば、「driver1」のように入力します。

    このドライバ名は、iPlanet Application Server にドライバを識別させるための論理名です。この名前はデータソースの定義を物理ドライバタイプにリンクさせるときに使います。この名前には、ユーザが選択した任意の文字列値を指定できます。たとえば、「driver1」、「ora-type4」、「ora-type2」、「jconnect」 などです。

  6. ドライバのクラスパスを入力します。たとえば、「Oracle_Home/jdbc/lib/classes12.zip」のように入力します。

    ドライバクラス、JAR、または ZIP ファイルへの完全修飾パスです。この zip ファイルには、ドライバのライブラリクラスが含まれています。次の例のように、絶対パスを指定します。

    usr/oraclient/jdbc/classes/lib/classes12.zip

    Windows では、ドライバのクラスパスは D:orantjdbclibclasses12.zip のようになります。

    次の表は一般的な Solaris および Windows の CLASSPATH を示しています。


    表 8-2    一般的な Solaris および Windows の CLASSPATH

    ドライバ

    Solaris の CLASSPATH

    Windows の CLASSPATH

    Oracle Type 2 および 4  

    /oraclient/jdbc/lib/classes12.zip  

    D:orantjdbclibclasses12.zip  

    SequeLink Java 5  

    /sljc/driver/lib/sljc.jar  

    C:sljcdriverlibsljc.jar  

    Sybase jConnect 5.2  

    /jConnect-5_2/classes/jconn2.jar  

    D:jConnect-5_2classesjconn2.jar  

    DB2  

    /DB2DIR/java/db2java.zip  

    D:SQLLLIBjavadb2java.zip  

    Informix  

    /lib/ifxjdbc.jar  

    D:libifxjdbc.jar  

  7. プールされたデータソースのクラス名を入力します。たとえば、「oracle.jdbc.pool.OracleConnectionPoolDataSource」のように入力します。



    このプールされたデータソースクラス名が com.iplanet.ias.jdbc.IASConnectionPoolDataSource の場合は、ドライバに固有の JDBC ドライバクラス名を指定する必要があります。たとえば、「com.pointbase.jdbc.jdbcUniversalDriver」のように指定します。

    このオプションは、iPlanet Application Server に付属する PointBase などのドライバマネージャをサポートするドライバでのみ必要です。

    iPlanet Application Server では、そのようなドライバでプールされた接続をサポートするためのラッパーを提供しています。このラッパーの名前は、com.iplanet.ias.jdbc.iASConnectionPoolDatasource です。



  8. XA データソースのクラス名を入力します。たとえば「oracle.jdbc.xa.client.OracleXADataSource」のように入力します。



    これはオプションであり、グローバルトランザクションを使用する場合に指定する必要があります。



  9. 「OK」をクリックしてドライバ登録プロセスを完了します。

    Administration Tool の「外部 JDBC ドライバ」の下に新しい JDBC ドライバが表示されます。




JDBC ドライバの設定を変更するには

Administration Tool でドライバのプロパティを変更するには、次の手順を実行します。

  1. Administration Tool の左側のペインで、変更するドライバを選択します。

  2. 右側のペインで「変更」をクリックします。

  3. 必要な変更を加えます。

  4. 「OK」をクリックして変更を確定します。


JDBC ドライバの削除

Administration Tool でドライバを削除するには、次の手順を実行します。

  1. Administration Tool の左側のペインで、削除するドライバを選択します。

  2. 「編集」>「削除」をクリックします。

  3. 削除の確認を求められたら、「はい」をクリックします。


コマンドラインツールを使ってサードパーティ JDBC ドライバを設定する

次の節では、サードパーティ JDBC ドライバを Solaris マシンおよび Windows マシンに設定する方法について説明します。


Solaris で db_setup.sh を使ってサードパーティ JDBC ドライバを設定するには

サードパーティ JDBC ドライバを設定するには、次の手順を実行します。

  1. <iasinstall>/ias/bin に移動します。次のスクリプトを実行します。

    db_setup.sh

  2. インストールするドライバを選択します。次のオプションが表示されます。

    1. iPlanet Type 2 JDBC Drivers

    2. Third Party JDBC Drivers

    ネイティブ JDBC ドライバを設定するときは「2」を入力して、Enter キーを押します。

  3. 使用しているマシンで、iPlanet Application Server がインストールされているディレクトリを指定します。たとえば、「/usr/iplanet/ias6」と指定します。Enter キーを押します。

  4. 設定するドライバ数を指定し、Enter キーを押します。

    設定するデータベースクライアントは、同一である必要はありません。

  5. 設定するドライバのドライバ名を入力します。たとえば、「driver1」のように入力します。

    このドライバ名は、iPlanet Application Server にドライバを識別させるための論理名です。この名前はデータソースの定義を物理ドライバタイプにリンクさせるときに使います。この名前には、ユーザが選択した任意の文字列値を指定できます。たとえば、「driver1」、「ora-type4」、「ora-type2」、「jconnect」 などです。

  6. ドライバのクラスパスを入力します。たとえば、「Oracle_Home/jdbc/lib/classes12.zip」のように入力します。

    ドライバクラス、JAR、または ZIP ファイルへの完全修飾パスです。この zip ファイルには、ドライバのライブラリクラスが含まれています。次の例のように、絶対パスを指定します。

    usr/oraclient/jdbc/classes/lib/classes12.zip

    一般的な Solaris のクラスパスについては、表 8-2 を参照してください。

  7. プールされたデータソースのクラス名を入力します。たとえば、「oracle.jdbc.pool.OracleConnectionPoolDataSource」のように入力します。



    このプールされたデータソースクラス名が com.iplanet.ias.jdbc.IASConnectionPoolDataSource の場合は、ドライバに固有の JDBC ドライバクラス名を指定する必要があります。たとえば、「com.pointbase.jdbc.jdbcUniversalDriver」のように指定します。



  8. XA データソースのクラス名を入力します。たとえば「oracle.jdbc.xa.client.OracleXADataSource」のように入力します。



    これはオプションであり、グローバルトランザクションを使用する場合に指定する必要があります。



  9. インストール後、iASInstallDir/ias/env/iasenv.ksh ファイルにドライバの環境変数を設定するように要求されます。


Windows で jdbcsetup.exe を使ってサードパーティ JDBC ドライバを設定するには

ネイティブまたはサードパーティの JDBC ドライバを Windows システムに設定するには、次の手順を実行します。

  1. iASinstallDir/ias6/ias/bin に移動します。次のスクリプトを実行します。

    jdbcsetup.exe.

    次のウィンドウが表示されます。



  2. ドライバのドライバ識別子を入力します。たとえば、「drive2」のように入力します。

    このドライバ名は、iPlanet Application Server にドライバを識別させるための論理名です。この名前はデータソースの定義を物理ドライバタイプにリンクさせるときに使います。この名前には、ユーザが選択した任意の文字列値を指定できます。たとえば、「driver2」、「ora-type4」、「ora-type2」、「jconnect」 などです。

  3. ドライバのクラスパスを入力します。たとえば、「Oracle_Home/jdbc/lib/classes12.zip」のように入力します。

    ドライバのクラスパスは、ドライバクラス、JAR、または ZIP ファイルへの完全修飾パスです。この zip ファイルには、ドライバのライブラリクラスが含まれています。次の例のように、絶対パスを指定します。

    d:¥oracle¥jdbc¥lib¥classes12.zip

    ネイティブ JDBC ドライバを設定している場合、このクラスパスは指定しません。

    iPlanet Application Server はサポートされているネイティブクライアントライブラリの存在を自動的に認識するので、サポートされているデータベースプラットフォームへの iPlanet Type 2 JDBC ドライバの登録は自動的に行われます。



    一般的な クラスパスの例については、表 8-2 を参照してください。

  4. プールされたデータソースのクラス名を入力します。たとえば、「oracle.jdbc.pool.OracleConnectionPoolDataSource」のように入力します。



    このプールされたデータソースクラス名が com.iplanet.ias.jdbc.IASConnectionPoolDataSource の場合は、ドライバに固有の JDBC ドライバクラス名を指定する必要があります。たとえば、「com.pointbase.jdbc.jdbcUniversalDriver」のように指定します。



  5. XA データソースのクラス名を入力します。たとえば「Database.Jdbc.xa.client.DatabaseXADatasource」のように入力します。データベースが Oracle の場合は、「oracle.xa.jdbc.client.OracleConnectionXADataSource」と入力します。

  6. 「Add」をクリックしてドライバを登録します。

    さらに別のドライバを設定することも、あるいは「Cancel」をクリックして処理を中止することもできます。

「OK」をクリックして変更を確定します。


サードパーティ JDBC ドライバのレジストリ設定

iPlanet でサードパーティ JDBC ドライバを登録するとき、次の iPlanet レジストリ設定が表示されます。


ドライバのエントリ

SOFTWARE¥iPlanet¥Application Server¥6.5¥CCS0¥DAE3¥DRIVERS¥<driver name>¥

このキーの下にドライバのクラス名があります。

レジストリキー設定の詳細については、『iPlanet Application Server レジストリガイド』を参照してください。



データソースの設定



データソースには、データベースに接続するときにデータベースドライバに必要な、データベースクライアントに関する情報が含まれています。iPlanet Application Server 6.5 では、Datasource は JDBC コネクションを取得するためのファクトリクラスです。iPlanet ネイティブの JDBC ドライバとサードパーティの JDBC ドライバ、およびサードパーティドライバ実装の PooledDataSourceXADataSource をサポートします。

データソースは、ドライバマネージャのみのサポートを行うドライバに、プールされたコネクションをサポートするためのラッパーを提供します。



データソースを追加する前に、まず、マシンにデータベースドライバをインストールして設定する必要があります。



この節には次のトピックがあります。


新しいデータソースの機能

iPlanet Application Server 6.5 で使用可能なデータソースの新機能は次のとおりです。

  • トランザクションで使用する JDBC コネクションのためのコネクションの共有、およびユーザに返されるコネクションの妥当性検査を実行するメカニズムを提供します。プールが破損すると、自動的に破棄されて新しいプールが作成されます。

  • テーブルベースの妥当性 (オプション)

  • 次に示すようないくつかのデータソースプロパティの動的設定をサポートします。

    • sanityRequired

    • tableBasedSanity

    • tableName



      iPlanet Application Server 6.0 SPx ベースのデータソース XML フォーマットは廃止されています。古いデータソース XML ファイルを新しいファイルに移行するには、Deployment Tool を使用します。

      データソース XML ファイルを 6.5 に移行する方法については、「6.x の配置記述子 XML ファイルを移行するには」を参照してください。




データソースの登録

J2EE JNDI、コネクションプール、およびローカルトランザクションとグローバルトランザクションの管理機能を利用する場合の iPlanet Application Server でのデータソースベースのアクセスにはサードパーティ JDBC ドライバを使用します。



iPlanet による JDBC 統合を行わずにサードパーティ JDBC ドライバを使う必要がある場合は、アプリケーションにドライバを手動で読み込み (通常 DriverManager クラスを使って行う)、正しいコネクション設定をセットアップできるようにします。

正しい CLASSPATH とライブラリパス設定を使ってアプリケーションサーバのランタイム環境を設定します。



アプリケーションサーバでサードパーティ JDBC ドライバを登録したあと、アプリケーションがデータベース管理システムと対話できるように JDBC データソースを定義する必要があります。

この節では、iPlanet Application Server でサードパーティまたはネイティブの JDBC ドライバに関連付けられている JDBC データソースを登録するときに必要な情報について説明します。iPlanet で JDBC データソースを登録すると、Administration Tool からコネクションプール設定を変更できます。

次の節では、外部のサードパーティおよびネイティブの JDBC データベースドライバにデータソースを追加する方法について説明します。


外部 JDBC ドライバにデータソースを追加するには

Type 4 JDBC ドライバなどの外部 JDBC ドライバにデータソースを追加するには、次の手順を実行します。

  1. iASAT を起動します。

  2. iASAT ツールバーの「データベース」をクリックします。

    マシンに設定されているすべてのデータベース接続が表示されます。

  3. 次の図のように、「外部 JDBC データソース」ノードを選択します。



  4. ウィンドウの右側のペインで「追加」をクリックします。次の図のように「外部 JDBC データソース登録」ウィンドウが表示されます。



    データソースを登録すると、この名前で iASAT にノードが作成されます。

    • JNDI 名

      「JNDI 名」はアプリケーションサーバの JNDI ネーム空間内でデータソースを一意に識別します。たとえば、dbc/estore/EstoreDB という JNDI 名は J2EE アプリケーションの ias-web.xml および ias-ejb-jar.xml ファイルの <resource-ref> エントリ内で参照されます。

      <resource-ref> エントリは、J2EE アプリケーションに使われるリソース名をアプリケーションサーバ内で定義された JNDI 名にマッピングします。



      JNDI 名は、追加するデータソースごとに一意の名前を指定する必要があります。



    • ドライバのタイプ

      driver-type はサードパーティ JDBC ドライバに割り当てられた論理名にマッピングされます。

    • ドライバ名

      iPlanet にドライバを識別させるための論理名。この名前はデータソースの定義を物理ドライバタイプにリンクさせるときに使います。この名前には、ユーザが選択した任意の文字列値を指定できます。たとえば、「ora-type4」、「ora-type2」、「jconnect」などです。

    • ユーザ名

      iPlanet がデータベースに接続すると、ユーザ名が RDBMS に渡されます。ユーザ名とパスワードはプログラム上で、またはコネクション URL 上で指定できるので、省略可能です。

    • パスワード

      iPlanet Application Server がデータベースに接続すると、パスワードが RDBMS に渡されます。

  5. 「ベンダー固有のプロパティ」では、JDBC ドライバのベンダー固有のデータを指定します。たとえば、「プロパティ名」に「URL」を指定し、「プロパティ値」をデータベース URL 形式で指定します。



  6. 「OK」をクリックしてベンダーのプロパティ値を確定します。

  7. メイン画面で「OK」をクリックしてデータソースの登録を完了します。


ネイティブデータベースドライバにデータソースを追加するには

データソースを、Type 2 JDBC ドライバなどのネイティブデータベースドライバに追加するには、次の手順を実行します。

  1. iASAT を起動します。Windows では、「スタート」メニューから「プログラム」>「iPlanet Application Server 6,5」>iPlanet Application Server Administration Tool を選択します。

    Solaris では、<iASInstallDir>/ias/bin/ に移動して、次のコマンドを入力します。

    kvsradmin

  2. iASAT ツールバーの「データベース」をクリックします。

  3. ウィンドウの左側のペインで、データソースを追加する iPlanet Application Server インスタンスを選択します。マシンに設定されているすべてのデータベース接続が表示されます。

  4. 次の図のように、「iPlanet Type 2 JDBC データソース」フォルダを選択します。



  5. データソースを追加するには、「データベース」ウィンドウの右側のペインで「追加」をクリックします。

    次の図のように、「iPlanet Type 2 JDBC データソース登録」ウィンドウが表示されます。



  6. 「JNDI 名」フィールドに、データソースの名前を入力します。たとえば、「BankDB」と入力します。データソースを登録すると、この名前でノードが作成されます。



    JNDI 名は、追加するデータソースごとに一意の名前を指定する必要があります。



  7. 「ドライバのタイプ」ドロップダウンリストで、データソースの追加先ドライバを選択します。



    ネイティブドライバの場合は、マシンにデータベースクライアントをインストールする必要があります。



  8. 「データソース」フィールドに、データソースの追加先データベースクライアント依存の関連する値を入力します。データベースとドライバは、この値を使って接続されます。次の表は、iPlanet Application Server がサポートする、データベースタイプの値を示しています。


    表 8-3    データソースの値のリスト 

    データベースタイプ

    「データソース」フィールドの値

    Oracle  

    Oracle データベースの TNS 名。この値は、ORACLE_HOME/network/admin ディレクトリの tnsnames.ora ファイルに格納される  

    Sybase  

    Sybase クライアントがインストールされているサーバの名前  

    DB2  

    任意の文字列値。データベースに接続するときは、この文字列値を、ユーザ名およびパスワードとともに入力する必要がある。  

    Informix  

    このフィールドに値を入力する必要はない。ログインすると、Informix クライアントによって自動的にデータソースが選択される  

  9. 「データベース」フィールドに、データベースの名前を入力します。たとえば、「Oracle」と入力します。Sybase の場合は、複数の Sybase サーバに接続するために、データベース名の前にサーバ名を付ける必要があります。

  10. 「ユーザ名」フィールドに、データベースクライアントをインストールしたときに入力したユーザ名を入力します。

  11. 「パスワード」フィールドに、そのユーザ名に対応するパスワードを入力します。

  12. 「OK」をクリックしてデータソースを登録します。変更を有効にするには、iPlanet Application Server を停止して再起動する必要があります。iPlanet Application Server の開始と停止の詳細については、「iASAT による管理タスクの実行」を参照してください。


Deployment Tool を使ってデータソースを追加するには

Deployment Tool を使ってデータソースを登録するには、次の手順を実行します。

  1. Deployment Tool (deploytool) を起動します。

  2. 「ツール」>「データソースを登録」を選択します。

    次のダイアログボックスが表示されます。

図 8-1    Deployment Tool によるデータソースの登録


  1. データベースドライバパラメータ、コネクションプールパラメータ、およびコネクション妥当性パラメータを入力します。

    これらのフィールドの詳細については、「データソース設定パラメータ」を参照してください。

  2. 「名前を付けて保存」をクリックします。

    新しいデータソース配置記述子の名前を入力します。

  3. 「登録」をクリックします。

  4. 「Register」を選択して、1 つまたは複数のアプリケーションサーバインスタンスを持つデータソースを登録します。


6.x の配置記述子 XML ファイルを移行するには

iPlanet Application Server 6.5 では、データベースコネクションインフラストラクチャの機能が拡張されています。新しい機能を利用し、かつ以前のデータソース設定を使用し続けるには、新しいデータソース XML DTD への移行を行う必要があります。

  1. 「ツール」>「データソースを登録」を選択します。

    データソース登録ダイアログが表示されます。

  2. 「開く」をクリックし、データソース記述子を格納している XML ファイルを選択します。

    Deployment Tool は、古い XML ファイルの値をインポートし、6.5 の XML ファイルで使用可能な新しいフィールドにデフォルト値を追加します。

  3. そのデータソースに対し、デフォルト値を受け入れるか、またはデフォルト値を変更します。

  4. データベースドライバパラメータ、コネクションプールパラメータ、およびコネクション妥当性パラメータを入力します。

    これらのフィールドの詳細については、「データソース設定パラメータ」を参照してください。

  5. 「Save」をクリックします。

    Deployment Tool は、開いているファイルのデータソース配置記述子を、指定した値で上書きします。

    注 : 更新した XML ファイルを別の名前で別の場所に保存する場合は、「名前を付けて保存」をクリックします。

  6. 「登録」をクリックします。

    Deployment Tool は、指定した値でデータソース配置記述子を更新します。これで、このデータソースで iPlanet Application Server 6.5 の新機能を利用できます。


コマンドラインツールを使ってデータソースを追加するには

データソースを登録するには、コマンドラインツールの iasdeploy および regdatasource を使用します。

コマンドラインでデータソースを登録するには、iasdeploy ツールをお勧めします。その例を次に示します。

iasdeploy resreg EstoreDB.xml

ローカルサーバに登録する場合は、resreg コマンドを使うことができます。

resreg EstoreDB.xml


データソース設定パラメータ

これらのパラメータは、JDBC 2.0 仕様に基づいています。これらのパラメータで提供されるプロパティの大部分はオプションです。

次の表は、データソースプロパティの画面に示される各種パラメータを示します。


データソースパラメータ


表 8-4    データソース設定パラメータ

設定パラメータ

説明

デフォルト値

ドライバのタイプ  

ドライバのタイプ (iAS に登録されているドライバの 1 つ)  

なし  

データベース  

サーバ上のデータベースの名前  

なし  

データソース  

サーバ上のデータソースの名前  

なし  

説明  

このデータソースの説明  

なし  

ユーザ名  

ユーザのアカウント名  

なし  

パスワード  

パスワード  

なし  

serverName  

データベースサーバ名  

なし  

NetworkProtocol  

サーバとの通信に使うネットワークプロトコル  

なし  

ポート番号  

サーバがリクエストを受けるポート番号  

なし  

ロール名  

初期 SQL ロール名  

なし  


コネクションプールパラメータ




設定パラメータ

説明

デフォルト値

初期プールサイズ  

プール作成時に取得するコネクションの数  

1  

最小プールサイズ  

maxIdleTime の設定に関係なくプールが保持しなければならない物理コネクションの数

プールが minPoolSize に達すると、 minPoolSize の条件が適用される

minPoolSize の条件はプールが minPooSize の数に達したときにのみ適用されるので、initialPoolSizeminPoolSize よりも小さくすることも可能  

1  

最大プールサイズ  

プールに格納する物理コネクションの最大数

プールが maxPoolSize に達すると、waitQueue が有効になっている場合は、コネクションリクエストはキューに入れられる。
waitQueue が無効の場合は、SQLException がスローされる
 

30  

増分プールサイズ  

プールおよびユーザリクエストのコネクションで使用できる空きコネクションがない場合に取得する物理コネクションの数

プールがすでに maxPoolSize に達している場合は、SQLException がスローされる  

1  

最大アイドル時間  

物理コネクションがプールで使用されない状態が続くときに、そのコネクションを閉じるまでの時間 (秒単位)

この条件は、プール内で使用されていない、または空きコネクションの数が minPoolSize よりも多い場合にのみ適用される  

120  

回復時間  

アプリケーションが使用していたコネクションをプールが要求し直すまでの時間 (秒単位)  

64000  

キューでの待機時間  

コネクションがデータベースで使用可能になるまでプールがキューにコネクションを保持する時間 (秒単位)  

120  

待機キューを有効にする  

コネクションが使用可能になるまでプールが待機するように設定する  

True (有効)  

キューの長さ  

キューに保持されるコネクションの数  

30  

統計コレクションを有効にする  

コネクションプールに関する統計コレクションを有効にする  

Disable  

トレースを有効にする  

コネクションプールプロパティのトレースを有効にする  

Disable  


コネクション妥当性パラメータ


表 8-5    データソースコネクション妥当性パラメータ

設定パラメータ

説明

デフォルト値

TableBasedSanity  

テーブルベースの妥当性を有効にする (true/false)  

False  

IsSanityRequired  

妥当性を有効にする場合に使用する (true/false)  

True  

TableName  

テーブルベースの妥当性を有効にする場合に使用するテーブル名  

ias_table  

すべてのプール設定パラメータを動的に変更できるだけでなく、複数のデータソースのプール設定パラメータを同時に変更することもできます。データソースプロパティの変更の詳細については、「サードパーティデータソースの変更」を参照してください。

このダイアログボックスのパラメータの詳細は、JDBC 2.0 Extensions 仕様を参照してください。

次の表に、データベース URL フォーマットの例をいくつか示します。


表 8-6    データベース URL フォーマット

ドライバ

クラス名

Oracle Type 2 および 4  

jdbc:oracle:oci8:@MyHostString jdbc:oracle:thin:@myhost:1521:orcl

jdbc:oracle:thin:scott/tiger@myhost:1521:orcl jdbc:oracle:oci8:scott/tiger@myhost  

SequeLink Java 5  

jdbc:sequelink://sequelinkhost:19996

jdbc:sequelink://192.168.5.96:19996;user=john;password=whatever

jdbc:sequelink://192.168.5.96:19996;databaseName=stores7

jdbc:sequelink://192.168.5.96:19996;databaseName=pubs;HUser=john;HPassword=whatever

jdbc:sequelink://sequelinkhost:4006;databaseName=pubs;DBUser=john;DBPassword=whatever

jdbc:sequelink:ssl://mysecurehost:9500;cipherSuites=SSL_DH_anon_WITH_3DES_EDE_CBC_SHA

jdbc:sequelink:ssl://mysecurehost:9502;  

Sybase jConnect 5.2  

jdbc:sybase:Tds:host:port  

DB2  

db2:jdbc:dbname  

Informix  

jdbc:informix-sqli://mysecurehost:1528/database:informixserver=my_server  

PointBase 3.5  

jdbc:pointbase://localhost:9092/j2eeguide, max.connections=100  


データソースレジストリ設定

サードパーティ JDBC ドライバに関連付けられているデータソースを登録するとき、

SOFTWARE¥iPlanet¥Application Server¥6.5¥DataSource¥<jndi-name>¥

の下に次の iPlanet レジストリ設定が表示されます。




サードパーティデータソースの変更

登録済みデータソースに関連付けられた各種パラメータを変更するには iASAT を使用します。各データソースについて、次のパラメータを変更できます。

  • データソースパラメータ

  • コネクション妥当性パラメータ

  • コネクションプールパラメータ

一度に 1 つのデータソースを変更するか、複数のデータソースを同時に変更するかを選択できます。一度に複数のデータソースを選択して変更すると、選択したデータソースのグローバルコネクションプールパラメータを設定できます。

次の節では、一度に 1 つまたは複数のデータソースを変更する方法について説明します。


1 つのデータソースを変更するには

1 つのデータソースを変更するには、次の手順を実行します。

  1. iASAT メニューバーから「データベース」を選択します。

  2. 左側のペインで「外部 JDBC データソース」を選択します。



  3. 「データソース選択ボックス」で変更するデータソースを選択します。

  4. 右側のペインで使用可能なプロパティを変更できます。



  5. 変更が完了したら、「変更の適用」をクリックして変更を保存します。


複数のデータソースを変更するには

複数のデータソースを変更すると、複数のデータソースのグローバルコネクションプールパラメータを設定できます。

複数のデータソースを変更するには、次の手順を実行します。

  1. 「1 つのデータソースを変更するには」の最初の 2 つの手順を実行します。

  2. Shift キーを押しながら、変更するデータソースを選択します。

    「データソースパラメータ」の項目がグレー表示になります。



    複数のデータソースを選択するときは、「コネクション妥当性パラメータ」と「コネクションプールパラメータ」のみを変更できます。



    複数のデータソースを選択すると、「コネクションプールパラメータ」の値がデフォルト値に戻されます。



  3. 選択したデータソースに共通する「コネクションプールパラメータ」に必要な変更を加えます。

  4. 変更作業が完了したら、「変更の適用」をクリックして変更を保存します。


データソースの監視

iASAT には、すべてのアクティブコネクションプールの統計情報を収集する機能があります。

特定のデータソースの統計情報を表示するには、iASAT の左側のペインでデータソースを選択します。複数の KJS が設定されている場合は、「エンジン ID」ドロップダウンボックスから、統計情報を表示する KJS を選択します。



管理者は、特定のデータソース用に作成されたコネクションプールの監視、設定、および管理を行うことができます。Administration Tool で、プールの統計を有効または無効にできます。メインのデータソースパネルからだけでなく、この画面でも統計を有効にできます。

プールには 2 種類の統計があります。


現在の統計

「現在の統計」で監視されるパラメータは次のとおりです。

  • プール内のコネクション総数

  • 使用中のコネクション

  • 待機中キューのサイズ

選択したデータソースに関する上記の値は、統計を有効にしているかどうかに関係なく、Administration Tool に表示されます。


累積統計

「累積統計」で監視されるパラメータは次のとおりです。

  • プール内のコネクション総数のピーク値

    • 使用中コネクションのピーク値

    • キューサイズのピーク値

  • キャッシュのヒット数

  • キャッシュのミス数

  • コネクションリクエスト総数

  • ドロップしたコネクション総数

  • 待機後に取得したコネクション

  • 待機後にドロップしたコネクション

  • コネクションが回復しました

  • アイドル時間後に解放されたコネクション

上記のパラメータの値は、統計を有効にすると Administration Tool に表示されます。各パラメータに表示される値は、そのデータソース用に作成されたすべてのプールの累積値です。


詳細な統計情報

「詳細」ボタンをクリックすると、各プールに関する上記すべてのパラメータの詳細を表示できます。このオプションを使用すると、上記のパラメータだけでなく、プール名とプールタイプ (XA、Normal) も表示されます。

Administration Tool で使用できるその他のオプションは次のとおりです。


プールを破壊

「プールを破壊」ボタンを選択すると、コネクションプールを破壊できます。「プールを破壊」オプションは、プールからすべてのコネクションを削除します。


プールをフラッシュ

「プールをフラッシュ」ボタンを選択すると、コネクションプールをフラッシュできます。「プールをフラッシュ」オプションは、プールからすべてのアイドルコネクションを削除します。


データソースを削除するには

データソースを削除するには、次の手順を実行します。

  1. iPlanet Application Server Administration Tool で、削除するデータソースを選択します。

  2. キーボードの Delete キーを押します。

  3. 確認を求められたら「はい」をクリックします。

Administration Tool からデータソースが削除されると、対応するデータソースオブジェクトも初期コンテキストから削除されます。


データソース XML フォーマット

iPlanet Application Server 6.5 で提供される新しい XML フォーマットは、柔軟性があり、標準の JDBC データソースプロパティおよびドライバ固有のデータソースプロパティをサポートします。iPlanet Application Server 6.0 SPx のデータソース登録で使用されていた古い XML フォーマットは、自動的に新しい XML フォーマットに変換されます。変換された XML ファイルは、xmlfilename.new として保存されます。

新しい XML データソースフォーマットの例を次に示します。

コード例 8-1    新しいデータソース XML フォーマット

<ias-resource>

<resource>

<jndi-name>jdbc/dsName</jndi-name>

<jdbc>

<user>admin</user>

<password>admin</password>

<database-url>jdbc:oracle:oci8:@rcl</database-url>

<driver-name>oracle_xa</driver-name>

ポート番号の「<port>1050</port>」などの追加データはここに追加します。

<conn-pooling>

<initialPoolSize>1</initialPoolSize>

<waitQueueEnabled>true</waitQueueEnabled>

<reclaimTime>1200</reclaimTime>

<maxPoolSize>abc</maxPoolSize>

<maxIdleTime>120</maxIdleTime>

<queueLength>20</queueLength>

<trace>false</trace>

<stat>false</stat>

<waitTimeInQueue>120</waitTimeInQueue>

<incrementPoolSize>1</incrementPoolSize>

<minPoolSize>5</minPoolSize>

</conn-pooling>

</jdbc>

</resource>

</ias-resource>

ほかのデータベースベンダーの例は、『iPlanet Application Server 開発者ガイド』に記載されています。


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最新更新日 2002 年 3 月 6 日